失ってしまった幸せ
第4章 取り戻した笑顔~friend~
神裂火織と会ったその日の内に美琴は退院した。
美琴は決めたのだ。
もう悔やんでるだけではいけない。
過ぎたことはどうしようもない。
ならば自分の出来る精一杯の事をしようと。
退院した美琴は寮に帰ってきた。
そして向かえてくれたのは自分の1番の親友、白井黒子だ。
「お帰りなさいませ、お姉さま」
「ただいま。心配かけてごめんね、黒子」
あの事故以来、悔やむことしか出来なかった美琴に笑顔が戻った。
美琴は神裂と共に上条の部屋へと向かう。料理の練習をするためだ。
上条の部屋にはインデックスがいた。
「みこと!それにかおりも!」
「神裂さんは、インデックスの知り合いなんですか?」
「ええ、はい。仕事の同僚で、私の友達です」
どこか悲しそうに話す神裂をこれ以上追求する気にはなれなかった。
「みこと、入院してたときは悲しそうな顔をしてたけど、今は大丈夫そうかも」
「ごめんね、でも私、もう悩まない。今自分が出来る精一杯のことをしようと思うの」
「うん!美琴はやっぱりそうでなくちゃ!当麻だって美琴には笑っていて欲しいはずだから」
(本当は、インデックスだって当麻が怪我して悲しいはずなのに、苦しいはずなのに私のために、もう、大丈夫だから)
「それでは御坂美琴、練習を始めましょう」
美琴はもう迷わない。
自分を助けてくれた彼のために。
彼の望むように、笑顔でいようと。