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ある日のゲームセンター ~ギタドラ編~

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「おーっす、こなたー」
「やーかがみん、遅かったねー」
これだけ見ると普通の待ち合わせの時の会話だが、場所が場所である。
かがみはゲームセンター、しかも音ゲーのコーナーにいるこなたと話している。
こなたはまだプレイ中だったので、後ろでそれを見ながら暇をつぶしていた。
やがて、プレイが終わったのかこなたがこっちに向かってきた。
「しっかしあんたは相変わらず上手いわね・・・」 と言うと、
「いやー、あたしより上手い人なんてたくさんいるって」 なんて言っている。
さて、なんで私たちがこんなところにいるのかと言うと───

私、柊かがみは友人に貸してもらったゲームと数回ゲーセンに連れてかれた経験で
すっかり音ゲーにはまっていた。今では週一くらいのペースでゲーセンに来ている。
ある日、いつものように音ゲーをやりに来ると、見覚えのある後ろ姿の人がプレイしていた。
───青い癖毛のある長髪の人。
覗き込んで見ると、案の定そいつは───泉こなただった。
こうして、私たちはゲーセンでばったり会ってしまったのである。

「・・・でもあんたがこんなところにいるなんてほんとに意外だわ」
「なんでなんでー?あたしにしてみればかがみのほうが意外だよー」
「だってさ、確かにあんたはゲーム好きだけどインドア派だし、そもそも全く脈絡が無いじゃない」
      • そうなのだ。こなたには音ゲーに関連する要素が無い。
「いやねー、動画見てたら音ゲーの曲が使われててすっかり気に入っちゃってさー、
その曲探してたら音ゲーに行き着いて、やってみたくなっちゃったわけだよー」
なんというか、単純だ。まぁこなたらしいと言えばこなたらしいんだけどね。
『ふーん、そうだったんだ・・・・・」 さして気の無い風を装って答える。
本当は気になるけども。そんな私の対応と気持ちをどこまで汲み取ったのかとりなすように、
「あ、かがみ、空いてるしセッションしない?」 と誘ってきた。
もちろん、断る理由も特に無いので私は、
「いいわよ、早速やろっか」 と言って筐体の方へと歩いていった。


「さて、4曲出来るけどどうする?」 と聞いた。
1回100円、4曲設定の筐体であった。まぁ普通の設定だろう、と思う。
「とりあえず好きな曲2曲ずつでいいんじゃない?」 こなたの提案である。
「いいわよ、じゃあどっちからにする?」 と聞くと、
「んじゃあたしからー」 と選曲を始めた。
      • ちなみに、私はギター、こなたがドラムだ。ろくでもない曲を選ばなければいいが。
長い選曲の末に選んだ曲は─────

───ちゃーちゃーちゃらららーちゃーちゃらららーらーらー・・・・・
こなたが合わせたのは『White tornado』。
「ちょっと、いきなしこれ?」
「別に好きなのなら何でもいいんだよねー?」
      • まぁ、確かにそうは言ったが。って、そういう問題じゃなくて・・・
「あんたは大丈夫なの?」
「じゃなかったら1曲目から選ばないでしょ」
と同時に、こなたはシンバルを叩いた。

「意外ときついわねこれ・・・」
「まぁまぁかなー」
それぞれ感想を言った。自分の画面を見た後、横を見る。私はB、こなたはAだった。
「あんたよくAなんてとれるわね・・・」
「いやー、それほどでも」 謙遜しているがすごい。
───なにせ、私はGUITARのADVANCEDなのにこなたはEXTREMEなんだから。
「じゃあ、次は私ね」
と言って目的の曲を探す。選ぶ曲は決まっていた。


───あの空の向こう君を呼ぶ声がする・・・・・
『WE ARE』を私は選んだ。TЁЯRAの曲の中じゃこれが一番好きだしね。
「おー、ナイス選曲、かがみの趣味がよく出てるなぁー」 とからかわれたので、
「余計なお世話だっ!」 と言って私はSTARTボタンを押した。

2曲目のプレイ中───
後ろでは、数人の学生が見ていた。その中の一人が、
「あれは一体誰なんですか?」
と聞いた。もう一人、常連らしい学生が、
「知らないけど、最近になって突然現れたんだ。見ても分かるけど、上手いんだなこれが」
「うわー、すげーな・・・・・」 と、学生の集団が感心していることなど知らずに───

「まぁ当然ね」 「まーねー」 2人とも判定はSだった。
「かがみって意外とすごいねー、これでSとは」
「同じSとってる奴が言うことじゃないでしょ」
      • 照れを隠すように反論する。まぁOPENのEXTREMEでS取れたのは嬉しいけどね。
「さて、じゃ次はあたしだねー」
と言って選んだのは───

───ちゃらららららららちゃーちゃらちゃっちゃららら・・・・・
こなたが指したのは『Fairy Tales』。 あ、これは知ってる。
「いいわよ、私も好きだし」
と言うとこなたは嬉しそうにして、
「さっすがかがみさま、分かってらっしゃる!むっちゃんの超絶ギターはFIREの時代から・・・」
「・・・あんた、ほんとにいくつよ」
と言って私はボタンを押した。


