上琴歴史狂想曲 2
~序曲~
波踏「上条当麻さん、あなたの命が狙われてます」
さっきまでずっと宣告を躊躇っていた、謎の少年(?)佐藤 波踏が未来から来た理由。それを告げた次の瞬間…
上条「…そ、それはマジなんでせうか?」
波踏「もちろん、マジです。でなきゃ俺がめっちゃ便利な未来から21世紀初頭くんだりまで来ません」
案外冷静な反応で安心し―――
美琴「どどどういうことよソレは!?コイツの命狙われてるって!!冗談じゃないわよ!!!
いつどこでドコの誰がどんな理由でそんな事をわざわざこの時代に来てまでやろうってんのよ!
今すぐソイツの情報教えなさいよ!!!!私が見つけ出して超電磁砲1000発ぐらい――――――
上条「落ち着け御坂、電気垂れ流しながら叫ぶな。暗殺犯より今のお前のがよっぽど怖い」
―――て任務に着手できるワケがなかった。ってかターゲット本人よりそっちが混乱するってどうよ。
美琴「ッ~~~~~~~!?!?!?///////」
上条「だあぁ!?なんか知らんが余計に混乱した!?落ち着けったら御坂!!」
無茶言うなよ上条。(いくら漏電防止目的とはいえ)お前が頭なでながら至近距離で真剣な顔したら当然の反応だ。
(※~しばらくお待ちください~※)
波踏「はぁ……こんな事になるだろうから言いたくなかったんですよ。特に御坂さん1人の時は」
激しくため息を出しながら波踏はジト目でやっと回復した美琴を目視、回復具合確認…大丈夫と判断。
上条「だよなぁ…御坂ってよくこうなるから、俺も不用意な発言しないよう気をつけてるぞ」
気をつけていてその程度かよ、というジト視線が2人分、上条に刺さった。…が、本人は気付いてない模様。
美琴「んで、結局どこの誰なのよ?コイツを狙ってるっていう奴は」
上条「まぁ冷静に考えると心当たりは結構あるんだけどな…少なくとも右手の都合上、狙われることは多いわけだし」
波踏「いえ、今回は右手の都合でも魔術関係でもありません。未来の学園都市の人間が今回の捕獲対象(ターゲット)です」
上条&美琴「「はい!?」」
なんか「めっちゃ想定外なんですけど」って視線が波踏に刺さった が、素でスルーしながら話を進めていく。
波踏「俺が本来いた時代の大能力者【レベル4】が、とある理由でこの時代の上条当麻さんを狙っている訳です」
一瞬、説明を聞いていた2人の動きが止まり、直後表情がすごく緩みまくった。
上条「なんだよ~心配して損したぞ…てっきりレベル5かスキルアウト集団かと思って焦ったぞ」
美琴「仮にその2つだとしても、レベル5ならアンタの右手で、スキルアウトなら私か、黒子たち風紀委員で対処出来るわね…」
波踏「お2人さん…今回の捕獲対象はある意味その2つよりも厄介なんですよ?」
「ゑ?!」と言いたそうな顔×2が見つめる中、波踏がさらに説明を続ける。
波踏「捕獲対象は能力をあくまで自身の身体能力や得物の動きの補助に使うため、まず右手で防げる可能性は1%未満と思われます。
また戦闘行為においてはベテランの域に達しているため、風紀委員どころか警備員でさえ対処することが難しいかも知れません。
っつーかぶっちゃけ、そうでもなければ『幻想殺し』と『超電磁砲』の居る時代にわざわざ俺が出張ったりする必要ないですから」
「あー、それもそうか」とやや冷静な上条と、「じゃじゃじゃじゃあどうすれば良いのよ!?」と再び混乱し始める美琴。
特に後者を落ち着かせないと今後どうしようもないため、波踏はあくまで冷静に今後の対応プランを告知する。
波踏「まず、時間移動痕跡から逆探知する限り、捕獲対象は明日の午前中にこの時代に現れます。
ですので、常に人目のある学校にいる間を除く時間帯…具体的には登下校と、寮に着いてから寝るまでの間が狙われる時間になります。
その内の登校時間と寮到着から寝るまでの時間は俺が責任を持って護衛・監視をしますので、御坂さんは下校中の護衛をお願いします。
あぁ、もちろん出来るだけ捕獲対象に発見されないように、前日とは違うルートをたどって帰宅させるようにして下さいね?
それと…さっき言った通りかなり危険な相手ですので、頭数を集めるよりはお2人で行動するのが発見されにくいのでおススメです」
…一応、理にかなっているので上条は冷静に聞いて納得した模様。しかしもう1人…美琴は
美琴(ちょちょちょ、ちょっと待って!?確かにコレは『コイツの護衛』という建前があるから『仕方ない』けど、コイツと2人で下校って
コレって、コレって…傍から見たら完全に、げ、げこ、下校デートじゃないのコレは!?//// しかも『前日とは違うルートで』って
どう考えてもコイツに計画性が無い以上、私がルートを考えなきゃいけないってコトじゃないの!?どどどどどうしよう!?////////)
さっきまでと別の理由で混乱し始めた。まぁこの程度なら許容範囲内だが(ぇ
波踏「あ、あと土日は家にこもってたり人の居ない所にいると危険ですので、御坂さんと2人である程度人の居るところに外出して下さいね。
その際、どこに行けば良いかまったく思いつかないなら、私の方でも良い行き先を色々と調べておきますので、参考にして頂けると幸いです」
更なる追加ミッション発生。しかも今度の土曜日は…クリスマスだ。
美琴(まままま待って!?護衛名目とはいえ、わわわ私が予定聞く前にもうクリスマスデート決まっちゃった!?
ど、ど、どうしよう当日の行き先…明日からの下校ルートに加え、そっちの行き先も考えなきゃいけないじゃない!
コイツの護衛(名目での下校デート←)中はそっちで頭一杯で考えてるヒマなんてあるわけないでしょ!どうしよう…////)
『どうしよう』はこっちの台詞だよ。どんだけデート楽しみなんだよ美琴さん。(by作者
波踏「それでは、今回はこの辺で。あと何がきっかけで捕獲対象にこのプランが漏れるか知れないので、秘密厳守でお願いします」
上条(まぁそりゃそうだよな。信用ならん奴もいるし、巻き込んじゃいけない人だって居るわけだし)
美琴(そそそそりゃ秘密にするに決まってるでしょ!ここコイツと2人で行動なんて他人に言えないわよ!特に黒子と佐天さんには!)
理由はさて置き、秘密厳守の約束は取り付けた。果たしてこれからどうなるのか…