小ネタ 一方通行先生のお悩み相談室
[来客]
今日は珍しく誰もいねェ。女共は全員買い物だ。
打ち止めと黄泉川はともかく、出不精の芳川や番外個体までいないのは稀な事だ。
ま、俺にとってはラッキーだがなァ。
久しぶりに独りきりってのを堪能し―――
『ピンポーン!』
―――たかったってのに、誰だよクソッ!
『ピンポンピンポンピンポンピンポピンポピンピンピンピンピピピピピ!!!』
うるっせェなァ!!一回鳴しゃァ分かンだよ!!!
ハイハイ今出ますよォ! ったくどちらさンで………
「……こんちは………」
オイ、何しに来やがったオリジナル……
「ちょっと相談があるんだけど……」
………………………
はあァァァァァ!!!?
[お茶]
ンで?相談ってのは何なンだ。 とっとと言ってとっとと帰れ。
「その前に、この家はお客に対してお茶も出さない訳?」
招いた覚えは無ェよ!! そっちの戸棚にインスタントコーヒーと緑茶の茶葉があるから勝手に飲め!!!
「お湯は?ポットが無いんだけど……」
……炊飯器の中だ。
「!!!?」
[相談]
「…で、さ。 その……相談…なんだけど……」
テメェがわざわざ俺ン所に来るって事は、厄介事なンだろォが……クローン共の事か?
「ううん、そうじゃなくて…えっと……れ、恋愛相談なんだけど……」
………………………
はあァァァァァァァァァ!!!!?
[人選]
ふっざけンなァァァ!!! 人選ミスにも程があンだろォがァァァ!!! 他のヤツに聞け!他のヤツに!!!
「わ、私だってアンタなんかに相談したくないわよ!!! けど仕方ないでしょ!?
男性側の意見が聞きたいのに、他に男の知り合いがいないんだから!!」
浜面はどォした!浜面は!
「メールしたんだけど、今デート中なんだってさ。 邪魔しちゃ悪いじゃない」
…じゃァ海原は?
「……誰だっけその人」
ひでェなオイ。
[相手]
はァ…じゃァ聞くだけ聞いてやるから早く言え。 相手は…まァ三下だろォけどよォ。
「な、な、な、何でわかったの!!? 誰にも言ってなかったのに!!」
あれでばれねェと思ってたオマエにビックリだわ。
[鈍感]
「それでさ、一緒にフォークダンス踊ったり、携帯電話のペア契約したり、
ハワイで買った指輪まで渡したのに、全然私の気持ちに気付きもしないのよ!! どう思う!?」
あー…それじゃ駄目だな。 ヤツは学園都市に7人しかいない、レベル5の鈍感力者の第一位だ。
その程度じゃ箸にも棒にもかかりゃしねェだろ。
「……他の6人がすっごく気になるけど、まぁいいわ。続けて」
だからもっと直接的に言うしかねェ。どストレートに告れ。
「そ、それができたら苦労しないわよっ!!」
アホかテメェは。今までのやり方で失敗したンなら、自分を変えるしかねェだろォが!
もっとドーン!とぶつかって行きゃァいいンだよ。
「ドーンと…ぶつかる……わ、分かったわ! 私やってみる!!」
あァ、頑張れよ。
「うん、ありがと! それじゃあね!!」
……やっと帰ったか。これで独りに………
「ただいまー!ってミサカはミサカは愛する旦那さんに帰宅を報告してみたり!!」
「お土産もあるじゃんよ! アンタの大好きなフライドチキンじゃん!」
「…久しぶりに外に出て筋肉痛になっちゃったわ……」
「ミサカも疲れたー。第一位!肩揉んで!」
ちくしょォ!!!
[後日]
「なぁ、最近美琴がやたらとドーン!って体当たりしてくるんだけど、これって嫌がらせなのかな。
俺ってそんなに美琴に嫌われてんのか…? 一方通行はどう思う?」
あァもォ!!! めんどくせェなァテメェ等ァァァ!!!