小ネタ 私はこうして上琴にはまった 続 両親編
ここは第7学区のとある喫茶店
学園都市一のおしどり夫婦がいつものようにイチャイチャしてるところへ一本の電話が入った。
Prrrr
「はいもしもし、上条です」
『おお、もしもし当麻くんか。俺だよお久しぶりだなー』
「旅掛さんですか!お久しぶりです。どうしたんですか?」
『クリスマスに帰国することになってね、実家に帰る前にそっちに寄っていこうかと思ってね』
「そうですか。大歓迎ですよ」
『美琴は元気か?相変わらず当麻くんを困らせているんじゃないかな』
「いやいや、そんなことないですよ。いつも元気ですよ」
『ベッドの上でもかね?』
「えーっと・・・はい!」
『そうかそうか。それなら期待できそうだな』
「はい?」
「詳しい話は帰ってから聞かせてもらうよ。それじゃあ」
「ちょっ旅掛さん?切れちまった・・・なんだったんだろう最後の?」
長電話?でせっかくのイチャイチャに水を差されて、ご不満な様子な美琴が聞いてきた。
「どうしたのよ?」
『いや、”美琴はベッドの上でも元気だ”って言ったら”期待してる”って言われちゃって・・・』
「な、何言ってんのよ////し、仕方ないでしょ(だって当麻とするの気持ちいいんだもん・・・)」
「何か言ったかー?」
「別に何も!それで期待してるって・・・ん?そういえば・・・」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今年の正月
「ねえねえ美琴ちゃん、まだママに孫抱かせてくれないのかなぁー?」
「そうだぞ、美琴を当麻くんに取られた今、麻琴ちゃん(暫定)が最後の希望なんだ!」
「分かってるわよ//今年中に吉報聞かせてあげるから!」
「その言葉忘れるんじゃないぞ!」
「楽しみねぇ!」
「美琴さん、少々よろしいでしょうか」
「はい?なんでしょうお義母様」
「親としてはあの子と結婚してくれて、すごく嬉しいです。なのでこれ以上贅沢を言うのはお門違いなのかもしれません」
「いえいえそんなことありません!なんでも言ってください」
「そうですかそれでは・・・死ぬ前に孫の顔が見たいんです」
「し、死ぬなんて・・・大丈夫です!次この家に来る時は子供を連れて来ますから!」
「あらあら」
「おじいちゃんと呼ばれたいなぁ」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「美琴?大丈夫か、汗ダラダラだぞ?」
「当麻ぁぁ!やばいやばい!こうしちゃいられないわ」
「どうしたんだよ美琴?一旦落ち着け、な?」
「お父さんが言ってた”期待してる”って孫のことよ!あの時は1年あるし何とかなるって思ってたけど・・・って当麻?」
「やばい・・・俺殺されるかも・・・」
「えっなんで?嫌だよ!」
「今年の正月に父さんと旅掛さんに”来年孫の顔見せなかったら・・・分かってるよな?”って言われてたんだった・・・」
「今から作ろうよ!」
「は?でももう時間ないぞ?今年もあと2週間しかないぞ」
「それでもよ、なんらか奇跡が起きて出来るかもしれないじゃん!」
「よ、よし頑張るぞ!俺達の命が懸かってるんだ!」
「いいぜ・・・1週間で美琴が妊娠しないなんてふざけた幻想、俺がこの右手でぶち殺す!!」
この日から臨時休業した喫茶店で、虚しい努力を続ける夫婦の姿があったそうな。
クリスマス当日
無理でした。
「「ああぁぁ・・・」」
暗くなったにもかかわらず、蝋燭一本点っているだけ喫茶店にはどんよりとした雰囲気が漂っていた。
それもそのはず。今日限りの命かもしれないのだ。
そんな重苦しい雰囲気を打ち消すような、明るいベルの音が響いた。
PINPON♪
普段は楽しい来客を告げるこの音も、今ばかりは聞きたくなかった。
覚悟を決め、ひと思いにドアを開けると、そこに・・・
4人のサンタがいた。
「「は?」」
「「「「メリークリスマスお二人さん」」」」
「その声・・・旅掛さん、美鈴さんに親父達?」
「流石にバレちゃうかー」
「そりゃそうだ」
「中年にもなってこの格好は恥ずかしいと思うんだけどな」
「あらあらよくお似合いですよ当夜さん」
「どうしたのかな、美琴ちゃん」
「いや、怒らないの?」
「何を?」
「えっと・・・約束破っちゃったこと・・・というより気づいてた?」
「もちろん!親なんだからなんでもお見通しだよ」
「まぁまだ先は長いし、ゆっくり待たせてもらうことにしますよ」
「「母さん、父さん・・・」」
「「「「た・だ・し、次はないからな(ね)その時はじっくり・・・」」」」
「「ひいいいぃぃ」」
あまりの迫力に冷や汗をかいてしまった。可哀想に、美琴も上条さんにしがみついて震えている。
「というわけで、これ私たちからのプレゼント」
そう言うやいなや、美鈴さんが袋から取り出した包みを投げてよこした。
中には ”超絶媚薬「驚きの11連射」”や”サルでもできる簡単産み分け法”などなどが入っていた。
因みに美琴は産み分けの本を開いた瞬間に、電撃を撒き散らしながらマット(ベッド)に沈んだ。
「あらあら、美琴ちゃんってば早速その気になったのかなー?それじゃそろそろおいとまするわね」
なんてこと言いやがる。
「不謹慎ですよ美鈴さん・・・」
その言葉を華麗にスルーした美鈴さんは帰り際に「性なる夜に乾杯!」と爆弾を投下してきた。
一気に疲れた気がする。
「まぁ・・・かなわねえな」
そう呟いて、11連射媚薬片手に美琴の待つ部屋へと向かった。
明日の寝不足不可避だな・・・不幸(幸せ)だぁ!