小ネタ 春の陽気に当てられて
「うだー」
「うにゅー」
頭をテーブルに乗っけてだらけている上条とインデックス。
「こら。まったくアンタ達は昼間っからだらけて!」
そんな二人を叱るのは美琴である。
だがこの二人には効果がない。
「だってー」
「このぽっかぽかのいいお天気には特別な魔力があるんだよー」
「…………」
二人の言うとおり、この春の天気はとても心地良い。
美琴だって今すぐ加わりたいのだが、彼女にはわかる。ここで加わればダメ人間が三人に増えるだけだと。
「美琴も早くこっちにこーい」
「温かいんだよー」
抵抗する美琴を誘惑してくる二人。
これだけではダメだと、インデックスは思った。
「とうまの横に行こーっと。そっちの方が暖かそうなんだよ」
「それはダメ!」
インデックスの策略。純白の衣の聖女から放たれた悪魔の言葉にあっさりと敗北した美琴。
まるで自分の寝床を守る動物の様にささっと、上条の横に構えた美琴は、インデックスを住処(上条)を狙う外敵と認識して睨みつける。
「な、何もしないんだよ」
その怒れる猫のような美琴に、インデックスは怖気づいてしまう。
「こーら。インデックスが怖がってるだろ」
美琴を落ち着かせる為に、上条が美琴の頭を撫でると、ふにゃー、とさっきまでの威勢はどこへやら。すっかり表情は緩み、テーブルに頭を乗せ、春の陽気と上条に頭を撫でてもらっている嬉しさから、しだいに眠気が彼女を遅い、スースーと寝息を立て始めた。
そんな美琴を見る上条も、もう少し寝顔を堪能したかったが、眠気には勝てず、美琴と並ぶように寝てしまう。
そして心底幸せそうな顔で眠る二人を見て微笑むインデックスもまた、大きな欠伸をして、眠りについた。