今日は確かになにもない日だ。
収録も、その他の仕事も、何にもない日だ。
収録も、その他の仕事も、何にもない日だ。
だからといって、
学校を休んではいかんだろう。
(しかも義務教育だろうよ)
学校を休んではいかんだろう。
(しかも義務教育だろうよ)
部屋には一人、女の子がベッドで幸せそうに寝ている。
パジャマ代わりの長袖のTシャツは捲れ、おへそがみえている。
しかし本人は気付かない。
パジャマ代わりの長袖のTシャツは捲れ、おへそがみえている。
しかし本人は気付かない。
「すぴー…すぴー…ふにゅ」
その寝息はいかがなものか。
―――――
こちらは一方…
この部屋の主も、やはり収録もバイトもない日を送っていた。
この部屋の主も、やはり収録もバイトもない日を送っていた。
だからといって、
学校を休んではいかんだろう。
(出席日数は足りるのだろうか)
学校を休んではいかんだろう。
(出席日数は足りるのだろうか)
なにもないと言っても、机とベッド、周りに教科書と台本が転がっている。
そんな部屋。
そんな部屋。
布団をかぶり、枕を抱いて寝てるのはどうかと思う。
―――――
ふと、彼女は目を覚ました。
時計の短針は、11の場所を指している。
時計の短針は、11の場所を指している。
「ん…こんな時間…か…」
学校はどうしたんですか。
「おなかすいたなぁ…」
眠い目を擦って起き出す。
下の階に降りる。
なんの物音もしないようだ。
下の階に降りる。
なんの物音もしないようだ。
「なぁんだ、ママまた居ないんだ…」
少しだけ、その少女は残念そうに言う。
「なに食べようかな…」
「あっ」
彼女の頭上には電球が煌めく。
ダッシュで自分の部屋に戻り、携帯を引っ掴む。
彼女はアドレスからサ行を探し、該当の電話番号を見つける。
「白石 みのる」
ダッシュで自分の部屋に戻り、携帯を引っ掴む。
彼女はアドレスからサ行を探し、該当の電話番号を見つける。
「白石 みのる」
―――――
その男は、聞き慣れた音楽で目を覚ました。
個別に着信音を変えてる人だから、この音楽は、この人しか居ない。
曖昧ネットだーりんを、着信音にしてるのは。
個別に着信音を変えてる人だから、この音楽は、この人しか居ない。
曖昧ネットだーりんを、着信音にしてるのは。
「小神あきら」やっぱり。
「あきら様…おはようござ」
「あっ白石?おはよ!学校は?ないの?そんでね、」
「あっ白石?おはよ!学校は?ないの?そんでね、」
人の話は聞かないようです。
「ご飯。」
「ふぇ…?」
電話から聞こえる、高めの男のちょっと抜けた声に、彼女は笑ってしまう。
「ふぇ…?」
電話から聞こえる、高めの男のちょっと抜けた声に、彼女は笑ってしまう。
「白石~?起きてる?」
「今起きた…ばっかりで…」
「んじゃ、ウチに来てーご飯作って?」
「あの、僕は家政婦じゃな」
「じゃーねー」
「今起きた…ばっかりで…」
「んじゃ、ウチに来てーご飯作って?」
「あの、僕は家政婦じゃな」
「じゃーねー」
ぷちっ
そして再び訪れる静寂。
彼女は無音が嫌いだった。
なにもないことが、嫌だった。
彼女は無音が嫌いだった。
なにもないことが、嫌だった。
「誰も、いない…」
彼女はテレビをつける。
人の声。色。光。
今は、それすらも虚しく思えた。
人の声。色。光。
今は、それすらも虚しく思えた。
「まだ…かな…」
明かりもつけず、彼女はその場に座り込む。
近くに転がっていた、ピンクのうさぎを手にとってみても、
その寂しさは変わらなかった。
近くに転がっていた、ピンクのうさぎを手にとってみても、
その寂しさは変わらなかった。
「まだ…かなぁ…」
―――――
男はとりあえず急いでいた。
あの状況から、彼はシャワーを浴び、身なりを整え、自転車で出発した。
