第三話 幸せ設計
―同日 放課後の通学路―
5ヶ月前(6月)から美琴と付き合いだして以降の上条は、美琴先生ご指導の結果テストの点数はそれなりに上昇した為補習の必要数は激減し、中間テストから約1ヶ月経過した現在はHR終了後すぐ帰宅できるようになっていた。
その結果ういた時間分を、いつもは美琴と過ごしたりスーパーの特売品の買い漁りに行ったり、ここ数日は一端覧祭の準備(上条は客寄せ要員なので主に手伝いのみ)などをしたりして消費してるのだが、
その結果ういた時間分を、いつもは美琴と過ごしたりスーパーの特売品の買い漁りに行ったり、ここ数日は一端覧祭の準備(上条は客寄せ要員なので主に手伝いのみ)などをしたりして消費してるのだが、
当麻(寸法(サイズ)、ねぇ……)
今回は、昼休みに急浮上した案件『美琴へのプレゼント(手作りゲコ太)に必要な布の寸法』について思案しながら、美琴の待つ『いつもの自販機前』に徒歩で向かって歩いていた。
当麻(公式版のサイズを調べようか…いやいや、それじゃ既製品の劣化版が出来るだけだから
手作りにする意味がほとんど無いように上条さんは思うわけで………ん? あれは………!)
手作りにする意味がほとんど無いように上条さんは思うわけで………ん? あれは………!)
通りがかったのは寝具の専門店。学生の1人暮らしが多いこの学園都市においては不眠に悩む者も多くいるため、それなりに需要はあるらしい。
ここで何を思いついたのか上条は『いつもの自販機』のある公園の近くまで走って……そこからゆっくり足音を立てないように歩き…
ここで何を思いついたのか上条は『いつもの自販機』のある公園の近くまで走って……そこからゆっくり足音を立てないように歩き…
当麻「(抱きっ)みーこーとーたんっ♪」
美琴「ふにゃ!?///」
美琴「ふにゃ!?///」
突然、後ろから抱きついた。
抱きつかれた美琴は、声と感触とから後ろにいるのが誰なのか一瞬で察知し、嬉しいのと驚いたのと恥ずかしいのとで複雑な顔と声になり
美琴「と、当みゃ!? いったいどうしたにょ今日は!? それとそにょ腕を離しにゃさい! あと『たん』言うにゃ///」
そんな真っ赤な顔+ふにゃりing状態で説得力のない台詞を言われても…(笑)と思いつつ上条は
当麻「いや、今日は補習も無いし、一端覧祭の準備も力作業が無いっぽかったんで…」
美琴「そうじゃにゃくて、にゃんでいきにゃり抱きついてきたのか…」
当麻「あぁ、最近寒くなってきた中で待っててくれてた美琴たんをあたためてあげたかったのと、
付き合いだしてからあんまりこういう事してなかったなーって思ったからやってみたかったのと」
美琴「だから『たん』言うにゃ///……あと、やっぱり離して」
当麻「なんで?」
美琴「そうじゃにゃくて、にゃんでいきにゃり抱きついてきたのか…」
当麻「あぁ、最近寒くなってきた中で待っててくれてた美琴たんをあたためてあげたかったのと、
付き合いだしてからあんまりこういう事してなかったなーって思ったからやってみたかったのと」
美琴「だから『たん』言うにゃ///……あと、やっぱり離して」
当麻「なんで?」
美琴「後ろからだと、私が抱きつき返せないから//////」
当麻「…(しばし考)…あー」
当麻「…(しばし考)…あー」
いったん離れ、美琴の隣に座り、再び上条が美琴を抱きしめ、美琴も笑顔で抱きつき返してきた。
美琴「えへ///」(ぎゅっ)
なんだこの可愛いすぎる美琴は。と上条が思ったその時
『ガサッ』
美琴「ふにゃ!?」
当麻「ん? どうしたんだ? 美琴」
美琴「……後ろに誰か居たような気がしたんだけど…気のせいだったみたい」
当麻「ん? どうしたんだ? 美琴」
美琴「……後ろに誰か居たような気がしたんだけど…気のせいだったみたい」
この後、『見れば見るほど可愛いなー美琴は』『だって大好きな当麻がすごく優しくしてくれるんだもん』
『それは大好きな美琴たんがいつにも増して可愛いから』『えへへ/// でも『たん』は言うな』と
バカップル全開トークを繰り広げていた。
『それは大好きな美琴たんがいつにも増して可愛いから』『えへへ/// でも『たん』は言うな』と
バカップル全開トークを繰り広げていた。
余談だが、この時偶然近くを通りかかった御坂妹から全世界のミサカたちにミサカネットワークを通じてこの事態が伝わり、上条と美琴をバカップル認定する決議が満場一致で採決されたそうな。
警備A「あのー…もしもし? そこのお二人さん?」
当麻「え? あー警備員の方ですか」
美琴「何か事件でも?」
美琴「何か事件でも?」
警備A「いえ、既に最終下校時刻を経過していますので、早めに帰宅するようにと…」
当麻&美琴「「あー、ありがとうございます」」(ハモリ)
この直後、2人が帰った数秒後に
