私はとんでもないものを盗んで――じゃなくて、見てしまった。
思わず叫びそうになったけどそうしなかった自分を褒め称えたいぐらいにとんでもないものを。
いつもの相手に電話してその驚きを分かち合いたいと思うのは自然な事だと思った。
だから。
思わず叫びそうになったけどそうしなかった自分を褒め称えたいぐらいにとんでもないものを。
いつもの相手に電話してその驚きを分かち合いたいと思うのは自然な事だと思った。
だから。
『もしもし? 何こなた、私今宿題してるから手短に』
「聞いてよかがみ! 私今さっきドッペルゲンガー見たよ!!」
『……コスプレかなにか?』
「何で私のコスプレしてる人がいるのさ! ってかコスプレってレヴェルじゃねぇぞ! そっくりそのまま私!!」
『…………………』
「聞いてよかがみ! 私今さっきドッペルゲンガー見たよ!!」
『……コスプレかなにか?』
「何で私のコスプレしてる人がいるのさ! ってかコスプレってレヴェルじゃねぇぞ! そっくりそのまま私!!」
『…………………』
長い、ながーい沈黙の後。
『はぁ?』
言外に『あんたバカか?』という意味を含みまくったあんまりな対応に私は携帯片手にショップ前で熱弁を振るったのも当然だと思う。
とりあえず、ボキャブラリーは貧困というかゲームから得た引き出ししかない私に
現実的な説明が出来るわけがなく、手っ取り早くかがみに来てもらった。
宿題? そんなの夜中に出来るじゃん!
って言ったらぶつぶつ言いながら来てくれたかがみ、やっさしー。
現在ショップの近くの曲がり角でショップの入り口を監視中。
現実的な説明が出来るわけがなく、手っ取り早くかがみに来てもらった。
宿題? そんなの夜中に出来るじゃん!
って言ったらぶつぶつ言いながら来てくれたかがみ、やっさしー。
現在ショップの近くの曲がり角でショップの入り口を監視中。
「ふっふっふ、口ではああ言ってもちゃんと来てくれる体は正直だねぇかがみ」
「ところであんたは帽子かぶってるの? 制服に帽子って合わないわよ」
「ちょっ!! ツッコミなしですか! まあいいけど。帽子は変装だよ。さっき安いの買ったんだ。
私から見てそっくりな人……つーかあれ私本人みたいだったし。向こうも私を見たら驚くだろうから変装」
「アホ毛隠したら見た目完璧子供だからな、あんた」
「私のアイデンティティーはアホ毛オンリーですか?」
「でも、そこまでそっくりならあんたよく見つけた瞬間にばれなかったわね」
「ん? なーんか心ここにあらずって感じでぼーっとしてたんだよね。誰かを待ってるのかも……って、出てきた!」
「ところであんたは帽子かぶってるの? 制服に帽子って合わないわよ」
「ちょっ!! ツッコミなしですか! まあいいけど。帽子は変装だよ。さっき安いの買ったんだ。
私から見てそっくりな人……つーかあれ私本人みたいだったし。向こうも私を見たら驚くだろうから変装」
「アホ毛隠したら見た目完璧子供だからな、あんた」
「私のアイデンティティーはアホ毛オンリーですか?」
「でも、そこまでそっくりならあんたよく見つけた瞬間にばれなかったわね」
「ん? なーんか心ここにあらずって感じでぼーっとしてたんだよね。誰かを待ってるのかも……って、出てきた!」
かがみに「しー」と人差し指を立てて音を立てないように促す。そしてショップから出てくる人を凝視した。
青い長髪にアホ毛、年齢の割に小柄な身長――
青い長髪にアホ毛、年齢の割に小柄な身長――
「ほら! あれって私でしょ!?コスプレってレヴェルじゃないでしょ!?」
「う……うん、あれはどう見ても……って、ええ!? 制服も一緒じゃない!? あんたもしかして生き別れの妹とかいる!?」
「いるわけないじゃん!! ……たとえば12人も妹いたら実際は大変だよね」
「何の話だ」
「あ、もう1人出てきた。連れなのか、な……って、あれ――」
「う……うん、あれはどう見ても……って、ええ!? 制服も一緒じゃない!? あんたもしかして生き別れの妹とかいる!?」
「いるわけないじゃん!! ……たとえば12人も妹いたら実際は大変だよね」
「何の話だ」
「あ、もう1人出てきた。連れなのか、な……って、あれ――」
私のドッペルに続いてショップから出てきたのは、どう見ても私の後ろにいるはずの人。
思わず後ろを振り返ると、間違いなくそこにいる。ショップから出てきた人との違いは、向こうは制服を、こっちは私服を着ている点だけ。
妙に気まずそうに、外見が私たちと一緒の二人組がなにやら話している。流石に話し声までは聞こえないけど。
思わず後ろを振り返ると、間違いなくそこにいる。ショップから出てきた人との違いは、向こうは制服を、こっちは私服を着ている点だけ。
妙に気まずそうに、外見が私たちと一緒の二人組がなにやら話している。流石に話し声までは聞こえないけど。
「あれって……かがみ、だよね?ピンク髪のツインテール! ツンデレが服着て歩いてるような人ってかがみ以外にいないよ!?」
「それだとツンデレが常に裸みたいじゃない!! そもそも私はツンデレじゃないし!!」
「それだとツンデレが常に裸みたいじゃない!! そもそも私はツンデレじゃないし!!」
ばれないように小声での言い争いを数秒続けていると、ドッペルかがみがスタスタと歩き出した。
それに続くドッペル私。凄い気まずそうだけど、ドッペル私たちはケンカでもしてるんだろうか。
それに続くドッペル私。凄い気まずそうだけど、ドッペル私たちはケンカでもしてるんだろうか。
「ケンカ中かな?」
「ケンカしてたら一緒に買い物とか来ないでしょ」
「ケンカしてたら一緒に買い物とか来ないでしょ」
こそこそと尾行しながらドッペル私たちを観察する。
ドッペルかがみが振り向いたらドッペル私が「ぅわっ!?」と声をあげた。
その一言しか聞こえなかったけど、声質は結構違う気がする。骨格が似てると声も似るっていうのは違うのか?
