とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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御坂美琴は1人で自販機の前にいた。

「気にしすぎ……」
ヤシの実サイダーのプルタブを開けるのに力が入る。

どうやら数日前から都市伝説『誰かが見てる』の視線を感じているようだ。

ふと後ろを振り返ると、そこにはツンツン頭の高校生、上条当麻が歩いていた。

「ん? ようビリビリ」

美琴は怒りで小刻みに揺れている。
「アンタの仕業か!」
言い終わらないうちに、美琴は持っていたジュースの缶と中身を握りつぶして、ビリビリと放電し上条に向かって電撃の槍を飛ばした。
「なにぃー」パキーン
と同時に、上条はとっさに右手を前に突き出しガードする。

「な、何しやg「とぼけんな!」あぁ?」

「アンタでしょ、ここんとこ私をジロジロ見てたのは……、アンタだったんでしょ!」
犯人はお前だ! と言わんばかりに上条の方へ指を刺した。

「あの……、いったい何の話でしょう?」

「だから! アンタが私を!!」

「はー……?」

「あ?」

「ったく、大体なんで俺がお前のことを見てなきゃなんねーんだよ」

上条のその言葉に美琴は顔を真っ赤にする。
「うっ、何でって……、その……それは……」

「顔赤いぞ? 熱でもあんのか?」

「う、うるさい! 勝負よ、とにかく勝負よ! アンタが犯人かそうでないかここできっちり決着を……」

「うーん、熱は無いみたいだな……」
上条は美琴のデコに自分の右手を当てて熱を測る。

その瞬間、幻想殺しが発動して美琴の能力は封じられた。

(え? なんだろ、コイツに触れられたらすごく安心する……)

右手がデコから離れると、再び誰かに見られているような不快な感覚に陥った。

「まー、熱は無いようだけど体調悪いならさっさと帰って休んだ方がいいぞビリビリ」

「待って! その……、もう少し一緒にいてあげてもいい……わよ」

「は? なに言ってんだビリビリ」

「だから……、一緒にいて……、誰かが見てるって都市伝説が……」

「何かよく分からんけど、まー上条さんは暇だからいいですけど」

そこへアンチスキルが2人近づいてきた。

「おーい、そこの学生カップル、そろそろ最終下校時刻だから早く帰りなさい」

「カッカッカッ」
美琴の顔は、みるみる内に真っ赤になったが、カップルでは無いということは否定できなかった。



そして、年が明けて4月

2人は付き合っていた。
いろんな事件があり、そんなこんなでバレンタインの日に2人の絆が固く結ばれたのであった。

「悪い美琴、待たせちまったか?」

「ううん、今来たところだから♪」

待ち合わせ20分前、上条の遅刻癖もすっかり直り、
2人はいつものようにデートをしていた。

「ねえ当麻、誰かに見られてない?」

「そうか?」

上条は周囲をキョロキョロと見渡したが、誰もこっちを見ていない。

「やっぱり誰も見てないぞ?」

「ううん、誰かに見られてる……、この感覚はあの時の……」

「あの時?」

「去年の7月の終わり頃にね、誰かが見てるって都市伝説があってさ、そのときの感覚に似てるなーって」

「でも、その事件は美琴が解決したんだろ?」

「そうなんだけど……」

「もし本当に誰かが見てるだったとしても、今だったら俺の右手と手を繋げば―――」

そう言って上条は右手で美琴の左手をつかんだ。

「あ……、やっぱり当麻の右手ってすごく安心する……」

「それに、本物の人間が見てたとしてもさ……、俺たちを見せ付けてやればいいだけのことだろ?」

「うん! 当麻大好き!」

「俺も大好きだ美琴!」






「ムキッー、せっかく城南から押収した装置を使って、2人の邪魔をしてやろうと思ってましたのに、
 コレでは返って逆効果ですの!」



学園都市のバカップル5 終







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