警備B「そっちは大丈夫でしたかー?」
警備A「こちらは異常なし。バカップル1組が時間を忘れていちゃついてただけでした」(げんなり)
警備B「心中、お察しします」
警備A「こちらは異常なし。バカップル1組が時間を忘れていちゃついてただけでした」(げんなり)
警備B「心中、お察しします」
独身警備員コンビにそんなことがあったとは露知らず、上条は昨日と同様に美琴を寮まで送った後、自分の寮の部屋の鍵をあけた
舞夏「おーっす! 上条当麻ー」
途端、土御門舞夏が紙と色鉛筆を床に広げて座っていた。またベランダから侵入したのかコイツ。
当麻「何しに来たんだお前は」
舞夏「兄貴からプレゼントの件を聞いてだなー、型紙を作っておこうと思って待っていたのだよー」
当麻「型紙!?」
舞夏「兄貴からプレゼントの件を聞いてだなー、型紙を作っておこうと思って待っていたのだよー」
当麻「型紙!?」
人形作り素人丸出し発言(レベル4)を繰り出す上条に眉ひとつ動かさず舞夏は
舞夏「そうなんだー。完成品の大きさと形を決めて型紙しっかり作っておかないと、
布を買ってくれる人も困るし、ここで間違ったら布が足りなくて困るから初っ端のここが重要なんだぞー」
布を買ってくれる人も困るし、ここで間違ったら布が足りなくて困るから初っ端のここが重要なんだぞー」
いつもの笑顔で解説してくれた。なるほど、確かにそれは重要だ。
当麻「そうか…なら、まず腕は…」
舞夏「あれー? 最初に大きさと形を決めるのは腕なのか上条当麻ー」
舞夏「あれー? 最初に大きさと形を決めるのは腕なのか上条当麻ー」
なぜか自分の腕を あーでもないこーでもない と角度を変えて曲げて、それを定規代わりに2B鉛筆で
当麻「大体こんな感じのカーブで、長さは…これぐらいかな?」
舞夏「んー、しかしなぜその形と長さなんだー?」
舞夏「んー、しかしなぜその形と長さなんだー?」
当麻「いやぁ、せっかく手作りなんだから『抱き枕化も可能な抱きつき型ゲコ太』にでもしようかと」
実は上条、寝具専門店を通りがかったときに、以前美鈴さんが
『美琴ちゃん昔から毎日ぬいぐるみ抱いて寝ててねー、今でも帰省するたびに大きな枕を抱いて寝t』
と言ってる途中で赤面した美琴が
『こらー! そんな恥ずかしい事言うなー』
と美鈴の口をふさぎその後もしばらく色々と騒がしかったやりとりを思い出していた。今回のアイディアもそこから出てきたものだ。
先ほど美琴に抱きついたのは先述の理由もあるが(…っていうかそっちの理由が大きかったのだが)、どの程度のサイズ・形状ならばこのアイディアに適したゲコ太が作れるかを測っておきたいという理由でもあったのだ。
『美琴ちゃん昔から毎日ぬいぐるみ抱いて寝ててねー、今でも帰省するたびに大きな枕を抱いて寝t』
と言ってる途中で赤面した美琴が
『こらー! そんな恥ずかしい事言うなー』
と美鈴の口をふさぎその後もしばらく色々と騒がしかったやりとりを思い出していた。今回のアイディアもそこから出てきたものだ。
先ほど美琴に抱きついたのは先述の理由もあるが(…っていうかそっちの理由が大きかったのだが)、どの程度のサイズ・形状ならばこのアイディアに適したゲコ太が作れるかを測っておきたいという理由でもあったのだ。
舞夏「ふむふむ、抱き枕かー …なら胴体は…」
当麻「あのー、もしもし? なぜ私の胸囲・腹囲・腰まわりをメジャーで測ってらっしゃるのでせうか?」
当麻「あのー、もしもし? なぜ私の胸囲・腹囲・腰まわりをメジャーで測ってらっしゃるのでせうか?」
舞夏「なぜって、せっかく彼女が抱きつくのなら胴体は彼氏の胴体のサイズのほうが喜ばれるからだぞー」
当麻「あぁ、そういうことか」
当麻「あぁ、そういうことか」
言いながら舞夏は『中身が綿だから少し大きめのが抱きついたときちょうどそのサイズになるからなー』と型紙を作成していく。
その後、頭部・脚部も腕や胴のサイズにあわせて決めて型紙を完成させた舞夏は
その後、頭部・脚部も腕や胴のサイズにあわせて決めて型紙を完成させた舞夏は
舞夏「これで完成だぞー。あとはこれを布買ってくれる人にちゃんと渡すんだぞー。
私もこの時期忙しいから間違って紛失したり破れたりしても再度作成なんてことは出来ないから頑張れよー上条当麻ー」
私もこの時期忙しいから間違って紛失したり破れたりしても再度作成なんてことは出来ないから頑張れよー上条当麻ー」
と言い、ちゃんと玄関から隣の土御門の部屋に行った。
翌朝、上条は、『この類人猿がぁ~!』と絶叫する例の誰かさんの襲撃から型紙をしっかり守り抜き、姫神に型紙を手渡し、吹寄から裁縫道具(通販仕様の便利なやつ)を手渡された。
当麻「さて…裁縫なんて制服のボタン外れたのを直して以来だからな…ちょっくら練習しておくかな」