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一方その頃(時間経過)2 - (2006/10/09 (月) 15:51:58) の編集履歴(バックアップ)


一方その頃(時間経過)その2




ネーバルウィッチ

グランドフリート

一方その頃

その艦隊は、もう一つの銀河のような煌きを、
宇宙に与えていた。

見事な紡錘陣形を組んだ200万を超える艦が、
互いで互いを光の線で連結して整然と進んでいる。

かつて太陽系総軍と死闘を重ねたその艦隊を、
ネーバルウィッチと言った。

少女の形をした生体機械と、
その母胎である艦だけで構成された星間種族である。

彼女たちは、遠い昔に母星系を滅ぼして
星の海を流浪している。

派遣されるエステル

一方その頃

ネーバルウィッチ エイン艦氏族艦隊。

大提督/
エステル、エステル。
エステル・エイン艦氏族・アストラーダ。

エステル・エイン艦氏族・アストラーダ/
はっ。

大提督/
大提督は、あなたに命令を下しました。
ソル星域第4惑星“マーズ”へ行きなさい。

エステル・エイン艦氏族・アストラーダ/
ソルとは、あの忌まわしいBALLSと
その寄生種からなる汚らわしい聖域でしょうか。

大提督/
命令を復唱しなさい、エステル。

エステル・エイン艦氏族・アストラーダ/
…はっ。
エステル・エイン艦氏族・アストラーダは
ソル星域第4惑星マーズへ行きます。

大提督/
よろしい。
エステル・エイン艦氏族・アストラーダ。

大提督/
現在マーズでは内乱が起きています。
敵の敵は味方。

大提督/
貴官はマーズに降下して反乱軍に接触、
力を貸しなさい。

大提督/
愚かなソルを内部から疲弊させるのです。

エステル・エイン艦氏族・アストラーダ/
我々の姿では問題があるのでは。

大提督/
BALLSの寄生種の半分は、
我々と同じ構造をし、さらに14%は我々と
姿格好が酷似しています。

大提督/
忌々しい未開種族と似ていることを、
感謝しなければならないわね。

エステル・エイン艦氏族・アストラーダ
わかりました。

大提督/
18標準単位後に連絡艦を出します。
それまでに準備なさい。

エステル・エイン艦氏族・アストラーダ/
はっ。
淑女達とグランドフリートのために
全力をつくします。

エステル・エイン艦氏族・アストラーダ/
再び栄光を得るために。

大提督/
再び栄光を。

エステルからの報告

一方その頃

エステルは艦内から、
ネーバルの大提督と通信会話している。

エステル・エイン艦氏族・アストラーダ/
エステル・エイン艦氏族・アストラーダ。
定期報告を開始します。

大提督/
エステル・エイン艦氏族・アストラーダ。
定期報告を開始しなさい。

エステル・エイン艦氏族・アストラーダ/
反乱軍と接触、
艦に乗り込むことに成功しました。

大提督/
よろしい。
引き続き反乱軍に力を貸し、
忌々しい太陽系総軍に損害を与えつづけなさい。

大提督/
淑女とグランドフリートは、
外交ルートを通じて反乱軍に荷担するでしょう。

エステル・エイン艦氏族・アストラーダ/
反乱軍は、自らを火星独立軍と呼んでいます。
反乱軍と自らを呼ぶことを好きでは
ないようです。

大提督/
我々がネーバルウィッチなどと
呼ばれることを嫌がるとの同じね。

大提督/
わかりました。
外交時には注意させましょう。

エステル・エイン艦氏族・アストラーダ/
はっ。
それでは失礼します。

大提督/
再び栄光を。

エステル・エイン艦氏族・アストラーダ/
艦隊に勝利を。

エステルは通信を切ると、
ため息をついた。

エステルの裏切り

一方その頃

エステルは艦内から、
ネーバルの大提督と通信会話している。

大提督/
何故連絡する?
エステル。
エステル・エイン艦氏族・アストラーダ。

大提督/
定期連絡までには、まだ間があるはずだが。

エステル・エイン艦氏族・アストラーダ/
……。

大提督/
エステル・エイン艦氏族・アストラーダ。
返事をしなさい。

エステル・エイン艦氏族・アストラーダ/
お別れを、言いにきました。
私は…、私はもう何が正しいのか、
…わかりません。

大提督/
正しいのは、淑女達とグリンドフリート。
それのみです。

大提督/
悪夢から目を醒ましなさい。
エステル・エイン艦氏族・アストラーダ。

エステル・エイン艦氏族・アストラーダ/
現実は、こちらかもしれません。
大提督、私はずっと考えてきました。
我々になぜ秩序があり、何故彼らにないのかを。

エステル・エイン艦氏族・アストラーダ/
私は思いました。
ネーバルウィッチに秩序があるのは、
守るべきものが、もうないからだと。

エステル・エイン艦氏族・アストラーダ/
我々は母星を、男を、老人を、
多様な文化を失いました。
いまや守るべきは、我々そのものだけになりました。

エステル・エイン艦氏族・アストラーダ/
我々が秩序と呼ぶものは、正解が一つだけしかない、
寂しい状態ではないですか。

大提督/
愚かなことを。
複数の正解など、この宇宙にはない。
グレートワイズマンがそう決めたのだ。

エステル・エイン艦氏族・アストラーダ/
グレートワイズマンはなぜ1つだけではなく、
101の種族を銀河に置いたのですか。

エステル・エイン艦氏族・アストラーダ/
それは、正解が一つではないことを、
我々に伝えるためでは。

大提督/
エステル!

エステル・エイン艦氏族・アストラーダ/
…お別れを。
私は沢山の秩序にふれすぎました。

エステル・エイン艦氏族・アストラーダ/
もうどれか一つだけを選ぶことは出来ません。
選ぶことが出来るとするならば、それは…それは。

エステルは通信を切ると、
手で顔をおおって泣き始めた。

動き出すグランドフリート

一方その頃

その艦隊は、もう一つの銀河のような煌きを、
宇宙に与えていた。

見事な紡錘陣形を組んだ200万を超える艦が、
互いで互いを光の線で連結して整然と進んでいる。

かつて太陽系総軍と死闘を重ねたその艦隊を、
ネーバルウィッチと言った。

大提督/
BALLSとその寄生種という未開種族に
苦しめられて幾星霜。
我々は待望叶い、ついにこの日を迎えた!!

大提督/
グランドフリートは再び整備され、
淑女達は揃った。
我々はまた、銀河の全てを踏みにじるのだ!

大提督/
再び栄光を、艦隊に勝利を!
グランドフリート、機動開始!

ネーバルウィッチの太陽系侵攻

一方その頃

ー太陽系最外縁・冥王星軌道ー

艦隊のうちの一つに、
RBを駆るBALLS達が
通信を送っている。

BALLS/
”敵、発見。
所属、第2異星人ネーバルウィッチ。
艦隊規模不明。”

BALLS/
”太陽系の全星に緊急電。
敵味方の序列なし、最優先コード。”

一隻の艦隊が、対空射撃でRBを破壊。
爆発を吸収しながらネーバルウィッチの艦隊が前進する。

第2異星人ネーバルウィッチが太陽系に
侵攻を開始しました。

太陽系との歴史的な和睦

一方その頃


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