とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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23:30



 上条さんが美琴と罰ゲームを賭けた勝負でまた負けました。嗚呼不幸。


上条「だーっ! たかがオセロで何故勝てない!?」
美琴「はーいこれでアンタの二〇連敗ね。ご感想は?」
上条「不幸だ……。で、二〇連敗分の罰ゲームって、まさか二〇日間やんのか?」
美琴「さすがにアンタにそれをやらせるのはかわいそうだし、美琴さんは心が広いから一回分で許してあげるわ」
上条「なんだと? ぐぬぬぬぬ、上条さんは今カチンと来たぞカチンと!」
美琴「これも勝者の余裕ってやつかしら? 大丈夫よ、美琴さんは優しいから凡人のアンタでもできる罰ゲームを用意してあげる。た・だ・し、ちょっとハードルは高めだけどねー」
上条「くっそぅ……。かかってこい! やってやろうじゃねぇか!」
美琴「……………………………添い寝」
上条「……すまん。今なんて言った? 聞き取れなかったんでもう一度」
美琴「アンタが私に! …………一晩添い寝すんの。アンタの忍耐力とか理性を試してあげる。どう? これなら立派な罰ゲームでしょ?」
上条「ああホントにすごい罰ゲームだなっておい! それって男の部屋にお前が泊まるって事だろ? とんでもねー事言ってんじゃねーぞ! お前嫁入り前のお嬢様だろうが!」
美琴「ああら、アンタは中学生なんて視野外恋愛対象外検索結果〇なんでしょ? だったら一晩くらい余裕じゃない? そ・れ・と・も、アウトオブ眼中の中学生でも手を出しちゃう変態さんですかぁ?」
上条「ぐぐぐ……言ったな! だったら受けてやろうじゃねぇか! 上条さんの鋼の理性を見せてやる!! 後で吠え面かくんじゃねーぞ!!」
美琴「ふ、ふんっだ。アンタこそ後で泣きっ面さらすんじゃないわよ。もし寝てる間に手を出したら……その場で殺すからね。覚悟しなさい!」

 夜になりました。


美琴「あのさ、アンタ罰ゲームの趣旨わかってる?」
上条「……別に何の問題もねーだろ」
美琴「これ添い寝なのよ添・い・寝! アンタが不自然なまでに壁にひっついて、二人の間開けてたら意味ないじゃない」
上条「上条さんは成長期のお前を気遣って場所を広く空けてやってんだ! ただでさえ狭いベッドなんだから感謝しろ!」
美琴「とか何とか言って腰が引けてるけど?」
上条「るせぇ!」
美琴「寒いんだからもう少しくっつきなさいよ。ああそうそう、どさくさに紛れて変なところ触りやがったらただじゃ置かないからね」
上条「ただでさえ狭いのになんでひっつくんだよ! むちゃくちゃじゃねーか! 人の胸に抱きつくな!!」
美琴「敗者のくせにつべこべ言わない! もう寝るわよ。おやすみ」

 罰ゲーム一回戦開始。


美琴「……寝てる? この状態で寝てるの? しかも即入眠って……」
上条「zzzzzzzzzz」
美琴「うわ、ほっぺたつついても起きないわ。女の子が隣に寝てるってのに信じらんない」
上条「……みさか……zzzzzzzzzz」
美琴「ちょ! 寝返り打ってこっちに被さってきた! 抱きつかないでよ馬鹿!」
上条「zzzzzzzzzz」
美琴「……触ったらただじゃ置かないって言ったけど、寝てるときのこれは仕方ないわよね。……うん、美琴さんは心が広いからノーカウントにしてあげる。感謝しなさい」
上条「zzzzzzzzzz」
美琴「…………コイツの腕の中ってあったかくって心地良い……。あーあ、これが罰ゲームじゃなかったらよかったのに」
上条「zzzzzzzzzz」
美琴「脅されたからってホントに寝るんじゃないわよ。……ちょっとくらい手を出してきたって良いじゃない、この意気地なし」
上条「zzzzzzzzzz」
美琴「はぁ……、意気地なしは私の方か。こんな罰ゲームでも引き合いに出さなきゃ、アンタのそばにいられないなんてね」
上条「zzzzzzzzzz」
美琴「アンタね……す、少しは私の気持ちに気づきなさいよ。いっつもいっつも人のことスルーしてくれちゃってさ。……グスッ」
上条「zzzzzzzzzz」
美琴「……もうこうなったら、コイツの腕をこうして、腕枕で寝てやるんだから。……おやすみ」

