とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part05

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選択と決着 第一章 不幸


「ホントに大丈夫か?」

ここは第二十三学区のとある空港。

「うん!! 大丈夫なんだよ!!」

上条とインデックスは何度もここを訪れた。
若干、上条の方が多いか。しかし、

「護衛はいないのか?」

「『自動書記』を自在に使いこなせるようになった私に、もう敵はいないかも!!」

「それは、飯が遅くなるたびに殺されかけた私がよく承知しております」

「ムッ、なんか嫌味を言われた気がするんだよ」

「言ったんだよコンチクショー。向こうに迷惑かけるなよ」

「キー!! そんなに子供じゃないかも!!」

今回旅立つのはインデックスだけだ。
そしてこれからは、ここから「旅立つ」ことは無くなる。
インデックスは皆に願い、二人だけにしてもらっていた。
その時間も、終る。

出発前のアナウンスが鳴り響いた。

「……いくね」

「……おう、いつでも遊びに来いよ!!」

「ひょうかや、こもえや、あいさに会いに来るんだよ」

「オレは~~!!?」

「ついででいいかも。……みことにもよろしく」

「……おう」

「じゃ、また!!」

「おう!!」

こうして上条とインデックスは別れた。
乗る機体が例の超音速旅客機だと知って、全力で駄々をこねたことなんてなかった。
なかったといったらなかった。



それから二週間がたっていた。
美琴に告白してからは約一カ月になる。
しかし、一人になった感傷に浸る暇はなかった。
別にそれを美琴に慰めてもらう、
ということを口実に美琴とイチャイチャしていたわけではない。
いや、そのつもり満々だったのにできなかったのだ。

「……不幸だ」

話はインデックスが去った三日後にさかのぼる。



「なんザマスか? これは?」

今まで補修等でろくに美琴と遊べていない、明日こそは。
などと考えながら帰宅した上条は、変な口癖を使っていた。

「何してるザマスか? 諸君」

彼女たちは無視して作業を続ける。

「こうすれば出力急上昇です。とミサカは学習装置の知識をさも自分の物であるかのように自慢します」

「なるほど。これで。あるてぃめっと。魔法のステッキが完成」


「これにより、『ユダの首つり』の暗号も付加されるのでございますよ」

「ほうほう、やはりそういう点では私も一歩劣っちまっているようですね」

「いえいえ、私は化粧が苦手なのでございますよ」


「五和、刃は鋭ければ良いというわけではありません。長期戦になれば、いずれ切れ味は落ちます。鈍器としても使えて、魔術的要素も失わず、自身が扱える重量を目指しなさい」

「はい!!女教皇様!!」



(……ああ、奴のせいか)

上条は隣人をぶっ殺しに行くことにした。
ドアを開け放ち叫ぶ。

「おい!! 土御門!! なんのつもりじゃ……?」

だが、すでに死んでいた。

「つっ……土御門~~!!」

「ガフッ、か、カミやん、オレは、止めたんだぜぃ。でも、さすがにあの面子は、オレにも、むりだ、ニャ~。……か、カミやん」

「なんだ!! 土御門!!」

「リア充爆発しろ。グフッ」

「土御門~~!!……って」

くだらん。とりあえず土御門を捨て置き本人たちに聞くことにした。


話しかける相手を探す。
そういえば、一番まともな、

「五w……」

一番まともな、

(なんです? あの邪気? 人が出せるの?)