今日は全くの私服だ。
色の濃いジーンズが、最近のお気に入り。
黒いジャケットは何にでも合う。
中に長袖のTシャツ、というなんとも普通の格好だが、気にしない。
あの状況から、彼はシャワーを浴び、身なりを整え、自転車で出発した。
今日は全くの私服だ。
色の濃いジーンズが、最近のお気に入り。
黒いジャケットは何にでも合う。
中に長袖のTシャツ、というなんとも普通の格好だが、気にしない。
電車に乗って
彼女の最寄り駅で降りたら、
そこからはこっちのものだ。
彼女の最寄り駅で降りたら、
そこからはこっちのものだ。
徒歩10分。その位置にこの家は存在する。
一戸建てのこの家には、表札がない。
だが彼は何の迷いもなく。
一戸建てのこの家には、表札がない。
だが彼は何の迷いもなく。
「ぴんぽーん」
たたた、と中で小走りする音が聞こえる。
「いらっしゃ~い」
「おはようございます」
「おはようございます」
ささっとドアを閉め、彼は靴を脱ぐ。
ついていなかった電気をつける。
にっ、と笑う彼女につられて彼も笑う。
ついていなかった電気をつける。
にっ、と笑う彼女につられて彼も笑う。
「ご飯、作って?」
「何があるんですか?」
「わかんない」
「言うと思った…」
「何があるんですか?」
「わかんない」
「言うと思った…」
くすくすと2人で笑う。
暖色系の光は、暖かかった。
彼女は寂しさは、いつの間に消えていた。
暖色系の光は、暖かかった。
彼女は寂しさは、いつの間に消えていた。
―――――
お昼は結局炒飯だった。
残り物で作るのは、彼の得意とするところなのだ。
残り物で作るのは、彼の得意とするところなのだ。
「おなかいっぱーい!」
「ふぇー!美味しかったですか?」
「まだまだだな!」
「マジですか…!」
「精進したまえ~」
「ふぇー!美味しかったですか?」
「まだまだだな!」
「マジですか…!」
「精進したまえ~」
―――――
とおっ!
と二人で一緒に、ベッドに飛び込む。
と二人で一緒に、ベッドに飛び込む。
久しぶりにこんなことしたかもしれない。
彼はこのふかふかのベッドが、好きだ。
なによりも、こうやって2人で居られる時間が好きなのだ。
彼はこのふかふかのベッドが、好きだ。
なによりも、こうやって2人で居られる時間が好きなのだ。
彼女はにこにこと笑っていた。
それまでの寂しさはどこへやら、
二人でいる時間がそんなにもよかったのか、
彼女は笑っていた。
それまでの寂しさはどこへやら、
二人でいる時間がそんなにもよかったのか、
彼女は笑っていた。
「白石ー」
「なんですか?」
「なんですか?」
ベッドの上で横たわる。
彼と彼女の間には、5cmの隙間がある。
彼と彼女の間には、5cmの隙間がある。
「……ありがとうね」
「どういたしまして…」
「どういたしまして…」
手を繋ぎ、向かい合って、おでこをくっつける。
二人でいる安心感からか、
10分もしないうちに、2人分の寝息が聞こえてきた。
二人でいる安心感からか、
10分もしないうちに、2人分の寝息が聞こえてきた。
ふたりのじかんに
きみがいれば、
それだけでしあわせ。
きみがいれば、
それだけでしあわせ。
それから、
どうなったのかは、
ないしょっ
どうなったのかは、
ないしょっ
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- らっきーちゃんねる再開しないかなー -- 名無しさん (2015-01-10 22:36:20)
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- 砂吐いた -- 名無しさん (2010-05-21 03:56:29)