とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part26

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集



気付かれてしまった事、気付いてしまった事こぼれ話


美琴「ほへぇ。久しぶりね。こぼれ話」
上条「それは俺が入院してたからだな。前回のこぼれ話の後、酷い目に合ったんで回復にここまでかかっちまったんだよ」
美琴「ああ、聞いたわよ。アンタも大変ねー」
上条「うわ。全然心配している口調じゃねえな。むしろ冷ややかで目一杯呆れてやがるだろテメエ」
美琴「当然でしょ。いったい何人の女の子を敵に回せば気が済むのかしら」
??「なるほど。これが日本で言うところの天然ジゴロ、というやつですね」
上条「うお!? 今回のゲストは神裂なのか!?」
美琴「あれ? 貴女は……随分お久しぶりですね?」
神裂「ふふ。よろしくお願いします。それと今日は私の部下で一番信頼を置けるものを連れてきましたよ」
??「お久しぶりです上条さん。ところで、えっと……そちらの方は……?」
上条「うぉぉぉい!? にこやかに会釈して挨拶してきたのに、顔を上げた途端、急に前髪の影を濃くしてグラデーション化した目と槍を向けるのよそうぜ五和!?」
神裂「これこれ五和。そんな態度を取るものではありませんよ。こちらに来る途中に話したではありませんか。こちらは御坂美琴さん。か・が・く・サ・イ・ドで上条さんと一番仲よくしているお嬢さんです。まあ、あくまでもか・が・く・サ・イ・ド限定ですが」
美琴「……なにゆえスタッカート?」
五和「お久しぶりですね…」
美琴「ええ、そうね…」
上条「あれ? 二人って知り合いだったっけ?」
五和「え、ええ。以前、銭湯でお会いしまして。あっ! 彼女もご一緒でしたよ」
神裂「あの子と一緒にお風呂ですか!? うぅ…私も一緒に入りたかった…」
美琴「そう言えばあの日、アンタこの女に抱きついてたのよね~。どういう経緯であんな事してたのか、詳しく聞かせてもらおうかしら?」
五和(抱きついて…///)
上条「美琴さん!? 目が恐いよ!? 五和も何で顔赤くしてんのさ! ま、まぁ、その話もこぼれ話でおいおいやると思うから、今は置いとけ!」
美琴「ふ~~~~ん…?
五和「ところで御坂さんが科学サイドで一番という事は、魔術サイドで一番仲よくしてるのって誰ですか?」
神裂「それはあの子でしょう。今回はゲストではありませんので名前は出せませんが」
五和「あ、そうですね」
上条「って神裂!? お前は前髪を濃くした笑顔で俺の首筋に七天七刀を刃の方を当てるのは止めてくださいませんか!? あと五和!? 槍が近い近い!!」
美琴「はぁ……『また』、なのアンタ……」
上条「みみみみ御坂さん!? 助けてくださいませんか!? 上条さんの命が大ピンチなのですよ!?」


「おっしゃーっ!! 年下の坊やげっとーっ!!」
「ぐおおおあっ!?」
 むぎゅー、ぐらいなら胸も高鳴るが、どうも美鈴は普段から運動を欠かさない人物らしく、背骨の辺りがメシメシミシミシ!! と変な音を立てた。


美琴「……アンタ、なに人の母親に抱き締められて興奮してんのよゴルァ!」
上条「興奮って言うか悲鳴だよね。それに抱き締めって言うよりサバ折りだよね完全にコレ」
五和「か…上条さんは年上がお好きなのですか…?」
上条「え? あー、まぁそうかな。こぼれ話でも何度か言ってるかも知れないけど、寮の管理人のお姉さんみたいな人がタイプだから」
神裂「なるほど。管理人のお姉さん、ですか…メモメモ」
美琴「で、でも好きになる人が自分のタイプ通りとは限らないし!」
上条「そういうもんかね?」
美琴「そういうもんなの!」


「こーんな時間にぶらぶらしちゃってえ、美琴ちゃんはどうしたのよー? ぶはー」
「ぎゃわー刺激臭!?」
「あれえ? 酒臭くて目がとろんとしてるお母さんはセクシィじゃありませんー?」
「プラスの材料一個もないよそれ!! た、助けてインデックス!!」


