青い、空。
眼下に一面に浮かぶ、白いもこもことした羊雲。
透き通った蒼はずっと天蓋に続き、宇宙へと続くような透明な藍へのグラデーション。
現実には存在し得ないような美。その真ん中に私は立っている。
どうして悲しいのか、分からない。
涙がこぼれおちそうなのに、涙をこぼす肉体が存在しない。
ただ、どうしようもなく、涙が出そうになるぐらい、私は悲しかった。
眼下に一面に浮かぶ、白いもこもことした羊雲。
透き通った蒼はずっと天蓋に続き、宇宙へと続くような透明な藍へのグラデーション。
現実には存在し得ないような美。その真ん中に私は立っている。
どうして悲しいのか、分からない。
涙がこぼれおちそうなのに、涙をこぼす肉体が存在しない。
ただ、どうしようもなく、涙が出そうになるぐらい、私は悲しかった。
「う゛~、かがみ、つかさ、おはよう」
「おはよ~、こなちゃん。あれ? どうかしたの?」
糟壁駅、いつもの駅前。
私の変化に最初に気づいたのはつかさだった。
「ん~、ちょっとよく眠れなくてね~」
「どうせあんたの事だから、徹夜でネトゲーしてたりするんでしょ?
まったく、そんなことしているといつか体壊すわよ」
かがみんはいつもどおりツンツン。でもその言葉の奥底で私を心配しているのが分かる。
私の大切な、かけがいのない親友。
二人を心配させないための、ちいなさ嘘。
「だって~、昨日、どうしてもメンバーが離してくれなくてさ~。抜け時って難しいよね」
「そんなもん分かるか!!」
たわいもない話をして、学校へつくまでの時間。
あの頃からは、想像できないぐらい、明るく楽しい日々。
そんな毎日がずっと続いてゆく、そう信じていた。
「おはよ~、こなちゃん。あれ? どうかしたの?」
糟壁駅、いつもの駅前。
私の変化に最初に気づいたのはつかさだった。
「ん~、ちょっとよく眠れなくてね~」
「どうせあんたの事だから、徹夜でネトゲーしてたりするんでしょ?
まったく、そんなことしているといつか体壊すわよ」
かがみんはいつもどおりツンツン。でもその言葉の奥底で私を心配しているのが分かる。
私の大切な、かけがいのない親友。
二人を心配させないための、ちいなさ嘘。
「だって~、昨日、どうしてもメンバーが離してくれなくてさ~。抜け時って難しいよね」
「そんなもん分かるか!!」
たわいもない話をして、学校へつくまでの時間。
あの頃からは、想像できないぐらい、明るく楽しい日々。
そんな毎日がずっと続いてゆく、そう信じていた。
今はこんな風だけれど、中学の頃はそりゃもう今からは考えられないぐらいの生活だった。
小学校の頃から母親がいないというくだらない事でハブられていた私。
小学校からの持ち上がり組みが多い中学に進学しても、その現実は変わらなかった。
他の人は私を必要としなかったし、私も他の人を必要としていた。
友達はネットの向こうにいくらでもいるし、
友達のお喋りよりも面白いものがパソコンの中にある。
だから、私は一人でも生きていけた。
楽しそうにしているのは、そりゃまあ羨ましいとは思ったこともあるけれど、
自分の楽しみはネットの向こうにあったし、友達もネットの向こうだった。
べつに、それでかまわないと思っていた。
ずっと、ずっと……
小学校の頃から母親がいないというくだらない事でハブられていた私。
小学校からの持ち上がり組みが多い中学に進学しても、その現実は変わらなかった。
他の人は私を必要としなかったし、私も他の人を必要としていた。
友達はネットの向こうにいくらでもいるし、
友達のお喋りよりも面白いものがパソコンの中にある。
だから、私は一人でも生きていけた。
楽しそうにしているのは、そりゃまあ羨ましいとは思ったこともあるけれど、
自分の楽しみはネットの向こうにあったし、友達もネットの向こうだった。
べつに、それでかまわないと思っていた。
ずっと、ずっと……
「でさ~、ほんっと臭いよね~」
放課後、四人でぶらぶらと町を歩く。
少ないお小遣いで服を見たり、買い食いをしたり。
たわいもない話に花を咲かせる、そんな時間。
つかさはぼーっとしているようで一生懸命頑張っててかわいいし、
みゆきさんも萌え属性の塊。それにいろいろなことを教えてくれる。
かがみはそんなぼんやりしたみんなをまとめてくれる。