何でドッペル私が声をあげたのかは分からない。ちょっと距離が遠すぎて何をしてるのか分からないし。
分かる事と言えば、こっちを向いているドッペルかがみの顔が真っ赤ってところかな。
ドッペルかがみが振り向いたらドッペル私が「ぅわっ!?」と声をあげた。
その一言しか聞こえなかったけど、声質は結構違う気がする。骨格が似てると声も似るっていうのは違うのか?
何でドッペル私が声をあげたのかは分からない。ちょっと距離が遠すぎて何をしてるのか分からないし。
分かる事と言えば、こっちを向いているドッペルかがみの顔が真っ赤ってところかな。
「向こうのかがみは照れ屋だねぇ」
「ちゃ、ちゃかすな」
「ちゃ、ちゃかすな」
からかうと私の後ろにいるかがみまで照れていた。
そういう反応が楽しいんだけどねーと再びからかおうとしたら。
そういう反応が楽しいんだけどねーと再びからかおうとしたら。
「て、テとかツナごウっ!」
「ぶぉっふぉうっ!!」
「ぶぉっふぉうっ!!」
一つ目のセリフは、ドッペル私が叫んだセリフ。
二つ目のセリフは、それに対して咳き込んだ私のセリフだ。セリフというかただ吹いたというか。
二つ目のセリフは、それに対して咳き込んだ私のセリフだ。セリフというかただ吹いたというか。
「へー、向こうのこなたは甘えん坊みたいねぇ」
「む、むぐぅ……」
「む、むぐぅ……」
さっきの仕返しなのかかがみが帽子の上から頭を撫でてきた。
今日の夜あたり仕返ししてやる。たっぷり可愛がってやる。
どんなことしようかと考えていたら、ドッペルかがみはドッペル私の手を掴んで走り去っていった。
んー……青春だ。
今日の夜あたり仕返ししてやる。たっぷり可愛がってやる。
どんなことしようかと考えていたら、ドッペルかがみはドッペル私の手を掴んで走り去っていった。
んー……青春だ。
「……なんだったんだろうね。あの私たちって」
「あんなにはっきり見たけど、ちょっと信じられないわね。今のは白昼夢だった……とか?」
「もしくはパラレルワールドの私たち、とか?」
「漫画の読みすぎよ」
「あんなにはっきり見たけど、ちょっと信じられないわね。今のは白昼夢だった……とか?」
「もしくはパラレルワールドの私たち、とか?」
「漫画の読みすぎよ」
かがみが私の帽子を取って、じかに頭にチョップをしてきた。痛くないけど。
でもそれしか考えられないじゃん、さっきのは声ごそ違ったけど完璧に私たちだよ。
まぁ……立場が少し違ったっぽいけどね。
でもそれしか考えられないじゃん、さっきのは声ごそ違ったけど完璧に私たちだよ。
まぁ……立場が少し違ったっぽいけどね。
「それじゃあ、さっきの私たちを見習って私たちも手でも繋ごうか?」
「な、なんでよ! こんな道端で……っ!」
「いーじゃん。なにもここで昨夜と同じ事をしよ? って言ってるわけじゃないんだし~」
「な、なんでよ! こんな道端で……っ!」
「いーじゃん。なにもここで昨夜と同じ事をしよ? って言ってるわけじゃないんだし~」
ボンッ! と音と湯気が出そうなほど急激にかがみの顔が真っ赤に染まった。
別に初めてでもないのになんでそこまで照れるかなぁ。
体温が上昇して停止しているかがみの手を勝手に取って走り出した。
別に初めてでもないのになんでそこまで照れるかなぁ。
体温が上昇して停止しているかがみの手を勝手に取って走り出した。
やっぱ人生積極的じゃないとね!