美琴「ふーん……こんな遅い時間までいったいあのちっこいのとどこ行ってたのかしら……?」
神裂「まあ、私としましてはあの子にやましいことをしていないのであれば許容範囲ですが……」
上条「ちょっと待てお前ら! この酔っ払いは無視か!? 特に御坂! この人、お前の身内っつーか、母親じゃねーか!!」
美琴「わ、私にはアンタが何を言っているのか分からないナー」
上条「さっき人の母親になんちゃらって言ってたよね!?」
神裂(身内の恥というものは目を背けたくなるものですからね……私も最大主教のことを思うと……はぁ……)
五和「へぇ……つまり、上条さんは既に親子どんぶりでお召しあがる気満々なのですね……?」
上条「いつわああああああああああ!! どうしたのよそのエキセントリックな妄想は!? あんな良い子だったお前がどうしてそんなにヤンでんの!? しかも相変わらず槍の切っ先が近い!!」
神裂(………親子どんぶり?)


「そうだ、電話番号とアドレス交換しよう」
「唐突!?」
「どうせ美琴ちゃんとも交換してんでしょー。こっちも仲間に入れなさいよー。んでね、私のアドレスはあー」
 つらつらとアルファベットや数字を並べていく美鈴。かくして美琴が汗と涙の機種変大作戦によって得た成果を、この母親はものの三分でゲットしてしまった。


神裂「まあ日本ではよくある光景と聞きますし、別に大したことではないでしょう。そうだ。今後とあの子のこともありますし、私とも交換していただけないでしょうか?」
五和「ででででででしたら上条さん! わわわわわわ私とも番号交換を!!」
上条「ん? まあいいけど」
美琴「……」
神裂(? 御坂さんが無反応? 何か気になるのですが……)
五和「ありがとうございます! それでは早速……って、あら? 随分可愛らしいストラップですね?」
上条「おう。俺の携帯って御坂とペア契約になってるからな。そん時のおまけ……って、五和……取り出したそれ……携帯じゃなくて槍だよな……?」
神裂「ほほぉ、上条当麻。つまり、あなたは御坂さんと『電話番号とアドレスを交換した』のではなく、『同じ契約を交わしている』と、そういうことなのですね?」
上条「神裂ぃぃぃぃぃいいいいいいいい!! お前も七天七刀の切っ先を俺の顎下に当てるのは止めようぜぇぇぇぇぇえええええええええええ!!!」


「はいはーい。君の番号は『友達』のカテゴリに登録しとくからねぇ」


五和「お、お友達…ですか……ホッとしたような、そうでないような…」
神裂「五和が危惧しているような事態にはならないでしょう。彼女は所謂、人妻なのですから」
五和「ですが女教皇様! お相手は上条さんですし…」
神裂「むっ!? む、ぅ…確かに…」
上条「え、なになに? お二人の中で上条さんは、どんなジゴロ野郎に脚色されてんの?」
美琴「脚色じゃないでしょうに…(ぼそっ)」
??「ん~、思ってた以上にライバルが多いみたいね。ここは『友達』から『家族』のカテゴリに移した方がいいかしら? 勿論、『娘婿』的な意味で!」
美琴「勝手に出てきた挙句に勝手な事言わないでよ!!?///」


