(ナレーション:広中雅志)
「ここはとある高校の教室。一見どこにでもありそうな普通の教室である。
と、ここで二人の少女が何やら青い髪の少女を教室から連れ出そうとしている。
一体どうしようというのだろうか?
しぶしぶ二人の手に引かれて教室を出る少女。
と、次の瞬間!
なんと、少女は突然意識を失ったように脱力してしまったではないか!
彼女の傍らにはクロロホルムの瓶を手にほくそ笑む少女が二人。
これにはクラスメイト達もびっくり。
と、ここで二人の少女が何やら青い髪の少女を教室から連れ出そうとしている。
一体どうしようというのだろうか?
しぶしぶ二人の手に引かれて教室を出る少女。
と、次の瞬間!
なんと、少女は突然意識を失ったように脱力してしまったではないか!
彼女の傍らにはクロロホルムの瓶を手にほくそ笑む少女が二人。
これにはクラスメイト達もびっくり。
実はこれ、本日行われる誕生日イベントへの強制連行なのである。
学校帰りはゲマズその他をハシゴする少女に対して採られた苦肉の策なのだ。
……しかしそれにしてはこの少女達、ノリノリである。
学校帰りはゲマズその他をハシゴする少女に対して採られた苦肉の策なのだ。
……しかしそれにしてはこの少女達、ノリノリである。
今回は罠にハメられた一人の少女の不幸な一日をお送りしよう」
『5月28日、あんらっきーでい』
「お、おぉぉぉ……!?」
数時間後、こなたは見知らぬ場所で目を覚ました。
「ここはどこ! 私は誰!」
こんな時もお約束を忘れないあたり、流石は泉こなた。
俺達に出来ないことを平気でやってのける。そこに痺れる、憧れる。
とりあえず起き抜けの一発を済ませたこなたは、冷たい壁から体を離すべく立ち上がろうとする。
俺達に出来ないことを平気でやってのける。そこに痺れる、憧れる。
とりあえず起き抜けの一発を済ませたこなたは、冷たい壁から体を離すべく立ち上がろうとする。
「よっこらしょ───ってうわっ!?」
実はこなた、物々しい鎖で手足を拘束されていたのである。
新たな現状を把握したこなたは、またしもネタを一発かますべく思考を回転させた。
新たな現状を把握したこなたは、またしもネタを一発かますべく思考を回転させた。
「緊縛女子高生っ!」
ブームは既に去っていた。
が、その叫びが誰かに届いたのか、静止した闇の中で動くものがあった。
が、その叫びが誰かに届いたのか、静止した闇の中で動くものがあった。
「あら、ようやくお目覚め?」
闇の向こうから届いた声をこなたは知っている。
「かがみ……?」
現れた姿はツインテールの同級生のもの。
しかし、その表情にこなたは違和感を覚えた。
いつも、かがみが自分に向ける態度とは何かが違うと、直感が告げているのだ。
逃げろ、と心は言う。
だが今は動けない、それが定めだった。
しかし、その表情にこなたは違和感を覚えた。
いつも、かがみが自分に向ける態度とは何かが違うと、直感が告げているのだ。
逃げろ、と心は言う。
だが今は動けない、それが定めだった。
「───こなた」
傍らに立ったかがみは神妙な面もちでこなたを見下ろしている。
一体何が始まるんだろうか───こなたがそう思った次の瞬間、そこには信じられない光景が。
一体何が始まるんだろうか───こなたがそう思った次の瞬間、そこには信じられない光景が。
「……んっ!」
「───!?」
「───!?」
キスである。
それもただのキスではない。
ズキュゥゥゥゥン! と効果音が付属してきそうな、情熱的なキスである。
それもただのキスではない。
ズキュゥゥゥゥン! と効果音が付属してきそうな、情熱的なキスである。
「ん、んんんぅ!」
かがみの唇はこなたのそれに押しつけられ、ちゅうちゅうと水音を響かせている。
それは正に精魂を吸い尽くそうと言わんばかりの勢いで、
こなたはその現実離れした感覚に意識を彼方に飛ばされそうになりながらも何とか耐えていた。
それは正に精魂を吸い尽くそうと言わんばかりの勢いで、
こなたはその現実離れした感覚に意識を彼方に飛ばされそうになりながらも何とか耐えていた。
「ん、ぷはっ……!」
長いキスが終わる。
唇と唇が唾液の糸を引いて、静かに途切れた。
唇と唇が唾液の糸を引いて、静かに途切れた。
「かがみ、どうしてこんなこと……」
「……ねぇ、こなた。ギャルゲーに詳しいあんたなら解るわよね?」
「……ねぇ、こなた。ギャルゲーに詳しいあんたなら解るわよね?」
こちらを無視してかがみが問い掛ける。
質問を質問で返すな、と言いたいところだったが、
