「ファンタジーは『幻を想う』と書くのよ。……夢見がちなのもいいけど、もういい年なんだからほどほどにしときなさい」
柊かがみは、現実主義者(リアリスト)である。
幼くして姉の矜持に目覚めた彼女は、つかさにとっての「いい姉」であるべく努力を重ねた。
その甲斐あって、彼女は幼い頃からしっかりとした価値観やものの見方を身につけた。
しかしそれは、少女が持ってしかるべき憧れや無邪気さを、彼女自身をして抑え込ませてしまうことになっていた。
幼くして姉の矜持に目覚めた彼女は、つかさにとっての「いい姉」であるべく努力を重ねた。
その甲斐あって、彼女は幼い頃からしっかりとした価値観やものの見方を身につけた。
しかしそれは、少女が持ってしかるべき憧れや無邪気さを、彼女自身をして抑え込ませてしまうことになっていた。
「サンタクロースですか? ……そうですね、幼稚園の年長組になった頃までは信じていましたけれど……」
高良みゆきは、現実主義者(リアリスト)である。
幼くして知識欲に目覚めた彼女は、中学校に上がる頃には、大人も舌を巻くいっぱしの博識少女となっていた。
しかしそれは、少女が持ってしかるべき夢や幻想を、容赦なく打ち砕いてしまうことになっていた。
幼くして知識欲に目覚めた彼女は、中学校に上がる頃には、大人も舌を巻くいっぱしの博識少女となっていた。
しかしそれは、少女が持ってしかるべき夢や幻想を、容赦なく打ち砕いてしまうことになっていた。
ふたりは、現実主義者(リアリスト)である。
この世界は、悪意に満ちているということを。
ファンタジーなど、所詮絵空事に過ぎないということを。
奇跡など、決して起こりえないということを。
この世界は、悪意に満ちているということを。
ファンタジーなど、所詮絵空事に過ぎないということを。
奇跡など、決して起こりえないということを。
……ふたりは、若くして悟っている。
「ん……んふっ……みゆき……」
「ふぅ……、んっ…… ……かがみさん……」
「ふぅ……、んっ…… ……かがみさん……」
人気もなく静まり返った、美術準備室。
夕陽に染め上げられた、暖かいオレンジ色の中で、
今日もふたりは、身体を合わせる。
夕陽に染め上げられた、暖かいオレンジ色の中で、
今日もふたりは、身体を合わせる。
「……かがみさん……かがみさん……」
「……みゆき……かがみって呼んで……」
「……みゆき……かがみって呼んで……」
ふたりは、現実主義者(リアリスト)である。
……だからこそ、ふたりは知っているのだ。
……だからこそ、ふたりは知っているのだ。
「あぁっ……好きです、かがみ……かがみぃ……」
「……私もよ……好きよ、みゆき……」
「……私もよ……好きよ、みゆき……」
この想いは、幻想でも奇跡でもない……
――まぎれもない、真実なのだと。
― Fin. ―
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- こういう短くて落ち着いたのもいいなあ -- 名無しさん (2009-04-30 20:45:50)
- ↓書いてよ
4人6通りの組み合わせで一番数が少ないんだよ
それだけ難しいんだろうけど -- 名無しさん (2008-04-28 00:23:53) - 私はこの二人の絡みを書こうとしていたものの
己の文章力のなさ故頓挫していたので
氏にはGJを送らざるを得ないです! -- 名無しさん (2008-04-27 16:54:19)