とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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小ネタ コートは一つ、体は二つ




原作そのままの設定で付き合っていないけど甘々な雰囲気の上琴の、漫画または小説を書きます。
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美琴が上条に寒いね、と言うと同じコートに巻き込まれました。


 ◈  ◘  ◈  ◘  ◈  ◘  ◈  ◘  ◈  ◘  ◈  ◘  ◈  ◘


女の子は何で平気なんだろう、と上条は疑問に思っていた。
11月も半ばを迎え、日が暮れるのも早くなったこの季節。
冷たい北風がビュウっと吹くにも関わらず、目の前の少女・御坂美琴はミニスカートであった。
学校の制服だから、と言ってしまえばそれまでだが、それでも防寒対策はできるはずだ。

美琴も、本当はスカートの下にジャージを履いたりしたい
(スカートの下に短パンを履いても抵抗がないくらいだし)のだが、今はそれができない。
何故なら、隣に上条がいるから。
つまり、好きな人の前ではだっせぇ格好になれないのだ。ファッション>>>>>>>>>>防寒なのだ。
お嬢様としてのプライドはなくとも、乙女としてのプライドだけは捨ててはならない。

しかしやはり、寒いものは寒い訳で、美琴は「くしゅん!」と可愛らしいくしゃみをして、
「寒いね」、と漏らす。

やれやれ、と上条が見かねて、着ているコートのボタンを外す。
そしてそのまま……

「!? !!!? !!!!!!? な、ななな、何!!? 何してんのアンタ!!?」

そのまま美琴を巻き込んだ。

「こうすりゃちったぁ温かいだろ? ったく、女の子なんだから体冷やしちゃ駄目だろ」

言いながら、今度は美琴の肩に手を回しグイッと引き寄せる上条。
上条としては100%善意なのだが、
美琴にしてみたら嬉しいやら恥ずかしいやら、でもちょっとラッキーやら。
しかし一つ問題がある。

「ね、ねねねねぇ…もも、もしかしてこのままの状態で帰る訳…?」

この状態で歩くのはさすがに恥ずかしすぎる。
しかし上条はアッサリと返事をする。

「別にいいんじゃないか? 周りにも似たような人たちいっぱいいるし」
「そ、そそ、そりゃ確かにいっぱいいるけどさ!」

周りには一本のマフラーを二人で巻いていたり、仲良く手を繋いでいたり、
腕を組んでいる男女がチラホラいる。
しかしそれらはどう考えてもカップルであり、現在の上条と美琴の格好のそれも同じである。

「じゃ、行こうぜ?」
「う………うん……///」

勿論、上条はその事に気づいていない。
気づいていないが、今日だけは彼の鈍感さに感謝する事にした美琴であった。
いつもよりほんのちょっと、歩く速さを遅らせながら。








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