寄せては返す波の音が、規則的に耳朶に届く。
「お姉ちゃん」
ビーチパラソルの影に敷いたビニールシートで寝そべっていた私の真上に、
リボンを結んだ、あどけない顔をした少女が顔を覗かせた。
「お姉ちゃん」
ビーチパラソルの影に敷いたビニールシートで寝そべっていた私の真上に、
リボンを結んだ、あどけない顔をした少女が顔を覗かせた。
梅雨の合間のよく晴れた休日、私は、お父さんと、従姉妹のゆーちゃんとの3人で海水浴場に遊びにきていた。
まだ夏休み前ということもあり、夏休み中はおそらく芋洗い状態となるであろうビーチは、
地元の小学生が目立つ程度で、閑散としている。
ちなみに、お父さんは隣のシートで心地良さそうに寝息をたてている。
流石に、浜辺で川の字になる勇気はなかったようだ。
まだ夏休み前ということもあり、夏休み中はおそらく芋洗い状態となるであろうビーチは、
地元の小学生が目立つ程度で、閑散としている。
ちなみに、お父さんは隣のシートで心地良さそうに寝息をたてている。
流石に、浜辺で川の字になる勇気はなかったようだ。
「お姉ちゃん、ジュースだよ」
「ありがと」
私は、半身を起こして、ゆーちゃんが買ってきてくれたオレンジジュースを貰う。
ストローを差して中身を吸い込むと、とても冷たくて甘い味が口いっぱいにひろがる。
「ありがと」
私は、半身を起こして、ゆーちゃんが買ってきてくれたオレンジジュースを貰う。
ストローを差して中身を吸い込むと、とても冷たくて甘い味が口いっぱいにひろがる。
「こなたお姉ちゃん。あのね」
ジュースを持ったまま、私の隣に座ったゆーちゃんが、ぴったりと肩を寄せてきた。
ピンクの可愛らしい水着を着た少女の、露わになっている二の腕があたる。
ひんやりして、くすぐったい。
ジュースを持ったまま、私の隣に座ったゆーちゃんが、ぴったりと肩を寄せてきた。
ピンクの可愛らしい水着を着た少女の、露わになっている二の腕があたる。
ひんやりして、くすぐったい。
「なに? ゆーちゃん」
「お姉ちゃんって、好きなひといるの? 」
「ぷはっ」
いきなりの際どい質問に思わずむせてしまい、私は派手にせき込んだ。
「お姉ちゃんって、好きなひといるの? 」
「ぷはっ」
いきなりの際どい質問に思わずむせてしまい、私は派手にせき込んだ。
「大丈夫? 」
ゆーちゃんは心配げな表情で、白いハンカチを差し出してくる。
ゆーちゃんは心配げな表情で、白いハンカチを差し出してくる。
「う、うん。なんとか」
受け取ったハンカチで唇を拭い、荒い息を何度かつくと気分は落ち着いてくる。それにしても――
「ゆーちゃん。いきなり何を言いだすのさ」
「ごめんなさい。でも気になっちゃって」
彼女は少しだけしゅんと身体を縮めるけれど、同時に小さく舌を出している。
ちょっとしたいたずらを企む小悪魔のようで、思わず抱きしめてしまいそうになるくらい可愛い。
受け取ったハンカチで唇を拭い、荒い息を何度かつくと気分は落ち着いてくる。それにしても――
「ゆーちゃん。いきなり何を言いだすのさ」
「ごめんなさい。でも気になっちゃって」
彼女は少しだけしゅんと身体を縮めるけれど、同時に小さく舌を出している。
ちょっとしたいたずらを企む小悪魔のようで、思わず抱きしめてしまいそうになるくらい可愛い。
「うーん。誰のフラグを立てたいか、というとね」
私は額に浮かぶ汗を拭いながら、答えることにする。
「フラグ? 」
ゆーちゃんはきょとんと首を傾げている。どうやら意味が良く分かっていないようだ。
私は額に浮かぶ汗を拭いながら、答えることにする。
「フラグ? 」
ゆーちゃんはきょとんと首を傾げている。どうやら意味が良く分かっていないようだ。