四人で思い思いのクレープを買って、みんなでかぶりつく、そんな平凡だけれども、幸せな時間。
「!!」
一瞬で体に冷気が走る。
あの姿、見覚えがある人。多分、中学の同級生。
向こう側からこちらに向かって歩いてくる。
……向こうは私だと気づいていない。
息を潜め、なんでもないふりをしてすれ違う。
充分距離が離れた事を確認し、安堵の息をつく。
「あら、こなたさん。どうかしましたか?」
今度は私の異変に気づいたのはみゆきさんだった。うちのぼけーっと組みは意外と鋭い。
慌てそうになる心をぐっと抑え、なんでもないふりをして返す。
「いや~、最近寝不足のせいかぼーっとしちゃってね。立ったまま寝そうになったよ」
「まぁ、睡眠時間はきちんととらなきゃいけないですよ。寝ている間に分泌されるホルモンのバランスが崩れてしまいますから」
うん、うまくごまかせたかな。
嘘をつくのは、ちょっとだけ心が苦しいのだけれど。でも私は、この大切な日々を守りたいから。
「もしかして、夜更かししてばっかだから成長ホルモンが足りなくて身長伸びないかもね」
「う゛……それを言われるとイタイ……」
昔は身長のことで言われると落ち込んだ事もあったけれど、でもかがみに言われるとあんまり気にならない。
同じ言葉でも、発する人でこんなにも受けるイメージが違うなんて。
「じゃあ、つかさよりも胸が大きいかがみは、きっと夜中一人でごにょごにょしてたから女性ホルモンが……」
「ぐわーっ、そんな訳あるか~っ。それにそんな事を人がいるところで大声で言うな~っ!!」
「あ、あの……私、そういったことはあんまりやっていない……つもりなんですが……」
「む~、私もお姉ちゃんみたいにもうちょっと大きくなりたい……」
くだらない話をして、一緒に笑い会える友達。
孤独だったから分かる、その大切さは何にも代えられないもの。
友達のためなら、どんなことだってできる。そう、思っていたのに……
放課後、四人でぶらぶらと町を歩く。
少ないお小遣いで服を見たり、買い食いをしたり。
たわいもない話に花を咲かせる、そんな時間。
つかさはぼーっとしているようで一生懸命頑張っててかわいいし、
みゆきさんも萌え属性の塊。それにいろいろなことを教えてくれる。
かがみはそんなぼんやりしたみんなをまとめてくれる。
四人で思い思いのクレープを買って、みんなでかぶりつく、そんな平凡だけれども、幸せな時間。
「!!」
一瞬で体に冷気が走る。
あの姿、見覚えがある人。多分、中学の同級生。
向こう側からこちらに向かって歩いてくる。
……向こうは私だと気づいていない。
息を潜め、なんでもないふりをしてすれ違う。
充分距離が離れた事を確認し、安堵の息をつく。
「あら、こなたさん。どうかしましたか?」
今度は私の異変に気づいたのはみゆきさんだった。うちのぼけーっと組みは意外と鋭い。
慌てそうになる心をぐっと抑え、なんでもないふりをして返す。
「いや~、最近寝不足のせいかぼーっとしちゃってね。立ったまま寝そうになったよ」
「まぁ、睡眠時間はきちんととらなきゃいけないですよ。寝ている間に分泌されるホルモンのバランスが崩れてしまいますから」
うん、うまくごまかせたかな。
嘘をつくのは、ちょっとだけ心が苦しいのだけれど。でも私は、この大切な日々を守りたいから。
「もしかして、夜更かししてばっかだから成長ホルモンが足りなくて身長伸びないかもね」
「う゛……それを言われるとイタイ……」
昔は身長のことで言われると落ち込んだ事もあったけれど、でもかがみに言われるとあんまり気にならない。
同じ言葉でも、発する人でこんなにも受けるイメージが違うなんて。
「じゃあ、つかさよりも胸が大きいかがみは、きっと夜中一人でごにょごにょしてたから女性ホルモンが……」
「ぐわーっ、そんな訳あるか~っ。それにそんな事を人がいるところで大声で言うな~っ!!」
「あ、あの……私、そういったことはあんまりやっていない……つもりなんですが……」
「む~、私もお姉ちゃんみたいにもうちょっと大きくなりたい……」
くだらない話をして、一緒に笑い会える友達。
孤独だったから分かる、その大切さは何にも代えられないもの。
友達のためなら、どんなことだってできる。そう、思っていたのに……