※ニコニコ動画にアップされたらきすたMAD「EternalTrinangle(字幕版)」及び「出さない手紙」の続編的内容となっております。
病室には、こなたの苦しそうな吐息と心拍計の電子音だけが響いている。
こなたの白い顔は時折苦しげに眉をゆがめるが、それ以外は至って静穏なものだ。
とても、医者がさじを投げた患者には見えない。
なんで、こなたが死ななくちゃいけないのよ。まだ高校生じゃない。あんまりよ。
こなたの白い顔は時折苦しげに眉をゆがめるが、それ以外は至って静穏なものだ。
とても、医者がさじを投げた患者には見えない。
なんで、こなたが死ななくちゃいけないのよ。まだ高校生じゃない。あんまりよ。
「かがみ……」
いつもの祈りとも呪詛ともつかない思いが終わる前に、こなたが静かに口を開いた。
「……何、こなた?」
「私、飛行機が見たいよ」
飛行機どころか、このひと月外にだって出られていないのに。
「……何、こなた?」
「私、飛行機が見たいよ」
飛行機どころか、このひと月外にだって出られていないのに。
「飛行機かぁ。……どんなのが見たいの?」
「うん」
ちょっと考え込んだこなたは、儚げに笑ってこう答えた。
「うん」
ちょっと考え込んだこなたは、儚げに笑ってこう答えた。
「……F-108レイピアに護衛されて飛ぶXB-70ヴァルキリーが見たいよ」
「この期に及んで、まだネタかますかーっ!!」
「この期に及んで、まだネタかますかーっ!!」
……だけど、それが、こなたの冗談を聞いた最後だった。
―――――――――――――――――――――――――
らき☆すたMADNESS ~ こなた復活! ~
―――――――――――――――――――――――――
らき☆すたMADNESS ~ こなた復活! ~
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病室には、こなたの苦しそうな吐息と心拍計の電子音だけが響いている。
苦しげに息をつく、こなたの白い顔。
こなたの友人や親類縁者が集まって、来て欲しくない『その時』を待っている。
苦しげに息をつく、こなたの白い顔。
こなたの友人や親類縁者が集まって、来て欲しくない『その時』を待っている。
「こな……ちゃん」
嗚咽をこらえながら、つかさがこなたの名を呼ぶ。
嗚咽をこらえながら、つかさがこなたの名を呼ぶ。
「ごめんね……せっかくの二人の誕生日なのに、こんなことになっちゃってさ」
弱々しく、微笑むこなた。
「な……何言ってるのよ、バカ……」
こなたの小さな掌を、ぎゅっと握り締める私。
弱々しく、微笑むこなた。
「な……何言ってるのよ、バカ……」
こなたの小さな掌を、ぎゅっと握り締める私。
「ねえ、かがみ……」
「……何?」
「……何?」
「私ね……っ、ゴホッ、ゴホッ!!」
何かを話しかけようとして、急に咳き込むこなた。
規則正しかった心電図が乱れ、容態の急変を告げる。
何かを話しかけようとして、急に咳き込むこなた。
規則正しかった心電図が乱れ、容態の急変を告げる。
「こなた……っ!」
「こなちゃん!」
「泉さん!」
「こなちゃん!」
「泉さん!」
その時。こなたのお父さん……そうじろうさんが、こなたに顔を寄せて言った。
「こなた……生きたいか?」
「……うん」
「……うん」
「……"アレ"に賭けてみるか?」
「うん」
「うん」
「……うまくいくかはわからない……元の生活には戻れないかもしれない……それでもいいか?」
「……うん」
「……うん」
二人が何を言っているのか、私たちにはわからなかった。
聞こえなかったんじゃなくて……理解できなかった。
聞こえなかったんじゃなくて……理解できなかった。
主治医の先生が腕時計を睨みながら、こなたの左腕の脈を取っている。
「……じゃ、また後でな」
「うん……よろしくね……お父さん」
「うん……よろしくね……お父さん」
そして、こなたは私たちの方を向くと、
「……きっと……戻ってくるから、待っててね」
そういって、かすかに微笑み……
「……きっと……戻ってくるから、待っててね」
そういって、かすかに微笑み……
長い、長い息をひとつついた。
<<ピーーーーー…………>>
かすかに踊っていた、心電図の光の線がフラットになり……
