「…………」
「…………」
沈黙、沈黙。
「…………」
沈黙、沈黙。
「……あの……」
「ん、何? みなみちゃん」
「……いえ、何でもないです……」
……再び沈黙。……何をやっているのだろう、私……
「ん、何? みなみちゃん」
「……いえ、何でもないです……」
……再び沈黙。……何をやっているのだろう、私……
スケッチスケッチ! 5筆目 沈黙のち笑顔
……こんにちは、岩崎みなみです。今日はみゆきさんに誘われて、泉先輩の主催するスケッチ
大会に参加しています。誘われた時は、一瞬だけどうしようかと迷いましたが、皆で楽しく
スケッチをするとの事で、快く承諾しました。
そして当日、総勢10人でのスケッチ大会の前に、泉先輩が提案したくじ引きでの結果、私は
つかさ先輩の双子の姉である、柊かがみ先輩とペアを組むことになりました。
大会に参加しています。誘われた時は、一瞬だけどうしようかと迷いましたが、皆で楽しく
スケッチをするとの事で、快く承諾しました。
そして当日、総勢10人でのスケッチ大会の前に、泉先輩が提案したくじ引きでの結果、私は
つかさ先輩の双子の姉である、柊かがみ先輩とペアを組むことになりました。
「よろしくね、みなみちゃん」
「……よろしく、お願いします……」
そうして初めに挨拶をした後、泉先輩のスタートの合図で、日下部先輩がすぐに駆け出した
時はびっくりしました。周りの皆が同じ様に驚いている中で、田村さんもそれにつられて
駆け出そうとした時に、かがみ先輩は田村さんに何か囁いていた様に見えました。
「……よろしく、お願いします……」
そうして初めに挨拶をした後、泉先輩のスタートの合図で、日下部先輩がすぐに駆け出した
時はびっくりしました。周りの皆が同じ様に驚いている中で、田村さんもそれにつられて
駆け出そうとした時に、かがみ先輩は田村さんに何か囁いていた様に見えました。
「それじゃあ、改めて出発しましょう」
と、かがみ先輩が田村さんから私の元へ戻ったその勢いで駅から左の道を進み始めたので、
私はその後ろについていきました。しかしそれから暫くは何を話す事もなく、ただ漠然と
目的地まで歩いています。
と、かがみ先輩が田村さんから私の元へ戻ったその勢いで駅から左の道を進み始めたので、
私はその後ろについていきました。しかしそれから暫くは何を話す事もなく、ただ漠然と
目的地まで歩いています。
私も、恐らくかがみ先輩も、会話をしたくない訳ではない、と思う。ただ、どちらも話題が
見つからないのだと思います。かがみ先輩は思案顔で私を見たり、目をつぶったりして何か
話す事はないかと探しているように見えますし、私自身も、このままでは……と思って声を
かがみ先輩に掛けはするのだが、何も話す事がなくて、冒頭の様なやり取りを何度も続けて
いる。
見つからないのだと思います。かがみ先輩は思案顔で私を見たり、目をつぶったりして何か
話す事はないかと探しているように見えますし、私自身も、このままでは……と思って声を
かがみ先輩に掛けはするのだが、何も話す事がなくて、冒頭の様なやり取りを何度も続けて
いる。
そのような微妙な空気が続いて10分が経った目的地手前の線路沿いの橋の上、
「……そういえばさ……」
歩き始めて、初めてかがみ先輩が振りの言葉を言った。
「……何でしょう……?」
「みなみちゃんって、駅で私とつかさに会った時、やけにつかさと仲が良かった風に見えたん
だけど、どうして?」
……そういえば……
駅に着いた時、同じ電車の違う車両に乗っていたかがみ先輩とつかさ先輩に会って、私は
つかさ先輩と一言二言話をしたけど、確かにその時かがみ先輩は私とつかさ先輩を不思議
そうに見ていた気が……というよりも……
「……そういえばさ……」
歩き始めて、初めてかがみ先輩が振りの言葉を言った。
「……何でしょう……?」
「みなみちゃんって、駅で私とつかさに会った時、やけにつかさと仲が良かった風に見えたん
だけど、どうして?」
……そういえば……
駅に着いた時、同じ電車の違う車両に乗っていたかがみ先輩とつかさ先輩に会って、私は