「ついでに美琴ちゃんの顔でも見てやろうかと思ったのによー、なーんか常盤台中学の女子寮はチェックが厳しいから駄目だってさ。親なめんなよー」


美琴「あっ、ママ来てたんだ。まぁ、あの寮監が酔っ払いを入れるとは思えないけど…でも、ちょっとだけ会いたかったかな」
上条「会ってもろくに会話もままならなかったと思うけどな。あの時、美鈴さんホントにへべれけだったから」
美琴「慣れてるわよ。あの人がへべれけになるのは、しょっちゅうだし」
神裂「そう言えば小耳に挟んだのですが、貴方も以前、酔っ払った事があるそうですね」
上条「あ? あー…浜面に飲まされた時だな…」
神裂「お酒は二十歳になってからです。みなさんも未成年の飲酒は法律によって禁止されていますからね」
上条「う、うん。ごめんなさいだけど、『みなさんも』って誰に向かってのメッセージなのそれ?」
美琴「…そう言えばアンタが酔っ払った時、わ、私の事を…ミ…『ミコっちゃん』とか呼んでたわよね…///」
五和「っ!!! か、上条さん! ちょっと私の事を『イツっちゃん』と呼んでみてください!」
上条「イツっちゃん語呂悪いな! 響きもあんまり可愛くないし!」
??「これは手厳しいですね」
五和「いえ、貴方はイツっちゃんではなくいっちゃんなのでは?」
上条「………………いや、この人誰なの? 何か歯磨きのCMが似合いそうなくらい白い歯の笑い浮かべた美少年ってことは分かるけど」
神裂「確か頭髪と一体化する学帽を嵌めてましたよね?」
美琴「それ、中の人ネタあああああああ! ついでに中の人は禁書目録にも超電磁砲にも出てませんからあああああああああ!!」


『っつーかメールの返事はいつになったら返ってくんのよ!?』
 メール? と上条は首をひねる。


美琴「アンタいっっっっっつも私のメールスルーしてるけど、わざとなの!? ねぇ、わざとなの!!?」
上条「いやいやいやいや! 偶然! 偶然ですよ!!? だからその帯電すんのやめてくんない恐いから!!! か、神裂と五和も見てないで止めて―――」
五和「つまり上条さんと御坂さんはいっっっっっつもメールのやり取りをする仲という事ですか…?」
神裂「こっ…の! ド素人が!!」
上条「あれあれあれ!!? 上条さん謎の四面楚歌で大ピンチの巻!!!」


 ――――彼女は笑った。
 上条の顔を見て、自然とこぼれたようだった。
「でもまぁ、安心したよ」
 何が、と上条が尋ねる前に、
「――――下手にあの子の居場所を移すよりは、君みたいな子の側に置いておいた方が安全かもしれないわ」
 ――――やや早口で結論を言った。
「つまり、君達みたいな子が美琴ちゃんを守ってくれれば、何の問題もないって話よん」


美琴「あー……うー……///」(ママってば、いつものからかい口調じゃないから何も言えないじゃないこれじゃ!!///)
神裂「ふふっ。この方も私と同じなのですね」
五和「と、言いますと?」
神裂「私も上条当麻にあの子を預けている理由が同じなのですよ。私の立場を考えますと本来であれば学園都市にあの子を置いておく、というのはあってはならないでしょうが、こと『あの子を守ってくれる』という点に絞れば、上条当麻の側が一番だと思っています。安全なだけではなく、あの子の笑顔も守ってくれますから」
五和「い、良い話ですね……うぅ……」
上条(よーしよし。この流れから上条さんの命が危険に晒されることは……)
美琴「はれ? あの子ってアンタといつも一緒に居るシスターのこと? あの子がアンタの側に居て笑ってることってあるの? 何かいつも怒ってるかアンタに噛みついてるかの印象しかないんだけど」
神裂「………………なんですと?」
上条「みさかあああああああああああああああ!! そりゃお前が一緒のときだけの話なんだよぉぉぉぉおおおおおおおおおおおお!!!」
五和「うわ。何回も同じ締めを使っていいのでしょうか」


 そんなこんなで駅前辺りに行ってみると、常盤台中学の制服を着た茶色い髪の少女、御坂美琴の背中を発見してしまった。
 しかもジュースの自販機にハイキックをぶち当てては、『ここの自販機は駄目なのか。あれー……?』などと首を傾げている。
 その様子を見た上条は、そのまま無言でくるりと一八〇度回転すると、急いでその場を離れることにした。
「……君子危うきに近寄らず、または触らぬ神に祟りなしとも言う」
「何がよ?」
 さりげなく放った独り言にすぐ後ろから返事が聞こえて、ビクゥ!! と上条の背が真っ直ぐになった。
 上条が恐る恐る、もう一度一八〇度回転してみると、そこにはキョトンとした顔の御坂美琴が。