 二回戦開始。


上条「うう、何か腕がしびれるんですが……って御坂? 俺いつの間に腕枕してんの? マジでいつの間に? つかこれ上条さん死亡フラグですか!?」
美琴「zzzzzzzzzz」
上条「……何で男の隣でこんなに無防備に寝やがりますか。嫁入り前という意識はないのかこの中学生は」
美琴「zzzzzzzzzz」
上条「うお! 馬鹿俺の胸に頬すりよせんな! 何笑顔浮かべて寝てやがる! 起きろ御坂!」
美琴「うーん……当麻……zzzzzzzzzz」
上条「寝言!? つかお前は夢の中だと俺を名前で呼んでんのか?」
美琴「やだ……どこさわってんのよ……馬鹿……zzzzzzzzzz」
上条「寝言で不吉なこと言ってんじゃねぇよ! お前の夢の中だと俺はブチ殺し確定じゃねぇか!」
美琴「zzzzzzzzzz」
上条「……寝顔はかわいいんだよな。何で年がら年中眉間にしわ寄せてケンカを売ってくるんだかね、コイツは」
美琴「zzzzzzzzzz」
上条「……ホント日頃からこれくらいおとなしいとありがたいんですがね、上条さんは」
美琴「……とうま……すき……むにゃむにゃ」
上条「お、おいおい! お前寝言で何言ってんだよ!? お前は俺を嫌ってるんじゃなかったのか?」
美琴「zzzzzzzzzz」
上条「……ああそうだよな、寝言だよな。日頃からやたらツンツンしてる女の子が、実は密かに俺のことを好きでしたなんてそんな幻想あるわけないよな」
美琴「zzzzzzzzzz」
上条「…………腕枕外したらコイツ起きちまうし、ちっと腕が痛いけど我慢して寝るとしますかね」

 三回戦開始。


上条「こんな夜中に目が覚めて早速だが……お前の顔が近いのはどういうワケなんだろうな」
美琴「せっ、狭いんだから仕方がないじゃない! そっちこそ、私に覆い被さってるこの腕はどういうことか、説明してもらうわよ?」
上条「……寒かったから布団引っ張ろうとしたんじゃねぇかな。それより、お前の手が俺のパジャマの胸元をつかんでるのはどういうことなんだ」
美琴「この体勢だと手がそこにしか持って行きようがなかったの! 良いでしょ別に。アンタこそ、人の襟元じろじろ見てるんじゃないわよ」
上条「どういうワケかお前に腕枕して頭がこれ以上動かせないんだし、お前の顔がすぐ目の前なんだから視線外したらどうしてもその辺しか向けないんだよ。仕方ねーだろ」
美琴「……ねぇ」
上条「何だよ」
美琴「アンタのそのぶらぶらさせてるその手。不安定だからもっとこっちに回したら? ……うん、私の背中の方に回して私を抱きかかえるようにして」
上条「お前も腕枕にしている位置がそこだと頭の収まりが悪いだろ。もっと腕の付け根の方に頭乗せろよ。……そう、そのへこんだところ」
美琴「……今何時?」
上条「ん? ああ、二三時三〇分だな」
美琴「……夜が明けるまでは結構時間があるのね」
上条「なぁ、今俺がやってるこれは罰ゲームのルール違反にならないのか?」
美琴「……わっ……私がそうしろって言ってるんだから、ノーカウントでいいわよ。何よアンタ。その…………もっとすごいことでもするつもり?」
上条「…………し、」
美琴「し?」
上条「…………して、いいのかよ」
美琴「罰ゲームのルール違反でただじゃ置かないけど、どうする?」
上条「罰ゲームの罰ゲームって言うのは、この場合何になるんだ」
美琴「…………アンタがちゃんとできるまで毎晩添い寝、とか」
上条「お前……そうなったら寮はどうすんだ」
美琴「……抜け出すから平気だもん」
上条「常盤台の寮のベッドの方が質も良いし、寝心地良さそうだが?」
美琴「狭いけどこっちの方が良いわ。あったかいし」
上条「夏は? くっついて寝たら暑いぞ」
美琴「この部屋、エアコンくらいあるんでしょ」
上条「そろそろ寝なくて良いのかよ」
美琴「中途半端に寝たから目がさえちゃって眠れないの。アンタは?」
上条「ルール違反にならないよう気をつけてるので、もう眠れません」
美琴「ルールのことは気にしなくて良いわよ。……これから毎晩こうする、から」
上条「…………え」
美琴「なっ、何よ! ここ(腕の中)は私の居場所って、もう決めたんだから! 文句ある?」
上条「……なぁ御坂」
美琴「…………ななな、何?」
上条「今更こんな話をするのも何だが……『常盤台中学の超電磁砲』が俺の検索範囲に入ったら、お前どうする?」
美琴「ほんっとーに今更だけど……望むところ、ね。検索結果〇って、される方は結構きついんだから。……少しは気づきなさいよ、馬鹿」
上条「そうか、そりゃ悪かったな」
美琴「ねぇ」
上条「ん?」
美琴「アンタの手。さっきから私の背中の上で動いてるんだけど」
上条「わ、悪りぃ。どうも落ち着かなくて」
美琴「そうじゃなくて。……撫でられてるみたいで気持ちいいって言おうとした……だけ……zzzzzzzzzz」
上条「…………ようやく寝たか。俺は……眠れるかなぁ。とりあえずおやすみ…………zzzzzzzzzz」


終わりです。


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