長く続く電子音が、沈黙の病室を満たした。
長く続く電子音が、沈黙の病室を満たした。
……ここは、どこなんだろう。
私は、どうしてここにいるんだろう。
どうして、みんな泣いているんだろう。
私は、どうしてここにいるんだろう。
どうして、みんな泣いているんだろう。
……そうだ、
こなたのヤツ、死んじゃったんだ…………
こなたのヤツ、死んじゃったんだ…………
「……こなたぁっ!!」
私の中からあふれ出たものが、頬を伝い唇を濡らす。
みんなで行った海水浴。うっかり飲んでしまった海の水。
あの時と、同じ味がした……
私の中からあふれ出たものが、頬を伝い唇を濡らす。
みんなで行った海水浴。うっかり飲んでしまった海の水。
あの時と、同じ味がした……
「……よし、始めるぞ」
静かに立ち上がる、そうじろうさん。
……でも、その目には、娘を失った悲しみの色はなかった。
……でも、その目には、娘を失った悲しみの色はなかった。
ううん、違う。
今までに見たこともないような、真剣な表情で……
今までに見たこともないような、真剣な表情で……
「すまないが君たち、ちょっと部屋から出ていてくれるかな」
「え?ちょっ……」
何がなんだかわからないまま、成実さんに押されて部屋を出される私たち。
「え、えっ?な、何なんですか?」
あまりにも予想外の展開に、みゆきも目を白黒させるばかり。
「…………」
つかさに至っては、立て続けのショックに、呆然としたまんまだ。
「え?ちょっ……」
何がなんだかわからないまま、成実さんに押されて部屋を出される私たち。
「え、えっ?な、何なんですか?」
あまりにも予想外の展開に、みゆきも目を白黒させるばかり。
「…………」
つかさに至っては、立て続けのショックに、呆然としたまんまだ。
病室のドアを閉じる間際。成実さんは私たちを見つめて、
「大丈夫。信じて待ってて。……ね?」
今までに見たことのない真剣な眼差しで、そう言った。
「大丈夫。信じて待ってて。……ね?」
今までに見たことのない真剣な眼差しで、そう言った。
「う――す、みんなそろっとるな~?」
朝のホームルーム。いつものように、黒井先生が威勢のいいお声を上げられました。
朝のホームルーム。いつものように、黒井先生が威勢のいいお声を上げられました。
泉さんが亡くなってから三日間。……私たちは、学校を休みました。
ただ、泉さんの思い出だけが頭の中を巡り続けて……何もする気になれなかったんです。
ただ、泉さんの思い出だけが頭の中を巡り続けて……何もする気になれなかったんです。
部屋にいると、思い出しちゃって辛くなるから……と、無理をして三人で登校してきたのが今朝。
けれど……もう座る人のいない席……ぽっかりと開いた、泉さんの机を見たとき、私たちはまた……
けれど……もう座る人のいない席……ぽっかりと開いた、泉さんの机を見たとき、私たちはまた……
「ん?」
先生はぐるりと教室を見渡すと、呆れたように言われました。
「……なんや、まぁた泉は遅刻かいな」
先生はぐるりと教室を見渡すと、呆れたように言われました。
「……なんや、まぁた泉は遅刻かいな」
「……あの、先生……」
つかささんが、ゆっくりと立ち上がりました。
真っ赤に泣きはらした瞳と、寝癖も取れていない髪。
真っ赤に泣きはらした瞳と、寝癖も取れていない髪。
「ん?どしたんや、柊?」
「こなちゃんは…………こなちゃんは…………」
つかささんの目から、枯れ果てたかと思った涙が再び溢れて……
「こなちゃんは…………こなちゃんは…………」
つかささんの目から、枯れ果てたかと思った涙が再び溢れて……
「スト―――――――ップ!遅刻じゃないで……」
<<ガシャーーーーーン!!>>
聞き覚えのある声と、何かが割れるものすごい音が響いたのは、その時でした。
<<ガシャーーーーーン!!>>
聞き覚えのある声と、何かが割れるものすごい音が響いたのは、その時でした。
「!!……こ、こな……」
あとは声にならず……ぱくぱくと口を動かす、つかささん。
その視線の先にいたのは……
そこにいたのは…………
あとは声にならず……ぱくぱくと口を動かす、つかささん。
その視線の先にいたのは……
そこにいたのは…………
……えぇぇっ!?泉さん!?
