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かがみは家庭教師

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
「あんた、なんだかんだ一年中やる気ないっていってるわよね」
「うぐっ」
お昼時、お弁当をつついていたかがみがチョココロネを貪るこなたに
つっこみを入れた
「そのくせ趣味とかが関わってくると変にやる気起きるし……いきなりバイト始めたり」
「それは愚問だよかがみん、趣味には情熱が存在するからね」
「その情熱をもっと他の部分に向けてくれないか?宿題とか」
「つかさもそうだよねぇ~?やっぱり好きなことはやる気がでるよね?」
こなたはかがみの言葉を軽くスルーしてつかさに話しかける
……こいつ
「え?なに?」
つかさは聞いていなかったようだ、考え事でもしていたのだろう
「だからね?」
こなたは話の発端から話し始めた
そんなとこから説明しなくてもいいだろ
……それにしてもこいつはこのまま放って置くと本当に
ダメ人間になってしまいそうだな私がなんとかしてあげなきゃ
や、別にこなたのことが心配ってわけじゃなくて、ダメな友達が近くにいるのは
その…いろいろ世話やくのとか面倒だし
ほ、本当にそうなんだからね?
そんなことを自分に言い聞かせながら口を開く
「こなた、今週の土日あんたの家に行っていい?」
「ふぇ?」
あまりにも突然なことにこなたは頭の上にいくつものクエスチョンマークを浮かべている
空っぽになったお弁当箱を閉じてかがみは自分の考えを話し始める
「だから、週末にあんたの家に行くって言ってるの」
「と、突然どうしたの?」
「あんたの曲がった根性を根っこからまっすぐにしてやろうと思ってね」
なんだろう、かがみが萌えている……間違った、燃えている
可視できるのなら今かがみの後ろには真っ赤な炎がメラメラと燃え上がっていることだろう
これは承諾したら、漫画とかゲームとか週末何にも楽しいことをせずに終わってしまう
そう野生の勘が告げていた
「土日は出かける予定があるから…」
「明るいうちでしょ?大丈夫よ、泊まるんだから」
あれ、不穏な単語が聞こえたような気が……泊まる?
「とと、泊まるつもりですかぁあぁああ!?」
「そうよ?あ、つかさも一緒にくる?」
「え、私も?うん行く!お泊り楽しそう」
おお!つかさがいればまだ弾幕も軽く
「つかさにもこなたと同じようなことやらせるけどね」
「土日は用事があったんだった、ごめんね?こなちゃん」
うぉおーい!!なんでこういうときだけ切り返しが早いんだつかさ!!
きっとそのごめんにはいろいろな意味がこめられているのだろう
「そっか残念ね、つかさにもしっかりしてもらうために少し訓練させようと思ったのに」
「訓練…そ、それは残念だったねぇお姉ちゃん」
くっそ~つかさめ、安堵の表情なんかしおって
自分が魔の手から逃れられたからって
「それじゃあ土日はこなたの家に泊まりに行くことで決まりね」
「ちょ、そんな勝手」キーンコーンカーンコーン
─―あ
「チャイム鳴ったから教室戻るわね」
「え!?ちょ、ま!」
かがみはそう言うとお弁当箱を抱えて小走りで教室から出て行った
「う、あ」
「こなちゃん」
つかさがこちらを覗き込みながら言った
「どんまい」
「あうぅうぅ……」
今週末は大変なことになりそうだ


