楽園の祝祭日

ノウルーズ・フェルドウスィー
作品名:黒白のアヴェスター
使用者:フェルドウス

神座万象シリーズに登場する能力。
戒律の一つ。
一日一種類の技しか使えないという誓約に対して日替わりの必殺技を七種類持つ能力。
ここでいう“一日”は使用者の故郷の星における一日に相当する。




能力についての詳細

誓約

  • 一日に一種類しか技が使えない
    • 七つあるうちの一つを選んで使うのではなく、一つの能力が本人も知らないうちに切り替わるため破ることがない
 自己の再生能力が強化される日。彼の戒律は七つの理想を描いており、そのルーレットが
たまたま首の皮一枚を繋げたのだ。

能力の日替わり

  • フェルドウスの故郷における曜日に沿った能力を得る
    • 特に正午時刻で最大の威力を発揮する。
曜日 割り当てられた概念・守護者 効果
月曜 陰の冥府 自己再生能力の上昇。とはいえ不死身の概念は義者に向かないため、本人曰く中途半端
火曜 軍神 攻撃力の上昇
水曜 伝令神 速度の上昇
木曜 主神たる真我 主神の力を借りる
金曜 慈愛の女神 故郷の双子星霊を召喚する
土曜 トリックスター 敵の能力の減殺
日曜 恵みの太陽 星霊加護の効果の超強化と全体化。強化された加護は相性問題による効果の相殺が起きなくなる

+ 月曜:再生力強化
  • 自己の再生能力が強化される
    • 多少の傷を受けても無茶ができる。
      • オーバーキルや我力が乗った一撃から再生できるほどのものではない。
 そもそも、再生はそこまでい大した力じゃない。殺しても死なぬ生き汚さは本来不義者の
十八番であり、義者とは相性が悪いのだ。よってフェルドウスはこの日を〝ハズレ〟と定義
しており、いくらか無茶が利くという程度の認識しか持ってなかった。

+ 火曜:攻撃力強化、火精螢惑・戦神変生(ノウルーズ・ウルスラグナ)
  • 戦神の威光を讃える力
    • 爆発的なエネルギーが大火球と化して放たれ爆発する。
 限界を遥かに超えて発動する攻撃力の超強化。まさしの武の神威さながらに、フェルド
ウスの内から弾けたエネルギーが大火球と化し爆発する。至近距離でその直撃を受けたか
らには、特級魔将だろうと無事では済まない。

+ 水曜:高速化
  • 自身が高速で移動できる存在になる
    • 加護による強化と違い、空気抵抗やソニックブームを発生させない。
「私も詳しくは知りませんが、一種の変身だと聞いています。あの速度で動いても平気な
ものに変わる。本来なら有り得ない間隙を衝き、周囲に無駄な破壊を拡げないほど鋭く、
清く、真っ直ぐに走る」

+ 木曜:極小規模の崩界、崩れ流転する黒白の界(ノウルーズ・アフラマズダ)
  • “主神”である真我の力を使う
    • 真我の触覚であるナダレと同じ崩界が使えるようになる。
      • 真我を理解する=触覚になるため不幸な末路が確定する。
 抜刀と同時に口を衝いた文言も、フェルドウスの意思とは違う次元から紡がれた神咒に
等しい。偽りなく入神状態となった彼は己の行為を知覚できず、また結果も人の領域を超
越する神威となった。
 走る剣閃がザリチェードとタルヴィードを二つに分かつ。単に両断したわけではなく、
存在の核とも呼ぶべき本質を断ち割って作り変えた。

+ 金曜:故郷の星霊を召喚、分かれ反転する黒白の相(ノウルーズ・ノーンハスヤ)
  • 双子の星霊ノーンハスヤをその身に宿す
    • 星霊の二面性を浴びて狂化し、全能力が向上する。
    • 星霊の力でエネルギー波を発することもできる。
 金曜日の力は、以前に一度だけ見た覚えがある。それはある種、狂化とも表現すべきも
のだった。

(中略)

 怒号と共に狂化が高まる。黒い太陽のごとき光が収束し、次いで一気に爆発した。
「分かれ反転する黒白の相!」
 真上から放たれたエネルギー波の直撃を受け、私は叩き落された。轟音と共に大地が割
れ、全身が砕け散るかと思ったほどの破壊力。

+ 土曜:能力の減殺
  • 敵の能力を減殺・無効化する
    • 世界の首席が全星霊の力を束ねて使用したものだろうと能力である以上は格を無視して減殺する。

+ 日曜:星霊加護の超強化
  • 星霊加護の効果が強化かつ相殺しなくなる
    • 加護の内容が数倍強化された上で味方全員に適応される。
 同時に身体が燃えるような昂揚感。明らかに通常の加護ではなく、そこは一度で我々全
員に効果を与えた点からも明白だった。
 フェルさんの戒律が描く七つの理想が一つ。星霊加護が数倍以上の威力を発揮する特別
な日の技に他ならない。


使用者との関連性

義者としての能力

  • クインの眷族として神剣の補助を得て限界を遥かに超えた性能を発揮する
    • 本来なら不可能な域の力を発揮し、格上の存在とも戦える。
 実際、特級魔将の我力が乗った一撃をまともに受けて、微塵となった状態から復活する
ほどの性能はないはずだろう。
 どれだけ強力な力であろうと、起点になっているのはあくまでもフェルドウスだ。殺意
以外で他者と触れ合えぬ彼が放ったものならば、殺し技にしかならないのは自明の理。
 歪ながらも二身合一を成していた飛蝗は、強引に断割されて非常に不完全なものと化す。
生まれつき臓器を欠損していた障害者のように、単体では生命維持すら不可能な存在へと
容赦なく落とされた。

次代のナダレ

  • 不義者になる契機として大転墜に巻き込まれた
    • 金曜日に星霊と一体化していたため魔剣による大転墜を受けた。
      • 転墜前と同等以上の戦力を保持したままナダレの立ち位置に立たされた。
 彼が故郷の星霊を使役できる日。つまり代行者として、星の意思と一体化する暦に他な
らない。であればナーキッド様の力を前に、丸ごと呑み込まれてしまう確率が高いだろう。


元ネタ

ノウルーズ(ペルシア語:نوروزnowrūz
ゾロアスター教の祝祭。
新年に行われた祝祭で、更に辿ると古代イランより継続的に行われてきた記録が残っている。

フェルドウスィー、フィルダウスィー(ペルシャ語:Ferdowsī / Firdaws
イランの詩人。叙事詩『シャー・ナーメ』(王の書)の著者。ペルシャ人の精神高揚のために書いたとされている。
「フェルドウス」 (Ferdows) とは古代ペルシャ語に起源する「パラダイス」の中世ペルシャ語および近世ペルシャ語形で、パラダイス同様「楽園・天国」の意味である。


関連項目

楽園の祝祭日の能力分類。

使用者のもう一つの戒律。

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最終更新:2023年03月11日 22:55