つかさ先輩と一言二言話をしたけど、確かにその時かがみ先輩は私とつかさ先輩を不思議
そうに見ていた気が……というよりも……
「……つかさ先輩から、聞いていませんか?」
川の土手を下りながら、私はかがみ先輩に尋ねました。
「いや、何も。だいたい、つかさがみなみちゃんと会話するなんて、全然想像もつかないん
だけど……あの子、結構人見知りするほうだから」
……確かに、あの場所で会って、初めの内はそうだったけど……
川の土手を下りながら、私はかがみ先輩に尋ねました。
「いや、何も。だいたい、つかさがみなみちゃんと会話するなんて、全然想像もつかないん
だけど……あの子、結構人見知りするほうだから」
……確かに、あの場所で会って、初めの内はそうだったけど……
「…実は…」
それから私は、あの日つかさ先輩と出会った時の事をかがみ先輩に話した。
ゆたかと一緒に入ったレストランに、偶然つかさ先輩がいた事。
とある事情で、しばらくつかさ先輩と二人きりで、長い沈黙が続いた事。
そして、一度話を始めたら、すぐに会話が弾むようになった事。
土手を下った先の川原で私の隣に座ったかがみ先輩に、私はあの時と同じ様に、スラスラと
説明をすることができた。
それから私は、あの日つかさ先輩と出会った時の事をかがみ先輩に話した。
ゆたかと一緒に入ったレストランに、偶然つかさ先輩がいた事。
とある事情で、しばらくつかさ先輩と二人きりで、長い沈黙が続いた事。
そして、一度話を始めたら、すぐに会話が弾むようになった事。
土手を下った先の川原で私の隣に座ったかがみ先輩に、私はあの時と同じ様に、スラスラと
説明をすることができた。
「……という事なのですが…」
「……なるほどねー……」
私が説明を終えると、かがみ先輩は腕を組み、納得した様にうんうんと頷いた。
「確かにつかさって、一度話すきっかけが見つかったら、何故かすぐに積極的になって、
誰とでも仲良くなっちゃう、って気がするわ。こなたの時もそうだったし」
「…そうなんですか?」
「そうそう。とある事でつかさが困ってた時に助けてくれたのがこなたらしくて――まぁ
困ってたっていうのは誤解かもしれないけど、それでその日つかさが帰ってきたら、「友達
ができた」って、嬉しそうに言ってたわ」
そこまで言うと、かがみ先輩は苦笑いというか、少し困ったような顔になった。
「……なるほどねー……」
私が説明を終えると、かがみ先輩は腕を組み、納得した様にうんうんと頷いた。
「確かにつかさって、一度話すきっかけが見つかったら、何故かすぐに積極的になって、
誰とでも仲良くなっちゃう、って気がするわ。こなたの時もそうだったし」
「…そうなんですか?」
「そうそう。とある事でつかさが困ってた時に助けてくれたのがこなたらしくて――まぁ
困ってたっていうのは誤解かもしれないけど、それでその日つかさが帰ってきたら、「友達
ができた」って、嬉しそうに言ってたわ」
そこまで言うと、かがみ先輩は苦笑いというか、少し困ったような顔になった。
「……でも誰とでも仲良くなれるのはいいけど、見境なしに仲良くなるのはやめてほしいわ。
こなたの時もつかさは「いい人」って言ってたけど、私はあんまり信用してなかったな」
「…どうしてですか?」
「つかさって、仲良くなればどんな人でも「いい人」だって思ってるらしくて。だからあまり
当てにならないのよ、あの子の「いい人」発言は」
……何となく、納得してしまった。確かにつかさ先輩なら、良い人でも怖い人でも、話す事さえ
できれば、誰とでも仲良くできる気がする。
こなたの時もつかさは「いい人」って言ってたけど、私はあんまり信用してなかったな」
「…どうしてですか?」
「つかさって、仲良くなればどんな人でも「いい人」だって思ってるらしくて。だからあまり
当てにならないのよ、あの子の「いい人」発言は」
……何となく、納得してしまった。確かにつかさ先輩なら、良い人でも怖い人でも、話す事さえ
できれば、誰とでも仲良くできる気がする。
「…それでは、かがみ先輩にとって、泉先輩はどちらだったのですか?」