神裂「上条当麻。私は思うのですが、貴方は事あるごとに人を逆なでするような言動を吐いていませんか? 後から私のときも……ま、まあできればカットしてもらえるととっても嬉しいですが……同じようなことがありましたし」
上条「いや。それはお前が御坂を知らないから言えるんだ。御坂を知れば知るほど俺と同じことを思うって」
五和「ん? ひょっとして今まさに『人を逆なでするような言動』を仰ったのでは?」
上条「はっ!?」
美琴「ふっふ~~~ん♪ なぁんか、アンタにとって私はトラブルメーカーっぽいんだけどぉ、原因はアンタの言動だって気付いてなかったのね~~~☆」
上条「ははは……穏便に話し合いませんか……御坂さん……?」
美琴「うん、それ無理(はぁと)。だって私は本当にアンタを真っ黒焦げにしたいんだもの♪」
神裂「あーとっても良い笑顔……」
五和「まるでどこぞの夕焼けの教室に佇んでいた委員長さんのようです」
上条「またこのネタかよ!?」


「っつーかことあるごとに会話を切り上げようとすんじゃないわよ! この前送ったメールの返信も放ったらかしだし、あれどうなってんのよちょっとアンタのケータイ見せてみなさいよ!!」
「メール……? そんなのあったっけ?」
「あったわよ!!」


上条「ちなみに何てメールだったんだ?」
美琴「ふえ!? そそそそそそそんなのもう忘れちゃったわよ!!/// たたたたたたた多分、たわいのないメールだったんじゃないかなッ!!!///」
神裂「しかし、その割にはなかなかの形相で詰め寄っておられるようですが? 本当にたわいのないことでしたらここまでムキになることは無いのではないでしょうか」
美琴「う、うぐ……っ///」
五和「何かのお誘いメールだったとか」
美琴「ひくっ!!///」
神裂「どこかに一緒に遊び行こうとか」
美琴「ぎくっ!!///」
上条「はぁ? んなの電話してくりゃいいじゃねえか。何でわざわざメールでやり取りしなきゃなんねえんだよ」
美琴「第一の解答ですが、それはアンタのことだから口約束だと忘れるからです」
五和「もしもしキャラが違いますよ御坂さん? まあ分かる気がしますけど」
上条「五和の中でも俺ってそんな扱い!?」
美琴「第二の解答ですが、メールの返信があれば証拠になるからです」
神裂「そう言えば上条当麻の質問は二つありましたね」
上条「分かった分かった。で、結局何てメールだったんだ?」
美琴「ふえ!? そそそそそそそんなのもう忘れちゃったわよ!!/// たたたたたたた多分、たわいのないメールだったんじゃないかなッ!!!///」
五和「あ。元に戻りましたね」


 上条はちょっと考え、自分の携帯電話を取り出し、美琴に見せるようにメールボックスを開いて、それから小首を傾げると、
「……あったっけ?」
「あったっつってんでしょ!! ぎえ、受信ボックスに何にもない!? もしかして私のアドレスをスパム扱いしてんじゃないでしょうね!!」


神裂「私、少々機械に疎いので良く分からないのですが、ペア……もとい、同じ契約を交わしている者同士でも科学サイドでは相手を拒否できるものなのでしょうか? 魔術の契約ですと基本一蓮托生で拒否などできないのですが」
上条「んなことできたらペア契約の意味ない気もするんだが――実際はよく分からん」
五和「それもそうなのですが上条さん。受信ボックスが空なのですか? それはそれでちょっと寂しいような……」
上条「いやいやいやいやいや! 違うって! こん時はまだ契約したばっかで受信ボックスがたまたま空なだけだって!!」
美琴「ほへ? アンタのは別に機種変じゃなくて、前から持ってたやつを継続って形で契約したんじゃなかったっけ?」
上条「うぐ……み、御坂……お前という奴は……言ってはならんことを……」
美琴「あ゛……。あははは……ごめんごめん。悪かったわよ。じゃ、じゃあお詫びにこれから毎日メール送ってあげるから、それで許して」
上条「ほ、本当かっ!? 絶対だな!? 絶対なんだな!?」
美琴「って、アンタ何感極まったうるうる瞳してんのよ!? そんなにメール貰えるのが嬉しい訳!?」
五和「か、上条さん!! そそそその!! 私たちからも送ってよろしいでしょうか!!///」
上条「え、いいのか! 私たちってことは神裂も、ってことだよな!! 大歓迎だぞ!!」
美琴「……アンタ、どんだけメールに飢えてんのよ。これじゃどこかのラノベのタイトルと同じで『アンタには友達がs」
上条「言わせねえよ!!」
神裂「つかぬことをお聞きしますが御坂美琴さん」
美琴「何ですか?」
神裂「もしかして、ペアけ、もとい同じ契約を交わしている者同士ですと、契約者以外のメールが弾かれてしまう、という設定があってそうした、という事はありませんか?」
美琴(ぎくっ)
五和「まさか、そんな設定があるなんてことは――ちょっと送ってみましょうか……どうです上条さん?」
上条「んー。んーーー。んー…………来ねえな…………」
神裂「御坂美琴さん?」
美琴「ささささささささああああああああて、なななな何のことやら?」(ごそごそ)
上条「あ、届いた。誤作動だったんかな?」
美琴「ソウソウ。誤作動ヨ。誤作動」
五和「ほっ」
神裂(……これはなかなか侮るわけにはいかないようですね……)