ピンポーン
!!や、やつが来た!!
ゲームをやっている最中聞こえた、自宅のチャイムを鳴らす音
留守を決め込むか、いやかがみんなら勝手に上がってきそうだ
いや、そもそも新聞勧誘とかかもしれないじゃないか
一応出た方がいいかも
でももしかがみんだったら、もう逃げることが出来ないかもしれないじゃ
「なんだ、いるんじゃない」
「!」
そんな構想を練っているうちに、かがみがあがってきてしまった
考えていた対策は無残にも水の泡となった
かがみは周りをキョロキョロと見回す
頭の両側から垂れたツインテールがそれにあわせてゆらゆらと揺れた
「おじさんは?」
「お父さんは、今日打ち合わせとかなんとか」
精一杯平静を装って言葉をひねり出す
「ふーん、そう」
「う、うん」
あぐらをかいたまま後ろを振り向きかがみの顔を見上げる
無表情、なんか怖い
「それなら都合がいいわね」
都合がいい?どういうことデスカ
「今日はいろいろ持ってきたから、こなたを矯正するためのものを」
「ひえぇえ~」
こなたが「しぇー」のポーズでそんなことを言う
こいつ何歳だ、いや知ってる私もなんなんだ
相当こいつに染められてるってことなのかな
「さあ、まずはなにからやろうかしら」
カバンにパンパンに詰め込んだ『こなちゃん矯正道具一式(つかさ命名)』
まずはやっぱり勉強かな?
「ソローリソローリ」
「…」
そんなことを考えていると私の後ろを忍び足で通り過ぎようとするこなたの姿があった
足音聞こえなくても口で言ったら意味ないだろ
「こなた、ちょっとここに座りなさい」
「いやぁ、なんか喉が渇いちゃったから何か飲んで」
「ここに座りなさい」
「はひ」
観念したのか、噛みながらそんな返事をすると私の隣にちょこんと腰掛けた
「いい?こなた、私はあんたが心配なのよ。このままいったらニート自宅警備員まっしぐらじゃない
 だから私が卒業までに真人間にしてあげる」
「い、いいって大丈夫だよそんなふうにはならないから」
「こなた」
こなたの両肩を掴んで真剣なまなざしでこなたをみつめる
こいつは普段ふざけているけど、ちゃんと話をすればしっかり受け止めてくれる
「うぅ~……分かったよかがみ」
「それでいいのよ」
手を添えて頭を優しくなでる
こころなしかこなたのほっぺが赤く染まってる気がした
「それじゃあまずは勉強ね」
「えぇええ!?」
「何よその反応」
「べ、勉強は最後」
「順番は私が決めます」
反論する間もなくそう言う、こなたは完全に私のペースに巻き込まれているようだ
私もいじられてばかりじゃないってことを教えて上げるわ


「かがみぃ、ここわかんないんだけど」
「さっきも同じような問題で聞いてきたじゃない」
「だ、だって分かんないんだもん……」
「ん~、だからここは」
最初は勉強、5教科7科目をみっちり脳に叩き込む
「かがみぃ、ここも」
「あんた少しは考えなさいよ」

「ほら~ペースが落ちてるわよぉ」
「ゼエゼエ」
次は運動、普段部屋にこもりがちのこなたを外に引っ張り出し走らせる
サボらないように後ろから自転車(これも家からもってきた折りたたみ式)で
ついていく、そしてなぜか手にはメガホン
「か、かがみ……ね、熱血先生じゃないんだからメガホンはいらないんじゃないの?」
「形だけよ形だけ、自分にも気合を入れるためにね」
もとから運動が得意なこなただが長距離は苦手なのか
10㌔ほどでかなり辛そうだ
「取り合えず100㌔くらい走れるようにがんばろっか」
「ちょ!!それは無理だって!せめて42.195くらいに」
「それもそうね、じゃあこなたには42.195㌔走れるようになってフルマラソンに出てもらおうか」
「ぐへぇ~藪蛇だぁ~」



「ほらほら休んでないで」
「だって42.195㌔走った後なんだもん」
最後は掃除、散らかりっぱなしのこなたの部屋を2人(できるだけこなたにやらせる)で片付ける
というかなんだかんだでフルマラソンの距離を走りきってしまうこなたはすごいと思う
「…あのさ、こなた」
「何?」
「なんでこれパッケージと違うゲームのCDが入ってるの?」
「さぁ~何でだろうね」
あんたは…
「まあいいわ……取り合えず私がきれいになったって言うまで終わらないから」
「はい」
こなたはもう反論する気もなくなったのだろうか
従順に私の言うことを聞いている、なんかかわいい
「…」
PCの上を指でスーっとなぞり、指先に息を吹きかける
「ふぅっぜんぜんだめね」
「どこの貴族ですかかがみさん」


カポーン
勉強・運動・掃除と、一応今日考えていたプランは全部終わった
ちょうどその後おじさんが帰ってきたので
私はお邪魔してますと挨拶をし
今は疲れた体を癒すため、2人でお風呂に入っている
「ふぁ~極楽じゃぁ~」
「あんたは年寄りか」
2人で湯船に浸かりながらそんなやり取りをするこなたとかがみ
浴槽はそれほど広くないのだが、こなたが小さいせいか2人でも余裕で浸かれた
かがみの足の間にこなたが収まっている形だ
「この格好って結構エロいよね」
「別にそんなでもないでしょ」
「うりうり~」
不意にこなたが背中をこすり付けてきた
「ちょ、何するのよ!」
「いやぁ~やわらかいなぁ~って思ってさぁ」
「こ、このぉ!」
こなたのわきに手を添えてくすぐる
「うひゃぁ!や、やめ!わきは弱いのですよ~あひゃひゃひゃ」


