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こな☆よめ

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月曜日、誰もが休日を引きずって気だるい通勤、もしくは通学をしている中。
「今日は何の日、フッフー」
「……ど、どうしたのよこなた、そんな旧版おもいっきりテレビの名コーナーの歌なんて歌っちゃって」
登校中、つかさ達と合流したこなたがあのジングルを歌い始めたのだ。……それがわかるかがみもかがみだが。
「アレを名コーナーと言い張るか。……それはともかく、今日は何の日でしょうか?」
「……七夕、だよね」
「惜しい。惜しいよつかさ。ほら、よく考えて?今日は何の日?7月7日だよ?」
「……もしかして、お二方の誕生日ではないでしょうか?」
「ザッツライト!その通りですよみゆきさん!きょうはかがみとつかさの誕生日じゃん」
みゆきの言葉に最高の笑顔を決め、サムズアップするこなた。それを見たかがみはああ、と呟く。
「なんだ、こなたでも私達の誕生日を覚えていてくれたんだ。……そっか」
「こなたでもとは失礼な。嫁の誕生日を忘れるわけないでしょう?」
「誰が嫁だ、誰が」
と、いつもの掛け合いの後につかさが話の続きを始めた。
「こなちゃん、ありがとー。私達の誕生日を覚えてくれてたんだー」
「いやいや。……あ、そうだ。放課後、というか夕方辺りにプレゼントを渡すからさ。予定空けといて」
「……また唐突だな、おい」
呆れ半分、驚き半分でかがみがこなたの方を見ると、悪戯を考えている時のニマニマとした笑いが浮かんでいた。
……かがみの胸の奥に、嫌な予感がしこりとなって残る。
「……アンタ、また何かたくらんでるんじゃないだろうな?」
「べーつーにー?」
未だに消えぬニヤニヤ笑いに一抹の不安を残しつつ、かがみとつかさ達は教室の前で分かれる事になった。


  『こな☆よめ』


そして、時は過ぎていきなり放課後。
「やふー、かがみーん」
何やら大きな袋を持ったこなたが、かがみのいるクラスに突撃した。
「……って、何よその大きい袋」
「プレゼントの仕込だよー。んっふっふ、待っててねかがみ。物凄くびっくりするだろうから」
「こなた、やけに楽しそうだけど……そのプレゼントって何?」
またこなたのにやけ顔のせいでなんとなく先が不安になってしまう。とりあえずどんなプレゼントなのかを聞くことにした。が……
「……禁則事項ですっ☆」
まるで『手屁っ』とでも言いたげなこなたの返しに、かがみの額に青筋が一個浮かぶ。
「期待しないでおくわ」
「そんな事言っていいのカナー?このプレゼントはかがみとつかさ二人のためのプレゼントなんだけど……かがみが要らないなら自動的につかさだけのものに」
「なっ、なによその理論!?」
口では悪態をつきつつも、実はこなたのプレゼントに期待していたかがみだが、予想外の台詞に戸惑ってしまう。
「あれー?いらないんじゃなかったの?期待しないって言ったじゃん」
「するわよ!今から期待してあげるから!……で、どんなプレゼントなの?」
「さっき言ったじゃん。『禁則事項』って」
「……要は『その時が来るまで答えられない』って事?」
こなたの台詞の元ネタを考えるに、そういう事なのだろう。
「そゆこと。……ああ、かがみんの驚く顔が目に見えるなぁ……そしてツンデレ風に『う、嬉しくなんて、ないん、だから……』とか言うのが頭の中に鮮明に浮かぶヨ」
「……もういいから黙っててくれ」
とにかくつかさ達と合流し、いつもの四人のメンバーで帰る。
「お姉ちゃん、こなちゃんからのプレゼント、すっごく楽しみだね」
すでにプレゼントの話聞いていたのか、かがみに会って早々つかさが告げた。
「私は嫌な予感しかしないけどな……」
はあ、とこれ見よがしにため息をつき、かがみはひとりごちる。
「まあ、そういうわけで。今日はかがみとつかさの家に泊まるからさ」

「……はぁ?」

やっぱり。嫌な予感が当たったよとでも言いたげな顔でかがみは間の抜けた声を出す。
「というかもう準備は万端だから、後はかがみ達の家で決行するのみなんだよ」
「わー、すごいやこなちゃん。……でも、なんで私達の家なの?」
「……そ、そうよ。別にこなたの家でも……」
つかさの言葉に乗って質問しようとしたが、すぐに口を止めるかがみ。かわりにため息をつき、こう発した。
「アンタの事だからまた『禁則事項です』なんて言うつもりでしょ?」
「おー、さっすがかがみん。その通りだヨ」
「えー?何で教えてくれないの?」
「……それは当日のお楽しみ、だよ。つかさ」
ふっふっふ、と笑いながらのこなたの言葉に、つかさは首をかしげる。