私はかがみ先輩の「つかさ先輩理論」を聞いて、気になっていたことを質問した。
「うーん、悪いやつではなかったわね、昔も今も。まあ確かに勉強は私やみゆきに頼りっきり
だし、突然変な事は言うし、オタク知識もバラまくしで呆れる事は何度もあったけど、それで
いてなかなか憎めないやつだしねー、こなたは」
かがみ先輩は少し苦笑い気味に答えた。
私はかがみ先輩の「つかさ先輩理論」を聞いて、気になっていたことを質問した。
「うーん、悪いやつではなかったわね、昔も今も。まあ確かに勉強は私やみゆきに頼りっきり
だし、突然変な事は言うし、オタク知識もバラまくしで呆れる事は何度もあったけど、それで
いてなかなか憎めないやつだしねー、こなたは」
かがみ先輩は少し苦笑い気味に答えた。
「…そうなんですか」
「うん。つかさの目に狂いは……多少はあったけど、それでも今、こうしてスケッチ大会を
する程仲良くなった訳だし。それにつかさはあいつとは結構気が合うみたいだしね。勉強が
苦手なところとか、だらしないところとか」
最後に悪戯めいた顔でそう締めたかがみ先輩。その時、
「うん。つかさの目に狂いは……多少はあったけど、それでも今、こうしてスケッチ大会を
する程仲良くなった訳だし。それにつかさはあいつとは結構気が合うみたいだしね。勉強が
苦手なところとか、だらしないところとか」
最後に悪戯めいた顔でそう締めたかがみ先輩。その時、
―――ホー―――
………?
どこからか、声が聞こえた。
ふくろう? こんなお昼時に? と思って辺りを見渡してみた。すると、
「……あのバカ……」
呆れた様な呟きが聞こえ、そちらの方を向いてみると、かがみ先輩が私の反対側、つまり
左を向いて、顔に手を当てながら、大きな溜息を吐いていた。
どこからか、声が聞こえた。
ふくろう? こんなお昼時に? と思って辺りを見渡してみた。すると、
「……あのバカ……」
呆れた様な呟きが聞こえ、そちらの方を向いてみると、かがみ先輩が私の反対側、つまり
左を向いて、顔に手を当てながら、大きな溜息を吐いていた。
「…どうしたのですか?」
そう尋ねた私の声に反応したかがみ先輩は、さっきの呟きと同じ様に呆れた表情をしながら
こちらに振り向き、
「……あぁ、今、なんか声が聞こえたでしょう?」
「は、はい……」
「その声、あの山から聞こえてきたのよ」
と言ってかがみ先輩が指さしたのは、今私たちのいる川の上流、そこから少し左にある、
小さな山だった。
そう尋ねた私の声に反応したかがみ先輩は、さっきの呟きと同じ様に呆れた表情をしながら
こちらに振り向き、
「……あぁ、今、なんか声が聞こえたでしょう?」
「は、はい……」
「その声、あの山から聞こえてきたのよ」
と言ってかがみ先輩が指さしたのは、今私たちのいる川の上流、そこから少し左にある、
小さな山だった。
「…どうして、そんな事が…?」
どうしてわかるのか。私がかがみ先輩に尋ねると、先輩は呆れたままで、
「……始めは鳥かなんかだと思ったけど、聞こえた方向は左なのにそっちには近くに木とか
高い建物は何もないでしょう? で、よく見ると、その先に山があるじゃない。……問題、
今回のスケッチ大会で、あの山に向かったのは誰だったかしら?」
「えっ……?」
突然の振りに、私は少し慌ててしまった。えーっと……あ、そういえば……
「…日下部先輩…?」
「正解。まぁ、あれだけのスタートダッシュ決めながら「山だー!」って叫んでたら、
誰だってわかるわよね。だから、さっきの声の主は日下部。あいつ、昔からああいう高い所
登ると、絶対「ヤッホー!」って言って叫ぶって、峰岸から聞いた事があってね。それも突然
叫ぶらしいし。一緒にいるやつはたまったもんじゃないわよ、まったく……ひよりちゃん、
大丈夫かしら……」
と、かがみ先輩が心配そうにつぶやいた時、
どうしてわかるのか。私がかがみ先輩に尋ねると、先輩は呆れたままで、
「……始めは鳥かなんかだと思ったけど、聞こえた方向は左なのにそっちには近くに木とか
高い建物は何もないでしょう? で、よく見ると、その先に山があるじゃない。……問題、