「…」ゴシゴシ
「……」
洗いっこしようということになったので
先にこなたがかがみを(いろいろいたずらを交えながら)洗い
いまはかがみがこなたを洗ってあげている
「ねぇこなた」
「…ん?」
背中を洗いながらこなたに尋ねる
不規則な生活をしているにもかかわらず、こなたの肌はきめ細かくつるつるしている
「今日、迷惑じゃなかった?」
「いまさらすぎるよかがみん」
それもそうだ、全部終わったあとに言われてもねぇ
「その、なんか無理やりつき合わせちゃったからさ」
「…」
こなたの都合も考えずにやってしまった
よくよく考えてみればやりすぎたかも…少し反省している
「…かったよ」
「え?」
こなたが蚊の鳴くような声でつぶやいた
「楽しかったよ」
「そ、そう」
「強引だったけど、なんていうかかがみの愛が伝わってきたし」
「…」
「なんていうか…その気持ちがうれしかったし」
そんなふうに受け止めていてくれたんだ

――ありがと、こなた
――お礼をいうのはあたしの方だよ、かがみん


「取り合えずベッドインしようか」
「しないわよ」
お風呂から上がり、パジャマに着替えてこなたの部屋へ
するとこいつが「一緒に寝よう、もちろん同じ布団で」とか言ってきた
「いいじゃん、得るものはあっても失うものはないんだから」
「何を得るんだ何を」
「そんなこと、言えない」
頬を赤らめるんじゃない
「なんで一緒に寝なきゃいけないのよ」
「愛に理由など必要ないのさ」
「愛なのかこれは」
「かがみん、私と寝たくないの?」
急にしおらしくなって、上目使いに私を見上げる…うるうるした瞳で
その顔は反則だと思う
「あ~もう分かったわよ」
スルリとベッドで横たわるこなたの隣へ滑り込む
「…」
「…ぽっ」
「別に寝ようか」
「も~冗談じゃないかぁ~。あ、電気消すね」
「うん」 カチッ
真っ暗になった部屋に、カーテンの隙間から月の光が差し込む
「ねぇ…こなた」
「――Zzzz」
はやっ!の○太かお前は!
「まぁ疲れたからね、今日は」
こなたの髪を撫でてやる
「……がんばったね」
寝顔は天使のようだ、前にみんなで海に出かけた時は
ぐごーぐがーといびきをかきながらすごい寝相で寝ていたけど
今日はなんだか大人しい…私が隣にいるから安心しているのかな?
お母さんがいないこの子は昔どういう気持ちで夜を過ごしていたのだろう
無駄に大きな布団で一人で眠るこの子がどれだけさみしい思いをしていたのか想像もつかない
お父さんが一緒に寝ていてくれたのかもしれないけど…それでもやっぱり寂しかっただろう
お母さんの代わり…とまではいかないけれど
これからも傍にいてあげたいな
そんなことを考えていると、ふと瞼が重くなってきた
そのまま夢の世界に


「お邪魔しました」
「いやぁお構いできなくてすまなかったね」
頭をぽりぽり掻きながら苦笑いするおじさん
帰ってきた後、とても疲れていたらしく、お風呂にも入らずに寝てしまったらしい
「まぁ、お父さんに絡まれなくてよかったんじゃない?」
「こなたぁ~どうしてお前はお父さんに対して辛口なんだ~」
涙目ですがる父を軽くいなしてこっちに向き直るこなた
「でも昨日のかがみ、なんか住み込みの家庭教師みたいだったね」
「か、家庭教師!?」
こなたは腕を組みながら悟ったような顔で言う
「かがみ弁護士志望してたけど、先生みたいなのにも向いてるのかもね」
「せ、先生なんて無理よ」
「子供が好きなら大丈夫だよ、かがみ子供好きでしょ?」
「そりゃぁ……好きだけど」
ずいぶんと軽々しく言ってくれる
確かに子供は好きだ公園とかで見かけると自然と笑みがこぼれちゃうし
ていうか子供が好きというか小さい子がゲフンゲフン
「一応そういう方面も考えておいたら?まだ時間あるんだし、才能あると思うよ?」
「そう…」
――先生か、それも面白いかもしれない
「かがみにいろいろ教わってて楽しかったし」
「え、そう?じゃあ来週もやろうか」
「うおあ!?また藪蛇~!」
「もちろん今日よりも厳しくいくからね」
「そそそんなぁ~~~!!」
こなたの悲痛な叫びが、美しい朝の光を浴びる町に木霊した

【 fin 】





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コメント:
  • やっぱロリコンか。面白かったです。 -- 名無しさん (2012-11-21 23:59:04)
  • くそ!こなたがうらやましいぜ -- かがみんラブ (2012-11-17 13:27:42)
  • とりあえずGJ
    ロリコンかがみもいいっすね~ -- Misao (2009-02-02 17:19:16)
  • その発想はなかったわ -- 名無しさん (2008-04-01 13:58:39)
  • かがみはロリコンだったのか -- 名無しさん (2008-04-01 11:53:56)

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