「んー……おはよぅ~……ふぁ~」
休日のお昼前。つかさはパジャマのまま、寝惚け眼を擦りながらキッチンに降りてきた。
「おはよう。今日も遅いね」
台所にいたのは長女のいのり一人だった。
「あれ? いのりお姉ちゃんだけ?」
「かがみはちょっと出てるよ」
「そう……ふぁ」
椅子に着いたつかさは、まだ眠そうに大きな欠伸をする。放っておけばそのまま寝てしまいそうだ。というか、既に寝る体勢に入っていた。
ほぼ無意識に目を閉じて、テーブルに突っ伏すつかさ。
その頬を、いのりの人差し指が突いた。プニっと。
「? ……お姉ちゃん、何?」
「いや……柔らかそうなほっぺただなーと思って、つい。実際すごい柔らかいね」
「そうかな?」
つかさは自分で自分のほっぺたをつまんだりしてみる。いまいち分からない。
「柔らかいよ。赤ちゃんみたいにプニプニしてる」
「ふーん……」
「何か特別な手入れとかしてる?」
「ううん、何も」
「そっかー……うらやましいなぁ。二十歳過ぎると肌も色々とあれだからねぇ……」
遠くを見るような視線で、いのりはため息まじりに呟いた。
休日のお昼前。つかさはパジャマのまま、寝惚け眼を擦りながらキッチンに降りてきた。
「おはよう。今日も遅いね」
台所にいたのは長女のいのり一人だった。
「あれ? いのりお姉ちゃんだけ?」
「かがみはちょっと出てるよ」
「そう……ふぁ」
椅子に着いたつかさは、まだ眠そうに大きな欠伸をする。放っておけばそのまま寝てしまいそうだ。というか、既に寝る体勢に入っていた。
ほぼ無意識に目を閉じて、テーブルに突っ伏すつかさ。
その頬を、いのりの人差し指が突いた。プニっと。
「? ……お姉ちゃん、何?」
「いや……柔らかそうなほっぺただなーと思って、つい。実際すごい柔らかいね」
「そうかな?」
つかさは自分で自分のほっぺたをつまんだりしてみる。いまいち分からない。
「柔らかいよ。赤ちゃんみたいにプニプニしてる」
「ふーん……」
「何か特別な手入れとかしてる?」
「ううん、何も」
「そっかー……うらやましいなぁ。二十歳過ぎると肌も色々とあれだからねぇ……」
遠くを見るような視線で、いのりはため息まじりに呟いた。
日にち変わって学校のお昼休み。
「――っていうことがあったんだ」
「ふむふむなるほど(プニプニ)」
「何となくだけど、姉さんの気持ちは分かるわね。つかさってむだ毛とかほとんど無くて、綺麗な肌してるし」
「うーん、そうなのかな?」
「そういうのも体質なんだろうね。羨ましいことで(プニプニプニ)」
「……あの、こなちゃん。さっきから何で私のほっぺた突っついてるの?」
「いやいやお気になさらず(プニプニプニプニ)」
「気にするわよ。いい加減やめろ、鬱陶しい」
「ああ、至高の感触が~……」
思うさまつかさのほっぺたを突っついていたこなたは、かがみに引き剥がされてか細い悲鳴を上げた。
「何という惨いことを……かがみには慈悲の心が無いのかい」
「あんたねぇ……たかがほっぺた一つで何でそこまで悪し様に言われなきゃならないのよ?」
「たかがほっぺたと申したか」
かがみの一言に反応し、こなたの目がギラリと光った。
「かがみ。あなたは分かっていない。分かっていないよ。ほっぺたがプニプニしているということは、それ自体が一つの萌え要素なんだよ」
「そうなの?」
「そうなんだよ。そもそも人が萌えを知覚できる主要素は三つ。そのキャラの外観に萌える視覚的要素。中の人の演技力も含めた声・台詞に萌える聴覚的要素。
そして最後が触覚……その筆頭は『柔らかそうな感じ』。これに尽きる。中でも柔らかそうなほっぺたというのは視覚でいえばネコミミ級に王道なわけ」
「でもそれってつまり視覚的な要素なんじゃないの?」
「Non!!」
「何故フランス語?」
「見かけだけの問題ではないのだよ。そもそも外観のみを基準とすれば、絵柄によっては登場人物全て『ほっぺたが柔らかそう』に当てはまってしまう場合もある。そのキャラの容姿・言動・設定まで含めた上で『ほっぺたが柔らかそう』という称号が与えられるのだ!」
握り拳を振り上げて『ほっぺたが柔らかい』ということについて解説するこなた。かがみはもう途中からついていけずに聞き流していた。
「とまあ、これは主に二次元での話。三次元でも私は常日頃から『眼鏡が似合いそうな人』とともに『ほっぺたが柔らかそうな人』について考察し、時には同志と意見を戦わせているのだよ」