 メールの件で愕然とする美琴だったが、そこで彼女はさらなる真相に辿り着く。
 ボタンを操る上条の手をガシッと摑んで差し止め、受信メールフォルダにある名前を凝視すると、
「……アンタ、何でウチの母のアドレスが登録されてる訳?」
「は?」
 言われてみれば、確かこの前酔っ払いの御坂美鈴と学園都市で遭遇したが……とか上条が思っていると、美琴は眉間に皺を寄せたまま親指で上条の携帯を操作し、件の美鈴へ通話してしまう。
「待てって、おい!?」
 特にスピーカーフォンのモードにはしていないが、元々の音量が大きかった事と美琴までの距離が近かった事もあって、上条の耳までコール音が聞こえてくる。


五和「……上条さん? この描写ですと相当御坂さんと身を寄せ合ってますよね……?」
上条「『寄せ合った』んじゃなくて御坂が一方的に『寄って来た』だけですというか俺が手に持ってる携帯を御坂が操作しようとすれば必然的にこうなると思いますので、その槍をしまいましょうよ逸話さん?」
神裂「ニヤリ。わざと名前を間違えて怒りを誘っているという訳ですね上条当麻。貴方は根っからのギャンブラーです」
上条「そんな気さらさらないよ!! つか、単なる誤変換でしょ!? しかもこの『ギャンブラー』って意味が違うだろ絶対!! た、助けて御坂!?」
美琴(う、うわぁ。私無自覚だと何でこんなこと出来んのかな!?/// 手握ってるわ!! 思いっきり顔が近いわ!!!///」
上条「ちょーっ!!!!! みさかさあああああああああああああああああんんんんん!!!!!」


「ア・ン・タ・は、人ん家の母を酔わせて何をするつもりだったァああああ!?」


五和「か、上条さん…やはり親子どんぶりをする為に…?」
上条「んな訳あるかい! 美鈴さんが最初から酔っ払ってたのは、もう見たでしょ!?」
神裂「ちょっと待ってください五和。先程も疑問に思ったのですが、その『親子どんぶり』とは一体何なのでしょう?」
五和「……え?」
神裂「いえ、私の知る限り親子丼とは、鶏肉やたまねぎを甘辛く煮た物を白飯の上にかけ、更にその上から玉子で閉じたどんぶり飯の事なのですが…話の流れからして食事の話をしているとは思えませんでしたので」
五和「えっと……そ、それは…///」
神裂「御坂さんとその母上が、彼と何かをするという意味なのは何となく伝わりましたが…具体的には何をするのでしょう?」
五和「………///」
神裂「…だんまりですか、仕方ありませんね。では御坂さんにお聞きしま」
美琴「知らないけどっ!!!?///」
神裂「いえですが、その反応は知っ」
美琴「知らないからっ!!!/// この馬鹿とナニするとかありえないからああああ!!!///」
神裂「? 何故ナニがカタカナなので?」
上条「神裂さんは純情天然、と」