今回のスケッチ大会で、あの山に向かったのは誰だったかしら?」
「えっ……?」
突然の振りに、私は少し慌ててしまった。えーっと……あ、そういえば……
「…日下部先輩…?」
「正解。まぁ、あれだけのスタートダッシュ決めながら「山だー!」って叫んでたら、
誰だってわかるわよね。だから、さっきの声の主は日下部。あいつ、昔からああいう高い所
登ると、絶対「ヤッホー!」って言って叫ぶって、峰岸から聞いた事があってね。それも突然
叫ぶらしいし。一緒にいるやつはたまったもんじゃないわよ、まったく……ひよりちゃん、
大丈夫かしら……」
と、かがみ先輩が心配そうにつぶやいた時、
――キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン――
「……えっ?」
「……学校の、チャイム?」
普段聞き慣れた、こんな所で聞くとは思わなかった音を聞き、思わずかがみ先輩と私は同時に
腕時計の針を見た。
「……学校の、チャイム?」
普段聞き慣れた、こんな所で聞くとは思わなかった音を聞き、思わずかがみ先輩と私は同時に
腕時計の針を見た。
「……今の、12時のチャイムだったみたいね」
「……そのようですね」
「じゃあ、これからスケッチ大会が始まるわけね」
「……恐らく」
「……それじゃあ、何を書くか決めなきゃ。……みなみちゃんはどうする?」
かがみ先輩は、立ち上がりながら私にそう尋ねました。
「…私も、探しに行きます」
「それなら、30分ぐらいしたらまたここに戻って、一緒にお昼を食べましょ。それでいい?」
「…はい」
「じゃあ、行きますか」
そう言って、かがみ先輩はスタスタと、川原を上流へと歩いていきました。
「……そのようですね」
「じゃあ、これからスケッチ大会が始まるわけね」
「……恐らく」
「……それじゃあ、何を書くか決めなきゃ。……みなみちゃんはどうする?」
かがみ先輩は、立ち上がりながら私にそう尋ねました。
「…私も、探しに行きます」
「それなら、30分ぐらいしたらまたここに戻って、一緒にお昼を食べましょ。それでいい?」
「…はい」
「じゃあ、行きますか」
そう言って、かがみ先輩はスタスタと、川原を上流へと歩いていきました。
「…ところで、かがみ先輩」
「ん、どうしたの? みなみちゃん」
それから30分後、約束通りお昼ご飯を食べるために元の場所に戻って、私がかがみ先輩の
弁当の豪華さに驚き、それはつかさ先輩が作ったの、と先輩がばつが悪そうにつぶやいた後、
私は少し気になっていたことを先輩に尋ねた。
「…かがみ先輩は、日下部先輩とは仲が良いのですか?」
「仲が良いというか……まぁあいつとは峰岸と同じで中学生の頃から同じ学校でね。確か
5年連続で同じ組になった、ってあいつが言ってたっけ。よく話すようになったのは今年から
だけど」
「…そうなんですか……では、つかさ先輩は、そのお二人とは仲が良いのですか?」
「えっ?」
私の問いに、かがみ先輩は驚いた様な声を出した。
「ん、どうしたの? みなみちゃん」
それから30分後、約束通りお昼ご飯を食べるために元の場所に戻って、私がかがみ先輩の
弁当の豪華さに驚き、それはつかさ先輩が作ったの、と先輩がばつが悪そうにつぶやいた後、
私は少し気になっていたことを先輩に尋ねた。
「…かがみ先輩は、日下部先輩とは仲が良いのですか?」
「仲が良いというか……まぁあいつとは峰岸と同じで中学生の頃から同じ学校でね。確か
5年連続で同じ組になった、ってあいつが言ってたっけ。よく話すようになったのは今年から
だけど」
「…そうなんですか……では、つかさ先輩は、そのお二人とは仲が良いのですか?」
「えっ?」
私の問いに、かがみ先輩は驚いた様な声を出した。
「うーん……」
かがみ先輩はお弁当の卵焼きを一つ咀嚼しながら、私の問いへの答えを探していた。そして
口の中の卵焼きを全て食べ終わった後、
「……どうなんだろ? 峰岸とはお菓子とか、料理関係で話をしてるのはたまに見るけど、
日下部とはそんなに仲良くしてる所は見た事ないわね。つかさも、なぜかあの二人とだと