一番まと……もな、オルソラに聞こう。

「あー、オルソ……」

ニコニコ

「オル……」

ニコニコ

「オ……なんでもない」


「なあ、御坂妹」

「気安く呼ばないでください。とミサカはヒャッホ~声掛けられた!! という気持ちを表面に出さず冷たく突き放します」

「……? 声掛けるなってこと??」


「なあ、アニェーゼ……」

なんか睨まれた。


「姫神~」

なんか略された。


「神崎様、どうしてこのようなことになっているのでせうか??」

「ああ、あなたがとんでもない暴力、冷酷、凶悪女に誑かされたと聞いて、助けに来たんですよ」

「……なに??」


簡単なこと、インデックスからの情報を曲解した人々が押し掛けてきたのだった。

「特に。信じられない点がある。あなたが女性の気持ちを察したという点」

「姫神、それどういうこと?」

「上条さんに限ってそれはありえません。きっと洗脳でもされたんです」

「五和……、しまいにゃ泣くぞ」

「能力というわけではないようです。とミサカはめそめそするあなたを見つめながら分析結果を伝えます」

「見世物じゃねえ!! つーか姉があんな風に言われてなんともないんかい!!」

「うるせぇってんですよ!! 彼女の発言に加えると、魔術的要因もないんで、一般的な方法だと判断できちまいますね」

「アニェーゼ、科学側の住人いるけどOK?」

「ああ、わたしは暗号解読が昔から得意なのでございますよ」

「……オルソラ、ごめん、ツッコミする気力ない」

「よってこれからあなたが正常になるまで、あなたとその悪女の接近を拒みます。大丈夫です。必ず救ってみせます」

(訳がわからん!! 不幸だー!!)

ちなみに、その日は何故かみんな上条の家に泊まった。
上条は台所で寝た。床は冷たかった。



「その人たちの気持ちよくわかるわ」

『なんでだよ!!』

もし同じ立場なら美琴も参加していただろう。つまり、

(上条病患者のみなさんか……)

とあるホテルの一室、昼食をとった美琴は上条と電話していた。

電話がかかってきたときは、飛び跳ねて喜んだ。

「そ、そこまでじゃない!!」

飛び跳ねて喜んだ。

『……もしもーし』

「あっ、ごめん。ん? 妹居るんでしょ? 電話して大丈夫??」

『ああ、三時までみんな調整だと。そしてここ公園の男子トイレ』

「なるほどー」

『そっちは?』

「……外にいるわね」

電磁レーダーに引っ掛かるいくつかの影。
心当たりがめちゃくちゃあった。
ちょうど上条の家に不法侵入者がたむろしていた日の事だ。



常盤台にて、美琴は朝の上条が送ったメールを見ていた。
すっごくニヤニヤしていた

「にゃっ、にゃんのこと!!?」

ニヤニヤしていた。

「御坂さん!!」

「ふにゃ!! ……ああ、婚后さん」

「お聞きましたわ!!」

「なんの「告白されたんでしょう?」へっ!!?」

いろいろとフラッシュバック!!

「告白されたというか、したというか、同じ気持ちだったというか、でも愛しているとかいうのにはまだはやいというか、いやでも愛し合って「それを断わってもストーキングされているとか!!」ないわけでは……はい?」

「ツンツン頭の類人猿に付きまとわれているのでしょ」

「えっ? 何のこ……黒子か!!」

邪魔をしないように釘を刺したが、その不満が愚痴となったか。だいぶ歪曲されている。
しかし、婚后さんに言うとはおもえないが?

「常盤台じゅうの噂でしてよ!!」

人気者はつらい。切実に。

「安心なさってください!! 御坂さんの親友である私が、同志とともに必ずお守りしますわ!!!」

「へ……?」

こうして、現在、常盤台生約二十人にストーキングもとい護衛されている。




『ツンツン頭の……類人猿……』

「言い得て妙よね」

『ひどい!! それでも彼女か!! 上条さんのライフはもうゼロよ!!』

「はいはい、で、どうする?」

『うーん……』

今日は絶対に会わなければならない。なぜなら、


上条当麻の生まれた日であった。


「なんとかして会わないと」

『そうなんだけどさー』

何か手は無いだろうかと頭を傾ける。
その時

「やっほー!! 御坂美琴さん!!」

急な来客。
ホテルには、自分以外誰も入れないよう伝えているのに、だ。

「なっ!! アンタは!!?」

『どうした美琴!!?』

さらに上条が潜んでいたトイレの個室が崩壊する。

「!!? お前は!!」







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