ただいま
木の根を打ち消した。
電撃が煙を霧散させる。
上条と美琴は互いの腰を抱き、
空を駆ける。
即席の二人三脚。
2人の意思疏通に言葉は不要。
だが、
電撃が煙を霧散させる。
上条と美琴は互いの腰を抱き、
空を駆ける。
即席の二人三脚。
2人の意思疏通に言葉は不要。
だが、
「さてさて、足掻きにけるな」
届かない。
(このままじゃ、ジリ貧だ)
電撃は霧散して効かない。
近づこうとしたら隙をつかれるだろう。
有効打は超電磁砲だが、
近づこうとしたら隙をつかれるだろう。
有効打は超電磁砲だが、
(あと、コインは……6枚……)
手数が限られた中で、
直線的な攻撃はかすりもしない。
必死に打開策を練っていた時だった。
直線的な攻撃はかすりもしない。
必死に打開策を練っていた時だった。
「さて、幕引きにせん」
その言葉が耳に入った瞬間、
自分も含めた全ての動きが遅くなったように錯覚した。
ゆっくりと上条は振り向く。
磁力を使い飛んでいる上条と美琴。
彼らの背後に浮いていたのは、
イギリス清教最大主教。
自分も含めた全ての動きが遅くなったように錯覚した。
ゆっくりと上条は振り向く。
磁力を使い飛んでいる上条と美琴。
彼らの背後に浮いていたのは、
イギリス清教最大主教。
間違いなく、その瞬間ローラ=スチュアートはこの世に2人存在した。
攻撃を受け、上条と美琴は離れてしまう。
2、3地面を転がった美琴は手摺に激突。
2、3地面を転がった美琴は手摺に激突。
「かっ!!……くっ……」
衝撃を受け、6枚のコイン全てが橋から落ち、闇へと消えた。
「美琴!!…………ごがっ!!」
地面に倒れ、叫ぶ上条の脇が蹴られた。
支柱にぶつかり、崩れ落ちる上条。
一瞬意識を飛ばしていた美琴は、うっすらと瞼を開ける。
息を、飲んだ。
支柱にぶつかり、崩れ落ちる上条。
一瞬意識を飛ばしていた美琴は、うっすらと瞼を開ける。
息を、飲んだ。
「さてさて、時間切れ。チェックメイトでありけりよ」
上条の首を掴み、持ち上げて支柱に押し付ける。
この景色には見覚えがあった。
ミイラに追われた数日後、
美琴が力を得たいと願ったあの日。
リクルートスーツの上をはためく、絶望の白。
ミイラに追われた数日後、
美琴が力を得たいと願ったあの日。
リクルートスーツの上をはためく、絶望の白。
(…………コインが無い!!!)
慌てて電撃を放つが、先程と変わらず霧散する。
泣きながら2、3回放つが無駄だ。
泣きながら2、3回放つが無駄だ。
「待って…………まってよぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!」
ここにきて、美琴はスカートのポケットに何かが入っているのに気づいた。
薄れ行く意識の中、
上条は美琴の絶叫を聞く。
記憶の中では、彼女とあの少女は笑顔だというのに。
上条は美琴の絶叫を聞く。
記憶の中では、彼女とあの少女は笑顔だというのに。
「…………た、の……む…………」
ローラは頭を傾げた。
目の前の男は、息をするのもやっとのはずだ。
目の前の男は、息をするのもやっとのはずだ。
「あの……2人……に、は、手を…………出さ、ないで、く……れ…………」
少しずつ白くなる上条の視界。
その中央には自身の首を絞めるローラ。
彼女は自分の言葉を聞き、笑う。
まるで、
その中央には自身の首を絞めるローラ。
彼女は自分の言葉を聞き、笑う。
まるで、
あの日のインデックスのように。
ローラの胸を閃光が貫いたのはその刹那だった。