「うー、やっぱし難しいねー」
「ギターはきついかなー」
私はA、こなたはSだ。
「でもギターでAとれるってそこそこすごいよ」
「そうかなー?」 もっとも、GUITARのEXTREMEだったが。
「さってと、次行くわよー!」
と言って選び始めた私は───

─────かーがーみのーなかにりとぅーぷれいやーぼーくーはー・・・
『Little prayer』。私の多分、一番好きな曲。
「やっぱりかがみはセンスあるねぇ」
「そう?でもいい曲でしょ?」
「まさか自分の名前とかけた選曲とはね」
      • そっちかよ。まぁいいけどね。
「んじゃ、始めよっか───」

誰しも経験があることだろうけど、今の私がそうだった。
『好きな曲ほどクリアが安定しない』 というやつだ。
「・・・・・」
「無理しないでADVANCEDにしとけばよかったのに」
私はC、こなたはSだ。こなたは無難にADVANCED、私は無理してBASSのEXTREME。
「な、何事も挑戦って言うじゃない!それに・・・こなたは大丈夫だと思ったから・・・」
「何もこんなとこでデレを発揮しなくても・・・ま、いっか。それよりかがみん」
「ん?」
こなたは画面を指差す。そこには、『EXTRA STAGE』の文字が。
なんで・・・と思い返す。あ・・・そうか。こなたはA,S,S,Sの順で来てるんだった。
「どっちが選ぶ?」
「順番的にもあんただし私はいいわよ」
ってか言う前に選んでなかったか?
「んー・・・ラストだし何かすごいのがいいかなぁ・・・ラストを飾るならこれか・・・あーどれにしよう!」
何やらぶつぶつ呟いていたが、ある曲に合わせてこちらを向いた。


───ちゃららららーらーちゃらっちゃーちゃちゃーちゃちゃちゃーちゃちゃーちゃー・・・
「・・・・・」
黙っていると、こなたがニヤニヤしながら見てくる。
「・・・こなたさん、これはマジですか?」
「まじまじ」
      • 全く、どうしようもないな。
こなたが選んだのは『Concertino in Blue』。
そりゃ私も好きだけどさ・・・・・
「ってか、リトプレで疲れた私を殺す気か!」
「何事も挑戦じゃなかったっけー?」
「う・・・しかしほんとにインスト好きね」
「むっちゃんのギターは神なのだよ」
その言葉にふと思い当たることがあった。もしかして・・・・・
「・・・泉繋がりですか」
「ま、それもあるっちゃあるのかなー」
とりあえず私は無理せずBASSのEXTREMEにしておく。
「ギターはやってくれないのかな?かな?」
「さすがに無理よ・・・・・って二回も言わなくても」
確かにレベルとしては近いが、ギターとベースでは勝手が違いすぎる。
以前GUITARのADVANCEDをやってみたが、中盤に行かないところで落ちてしまった。
「じゃあさ、BASICでもいいからやってよ」
          • なんだかなぁ。
「なんでそんなにギターにこだわるのよ」
と試しに聞いてみる事にした。
「そりゃもう、むっちゃんのギターが聴きたいからだよ」
またそれか。仕方ないわね、と呟いてGUITARのBASICにする。こなたはADVAMCEDだった。
私は頷いて、こなたがシンバルを叩いた。


「いやー、楽しかったねー」
「私は疲れたわよ・・・」
画面には私はC、こなたはBと表示されていた。実は高速地帯が大の苦手だった。
resultの画面の後、『Thank you for playing!』の文字が出て終了した。
筐体から歩いて戻りながら後ろを見てこなたは、
「ねーかがみー、誰もやらないみたいだったらもっかいやろうよー」
なんてことを言う。
「・・・・・ちょっとは休ませろよ、さすがに疲れたわよ・・・ってあんたは元気ね」
あれだけの曲をやった後にまだ元気とは、どういう体力してるんだ?
「ま、普段からそれなりに鍛えてるからねー」
私も少しは体力つけるか、と思った。そうでもしないとこいつのろくでもない選曲に体力が持ちそうにない。
「んじゃさー、今度はつかさやみゆきさんも連れてこない?」
なるほどそれは名案・・・と一瞬思ったが、あることに気づいた。
「二人は私たちとはやるものが違うじゃない」
          • そうなのだ。つかさは主にポップンだし。まぁみゆきはどれでも出来るみたいなことを言っていたが。
「みんなでわいわいやれば大丈夫でしょ」
まぁ確かにそうだ。多人数でいればいるだけ盛り上がるだろう。でも賛成したくなかった。
こなたと二人の時間が減ってしまうし。二人でいるほうが絶対楽しいなんてことを考えてしまったから。
そんな微妙な気持ちもあってか、
「・・・・・そうね」
と微妙な気持ちが声色に出てしまった。しまった、と思い隣を横目で見ると、
案の定こっちを不思議そうな顔で見ている。椅子に歩み寄って座り、何でもない、いうことを示す。
その行動をどうとったのか分からないが、こなたも隣に腰を下ろす。何も聞いてこないようだったので、
少し考え事をすることにした。しばらく時間が経った後、隣で遠くを眺めていたこなたが言った。
「ねぇ、次はビーマニやらない?」



ある日のゲームセンター ~ビーマニ編~  に続く?













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