小ネタ 今の気持ちを……
あたしはいつもの帰り道、いつも通りコイツと歩いている。
毎日くだらない事喋ったり、たまにちょっと寄り道したり。
そんななんでもないこの時間が、あたしにとっては何より大切なモノだ。
今日は手とか繋いでみちゃおうかな。 なんて、そんな勇気あるわけないのにね。
あぁ、もうすぐ分かれ道だ。 あたしはこの瞬間が嫌いだ。
もっとコイツと話がしたい。
もっとコイツと歩いてたい。
もっとコイツと一緒にいたい。
そんな気持ちをコイツはちっとも気付いてくれないけど……
いや、気付いてくれない方がいいのかもしれない。
今の関係が壊れるくらいなら、いっそ友達のままの方が―――
「美琴」
な、なに!?
「いや、今日何か変だったからさ……どうかしたのかなって」
ななな何でもないわよ!! 手を握ろうとしたとか、そんなんじゃないんだから!!
「……無理すんなよ」
む、無理なんてしてないわよ! バカじゃないの!?
「はぁ~…あのなぁ、これでもお前とは長い付き合いだし、お前が何かに悩んでることくらい顔見りゃ分かる。
お前の今の気持ちだって……その…俺にはなんとなく分かってんだぞ?」
え…な……えっ!!?
ちょ、うそでしょ!? まさか、そんな……
「美琴、お前……」
ドキドキドキドキ///
「トイレ行きたいんだろ? そこのコンビニでとっとと済ませちまえよ」
「違ぇよボケッ!!!!!」