「はぁ、そうですか……」
ちなみにこなたが独断と偏見で選ぶほっぺたが柔らかそうな人ベスト3。
1:つかさ
2:ゆたか
3:みゆき
「つかさとゆーちゃんは既に突っつかせてもらったけど、みゆきさんがまだなんだよねぇ……というわけでちょっと行ってくる」
「行くなよオイ」
止めようとするかがみを尻目に、こなたはみゆきの席に歩いていく。
しかしみゆきに正面から頼むのではなく、足音を消してその背後に回った。
そしてその肩をポンと叩く。手は肩に置いたまま人差し指を伸ばす。
振り向いたみゆきのほっぺたに、こなたの人差し指がプニっと突き刺さった。
「引っかかったー」
「あ、泉さん」
一瞬、目を丸くしていたみゆきだが、すぐにただのいたずらだと理解して、顔を綻ばせた。
「引っかかってしまいましたね」
「小学校の時とかさ、こんな感じの遊びってちょっと流行らなかった?」
「そうですね。私はほとんどされる側でしたけど」
「だろうねぇ……それにしても、みゆきさんのほっぺた柔らかいねー」
「そうでしょうか?」
みゆきは自分のほっぺたを軽くつまみながら尋ねる。
「うん。柔らかい。つかさほどではないにせよ、十分戦力になるよ」
何の戦力だよ、とやや離れた所で二人を見ているかがみが呟いていた。
「つかささんのほっぺたは確かに柔らかそうですね。何となく、ですけど」
「いやー、すごく柔らかいよあれは。マシュマロみたいというか突き立てのお餅みたいというか……一触の価値ありだね」
「そうなんですか……ちょっと触ってみたい気もしますね」
つかさのほっぺたについて論じている二人の傍へ、当人が寄ってきた。
「ゆきちゃん、良かったら触ってみる?」
「え、良いんですか?」
「うん。別に減るもんじゃないし」
「では……失礼します」
みゆきの指先が、つかさのほっぺたを軽く押すように突っつく。
「確かにこれは……ものすごく柔らかいですね」
「でしょう? この感触は癖になりそうだよねー」
みゆきが右のほっぺたを突っついているので、こなたは左のほっぺたを突っついている。しばらく二人でプニプニプニプニ……
「あんた達、二人して何やってんの」
とうとう堪りかねて、かがみが出てきた。
「あ……す、すみませんでした。つい……」
「まったくもう……みゆきまでこなたに毒されないでよ」
「みゆきさんですら虜にする、つかさのほっぺたが如何に恐ろしいかということだね」
「変な方向にまとめるな。つかさも、嫌なら嫌ってちゃんと言いなさい」
「うーん、私は別に嫌じゃないけど――」
「はっはぁ~ん……かがみってば、さてはつかさばっかりほっぺたの柔らかさを持て囃されるのに嫉妬してるんだ」
「んなっ……!?」
図星だったのか、かがみは狼狽え顔を赤くする。
「しょーがないなぁ。ほら、かがみのほっぺたもプニプニしてあげよう」
「た、頼んでないわよ! 手をワキワキさせて近寄るなぁ!」
逃げるかがみと追うこなた。
「遠慮しなくていいんだよー、かがみーん」
何だかんだで、つかさやみゆきのほっぺたを突っつく時より活き活きしているこなただった。
「――っていうことがあったんだ」
「ふむふむなるほど(プニプニ)」
「何となくだけど、姉さんの気持ちは分かるわね。つかさってむだ毛とかほとんど無くて、綺麗な肌してるし」
「うーん、そうなのかな?」
「そういうのも体質なんだろうね。羨ましいことで(プニプニプニ)」
「……あの、こなちゃん。さっきから何で私のほっぺた突っついてるの?」
「いやいやお気になさらず(プニプニプニプニ)」
「気にするわよ。いい加減やめろ、鬱陶しい」
「ああ、至高の感触が~……」
思うさまつかさのほっぺたを突っついていたこなたは、かがみに引き剥がされてか細い悲鳴を上げた。
「何という惨いことを……かがみには慈悲の心が無いのかい」
「あんたねぇ……たかがほっぺた一つで何でそこまで悪し様に言われなきゃならないのよ?」
「たかがほっぺたと申したか」
かがみの一言に反応し、こなたの目がギラリと光った。
「かがみ。あなたは分かっていない。分かっていないよ。ほっぺたがプニプニしているということは、それ自体が一つの萌え要素なんだよ」
「そうなの?」
「そうなんだよ。そもそも人が萌えを知覚できる主要素は三つ。そのキャラの外観に萌える視覚的要素。中の人の演技力も含めた声・台詞に萌える聴覚的要素。
そして最後が触覚……その筆頭は『柔らかそうな感じ』。これに尽きる。中でも柔らかそうなほっぺたというのは視覚でいえばネコミミ級に王道なわけ」
