カラオケボイスの適当な設定と目的地

少し方角を間違えてしまったのか岩手県に来てしまった。ちょっと失敗。



信濃川のほとりで出会った断崖道とはここまで割とうまくやってこれたと思っている。
まあ、ついて来いと言ったのは私なのだから、その責任は果たさねばなるまい。
私はオールロワ書き手、カラオケボイスだからな。

それにしても私の登場話の状態表、『【装備】:枢木スザクの格好』とはどういうことだ。いくらなんでも曖昧すぎるだろう。
いったい彼がコードギアス本編で何種類の服を着たと思っているんだ。
なんかもう、どうでもいい……いや、よくない。私はカラオケボイスだからな。



※ここから、このSSの作者からカラオケボイスへの提案

えーっと、とりあえず、スザクの服装なのは間違いないわけですよね。あと外見設定もいるかなぁ。
だったら……外見は枢木スザク。身体能力もスザクで、服装はスザクがアニメ本編で着たことのある服なら
いつでもどこでも一瞬でチェンジ可能ってことでどうですかね? それなら前作との矛盾も生じないですし。
あと、声でハウリングが起こせるってことなので、オールロワで黒井ななこに支給されたカラオケ用機材一式でできることは
自力でできるっていう特殊能力つきで。

※ここまで、このSSの作者からカラオケボイスへの提案



なるほど、それでいくか。
私はカラオケボイスだしな。


って、ちょっと待てよ。
これ、明らかな死亡フラグが含まれていやしないか?
いつでもどこでも拡声器フラグ立て放題というのはどうなんだ。私、今、対主催なのに。



……ん? なんだ、あれは。焼野原の中に人が倒れている。
助けたほうがいいのか? まあ助けるしかないだろうな、私はカラオケボイスなのだから!





しかし、駆けつけてみたが酷い怪我だ。
生きているだろうか。生きてないと困るぞ。なんせ私はカラオケボイスで対主催なのだからな。


「私が…普通の名探偵……なんだぜ……」


はい?


「私が…普通の名探偵……なんだぜ……」


もしかして彼女は、ニコロワ書き手の普通の名探偵か?
外見が竜宮レナであることにちょっとした運命を感じるな。
私はオールロワでレナを書いたことがある。


彼女がニコロワ書き手の普通の名探偵なら助けるぞ!
私はオールロワ書き手のカラオケボイスだが、ニコロワの書き手だってちゃんと助ける!
というか、私がカラオケボイスである限り、どこの誰でも助けるぞ!!


「私は…普通の名探偵……なんだぜ……」


いや、それはもうわかったから!!!!!




【一日目・黎明/岩手県】

【カラオケボイス<◆KV/CyGfoz6>@オールロワ】
【状態】:健―――

「さすがにそれは認められない」


状態表でこのSSが終わるのかと思ったその刹那、断崖道が静かに、しかし強い口調で、自らの主張を伝える。


「認められない、とは?」
「私にはネタがない。
 けど、一緒にいるのに出番が『信濃川のほとりで出会った断崖道とはここまで割とうまくやってこれたと思っている。』しかないのは、あんまりだと思わない?」
「……謝ります。すみませんでした」


ちょっと調子に乗りすぎたと自覚したカラオケボイスは素直に謝罪する。
断崖道もこれ以上カラオケボイスを責めるつもりはなく、視線を普通の名探偵へと移した。


「その人を助けることに異論はないわ。だけどあなた、その人の怪我を直せるような特殊能力や支給品は持っているの?」
「私にはない。君のほうは?」
「生憎だけど私にも無理。これだけの傷だと、素人が応急処置をしたところで殆ど意味はないでしょうね。
 治療の道具を求めて病院を探しまわるくらいなら、怪我を治せる特殊能力や支給品を持った参加者を探したほうがいいと思うわ」
「わかった。そうしよう」


カラオケボイスは断崖道の提案に頷くと、自分の着ていた服をそれまでのアッシュフォード学園の制服からゼロの衣装へと一瞬でチェンジする。


「なぜここで衣装チェンジなの?」
「彼女の服はボロボロだ。このままでは可哀想だろう」


断崖道の疑問に答えながら身に纏っていたマントをはずし普通の名探偵に羽織らせると、カラオケボイスは再びアッシュフォード学園の制服姿に戻った。

ちなみに、カラオケボイスが数多い枢木スザクの衣装の中からアッシュフォード学園の制服を選んでいるのは、
『夜の闇の中で目立たなくて、動きやすくて、かつ妙な誤解フラグが立ちそうにない服』という観点からである。