普段の引っ込み思案が出ちゃうみたいだから。峰岸と話してても少しぎこちなく見えるし」
かがみ先輩はそこで水筒に入れてあったお茶でコクコクと飲んで一息をつき、
「……まぁ、つかさはあいつらと中学の時は同じクラスにならなかったっていうのもあったし、
日下部みたいなハイテンションにはあまりついてけない子だったからね。でもまぁ、今は
こなたとかもいることだし、徐々に仲良くなるだろ」
「…そう、ですね」
かがみ先輩の答えに、私は納得して頷いた。
かがみ先輩はお弁当の卵焼きを一つ咀嚼しながら、私の問いへの答えを探していた。そして
口の中の卵焼きを全て食べ終わった後、
「……どうなんだろ? 峰岸とはお菓子とか、料理関係で話をしてるのはたまに見るけど、
日下部とはそんなに仲良くしてる所は見た事ないわね。つかさも、なぜかあの二人とだと
普段の引っ込み思案が出ちゃうみたいだから。峰岸と話してても少しぎこちなく見えるし」
かがみ先輩はそこで水筒に入れてあったお茶でコクコクと飲んで一息をつき、
「……まぁ、つかさはあいつらと中学の時は同じクラスにならなかったっていうのもあったし、
日下部みたいなハイテンションにはあまりついてけない子だったからね。でもまぁ、今は
こなたとかもいることだし、徐々に仲良くなるだろ」
「…そう、ですね」
かがみ先輩の答えに、私は納得して頷いた。
「……それにしても、意外だったわ」
お昼ご飯を食べた後、私とかがみ先輩は一度分かれて、それぞれのスケッチポイントで絵を
描き始め、しばらくしたら元の場所に戻って見せ合いをする、ということを繰り返して、絵が
完成し、時間になって駅に戻る道の途中、かがみ先輩はそう呟いた。
「……? 何が、ですか?」
「いや、みなみちゃんには悪いんだけど……みなみちゃんって、思ってたより話しやすい人
なんだなぁ、って思ってね」
「……えっ……?」
……話しやすい? 私が?
「うん、確かに口数は少ないけど、みなみちゃんから話題を出してくれたり、よく質問をして
くれたり。つかさと会った話をしてる時なんて、とても楽しそうだったわよ」
「……そう、でしたか?」
私は急に恥ずかしくなって、少し俯いてしまった。心なしか、頬も少し熱くなっている気が
する。
「うん。今度機会があったら、また一緒にお話しましょ」
そう言って、かがみ先輩はニッコリと笑って、私に左手を差し伸べた。
「……はい」
私も少し顔を赤く染めて、微笑みながら左手を伸ばし、差し出された先輩の手を握った。
お昼ご飯を食べた後、私とかがみ先輩は一度分かれて、それぞれのスケッチポイントで絵を
描き始め、しばらくしたら元の場所に戻って見せ合いをする、ということを繰り返して、絵が
完成し、時間になって駅に戻る道の途中、かがみ先輩はそう呟いた。
「……? 何が、ですか?」
「いや、みなみちゃんには悪いんだけど……みなみちゃんって、思ってたより話しやすい人
なんだなぁ、って思ってね」
「……えっ……?」
……話しやすい? 私が?
「うん、確かに口数は少ないけど、みなみちゃんから話題を出してくれたり、よく質問をして
くれたり。つかさと会った話をしてる時なんて、とても楽しそうだったわよ」
「……そう、でしたか?」
私は急に恥ずかしくなって、少し俯いてしまった。心なしか、頬も少し熱くなっている気が
する。
「うん。今度機会があったら、また一緒にお話しましょ」
そう言って、かがみ先輩はニッコリと笑って、私に左手を差し伸べた。
「……はい」
私も少し顔を赤く染めて、微笑みながら左手を伸ばし、差し出された先輩の手を握った。
私の事を話しやすいと言ったかがみ先輩。でも、最初に話題を出してくれたのは、先輩の
方です。先輩が話しかけてくれたから、私はいつもよりも口数が多かったのだと思います。
方です。先輩が話しかけてくれたから、私はいつもよりも口数が多かったのだと思います。
かがみ先輩、今日は本当にありがとうございました。
私は心の中でお礼を言い、先輩と並んで、線路沿いの道を駅に向かって歩いていきました。