「ほっ、ほらっ。上条さんは寮に帰ってお米を研がなきゃいけないし……。っつーかお前の寮も門限とかあるだろ! もう日没なんですよ!?」
「はあ、門限? そんなんちょろっと工夫すればどうとでもなるんだけど」


神裂「確か学園都市には、完全下校時刻なる物がありましたよね?」
上条「そうな。それが過ぎたら、どんな理由があっても帰らなきゃならなくなるんだよ。まぁ、一端覧祭の準備期間とかの例外はあるけど」
神裂「良い制度だと思います。能力者と言えど、やはり学生は学生。夜遊びはまだ早いですからね」
五和(女教皇様もまだ18なので学生の年齢なのですが…何故がツッコミにくい雰囲気…)
神裂「五和? 何やら今、とっても失礼なことを考えませんでしたか?」
五和「いいいいいいいえいえいえいえいえいえいえ!! まったく考えてないですよハイ!!!」
美琴「そうは言っても、実際は守ってない人がチラホラいるのも現状よ? 私もその一人だから、あまり声を大にしていいにくいけどね」
上条「スキルアウトがうろうろする時間だしな」
五和「ちなみに、御坂さんの言う『ちょろっと工夫』とは具体的には?」
美琴「んー…私が一番使う手は、やっぱり黒子…あぁ、私のルームメイトの子なんだけどね? その子に見回りを誤魔化すように頼む事かな。一番手軽な方法だし」
??「ほう…? その話、これが終わったらじっくりと聞かせてもらうぞ。御坂」
美琴「いやああああああ! 聞かれてたあああああああ!!!」
神裂「こうならない為にも、約束や時間は厳守しましょう」


(つか、七日あった大覇星祭の内の半分以上はあの馬鹿絡みのトラブルの連続だったのよね。あんな風になるぐらいなら最初から手綱を握っておいた方がまだマシだわ……)


上条「ん? 俺絡みっつーか、御坂と俺が巻き込まれたトラブルって二日目のアレだけじゃなかったっけか?」
美琴「まあ、そのはずなんだけどね。一体他に何があったのかしら? 今後、偽伝とかで公表されるのかな? 外伝はもう、大覇星祭終わっちゃってるしね」
五和「え? 二人とも記憶に無い、ってことですか?」
上条「まあな。もしかしたら記憶を操作されたのかもしれんけど、とにかく覚えが無い」
美琴「一日目のトラブルなら覚えてるけどね。アンタがあのちっこいののスカートを破って剥いだやつ。まあ私が直してあげたんだけど」
神裂「……上条当麻……貴方はあの子にそんな狼藉をはたらいたのですか……?」
上条「いや待て! 確かに事実はそうなんだけど原因は違うから!! 御坂が俺を殴り飛ばした拍子に起こった不慮の事故なだけだから!! だから七天七刀を目の前にかざして柄に手を添えるのはやめようぜ!!」
美琴「私が殴り飛ばしたのだって、アンタがあのちっこいのに抱きついてたからじゃない」
神裂「……ほほぉ……スカートを剥いだだけではなく……そのような破廉恥行為にまで……」
上条「違うって! 確かにそういう事もあったんだけど理由は違うから!! 俺はただインデックスのウエストを測っていただけだから!! だから七天七刀を柄からすーっと抜いていくのは止めようぜマジで!!」
五和(ああ! 女教皇がマジで切れる5秒前、MK5です!!)


(……一端覧祭)
 美琴が考えているのは、学園都市全域で行われる文化祭のような行事についてだ。今年の開催はまだ一ヶ月以上先なのだが、九月に行われた体育祭の集合体である大覇星祭が散々な結果であったため、一端覧祭の方は早めに手を打っておこうかな、などと考えていたのだ。
 ――――手を打っておく、とはもちろん『一緒に回る』約束を取り付けることだ。