「うん。ゲームで良く使うんだけれど、後で恋愛関係に発展することを示すもの…… かな」
「ふうん」
相槌を打ったゆーちゃんの顔を見ながら、言葉を続ける。
「ふうん」
相槌を打ったゆーちゃんの顔を見ながら、言葉を続ける。
「それだけ? 」
「他に…… 誰かいたかな? 」
私は、純粋すぎる瞳から目をそらせ、敢えて空とぼける。
「他に…… 誰かいたかな? 」
私は、純粋すぎる瞳から目をそらせ、敢えて空とぼける。
「ううん。いいんだよ。こなたお姉ちゃん」
ゆーちゃんの声と体が、細かく震える。
「柊先輩達も、高良先輩もとても魅力的だよね。だから当然だよね」
小さな声を振り絞って、なんとか笑顔をみせようとしているけれど、傍から見ると泣きそうにしか見えない。
ゆーちゃんの声と体が、細かく震える。
「柊先輩達も、高良先輩もとても魅力的だよね。だから当然だよね」
小さな声を振り絞って、なんとか笑顔をみせようとしているけれど、傍から見ると泣きそうにしか見えない。
「ごめん。ゆーちゃん」
目の前の少女が零した涙に焦った私は、慌てて謝った。
「こなた、お姉ちゃん…… 」
ゆーちゃんは涙を止めて、私をじっと見つめてくる。
「本当はね。私が一番フラグを立てたいのは、目の前にいる女の子なんだ」
「え!? 」
「困らせたくって意地悪をしちゃったけれど、やっぱり私には、ゆーちゃんが一番なのだよ。
なにせ、萌え要素のかたまりだしね」
私は瞼の端に涙をためている、小柄な少女の背中に手をまわしながら、片目を瞑ってみせた。
目の前の少女が零した涙に焦った私は、慌てて謝った。
「こなた、お姉ちゃん…… 」
ゆーちゃんは涙を止めて、私をじっと見つめてくる。
「本当はね。私が一番フラグを立てたいのは、目の前にいる女の子なんだ」
「え!? 」
「困らせたくって意地悪をしちゃったけれど、やっぱり私には、ゆーちゃんが一番なのだよ。
なにせ、萌え要素のかたまりだしね」
私は瞼の端に涙をためている、小柄な少女の背中に手をまわしながら、片目を瞑ってみせた。
「こなたお姉ちゃんの…… 莫迦」
告白を聞いたゆーちゃんが、小さな胸に飛び込んできて、周囲に構わず泣きじゃる。
「ごめんね。ゆーちゃん」
私は、意地悪をしてしまったことに罪悪感を感じながら、胸の中でしゃくりあげている、
少女の背中をゆっくりとさすり続けた。
告白を聞いたゆーちゃんが、小さな胸に飛び込んできて、周囲に構わず泣きじゃる。
「ごめんね。ゆーちゃん」
私は、意地悪をしてしまったことに罪悪感を感じながら、胸の中でしゃくりあげている、
少女の背中をゆっくりとさすり続けた。
「もう、落ちついた? 」
「うん。ごめんね」
声をかけると、意外とはっきりした反応が返ってくる。
「うん。ごめんね」
声をかけると、意外とはっきりした反応が返ってくる。
「あのね。こなたお姉ちゃん。お願いがあるのだけど」
鈴の鳴るような声で、私の耳元で囁く。
お互いの距離は5センチしか離れていない。
「なに…… かな? 」
大きい瞳を見据えながら、私は動悸を抑えながら囁き返す。
鈴の鳴るような声で、私の耳元で囁く。
お互いの距離は5センチしか離れていない。
「なに…… かな? 」
大きい瞳を見据えながら、私は動悸を抑えながら囁き返す。
「キス…… してくれない? 」
ゆーちゃんは言うと同時に、心持ち唇を上に向ける。
「うん。いいよ」
私は頷いてから、肩の上に掌を載せて、ゆっくりと唇を塞いでいった。
ゆーちゃんは言うと同時に、心持ち唇を上に向ける。
「うん。いいよ」
私は頷いてから、肩の上に掌を載せて、ゆっくりと唇を塞いでいった。
(了)
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