――2007/08/16 A.M. 4:15――
「お姉ちゃんっ、大丈夫!?」
「なになに……いきなりなんなのよ」
ノックもなしにあわただしくドアが開かれる。部屋の主は眠そうな声で応答した。
「ごめん、お姉ちゃん。さっきの地震でちょっと驚いちゃって……。
ほら、東海大地震がくるってテレビでやったばっかりだったし、ええと、その」
「落ち着きなさない、つかさ。ウチは古いけど、このくらいじゃまだ倒れないから」
「そっか、それもそうだよね。ごめん……」
「まったく、安眠妨害もいいとこだわ。
……でも、家族の中で真っ先に私の部屋へ飛んできてくれたのはうれしかったわよ」
「え? なにか言った?」
「なんでもない」
「お姉ちゃんっ、大丈夫!?」
「なになに……いきなりなんなのよ」
ノックもなしにあわただしくドアが開かれる。部屋の主は眠そうな声で応答した。
「ごめん、お姉ちゃん。さっきの地震でちょっと驚いちゃって……。
ほら、東海大地震がくるってテレビでやったばっかりだったし、ええと、その」
「落ち着きなさない、つかさ。ウチは古いけど、このくらいじゃまだ倒れないから」
「そっか、それもそうだよね。ごめん……」
「まったく、安眠妨害もいいとこだわ。
……でも、家族の中で真っ先に私の部屋へ飛んできてくれたのはうれしかったわよ」
「え? なにか言った?」
「なんでもない」
「つかさ、かがみ、二人とも起きてたのか」
この落ち着いた声の持ち主であり、姉妹の父親のただおが顔を出した。
「あ、お父さん」
「お父さんもさっきの地震で起きたの?」
「うん。そんなところだね。怪我はないかい」
「棚や机は倒れなかったし、照明も落ちてきてないし。
ここら辺は特に揺れは大きくなかったから、大丈夫よ」
「私も~」
「そうかい。ならばいいんだが」
ただおは確認を済ますと、静かに戻っていった。
この落ち着いた声の持ち主であり、姉妹の父親のただおが顔を出した。
「あ、お父さん」
「お父さんもさっきの地震で起きたの?」
「うん。そんなところだね。怪我はないかい」
「棚や机は倒れなかったし、照明も落ちてきてないし。
ここら辺は特に揺れは大きくなかったから、大丈夫よ」
「私も~」
「そうかい。ならばいいんだが」
ただおは確認を済ますと、静かに戻っていった。
「あら、みんないるじゃない」
「本当ね。やっぱり眠れなかった?」
入れ替わり、母親のみきと長女のいのりが合流する。
「あれ? まつりお姉ちゃんは?」
一人足りないことに気付いたつかさが訊いた。
「それが……地震があったことにすら気付いてないみたいなのよ」
「姉さんらしいといえば、姉さんらしい……かな」
かがみがやれやれ、とため息を吐きながらつぶやいた。
「本当ね。やっぱり眠れなかった?」
入れ替わり、母親のみきと長女のいのりが合流する。
「あれ? まつりお姉ちゃんは?」
一人足りないことに気付いたつかさが訊いた。
「それが……地震があったことにすら気付いてないみたいなのよ」
「姉さんらしいといえば、姉さんらしい……かな」
かがみがやれやれ、とため息を吐きながらつぶやいた。
「ふわぁ~……安心したらなんだか眠くなってきちゃった」
「じゃあ、もう明るくなってますけど、寝直しましょうか」
「それもそうね。じゃあかがみ、ちょっと変だけど“おやすみなさい”」
つかさ、みき、いのりの三人はかがみの部屋を離れる。
「おやすみなさい。私はこのまま起きているわ」
三人に軽く手を振ると、ドアを閉めた。
(……ラジオ体操、久しぶりにしてみようかしら。ダイエットにも少しは効果が――)
「じゃあ、もう明るくなってますけど、寝直しましょうか」
「それもそうね。じゃあかがみ、ちょっと変だけど“おやすみなさい”」
つかさ、みき、いのりの三人はかがみの部屋を離れる。
「おやすみなさい。私はこのまま起きているわ」
三人に軽く手を振ると、ドアを閉めた。
(……ラジオ体操、久しぶりにしてみようかしら。ダイエットにも少しは効果が――)