相変わらずの異様な雰囲気に気圧され、こなたは何が、とだけ返した。
質問を質問で返すな、と言いたいところだったが、
相変わらずの異様な雰囲気に気圧され、こなたは何が、とだけ返した。
「主人公のことよ。それも学園もので、ハーレムなやつ。
そういう主人公にありがちなことって、何?」
そういう主人公にありがちなことって、何?」
簡単な問いだ、とこなたは思う。
その自信に偽り無く、洗練されたこなたのヲタク脳はすぐさま正答を導き出した。
鈍感で朴念仁。ヒロイン側のアプローチにもなかなか気づかない───。
それが『ハーレム型主人公によくあること』。ばーいムルアカ。
その自信に偽り無く、洗練されたこなたのヲタク脳はすぐさま正答を導き出した。
鈍感で朴念仁。ヒロイン側のアプローチにもなかなか気づかない───。
それが『ハーレム型主人公によくあること』。ばーいムルアカ。
「───そう、そうよね。あんたなら解るわよね。
答えは『鈍感であること』。正解よ、こなた」
答えは『鈍感であること』。正解よ、こなた」
あれぇ、まだ私何も言ってないんですけど。
もしかしてアレか。気づかないうちに声に出てたという奴なのか。カノン万歳。
もしかしてアレか。気づかないうちに声に出てたという奴なのか。カノン万歳。
「ねぇ、こなた───あんた、自覚ある?」
「何が?」
「あんたが笑う主人公の鈍さ。でも、実は自分もそうだってことに」
「へ……っ!? わ、私が?」
「そうよ。だって私があんな解りやすいアプローチしても気づかないんだもの」
「そーなのかー……何だか意外な自分を発見した気分」
「……ほら、気づかない」
「へっ? 今何か言ったの?」
「………」
「何が?」
「あんたが笑う主人公の鈍さ。でも、実は自分もそうだってことに」
「へ……っ!? わ、私が?」
「そうよ。だって私があんな解りやすいアプローチしても気づかないんだもの」
「そーなのかー……何だか意外な自分を発見した気分」
「……ほら、気づかない」
「へっ? 今何か言ったの?」
「………」
かがみは黙ったまま立ち上がり、こなたに背を向ける。
そのまま部屋の中を歩き、止まり、また歩き。
その居たたまれない空気に、思わずこなたはかがみに声を掛けていた。
そのまま部屋の中を歩き、止まり、また歩き。
その居たたまれない空気に、思わずこなたはかがみに声を掛けていた。
「あ、あの、かがみ……」
「……ねぇ、こなた。今までこの国で普通に暮らしてきたならちゃんと答えて。
キスってどういう人にするものなの?」
「そりゃあ、好きな人に───ハッ!」
「……つまりは、そういうことよ」
「……ねぇ、こなた。今までこの国で普通に暮らしてきたならちゃんと答えて。
キスってどういう人にするものなの?」
「そりゃあ、好きな人に───ハッ!」
「……つまりは、そういうことよ」
そっぽを向くかがみ。だが、垣間見える頬は暖かな色を宿している。
「……かがみんが、私を好き?」
「そういうことよ。何度も言わせないで」
「そういうことよ。何度も言わせないで」
そんな馬鹿な、と思う一方で、思い当たる節が無くもない。
「でね、こなた。あんたに勿体付けられて、こっちとしてはいい加減我慢の限界が来てるわけよ」
身を翻してこなたの方へ歩いてくるかがみ。
再びこなたの前へ舞い戻ってくると、しゃがんで彼女に顔を近づけ、
再びこなたの前へ舞い戻ってくると、しゃがんで彼女に顔を近づけ、
「……ぶっちゃけて言うとね、溜まってきちゃったのよ」
「せ、性欲をもてあます?」
「そう、それ」
「せ、性欲をもてあます?」
「そう、それ」
よっこらしょ、と立ち上がるかがみ。
こなたを見下ろし、嗜虐的な笑みを浮かべる。
こなたを見下ろし、嗜虐的な笑みを浮かべる。
「あんたはこれから1日中、あんたを想う人に貪られ続ける。
自分自身の鈍さが生んだ結果よ。謹んで受けなさい?」
自分自身の鈍さが生んだ結果よ。謹んで受けなさい?」
かがみの言が終わると同時、よりかかっていた壁が振動を始める。
「ああ、忘れてたわ───」
しかしかがみは動揺すらなく、涼しい表情でそこにいる。
「あんたを思いのままにしたいと思ってるのは、別に私だけじゃないんだからね」
噛み合っていた壁と壁が綻び、紙のように倒れた。
<『みゆき・つかさ編』へ続く>
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- GJ!! -- 名無しさん (2023-01-12 18:37:24)