それは、こなたがつかさと遊びに行った後、柊家に立ち寄った時の出来事であった。
「おじゃましまーす」
「いらっしゃい、こなちゃん。先に私の部屋で待っててね」
「ありがとう」
いつものように、こなたはつかさの部屋に向かった。
(おや?)
かがみの部屋の扉が、僅かに開いている。
かがみはみさお達と出かけていると、つかさから聞いていたのだが、
(帰ってるのかな)
人の気配がする。それと――
(おおっ)
ベッドが軋む音と、誰かの吐息が聞こえる。
こなたは好奇心の任せるまま、抜き足差し足忍び足でかがみの部屋に近寄った。
『……っ、…、はぁ、もうだめっ』
耳を澄ますと、かがみのやけに荒い吐息と声が聞こえた。
(おおっ、あのかがみがっ)
『……、早い…ちゃんと……腰を痛めるよ』
もう一人の声も、息が上がっているようだった。
(んー。この声は……)
こなたは、じりじりと扉に近寄りながら、声の持ち主を思いだそうとする。
明るくて、ちょっと脳天気な感じだ。
『……そりゃ、日下部は慣れてるだろうけどさ』
(あ、そうか)
かがみのクラスメイトのみさおであった。みさおと遊びに行くと言っていたのだから、当然だろう。
『へへっ、まあねー』
かがみに褒められて、やけに嬉しそうだった。
『さー、一緒に続きをやろうよ』
『……うん』
かがみがやけにしおらしい。これは何かある。
そう直感したこなたは、中の様子を探ろうとジリジリと扉へ近寄った。
今はただ、二人の吐息とベッドの軋む音が、規則正しく聞こえるだけだ。
(あとちょっと……)
隙間から中の様子を探ろうと、こなたが扉にたどり着いたその時だった。
「こなちゃん、こんな所でどうしたの?」
いつもながら、絶妙なタイミングでつかさが現れた。
(どうしてこんなタイミングでーっ)
叫びこそしなかったものの、こなたは足を滑らせ、扉の取っ手を掴んだ。
もちろんそれだけでは済まず、かがみの部屋へとなだれ込んでしまった。
「おじゃましまーす」
「いらっしゃい、こなちゃん。先に私の部屋で待っててね」
「ありがとう」
いつものように、こなたはつかさの部屋に向かった。
(おや?)
かがみの部屋の扉が、僅かに開いている。
かがみはみさお達と出かけていると、つかさから聞いていたのだが、
(帰ってるのかな)
人の気配がする。それと――
(おおっ)
ベッドが軋む音と、誰かの吐息が聞こえる。
こなたは好奇心の任せるまま、抜き足差し足忍び足でかがみの部屋に近寄った。
『……っ、…、はぁ、もうだめっ』
耳を澄ますと、かがみのやけに荒い吐息と声が聞こえた。
(おおっ、あのかがみがっ)
『……、早い…ちゃんと……腰を痛めるよ』
もう一人の声も、息が上がっているようだった。
(んー。この声は……)
こなたは、じりじりと扉に近寄りながら、声の持ち主を思いだそうとする。
明るくて、ちょっと脳天気な感じだ。
『……そりゃ、日下部は慣れてるだろうけどさ』
(あ、そうか)
かがみのクラスメイトのみさおであった。みさおと遊びに行くと言っていたのだから、当然だろう。
『へへっ、まあねー』
かがみに褒められて、やけに嬉しそうだった。
『さー、一緒に続きをやろうよ』
『……うん』
かがみがやけにしおらしい。これは何かある。
そう直感したこなたは、中の様子を探ろうとジリジリと扉へ近寄った。
今はただ、二人の吐息とベッドの軋む音が、規則正しく聞こえるだけだ。
(あとちょっと……)
隙間から中の様子を探ろうと、こなたが扉にたどり着いたその時だった。
「こなちゃん、こんな所でどうしたの?」
いつもながら、絶妙なタイミングでつかさが現れた。
(どうしてこんなタイミングでーっ)
叫びこそしなかったものの、こなたは足を滑らせ、扉の取っ手を掴んだ。
もちろんそれだけでは済まず、かがみの部屋へとなだれ込んでしまった。
ずべべべべっ。
そんな効果音をたてながら、こなたが見た物は、
「うー、もうダメっ」
ベッドに足を掛けつつ、力つきて床に寝そべるかがみと、
「柊、早いなあ」
同じくベッドに足を掛け、両手を頭の後ろにまわして上体を起こしているみさおがいた。
これはいわゆる一つの『腹筋運動』という物であろう。
何故かジャージを着ており、ぶっちゃけ色気の欠片も無かった。
何だか精神的なダメージを受けたこなたは、そのまま床に沈んでいた。
まあ勝手に勘違いをした以上、文句は言えないのだが、
(私のときめきを返してー)
などと思っているこなたであった。
「……あんた、何してるの?」
目の前に寝ころんだかがみがいる。こなたを白い目で見ているが、当然である。
「イエ、ナンデモアリマセンヨ?」
「怪しいなあ」
かがみは妙にカタコトな言葉のこなたを怪しむ。
「はぁ、まあいいか」
疲れの為だろうか、深追いせずにかがみは立ち上がり、
「日下部、つきあってくれてありがとう」
そう言いながら、隣のみさおの手を取った。
「ん。サンキュ」
かがみの手を取り、お礼を言いながらみさおは立ち上がった。
「んー。まあまあ頑張ったな、柊」
「うーん。まだまだかなあ」
「一気にやるのは体に悪いからね。またつきあうよ」
みさおはそう言い、かがみの肩ばしばしとたたく。
「……ありがとう。また、よろしく」
痛いながらも嬉しいのだろう、かがみは素直にお礼を言った。
