鬱・グロ表現を含みます
ひよりの誕生日・・・・
その日みなみの家にみんなで料理やケーキを用意して準備したパーティー。
だが主賓は現れなかった。
その日みなみの家にみんなで料理やケーキを用意して準備したパーティー。
だが主賓は現れなかった。
家を出たひよりは何者かに拉致された、そして・・・
「やめて、それだけは勘弁してっ!」廃工場に少女の悲鳴が響く。
数人の男女に囲まれ作業台に押し付けられた長い黒髪の少女。
髪は乱れトレードマークの眼鏡は押さえつけられた弾みで床に落ちている。
数人の男女に囲まれ作業台に押し付けられた長い黒髪の少女。
髪は乱れトレードマークの眼鏡は押さえつけられた弾みで床に落ちている。
捲り上げられた衣服、ずらされた飾り気のないブラから覗く小ぶりな白い胸のつぼみ。
視点をおろすと短めのデザインのスカートはたやすく捲り上げられ膝を立てられたM字開脚。
靴が脱げた白いソックスの左足首にかけられた白いショーツ。
視点をおろすと短めのデザインのスカートはたやすく捲り上げられ膝を立てられたM字開脚。
靴が脱げた白いソックスの左足首にかけられた白いショーツ。
当然露になった秘部の白い肌に黒髪に負けない漆黒の陰毛が湿って貼り付いている。
それは抵抗して暴れた汗の仕業かそれとも身体が防御のために分泌した他の滴なのか。
それは抵抗して暴れた汗の仕業かそれとも身体が防御のために分泌した他の滴なのか。
だがこの描写が現実だった方がいくらか彼女の救いになっただろう。
実際は、着衣のまま押さえつけられた彼女の掌が重厚な冷たい万力に挟まれていた。
親友達の前で転んだ時でさえ受け身で庇った利き腕の指先である。
実際は、着衣のまま押さえつけられた彼女の掌が重厚な冷たい万力に挟まれていた。
親友達の前で転んだ時でさえ受け身で庇った利き腕の指先である。
そしてなんら躊躇うことなくハンドルが回されていった。
激痛に捻る身体を押さえつけられ、口に機械油の染込んだ襤褸布を押し込まれた彼女。
その指先が骨ごと潰れて肉片になった時、彼女は下半身から何かが流れ落ちるのを感じながら失神した。
激痛に捻る身体を押さえつけられ、口に機械油の染込んだ襤褸布を押し込まれた彼女。
その指先が骨ごと潰れて肉片になった時、彼女は下半身から何かが流れ落ちるのを感じながら失神した。
祝福すべき誕生日が悲劇に変ったのをゆたか達が知ったのは翌日だった。
HRで担任からひよりが当分休学すると告げられたが病気とも事故とも一切理由は知らされなかった。
個人的に懇意なふゆきやフレンドリーなひかるですらゆたか達に硬く口を閉ざして学校側の人間の立場を貫いた。
HRで担任からひよりが当分休学すると告げられたが病気とも事故とも一切理由は知らされなかった。
個人的に懇意なふゆきやフレンドリーなひかるですらゆたか達に硬く口を閉ざして学校側の人間の立場を貫いた。
一週間ほど経ったある日ゆたかが帰宅するとこなたは不在であった。
そうじろうが普段見せない真剣な顔で、重要な来客があるので呼ばれるまで部屋にいなさいと指示した。
そうじろうが普段見せない真剣な顔で、重要な来客があるので呼ばれるまで部屋にいなさいと指示した。
暫らくして呼ばれたゆたかを待っていたのは警察官で、ひよりとの友達付き合いの深さと、ひよりの交友関係や最近の様子を尋ねられた。
しかし警察官もそうじろうもひよりの安否については一切教えてくれなかった、そしてこなたを含め他言無用な事を念押しした。
しかし警察官もそうじろうもひよりの安否については一切教えてくれなかった、そしてこなたを含め他言無用な事を念押しした。
周辺が落ち着いた頃合いを見て、ゆたか、みなみ、パティはせめて一目でも見舞わせてほしいと毎日田村家に足を運んだ。
そこで同じように後輩を思って何度も田村家を訪れるこうとも知り合い4人になった。
そこで同じように後輩を思って何度も田村家を訪れるこうとも知り合い4人になった。
ふた月目も終わりに近づいた頃、その日もひよりの母親に丁重に断られ帰路についたたゆたかたち4人を一人の男が呼び止めた。
ひよりを思うゆたか達を見かねたひよりの兄であった。
ひよりを思うゆたか達を見かねたひよりの兄であった。
ひよりの兄は4人のひよりへの思いに感謝を述べた上で、今後訪問せずひよりのことは忘れることを条件にひよりについて少し話してくれた。
何らかの事件に巻き込まれて手の指を失ったこと、その後放心状態で肉親を含め一切の問いかけに答えないことなど。
