とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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小ネタ 裁縫スキル



美琴「あ、アンタ、胸のボタン取れかかってる」
上条「む、どこだ?」
美琴「Yシャツの、ほら上から2番目」
上条「おお、一瞬どこかわからなかったぜ。サンキュー御坂。うち帰ったら落っこと
さないうちにつけ直しとくわ」
美琴「え?どう見てもすぐ取れそうじゃない。ちょっと貸して。私裁縫セット持って
るから、つけてあげる」
上条「いいって。これくらいだったら家までもつし」
美琴「アンタの裁縫スキルじゃ、つけてもまた取れちゃうでしょ。ほら貸しなさいっ
てば」
上条「おいおい!こんなところで俺に脱げっていうのか?」
美琴「じゃあ、そのまま縫ってあげる。ほらこっち向きなさい」
上条「ええっ!?そ、それはまずいですよ美琴さん」
美琴「いいからいいから。ちょっとじっとしてて」
上条「早っ!目の前であっという間に針に糸通してるし!」
美琴「こんなもんは慣れよ慣れ。ペルシャ絨毯のほつれを直すより簡単だし。ボタ
ン、1回引っ張るわよ。……ほら取れた。アンタのことだから、うちに帰るまでに
落っことしてたんじゃない?」
上条「……不幸体質だけに言い返せません」
美琴「じゃ、動かないでね。すぐ終わらせるから」
上条「はい……」
美琴「ふーんふんふん、ふーんふんふん、ふんふんふーん♪」
上条「(……あー、御坂から何かいい匂いがする……って、うっとりしてる場合か
俺!)」
美琴「ちょろっとー、動かないでくれる?」
上条「お、おう」
美琴「簡単に取れないようにしっかりつけておくからねー」
上条「……み、御坂」
美琴「なに?」
上条「きょっ、距離が、近いん、だけど」
美琴「当たり前でしょ。離れてたらつけられないわよ」
上条「そ、それもそうだなあははのはー」
美琴「もうちょっとで終わるから、我慢して」
上条「(正直この距離は近い!近すぎる!つか、周りから見たらこの状況はすげー危
険な構図では?はっ、いけませんいけません。上条さんは寮の管理人さんがタイプ!
決して、決して妹が好きな土御門方面ではありません!直立不動心頭滅却!)」
美琴「はい、終わったわよー。あ、ごめん。糸切りバサミ、黒子に貸したままだった。
アンタ、ハサミ持ってる?」
上条「そんな物は俺のペンケースにも入ってないな」
美琴「じゃ、しょうがない。ちょっとそのまま動かないでね」

 プチッ

美琴「はい、できた。歯で切ったけど、それほど見栄えは悪くな………い……か
ら……」
上条「で、電撃で切るのかと思った……」
美琴「(こ、こ、コイツの顔が近い!この角度だとま、まるで………キ、キ、キツツ
キじゃなくて!)」
上条「み、み、み、御坂さん?」
美琴「な、なに?」
上条「なんで固まってやがりますかこの姿勢で」
美琴「……え?」
上条「お願いですから動いてくださいこのままでは上条さん新しい嗜好に目覚めてし
まいそうです」
美琴「わ、わかってるわよ……って、嗜好?」
上条「いや今のは毒電波だから忘れろ!忘れろ!えーと……ぼ、ボタン、ありがとう
な」
美琴「うん……あ、アンタ」
上条「ふぁい?」
美琴「シャツの、4番目と5番目。自分でつけた?」
上条「そ、そうだったと思う」
美琴「そ、そう。ずいぶん雑ね。すぐ取れそうじゃない。今度時間があるときに、
2つともつけ直してあげる」
上条「た、た、頼む。そそそ、そうだ!ボタンつけてくれたお礼に鞄持ってやるよお
前の寮まで」
美琴「あう?」
上条「だって、分かれ道まで5mもないし。常盤台の寮はここから近いだろ?ほら持っ
てやるから鞄貸せ鞄」
美琴「あ!……ありが、と……」
上条「いへいへ。それじゃいこーぜぃ」
美琴「う、うん」
上条「(あー、危ない危ない。危うく上条さんに新たな属性が付加されるところでし
たよ。全て気のせい、気のせいですよ!御坂がちょっと女の子らしいとか決して断じ
てこれっぽっちも思ってませんのことよ!)」
美琴「(寮まで一緒、寮まで一緒に帰宅、寮まで……ま、周りに見られたら、ど、ど
うしよう……)」
上条「(…………気まずい。なんかケツがむずがゆい!なんだこの空気は誰か俺をこ
こから連れ出してー)」
美琴「(寮監や黒子に見つかったらまずいそうじゃなくて寮生に見つかってもすごく
まずいけどこのまま黙って別れるのもそれはそれでちょっと気まずいっていうか)」
上条「な、なぁ、御坂」
美琴「なっ、何?」
上条「いい天気だな」
美琴「そうね」
上条「(…………だーれかー、このむずがゆい空気に割り込んできてくれー!土御
門ー!青髪-!この際白井でもいいからー!ドロップキックでもパイルドライバーで
もぶち込んでくれぇたーすーけーてー)」
美琴「(…………もうすぐ寮に着いちゃう。このままバイバイ、したく、ない……)」
上条「お、おおー、ほら、寮に着いたぞ御坂」
美琴「へ?あ、うん。鞄、ありがと……」
上条「えーと、その、あの、御坂」
美琴「な、なにかしら?」
上条「あ、あしたも……いっしょに……かえるか?いやそのあの、かえりみちであっ
たらだぞとくにたいはないからなホントだぞ?」
美琴「う、うん。そうね、帰り道、偶然ばったり出会ったら、ね」
上条「は、はは、そ、それじゃまたなー」
美琴「うん、ま、またねー」


上条「……はーあぶなかったですよー危うく上条さんが血迷って中学生に手を出した
すごい人になっちゃうところでしたよー俺のタイプはあくまでも寮の管理人さん寮の
管理人さん寮の管理人さん………」

黒子「お姉様?3日前からお姉様の机の上に糸切りバサミが出しっぱなしになってま
すけど、どうかしましたの?風水か何か始めたんですの?」
美琴「ふぇ?え?いやこれは別にわざと忘れてたとかそういうことはないのよこれっ
ぽっちもそうたまたま!たまたま裁縫セットの中にしまい忘れてただけなのよおほほ
ほほー」
黒子「怪しさ全開ですの……」


おわれ。


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