「…ねえ。それ、マントだけ出すってできなかったの?」
「私もそれは考えたのだが、無理なようだ」
「…不便ね」
「ああ、私もそう思う」


普通の名探偵を背負って歩きだしたカラオケボイスに断崖道が続く。
しばらく無言で歩いていた二人だったが、断崖道が口を開いた。


「カラオケボイス。私はあなたについていくと決めた。基本的に、あなたのすることに反対はしない。
 でも、いくつか確認しておきたいことがある」
「なにかな?」
「ひとつめ。あなたには、生きろってギアスはかかってるの?」
「どうだろうな。自分でもわからない」
「あれって、死にそうな目にあえば発動するのよね? たしかめてみてもいいかしら?」
「……止めてください。その本気で人を殺しそうな笑顔がコワイデス」
「そう。残念だけど、まあいいわ。
 次の質問。あなた、猫は大丈夫なの?」
「…………あ゛」


カラオケボイスに明らかに動揺が走った。

すでに触れたとおりカラオケボイスの外見は枢木スザクなのだが、コードギアスのスザクは猫好きなのに猫に嫌われるらしく、
1年は一緒にいたはずの飼い猫・アーサーに結局最後まで咬まれ続けるというある種の偉業を達成している(アーサーにはツンデレ疑惑があるが)。

しかし、そんな原作設定だけなら特に問題はない。猫にちょっかいを出さなければいいだけだ。
だが、オールロワの枢木スザクはちょっと違う。
オールジャンルバトルロワイアル第22話『正義の味方』――このSSの中でスザクは、猫屋敷で全身を大量の猫に咬まれまくっているというとんでもない状況で登場するのだ。
ここまでくるともはや、嫌われているとかいうレベルではない。
しかもこのSSの作者は他ならぬカラオケボイス自身である。


「猫以外にも、虎とかライオンとかのネコ科の動物とか、外見が猫の参加者とか、ネコミミがついた人とか、大丈夫なのかしら?」
「……いきなり咬まれたらどうしたらいいと思う?」
「そんなこと、私に訊かないで」
「断崖道、少し、つめたい……」


ちょっと涙目になっているカラオケボイスを見て、断崖道は溜息をつく。
断崖道は、この書き手ロワで最初に会ったのがカラオケボイスでよかったと本心から思っていた。
彼はとても真摯だし、自分にはないものを持っている。彼が自分に見せると言った『新しい道』を見てみたいとも思う。
ただ、カラオケボイスは、ときどき面倒くさい。というか、ときどき凄くウザい。

「……次の質問、いいかしら?」
「まだあるのかい? 別に構わないが」
「今はこれで最後よ。私たちの目的地なのだけど」
「不満かい?」
「私は基本的にあなたのすることに反対はしないと言ったはず。でも、理由の説明はほしい」
「先程私たちは偶然にも埼玉に旅の扉があることを知った。しかし、あれはおそらく日本中に知れ渡った情報。
 たくさんの参加者が集まり、埼玉は地獄絵図と化していてもおかしくない」
「それは聞いたわ。特に高い戦闘力を持つわけでもない人間が埼玉に向かうのは自殺行為。
 そして、ミニチュアとはいえ日本。旅の扉が埼玉ひとつとは考えにくい。おそらく、北海道・東北にもうひとつくらいあるだろうというあなたの推測も。
 あなたの推測に関しては、私に反論はない」
「ならば問題はないだろう」
「あるわよ。北海道・東北とひとことで言っても、いろいろあるわ。ちょっと思いつくだけでも、仙台、函館、札幌……それなのに」


そこまで言って断崖道は一息置くと、それまでほとんど見ることのなかったカラオケボイスの瞳を真っ直ぐに見た。
その視線に気づいたカラオケボイスの表情も自然と引き締まる。
カラオケボイスの表情の変化を確認した断崖道は、いったん区切った言葉の続きを紡いだ。