泉さんは、肩で息をしながら、教室の入口で仁王立ちしています。
真っ二つに折れた教室の扉と、散らばったガラスの破片。
こ、これ……まさか、泉さんが!?
真っ二つに折れた教室の扉と、散らばったガラスの破片。
こ、これ……まさか、泉さんが!?
泉さんの視線がゆっくりと、『扉だったもの』の方へと流れていきます。
「はぁ、はぁ……って、うぉぁ!? Σ(=△=.;)ノノ」
「はぁ、はぁ……って、うぉぁ!? Σ(=△=.;)ノノ」
『ヤバい』という言葉を絵に描いて額に入れたような表情で、おずおずと先生の顔色を伺う泉さん。
「……うぁ……すいません、またやっちゃった」
「あー……まだ『慣れてない』ねんな。しゃあない、今日のところは大目に見たるわ。ホラ、早よ席座りい」
「ふぇーい」
「……うぁ……すいません、またやっちゃった」
「あー……まだ『慣れてない』ねんな。しゃあない、今日のところは大目に見たるわ。ホラ、早よ席座りい」
「ふぇーい」
つかささんの目が、点になっています。
きっと、私の目も、点になっていたと思います……
きっと、私の目も、点になっていたと思います……
「何よあんた!あんだけ私たち泣かせといて、ピンピンしてんじゃないのっ!」
「いやー、三途の川まで行ったらお母さんに追い返されちゃってさ~、まいったね(アハ☆)」
「納得のいく説明、してもらうからねっ!」
「いや、病気はホントだよ?……でも、"処置"が成功したんだよねー」
そう言いながら、チョココロネを両手に挟んだまんま「ありがたやありがたや……」と祈るこなちゃん。
「"処置"?……何よ、"処置"って?」
「もうちょっと落ち着いてから話すよぅ」
「ハァ……まあいいわ、無事に帰って来ただけでも」
『タドンにダメ押し』……じゃなかった、『のれんに腕押し』のこなちゃんに、お姉ちゃんもさすがに疲れたみたい。
「でもね、今度あんなドッキリカメラみたいな真似したら、ただじゃおかないからねっ!」
「ハイハイ、前向きに善処しますよ王大人」
「誰が王大人か―――!」
「いやー、三途の川まで行ったらお母さんに追い返されちゃってさ~、まいったね(アハ☆)」
「納得のいく説明、してもらうからねっ!」
「いや、病気はホントだよ?……でも、"処置"が成功したんだよねー」
そう言いながら、チョココロネを両手に挟んだまんま「ありがたやありがたや……」と祈るこなちゃん。
「"処置"?……何よ、"処置"って?」
「もうちょっと落ち着いてから話すよぅ」
「ハァ……まあいいわ、無事に帰って来ただけでも」
『タドンにダメ押し』……じゃなかった、『のれんに腕押し』のこなちゃんに、お姉ちゃんもさすがに疲れたみたい。
「でもね、今度あんなドッキリカメラみたいな真似したら、ただじゃおかないからねっ!」
「ハイハイ、前向きに善処しますよ王大人」
「誰が王大人か―――!」
あとは、いつもの光景。
チョココロネを頭からぱくっ。お尻からチョコがでろん。あわてて舐め取るこなちゃん。
うん、こうでなくっちゃダメだよね、やっぱり。
チョココロネを頭からぱくっ。お尻からチョコがでろん。あわてて舐め取るこなちゃん。
うん、こうでなくっちゃダメだよね、やっぱり。
「それにしても、こなちゃんって本当、チョココロネ好きだよね~」
「んー、てか、当面これしか食べられなくなっちゃったんだけどね~」
「???……あんたねぇ、朝からちょっと変よ?ほんと、あの空白の三日間に何があったのよ!?」
「んー、てか、当面これしか食べられなくなっちゃったんだけどね~」
「???……あんたねぇ、朝からちょっと変よ?ほんと、あの空白の三日間に何があったのよ!?」
それは、私もそう思う。
朝、教室の扉を壊しちゃったこなちゃん。
体育の時間、短距離走で自分の記録を5秒も更新しちゃったこなちゃん。
それに……『チョココロネしか食べられなくなっちゃった』っていう、こなちゃん。
朝、教室の扉を壊しちゃったこなちゃん。
体育の時間、短距離走で自分の記録を5秒も更新しちゃったこなちゃん。
それに……『チョココロネしか食べられなくなっちゃった』っていう、こなちゃん。
でも……
今こうして、机に突っ伏してゴロゴロしてるこなちゃんは、どう見てもいつもと同じだよね?