「あの、私の台詞は……?」

         ***   ***

さて。駅にてみゆきと別れて電車に揺られ。やってきました柊家。
「って、一回帰らないのかよ」
「うん。おとーさんもいないし。今日はゆーちゃんに友達呼んで良いよって言ってあるから大丈夫」
かがみの部屋にてそんな会話が行われていた。つかさは現在一階に降りている。
「ゆたかちゃんがかわいそうじゃないの……」
「ゆーちゃんも喜んで送り出してくれたけどね。『柊先輩の所になら行ってもいいですよ』って」
むしろ一日泊まって来いって言われてネ、と言うこなたに、ダメじゃんアンタ、と返すかがみ。
「まあ、ゆーちゃんも思う所があるんだろうね。私の同人誌何冊か持って行ってるし」
「……ゆたかちゃんがオタクに染まらない事を祈るわ」
オタク以上の何かに染まっているとはつゆ知らず、目の前にいるゆたかのダメ従姉を見た後に遠い目をするかがみ。
「うわ、今日はいつになくストレートだね……」
さすがに傷付いたか、こなたが縦線をバックに背負ってしまった。
「で、本当に泊まって行くの?それならそれでいろいろと必要だし……」
「うん。もうゆーちゃんにも電話で言ってあるから」
電話?……やっぱり心配になったのか、とかがみは感心した。
「……電話の向こうで時々ひよりんらしき声で『先輩、助け――』とか『あっ、あひ――』とか聞こえてきたのは気にしなかったことにしておいて」
「気にしろよ!ソレ襲われてるよ!」
前言撤回。ダメだこの従姉。大声で絶叫した後にかがみは頭を抱えた。
「お姉ちゃーん、お母さんがこなちゃんのご飯どうするってー」
一回で母親のみきにこなたが泊まる旨を告げていたつかさが帰ってきた。
「こいつには猫まんまでいいわよ。というか白飯すら出すのも惜しいわ」
「そんなぁっ!?」
「……お願い、しておくね」
冷徹な姉の発言とそれにマジで涙する友人を見て、つかさはもう一度一階に下りていった。

         ***   ***

夕食も終わり、勉強でも始めるか、とかがみが机に向かおうとした時。
「かがみー」
下で洗い物をしていたこなたが部屋のドアをノックした。……また『ゲームでもしよー』とか言うんじゃなかろうな、と思いつつ、ドアを開ける。
「やふー」
「……何の用?私、これから勉強しようとしてた――」
かがみの台詞は、腹部への衝撃で意識ごと奪われてしまった。

  ――ごめんね、かがみ――

そんな声が聞こえた気がするが、それ所ではなかった。何故こなたが自分を気絶させなきゃいけないんだ……その思考も、闇に落ちる。













      ――よし、これで――
  ――準備、終わ――        ――だよ、こな――

    ――あらあら、似――

             ――おおう、二人も――


     ――かがみ、つかさ――

声が、聞こえる。かがみ達を呼ぶ声が。それに答え、ゆっくりと目を開けると……

「…………こな、た?」

こなたがいた。……先ほどと違い、今は純白のドレスに身を包んでいる。
「ごめんね、かがみ。手荒な真似しちゃって……起きてたら感づかれるかもしれないから、さ」
「……う、うーん……あ、あれ?こなちゃん?どうしちゃったのその格好」
声に気付き、横を見れば……タキシード姿のつかさがいた。
「って、つかさも人の事言えないじゃないの」
「あれ、お姉ちゃん……え?お姉ちゃん、なんでタキシードなんか着てるの?」
「へ?」
そう言われ、かがみは自分の姿を見る。……確かに、かがみもタキシードを着ていた。
「ど、どういう事なのよ……説明してくれる?」
「何がなんだか、チンプンカンプンだよ……」
首をかしげる二人に、こなたがネタばらしを始めた。

「だから……プレゼントは私、だよ」

「……えっ?」
「こなたちゃん、今日のこの企画のためにうちに来たらしいのよ」
と、みき。次にいのりが続く。
「ちょうど夕食の後にね。こなたちゃんに私達が呼び出されて……この事の説明を受けたわけ。私達も二つ返事で承諾したわ」
「お父さんは仲間はずれになって寂しがってたけどね。……年頃の娘の着替えなんだからって無理矢理納得させたけど」
まつりが続いて話す。……そこまで来て、ようやくかがみの頭が回りだし、状況を飲み込み始めた。
「つ、つまり……こなたの仕掛けた企みって……」
「うん。私とかがみとつかさの似非結婚式。……わかったなら、ほら立って立って」
それぞれにこなたの手が差し出され、その手を掴んで立ち上がる。
「かがみ達の家って神社だから、和風の方がいいかなと思ったけど……服が手に入らなかったんだよね」
「服が……って、じゃあアンタのそのドレスは?」
「……お母さんの、なんだ。おとーさんと結婚したときに、本当は式を挙げたかったらしくてね。だからこのドレスは今日初めて使われるんだよ」
くるりと回るこなたを見て、かがみはんー、と頭を掻く。
「……どうしたの、お姉ちゃん」
「いや、いいのかなーって。こなたのおばさんも使ってなくて、そんなものをこんな偽の式で使っちゃって……」
「いいんだよ。私にとっては偽りでも大事な事なんだもん」
そう言って、こなたは微笑む。……その柔らかな笑顔に、かがみの心臓が高鳴った。
「うわー、すごく似合ってるよ、今のこなちゃん」
「……ありがと。それじゃあ、一緒に歩こうか」
こなたが腰に両手を当てて、二人分の腕を通す場所を作る。つかさはそれにすぐに腕を通すが、かがみは固まったままだ。
「……お姉ちゃん?」
「へ、な、なに?」
「もー、何固まってんの、かがみってば。ほら、腕通して」
「あ、ごめん……」
遅れてかがみも腕を通し、三人は歩き出した。
「こうやってると、本当の新郎新婦みたいだね」
「……ちょっと背徳的だけどネ」
普通は新郎が二人なんて事はありえない。
「かがみ。このプレゼント、受け取って嬉しかった?」
その質問に答えようとして、朝の会話を思い出した。……癪に障るけど、その通りにしてやろうじゃないの。と、かがみは『あの答え』を口に出して、こなたに答えてやった。


「う、嬉しくなんて、ないん、だから……」





















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  • 手屁っ→アナルから噴射→まさか…→アッー -- 名無しさん (2008-07-21 22:44:39)
  • 『手屁っ』に思いっきり吹いたwww -- 名無しさん (2008-07-21 20:08:36)

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