美琴「ちちちちちちちち違うから!!/// ここここここれは天の声が勝手にそう言っているだけだから!!!///」
五和「ちなみに約束は取り付けられたのですか?」
美琴「う゛……」
神裂「(五和五和。もし本当に約束できたなら、上条当麻と御坂美琴さんの関係はもっと進展しています。ですが、ここまでの展開でそう思えますか?)」
五和「(な、なるほど! さすが女教皇!! 鋭い分析です!!)」
上条「まあ、考えてみりゃ御坂と一緒に回ってりゃ良かったかもな」
美琴&神裂&五和
  「!!!!!!!!!!!!!!?!」
上条「なんせ大覇星祭以上の大トラブルに巻き込まれたもんな。それこそ、開催期間中ほとんどで。んまあ、当時の俺が御坂を巻き込むなんて真似したかどうかは分かんねえけど、今の俺なら迷わず協力を求めたろうぜ、って、どうしたお前ら。鳩が豆鉄砲くらったような顔して」
美琴「……いや、アンタのことだから、どんでん返しのくだらない理由【オチ】になると思ってたから……」
五和「……もしかして上条さん、変わったのでしょうか……まるで、アックアと対峙した時の女教皇のようです……」
神裂「い、五和!? そ、その話は……!!///」


 今度は向こうが圏外のようだ。
「つっ、使いづらい……。話したい時に話せない携帯電話なんぞに価値なんかあるかーっ!!」


美琴「アンタいっっっっっつも留守電になってるけど、わざとなの!? ねぇ、わざとなの!!?」
上条「さっきも似たような事言ってたよね!? だから偶然だってば! 上条さんの不幸が色々と重なってですね!?」
五和「上条さん…その言い方だと、御坂さんからの着信に気付かない事が『不幸』であると言っているように聞こえるのですが…?」
美琴「………え?///」
上条「だから五和! 槍先をこっちに向けないで!? ヤむの禁止!」
神裂「ごほん! 御坂さんも御坂さんです。何をそんなに、彼に電話をする事があるのですか?」
美琴「え、あっ!!? べべ、別に大した事がなくても電話くらいするでしょ!? へ、変な意味とかじゃないわよ!///」
上条「変な意味って?」
美琴「うっさい馬鹿っ!!! アンタには関係ないわよっ!!!///」
上条「いや、関係ないって…むしろ俺、何か話題の中心だった気がするんですけど…」
五和「うふふふふ…お二人はイチャイチャしないと気が済まないんですかぁ…?」
神裂(ふぅ。初登場の五和には少々厳しいようですね。私は二回目ですから多少の免疫は付いていますが)


(……、そもそもあの馬鹿の寮ってどの辺にあるのかしら? ストーカーじゃあるまいし、どこに行けば会えるかなんて分かんないのよね)


上条「え、何。御坂ってば、そんなに俺に会いたい訳? いや~、そんなに好かれてるとは上条さんも隅に置けませんなぁ~」
美琴「なっ、ばっ!!!?!!?!?!!!?///」
神裂&五和「「!!!!!!!!!?」」
上条「なんて冗談も織り交ぜつつ……って、あれ?」
美琴「ああああ会いたいとかそんなんじゃないしましてやすすすす好きとか別に全然ないんだけどただそのアンタがどこにいるのかちょろっと気になるだけって言うかまぁそんな感じな訳で!!!///」
五和「………ぷぁー…」
神裂「ああ!? 五和の口から魂らしき物がっ!」
上条「あれ~?」


(まぁ、一端覧祭の事はそんなに急いでる訳じゃないし、今日は素直に帰るか)


上条「そんなに一緒に回りたいのか」
美琴「ぷしゅー…///」
神裂「とどめを刺した!?」
五和「」
神裂「五和【こちら】にもとどめが! 真逆の意味で!」
上条「…さっきから御坂と五和、どうしたんだ?」
神裂「そして自覚なし!? 今、貴方は二人の女性の命を握っているのですよ!?」