今こうして、机に突っ伏してゴロゴロしてるこなちゃんは、どう見てもいつもと同じだよね?
『……り返します。2年E組の泉こなたさん、至急、職員室まで来てください』
「うぉ!?忘れてた!」
ガバッと跳ね起きるこなちゃん。
「ちょっと行ってくるよ!」
と言うなり、机に勢いよく手をついて……
「うぉ!?忘れてた!」
ガバッと跳ね起きるこなちゃん。
「ちょっと行ってくるよ!」
と言うなり、机に勢いよく手をついて……
<<バキャッ!!>>
……ざわついていた教室が、しーんってなった。
私たちの前にあった、こなちゃんの机が、真ん中から真っ二つになって転がってる。
私たちの前にあった、こなちゃんの机が、真ん中から真っ二つになって転がってる。
「うわ、またやった……」
しまったー、という表情のこなちゃん。
しまったー、という表情のこなちゃん。
でも、少しの間の後、
「あ、あとで片付けるねー!」
と言うなり、こなちゃんは勢いよく飛び出していった……
「あ、あとで片付けるねー!」
と言うなり、こなちゃんは勢いよく飛び出していった……
人間とは思えないスピードで。
あの長い長い廊下の曲がり角に、あっという間にたどり着くこなちゃん。
「うわっ、ぶつかる!!」お姉ちゃんの悲鳴。
こなちゃんは壁に向かってジャンプ。そしてそのまま……
「うわっ、ぶつかる!!」お姉ちゃんの悲鳴。
こなちゃんは壁に向かってジャンプ。そしてそのまま……
……壁を走って行っちゃった。
こんな映画、ちょっと前にテレビで観た気がする……間取りがなんとか言ったっけ?
こんな映画、ちょっと前にテレビで観た気がする……間取りがなんとか言ったっけ?
「あー、今日は散々だったよ……」
いつもの交差点でみんなと別れて、ひとり家路を急ぐ私。
「命拾いしたのはいいけど、早いトコ慣れないとまずいなぁ、コレは」
いつもの交差点でみんなと別れて、ひとり家路を急ぐ私。
「命拾いしたのはいいけど、早いトコ慣れないとまずいなぁ、コレは」
盆暮れの有明で人ごみをかきわけるのには便利そうだけど、勢い余ってケガなんてさせたら大変だ。
このご時世、なんか事件でも起こしたら、次の開催まで危うくなるもんね。
このご時世、なんか事件でも起こしたら、次の開催まで危うくなるもんね。
家に帰ると、お父さんが出迎えてくれた。やっぱり、心配してたのかな?
「ああ、お帰り、こなた。『新しい身体』の具合はどうだった?」
「お父さん……コレ、どうにかなんないかな?」
力こぶを作って……いや、出ないけどね?……指差す私。
「今日一日で、ドアやら机やら、片っ端から粉砕しまくっちゃったよ~……」
今度やったら、さすがに先生も怒るだろうなぁ。
「お父さん……コレ、どうにかなんないかな?」
力こぶを作って……いや、出ないけどね?……指差す私。
「今日一日で、ドアやら机やら、片っ端から粉砕しまくっちゃったよ~……」
今度やったら、さすがに先生も怒るだろうなぁ。
そしたら、
「バカだなぁ、そこがいいんじゃないか」
って、お父さんは笑いながら言った。
「バカだなぁ、そこがいいんじゃないか」
って、お父さんは笑いながら言った。
「『馬鹿力の制御に困る』と言うのは、『サイボーグ娘萌え』のお約束だぞ~?」
……あのね……orz
「……お父さん?」
「ん?なんだ?」
「このまんまで肩揉みとかしたら、お父さんの首へし折っちゃうかもよ?(にやり)」
「ぐはっ! Σ(○△○;)ノノ」
「ん?なんだ?」
「このまんまで肩揉みとかしたら、お父さんの首へし折っちゃうかもよ?(にやり)」
「ぐはっ! Σ(○△○;)ノノ」
― Fin. ―
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