「どうして私たちの目的地は、恐山なのかしら?」



そうなのだ。
新潟で出会ったカラオケボイスと断崖道。彼等は今、青森の恐山を目指して歩いている。ちょっと間違って岩手に来てしまったが。
カラオケボイスについていくとしか決めていなかった断崖道は、しばらくは何も訊かずに彼について歩いていた。
断崖道がカラオケボイスにどこに向かっているのか尋ねたのは1時間ほど前のことになる。
それからずっと気になっていたのだ。
なぜ恐山なのか、と。他にもいろいろあるだろう、と。

真剣な表情で尋ねる断崖道に、カラオケボイスもまた、真剣な表情で応える。


「断崖道は、シャーマンキングという漫画を知っているかい?」
「ええ、知っているわ。それがどうかしたの?」
「オールロワには、シャーマンキングのキャラクターも参戦している。
 中でもハオは、プリンセス・ハオに改名されてもトップマーダーとして頑張っている(2009年4月15日現在)」
「それで?」
「私はシャーマンキングは未把握だった。だから読んだ。そしたら、恐山に行きたくなった」
「……………そう。あなた、真性の馬鹿ね」
「そのセリフ、以前にも聞いた覚えがあるな」
「そのときとは、意味が違うわよ」


そう言って断崖道は笑った。
カラオケボイスのことを本当に馬鹿だと思う。だが彼女は、こういう馬鹿が嫌いなわけではないのだ。
このとき、断崖道は予想していなかった。
まさか「シャーマンキングを読んだら行きたくなった」などというふざけた理由で決まった目的地に旅の扉があるなんて。

断崖道と、普通の名探偵を背負ったカラオケボイスは、共に歩む。


「ところで」
「何?」
「さっき4:00になった……ロワ的には早朝と呼ばれる時間帯に突入したわけだが……4:00はどう考えても朝ではないと私は思う」
「何が言いたいのかしら?」
「ちょっと眠い」
「あっそ」


目指すは青森県・恐山。
一応そこには旅の扉があるのだが、彼等はそこまで無事に辿り着けるのか。
それは誰にもわからない。

【一日目・早朝/岩手県】



【カラオケボイス<◆KV/CyGfoz6>@オールロワ】
【状態】:健康、ちょっと眠い、普通の名探偵を背負っている
【装備】:枢木スザクの格好(現在はアッシュフォード学園制服)
【道具】:支給品一式。不明支給品あり(怪我の治療ができるアイテムではない)
【思考・行動】
 基本:打倒、主催!
 1:対主催! 対主催!
 2:恐山に向かいつつ、普通の名探偵の怪我を治せる参加者を探す
 3:断崖道について来いと言った責任は取る
 4:一応、猫や猫の姿をした参加者、ネコミミの参加者に気をつける
※外見と身体能力は 枢木スザク@コードギアス です。スザクがアニメ本編で着ていた服ならいつでもどこでも一瞬で衣装チェンジができます。
※生きろギアスがかかっているかは不明。猫の姿の参加者やネコミミのついた参加者に出会ったらどうなるのかも不明です。
※オールロワで黒井ななこに支給されたカラオケ用機材一式に可能なことは、自力でできます。



【断崖道<◆d3hAP9FFr2>@オリロワ】
【状態】健康
【装備】ゴスロリ服。S&W M60
【道具】支給品一式。
【思考・行動】
 基本:無気力
 1:カラオケボイスについていく。
※少なくとも、怪我を治せるような特殊能力は持っていません



【普通の名探偵<◆0RbUzIT0To>@ニコロワ】
【状態】背中に大きな切り傷、出血、毒、麻痺、気絶中。カラオケボイスに背負われている
【装備】キャスターのローブ@ギャルゲ2、ゼロのマント@コードギアス、ミニ八卦炉@LSロワ
【道具】なし
【思考】
 基本:熱血対主催として、ヘタレ対主催やステルスマーダーや発狂キャラを覚醒させて熱血展開をするんだぜ!
 1:少数派による運命の打開を!
※今の外見は血で汚れボロボロになったキャスターのローブの上からゼロのマントを羽織った竜宮レナ
※魔力があるようです、どのくらいあるのかは不明
※死にかけているせいかカラオケボイスが背負える程度の熱さしかありません。
※もしかすると次に登場する時は死体かもしれません。

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私たちのロワはこれからだ! カラオケボイス 恐山ル・ヴォワール
私たちのロワはこれからだ! 断崖道 恐山ル・ヴォワール
死の運命は理不尽に 普通の名探偵 恐山ル・ヴォワール

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最終更新:2009年05月27日 09:55
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