とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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小ネタ 魔法は解けるもの




「おー、すごい!!」

低い声、毛深い皮膚、
鋭い牙、尖った耳、
今にも誰かに襲いかかりそうな狼男だ。

「本当に狼男だー!!」

しかし、なんか能天気である。

「さ、佐天さん!! なんでそんなのチョイスしてるんですか!!?」

「あ、ダメ? じゃあジェイソンに「もっとダメです!!」

ここはいつものファミレス。
テーブルの上に置かれた映写機のような装置。
御坂美琴、白井黒子、初春飾利、そして狼男が席に着いている。
ベテラン諸君はなんとなく展開が読めたのではないだろうか?

「本当に狼男になったわね」

「いやー、凄くないですかこれ!!?」

「佐天さん、元に戻ってくれませんこと? 隣に座っている初春が気の毒ですわ」

あー、はいはい、と答えた狼佐天は、装置のボタンを押す。
機械からの光が消えると、佐天は元に戻った。

「すごいですよねー!! どういう仕組みなんだろ?」

「『波長』を活用しているみたいですね。サーモグラフィーの原理で対照の動きを把握、声で個人を特定してるみたいです」

「光や声の波長を変えれば、見た目や声の変更も出来るわけですのね……佐天さん、なにかもわからずに使用したんですの?」

あははー、と頭をかく彼女に腹が立たないのは、きっと彼女の人徳だ。


「お化けにしか変身できないし、ハロウィンの小道具には大袈裟ね」

「期間限定でレンタルしてるみたいで、手に入れるのに苦労したんですよー!!」

「ハロウィンまではまだ日がありますわよ?」

「ええ、ですから……」

佐天と目が合った瞬間、美琴は逃亡を図る。
しかし、タックルを喰らい倒れた。
ラグビーなら佐天のファインプレーである。

「い、いやだー!! なにする気よーー!!」

「だから、御坂さんが変身して上条さんに女の子の好みを聞いてくるんですよー」

美琴に馬乗りで笑顔の佐天。
いま、キミは輝いている。

「そ、そんなのするわけないでしょ!!」

「……んー、じゃいいです」

「へ?」

あっけなく、それはもう呆気なく佐天はどいた。

「別にあたしは上条さんの好みなんて興味ないですし」

「え? あの…え?」

テーブルから白井と初春は全く動かない。

「珍しいですね。止めないんですか?」

「事前情報があったから驚きませんでしたが、あの姿で急に声をかけられたら、誰でも間違いなく驚きますわ」

無様を曝してお姉さまに絶望されるといいですのクケケ!!
と、笑う白井に、訳のわからない安心感を覚える初春。
横では茶番が続いている。

「御坂さんは恥ずかしくて聞けないだろうなって思ったんですが、違いましたかー」

「え? あ、その…」

「じゃー、この話は終わりにしてー、ハロウィンパーティーの段取りでもしましょー」

「ま、待って…」

「ん??」ニヤァ






数分後、
公園の植木の陰に人影が4つ。
白井(恐ろしい顔)、初春(パソコン装備)、佐天(変身装置所持)、そして魔女(ボンキュッボン)である。

ここに来るまでに美琴氏の言い訳だとか、魔女を選んだ際の美琴氏の言い訳だとかあったが、省略。

「話が違いますの!! この姿では恐がる訳がないではありませんの!! さぁ、すぐに中止しま「ゴン」……」

バットって凶器になるよ。

「黒子ぉぉぉおおおおお!!」

「さぁ!! 行きましょう!! 御坂さん!!」

「佐天さん!! いま自分が何したか分かってる!!?」

「え? ツッコミですよ?」

「ギャグ補正でなんとかなりますよ」

「初春さんまで…風紀委員なのに…」

「ほら!! 上条さん来ましたよ!! さぁ行った行った!!」

佐天に押されて、バランスを崩しながら植木から飛び出る魔女。
そこには、間抜けな顔をしたアイツがいた。
後ろからの視線も痛い。
やるしかねぇ!!

「上条当麻!!」

「へ? あ、はい」

「お前の好みを述べよ!!」

「い、いきなりなんだ? 薄味より濃い味の方が好きだ」

「そうじゃない!! 異性の話よ!!」

「わっと どぅーゆー せい!!?」//////////

「いいから答えなさい!!」

「……別に特にはねぇよ。一緒にいて楽しかったり、安心できることが、大前提だろ」/////

「…そっか」

「なんだ? 急に…」

「あと!! 御坂美琴についてどう思ってる!?」

「あ、え…?」////////

「素直に、いいなさいよ…」

「あ、あぁ、そうだな…もう少し、自分の身を省みて欲しい」

「うん」

「なんでも真っ直ぐなところが凄いと思う」

「うん、他」

「…なにもしてないのに、攻撃するのはやめてほしい」

「うん、他」

「……いつも支えてもらって、申し訳ない」

「外見は?」

「え?……凄く、かわいいと、思うぞ……な、なぁもう終わりにしませんか?」////////

「最後に……異性として、どう思う??」/////

「…………」//////////

「答えて」/////

「……凄く、魅力的だと、思います」/////

「ホント? なら、告白とかされたら断らない??」/////

「こちらこそ、よろしくって感じかな」/////

「そっ、そうなんだ…」/////

「こ、ここまできて冗談だとかいわないよな、御坂」////////

「ん?」

「まさか御坂がオレに気があるなんて、考えもしませんでしたよ」

ん??

「魔女が飛び出したと思ったら、急に御坂になるし、驚いた」

ん?んん!!!???

「恥ずかしかったろ? オレも恥ずかしかったよ」

ゆっくり、装置を持ってる佐天を見る。
あ、アイツら顔真っ赤にしてニヤニヤしてやがる。
いつの間にボタン押してたんです??

「直球とか、お前らしいな。今まで気づかなくてわる「ふにゃーーーー」我慢の限界でしたかっ!!?」

気絶した美琴を抱きかかえる上条。
顔が真っ赤なのは、美琴だけではない。
恥ずかしそうに美琴から顔をそらす上条もそうだし、
その視線の先にいた白井も顔が真っ赤だ。
こっちは怒りのあまりだけども。
数度の瞬きの後、上条は美琴をお姫様だっこして、地獄の大魔王から逃げ出した。

Trick or Treat

お菓子をくれないと、イタズラとお化けだぞー









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