とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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小ネタ 御坂美琴最後の日




本日、御坂美琴という一人の女性がこの世から消える。
レベル5の第三位として数々の戦いを生き抜いてきた彼女を以ってしても、
それはどうする事も出来なかったのだ―――



その瞬間を、白井はただ呆然と見つめていた。
涙なのとっくに枯れ果て、もはや生きる気力さえ失ってしまった。

「貴方の…せいですわよ! 貴方が…貴方のせいでお姉様はっ!」
「………」

憎しみという感情を上条にぶつける白井。
彼女だって分かっている。本当は上条が悪い訳ではないという事に。
そしてそんな事をしても、御坂美琴は帰って来ないという事にも。
だが何かに当たらなければ、自分が壊れてしまうような気がしたのだ。
上条もそれが分かっているからこそ、拳をギュッと握りながら白井に向かって。

「…すまない」

と呟いた。

「すまない…ですって…? 今更…今更謝った所でお姉様はっ!!!」
「も゛う止めま゛じょうよ白゛井ざん!」

そう言って白井を羽交い絞めにして止めたのは、初春だった。
初春は嗚咽を漏らしながら、それでも白井をなだめる。

「もう、どうじようも゛……えっぐ、な゛い、じゃないでずが!
 上条ざんを責めだ所゛で…御坂さんが喜ぶとでも゛思っでる゛んでずが!!?」
「っ! ですが…ですがわたくしは!」
「そうだよ白井さん」

すると今度は佐天が割って入ってくる。
佐天は一瞬だけ上条に一瞥すると、すぐに白井と初春に向き直った。

「いい加減…諦めてくださいよ白井さん。御坂さんだって、最後は笑ってたじゃないですか。
 だから…あたし達も笑って送りましょうよ。だって今日から……



































 『御坂さん』じゃなくて『上条さん』になるんですから」

ここは市役所。そして上条の目の前には一枚の婚姻届。
上条は印鑑を握ったままの拳をギュッとしながら一言。

「いや、ホントにすまない。でも美琴も合意だから」
「うぉあああああ!!! 聞きたくありませんのー! そんな事聞きたくありませんのー!!!」
「えぐっえぐ…本当゛におめでどうござい゛ま゛ず~~~!!!」
「初春、そろそろ泣き止みなよ…」
「当麻~! もう婚姻届に捺印押した~?
 ……あっ! 当麻じゃなくて、『アナタ』になるんだっけ~♡」

本日、御坂美琴という一人の女性がこの世から消え、上条美琴として生まれ変わるのであった。










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