「おっ。ちびっこじゃん」
みさおは、未だ床とお友達なこなたを見下ろしながら、挨拶をした。
「うぃーっす」
こなたもそのまま手をあげ、挨拶をする。立ち上がる気はまだ無かったが、つかさがこなたを引き上げた。
「あれ? お姉ちゃんと日下部さん来てたんだ。こんにちは」
「こんにちは、お邪魔してるよー」
こなたを引き上げてようやく気づいたのか、つかさとみさおが挨拶をした。
「で、二人何してたの?」
ようやく立ち上がったこなたが、かがみに聞く。
「……べ、別に何でもいいじゃない」
「怪しいなー」
こなたはそうからかうものの、大体想像はついていた。
「なんてね。ダイエットでしょ? 隠さなくてもいいじゃん」
「ぐっ……こっ、こいつ」
かがみは拳を握りしめ、こなたをにらみつけた。図星のようだ。
「にしても、わざわざジャージ着てやらなくてもさ」
こなたが疑問に思っていた事をかがみにぶつける。
「せっかくだし、その方がやる気が出るかなって」
「そんなもんかね?」
「そんなもんよ。一人じゃ続かないから、日下部に相方になってもらったんだ」
かがみによると、やる気の問題らしい。確かに、一人では続かないのは、実証済みだ。
「別にかがみはそんなに太ってる訳じゃないんだから、ダイエットしなくてもいいと思うんだけどな」
かがみ自身は気にしているようだが、こなたは素直にそう思う。
「そーなんだよなー。別にダイエットなんてする必要ないのになー」
横からみさおも乗ってきた。何かを思い出すように手を動かす。
「ちょっと柔らかいぐらいがいいのに」
『え?』
みさおの爆弾発言に、場が固まる。
「えっ、あっ……バ、バカーっ!!」
かがみは真っ赤になりながら、全力でその場から離脱した。
そんな効果音をたてながら、こなたが見た物は、
「うー、もうダメっ」
ベッドに足を掛けつつ、力つきて床に寝そべるかがみと、
「柊、早いなあ」
同じくベッドに足を掛け、両手を頭の後ろにまわして上体を起こしているみさおがいた。
これはいわゆる一つの『腹筋運動』という物であろう。
何故かジャージを着ており、ぶっちゃけ色気の欠片も無かった。
何だか精神的なダメージを受けたこなたは、そのまま床に沈んでいた。
まあ勝手に勘違いをした以上、文句は言えないのだが、
(私のときめきを返してー)
などと思っているこなたであった。
「……あんた、何してるの?」
目の前に寝ころんだかがみがいる。こなたを白い目で見ているが、当然である。
「イエ、ナンデモアリマセンヨ?」
「怪しいなあ」
かがみは妙にカタコトな言葉のこなたを怪しむ。
「はぁ、まあいいか」
疲れの為だろうか、深追いせずにかがみは立ち上がり、
「日下部、つきあってくれてありがとう」
そう言いながら、隣のみさおの手を取った。
「ん。サンキュ」
かがみの手を取り、お礼を言いながらみさおは立ち上がった。
「んー。まあまあ頑張ったな、柊」
「うーん。まだまだかなあ」
「一気にやるのは体に悪いからね。またつきあうよ」
みさおはそう言い、かがみの肩ばしばしとたたく。
「……ありがとう。また、よろしく」
痛いながらも嬉しいのだろう、かがみは素直にお礼を言った。
「おっ。ちびっこじゃん」
みさおは、未だ床とお友達なこなたを見下ろしながら、挨拶をした。
「うぃーっす」
こなたもそのまま手をあげ、挨拶をする。立ち上がる気はまだ無かったが、つかさがこなたを引き上げた。
「あれ? お姉ちゃんと日下部さん来てたんだ。こんにちは」
「こんにちは、お邪魔してるよー」
こなたを引き上げてようやく気づいたのか、つかさとみさおが挨拶をした。
「で、二人何してたの?」
ようやく立ち上がったこなたが、かがみに聞く。
「……べ、別に何でもいいじゃない」
「怪しいなー」
こなたはそうからかうものの、大体想像はついていた。
「なんてね。ダイエットでしょ? 隠さなくてもいいじゃん」
「ぐっ……こっ、こいつ」
かがみは拳を握りしめ、こなたをにらみつけた。図星のようだ。
「にしても、わざわざジャージ着てやらなくてもさ」
こなたが疑問に思っていた事をかがみにぶつける。
「せっかくだし、その方がやる気が出るかなって」
「そんなもんかね?」
「そんなもんよ。一人じゃ続かないから、日下部に相方になってもらったんだ」
かがみによると、やる気の問題らしい。確かに、一人では続かないのは、実証済みだ。
「別にかがみはそんなに太ってる訳じゃないんだから、ダイエットしなくてもいいと思うんだけどな」
かがみ自身は気にしているようだが、こなたは素直にそう思う。
「そーなんだよなー。別にダイエットなんてする必要ないのになー」
横からみさおも乗ってきた。何かを思い出すように手を動かす。
「ちょっと柔らかいぐらいがいいのに」
『え?』
みさおの爆弾発言に、場が固まる。
「えっ、あっ……バ、バカーっ!!」
かがみは真っ赤になりながら、全力でその場から離脱した。
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- にふふ~♪ おやくそく~ -- 名無しさん (2011-04-14 02:38:25)
- …惜しい…!! -- 名無しさん (2009-02-16 15:57:48)