(……い、いや、最後にもうちょっとだけ)
 そんな風に思いつつ、まだ調べてない道とかあったかな、と美琴は携帯電話の画面にGPS地図を呼び出したが、


美琴「こ、ここ、これも違うからね!!? そこまでしてまでアンタの寮の場所を知りたかったとか、そういうアレじゃないんだから!!!///」
上条「いや、別にいいよ。俺だって、友達の家とかどこにあるか気になるし」
五和「と、友達っ! そうですよね!? 上条さんと御坂さんは、あくまでもお友達なんですよね!?」
神裂「五和…復活できたようで何よりです」
上条「けどまぁ、今は御坂も俺ん家の住所知ってるんだし、いつでも気兼ねなく遊びに来いよ」
美琴「え。あ、う、うん…じゃあ、お言葉に甘えて…///」
五和「ぐっはっ!」
神裂「五和っ! 五和あああああ!!!」
上条「そうだ。日本に来たときだけでも神裂と五和も来ればいい。そうすりゃアイツも喜ぶだろうし」
五和「え? いいのですか!?」
神裂「うわお!? 復活早っ!!」


 ――――白井黒子の顔を発見した。
 ズバッ!! と凄まじい音を立てて美琴は建物の陰に隠れる。
(あ、あれ? ……何で隠れてんのよ私?)


上条「…声かけりゃいいじゃん。ホント、何で隠れてんの?」
美琴「だだだって! 何かよく分かんないけど、体が勝手に動いたんだもん!」
神裂「黒子さん…と言うのは先程名前をお聞きしましたね。確か御坂さんのルームメイトだと」
美琴「う、うん。今思えば多分、黒子には私がコイツの事を……そ…その…探…してる………って、バレたくなかったんだと思う…何言われるか分かんないし……///」
上条「白井って俺の事を目の敵にしてるもんな~。理由はサッパリ分からんが」
五和「ああ、何となく…」
神裂「三人の人間関係が見えましたね…」


上条「ん? 今回はここで終わりか? 随分と中途半端だな…」
美琴「ああ、何かね? 14巻から先は私の出番が少ないから、前編~後編でSS、14巻、16巻、17巻、18巻まで一気にやっちゃおうって感じらしいのよ。だから今回は、14巻の途中まで一旦終わりみたいなのよね」
五和「これから上条さんは、左方のテッラと戦う為にフランスへ渡るんですね。そして私と再会して私と一緒にアレやコレやな事をっ!///」
美琴「おうコラ! アレやコレやって一体何をしたのかしら~ん?」
上条「ビリビリ恐い~! 別に何もしてないよ!?」
神裂「私としては、その次の16巻部分を早くやっていただきたいですね。それまで私の出番がありませんから」
上条「アックア編か。OPトークで言ってた、御坂と五和が出会った銭湯の話があるのも16巻なんだよな?」
美琴「うん、そこでこの人と出会……………ああああああああああああぁぁぁぁぁっ!!!!!!!///」
神裂「っ!? ど、どうしたのですか急に!?」
五和「て、敵襲ですか!?」
美琴(おおお、思い出したああああああ! その日私ってば、コ、コココ、コイツへの気持ちに気付いちゃってんじゃないのよおおおおおお!!!!! こぼれ話って私の内面の事も赤裸々にバラされちゃうから、コイツに気持ちが…うわああああああどうすればいいのよおおおおおおおおおお!!!!!///)
神裂「何やら突然、御坂さんが頭を抱えて顔を真っ赤にしてしまいましたが…」
上条「ああ、よくあるよくある」
神裂「よくあるんですか!?」
美琴「ね、ねぇ…16巻は飛ばしてもいいんじゃない…?///」
五和「何言ってるんですか駄目ですよ! 女教皇様を含む、我ら天草式十字凄教の最大の見せ場なんですから!」
美琴「い、いやそうかも知れないけれど、ここはあくまでもこぼれ話だから、私とコイツ以外の見せ場はカットしてもいいんじゃないかと…///」
神裂「…? 先程と話が矛盾していませんか? 例え少なくとも、貴方の出番は約束された巻なのでしょう? そうでなければ、15巻のように飛ばされる訳ですし」
美琴「それは…そうなんだけど……そうなんだけどさ…///」
上条「まぁ、いいや。とりあえず次は、14巻のフランス編からって事でいいんだよな? 16巻までは行くと思うけど、17、18巻まで行くかどうかは、まだ分からんって事で」
美琴「って、16巻はやるの確定!? ちょ、ちょっと待っ///」
上条「という訳で、次回もお楽しみに~」
美琴「私の話を聞きなさいよバカぁ~~~~~っ!!!!!///」











ウィキ募集バナー