「でもそれってつまり視覚的な要素なんじゃないの?」
「Non!!」
「何故フランス語?」
「見かけだけの問題ではないのだよ。そもそも外観のみを基準とすれば、絵柄によっては登場人物全て『ほっぺたが柔らかそう』に当てはまってしまう場合もある。そのキャラの容姿・言動・設定まで含めた上で『ほっぺたが柔らかそう』という称号が与えられるのだ!」
握り拳を振り上げて『ほっぺたが柔らかい』ということについて解説するこなた。かがみはもう途中からついていけずに聞き流していた。
「とまあ、これは主に二次元での話。三次元でも私は常日頃から『眼鏡が似合いそうな人』とともに『ほっぺたが柔らかそうな人』について考察し、時には同志と意見を戦わせているのだよ」
「はぁ、そうですか……」
ちなみにこなたが独断と偏見で選ぶほっぺたが柔らかそうな人ベスト3。
1:つかさ
2:ゆたか
3:みゆき
「つかさとゆーちゃんは既に突っつかせてもらったけど、みゆきさんがまだなんだよねぇ……というわけでちょっと行ってくる」
「行くなよオイ」
止めようとするかがみを尻目に、こなたはみゆきの席に歩いていく。
しかしみゆきに正面から頼むのではなく、足音を消してその背後に回った。
そしてその肩をポンと叩く。手は肩に置いたまま人差し指を伸ばす。
振り向いたみゆきのほっぺたに、こなたの人差し指がプニっと突き刺さった。
「引っかかったー」
「あ、泉さん」
一瞬、目を丸くしていたみゆきだが、すぐにただのいたずらだと理解して、顔を綻ばせた。
「引っかかってしまいましたね」
「小学校の時とかさ、こんな感じの遊びってちょっと流行らなかった?」
「そうですね。私はほとんどされる側でしたけど」
「だろうねぇ……それにしても、みゆきさんのほっぺた柔らかいねー」
「そうでしょうか?」
みゆきは自分のほっぺたを軽くつまみながら尋ねる。
「うん。柔らかい。つかさほどではないにせよ、十分戦力になるよ」
何の戦力だよ、とやや離れた所で二人を見ているかがみが呟いていた。
「つかささんのほっぺたは確かに柔らかそうですね。何となく、ですけど」
「いやー、すごく柔らかいよあれは。マシュマロみたいというか突き立てのお餅みたいというか……一触の価値ありだね」
「そうなんですか……ちょっと触ってみたい気もしますね」
つかさのほっぺたについて論じている二人の傍へ、当人が寄ってきた。
「ゆきちゃん、良かったら触ってみる?」
「え、良いんですか?」
「うん。別に減るもんじゃないし」
「では……失礼します」
みゆきの指先が、つかさのほっぺたを軽く押すように突っつく。
「確かにこれは……ものすごく柔らかいですね」
「でしょう? この感触は癖になりそうだよねー」
みゆきが右のほっぺたを突っついているので、こなたは左のほっぺたを突っついている。しばらく二人でプニプニプニプニ……
「あんた達、二人して何やってんの」
とうとう堪りかねて、かがみが出てきた。
「あ……す、すみませんでした。つい……」
「まったくもう……みゆきまでこなたに毒されないでよ」
「みゆきさんですら虜にする、つかさのほっぺたが如何に恐ろしいかということだね」
「変な方向にまとめるな。つかさも、嫌なら嫌ってちゃんと言いなさい」
「うーん、私は別に嫌じゃないけど――」
「はっはぁ~ん……かがみってば、さてはつかさばっかりほっぺたの柔らかさを持て囃されるのに嫉妬してるんだ」
「んなっ……!?」
図星だったのか、かがみは狼狽え顔を赤くする。
「しょーがないなぁ。ほら、かがみのほっぺたもプニプニしてあげよう」
「た、頼んでないわよ! 手をワキワキさせて近寄るなぁ!」
逃げるかがみと追うこなた。
「遠慮しなくていいんだよー、かがみーん」
何だかんだで、つかさやみゆきのほっぺたを突っつく時より活き活きしているこなただった。
おわり
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- こなたさん、嫁が一番ですか(ニュフン☆ -- 名無しさん (2011-04-14 07:18:12)
- こなたの性格とこなたに弄ばれる三人の可愛さに悶えてしまいます。
GJ! -- 名無しさん (2008-02-21 00:44:18)
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