何らかの事件に巻き込まれて手の指を失ったこと、その後放心状態で肉親を含め一切の問いかけに答えないことなど。
自傷行為を行うので今は専門施設の完全監視の状況にあり誰にも会えない状態のこと。
目撃者もなく当人がそういう状態なので捜査が全く進んでいないこと、原因が分からないこと。
目撃者もなく当人がそういう状態なので捜査が全く進んでいないこと、原因が分からないこと。
感情を押し殺し努めて淡々と話し終わった兄は去っていった。
もし回復の兆しがあり本人が会いたいと言えば必ず連絡する事を約束して。
もし回復の兆しがあり本人が会いたいと言えば必ず連絡する事を約束して。
事実を知らされたゆたか達はショックを受けた、あの日のパーティーはあることの祝賀会を兼ねていたのだ。
実は誕生日の数週前発売された売れ筋の商業誌に、ひよりのコンクール投稿作品が掲載された。
連載前提の研修生待遇の最優秀賞としてである。
特徴のある絵からすぐにひよりの漫画を知るクラスメイトから学園全体に知れることになった。
実は誕生日の数週前発売された売れ筋の商業誌に、ひよりのコンクール投稿作品が掲載された。
連載前提の研修生待遇の最優秀賞としてである。
特徴のある絵からすぐにひよりの漫画を知るクラスメイトから学園全体に知れることになった。
ひよりはちょっとした有名人となった。
そしてそれがとにかく何らかの理由を付けて他人を見下す事でしか自分を保てない卑しいものたちの妬みを買った。
彼らは見下していた格下のオタクの腐女子が何らかの成功を手にするのが単に気に入らなかった。
ひよりはたったそれだけの理不尽な憎悪の犠牲になったのである。
そしてそれがとにかく何らかの理由を付けて他人を見下す事でしか自分を保てない卑しいものたちの妬みを買った。
彼らは見下していた格下のオタクの腐女子が何らかの成功を手にするのが単に気に入らなかった。
ひよりはたったそれだけの理不尽な憎悪の犠牲になったのである。
西洋人的な正義感の強いパティがひよりの無念を晴らすための犯人探しを提言した。
だがゆたかはこなたの、みなみはみゆきの説得で東洋人的な判断で断念した。
双方の気持ちに生じたずれはやがて互いを離れ離れにした。
だがゆたかはこなたの、みなみはみゆきの説得で東洋人的な判断で断念した。
双方の気持ちに生じたずれはやがて互いを離れ離れにした。
そして人を信じる心の折れたゆたかとみなみもお互いに惹かれるものを失いやがて離れ離れになった。
気持ちの張りで健康状態がよかったゆたかは体調を崩す事が多くなり出席も困難になった。
やがて出席日数の点から通信制の高校に身を移す事になり通学の必要がなくなり泉家から実家へ戻った。
気持ちの張りで健康状態がよかったゆたかは体調を崩す事が多くなり出席も困難になった。
やがて出席日数の点から通信制の高校に身を移す事になり通学の必要がなくなり泉家から実家へ戻った。
ひよりが腐女子であったことが呼び込んだ事件で友人を失いパティはオタク文化への情熱を失い帰国した。
みなみは中学時代の慣れ親しんだ一人ぼっちに戻って静かな学園生活を送って卒業した。
みなみは中学時代の慣れ親しんだ一人ぼっちに戻って静かな学園生活を送って卒業した。
こうだけが年に一、二度ひよりの兄の元にひよりの容態をたずねることがあった。
ひよりは在宅でWebデザインやDTP関連の仕事を行える程度には回復した。
しかし利き腕でなければやはり繊細な絵を描けず漫画家としては筆を折った。
ひよりは在宅でWebデザインやDTP関連の仕事を行える程度には回復した。
しかし利き腕でなければやはり繊細な絵を描けず漫画家としては筆を折った。
ひよりは情熱を持つ努力家であった。
だが何の非もない彼女は、何の努力もせず他人を妬む卑しい人間達に夢を絶たれた。
だが何の非もない彼女は、何の努力もせず他人を妬む卑しい人間達に夢を絶たれた。
そして彼女を取り巻いていた人間達もその関係を失って離散した。
結局迷宮入りとなった犯人である彼らはのうのうと人生を送っている。
結局迷宮入りとなった犯人である彼らはのうのうと人生を送っている。
結局人を傷つけた人間が勝ちなのか、そう問われて否定できる人間はどれほどいるのか。
そして人が何かの災に遭う時、それが受けるべき天罰である人間もまた多くの不幸の中にどれ程いるというのか。
そして人が何かの災に遭う時、それが受けるべき天罰である人間もまた多くの不幸の中にどれ程いるというのか。