とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part2

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だれでも歓迎! 編集


前半


上条達が学園都市に帰ってきてから1ヶ月が経っていた
世界規模の大戦が終結したことも相まって今回の一端覧祭は準備段階から異様な盛り上がりを見せていた
一方,終戦に最も貢献した彼は学校からスーパーへ向かう道中で打ちひしがれていた

「やっと生活費に余裕が出来てきたのに・・・これから1週間上条さんはどうやって生き残れば・・・・」
自らのクラスの出し物の準備中に女子生徒とアクシデントに見舞われクラス中に追い回されるハメとなり
疲労困憊の中特売に向かって走っているとスタイルの良い女性と衝突し,彼の財布は水道に吸い込まれるように消えていった
「ちょろっとー,アンタこんな所で何やってんのよ?」
世界の終わりを迎えたような表情で上条が振り返るとそこには御坂美琴が立っていた
「なるほど,それでアンタはまた女の子と仲良くなってたわけね」
「上条さんに体力はもう0なんです,だからビリビリはやめてぇ!!」
思わず右手を差し出すが予想していた雷撃が向かってくることは無かった
「仕方無いわね,アンタ今月ピンチなんでしょ?だったら私がご飯作ってあげよっか?」
「・・え?今なんとおっしゃいましたか御坂さん?」
「だから・・これから1週間アンタのご飯作ってあげるって言ってんのよ!!」
顔を真っ赤にしながら美琴が答える
「それはこの上なく幸せなイベントなのですが流石に申し訳ないというかお礼をどうすればいいのか
 上条さんは全く分からないのですが」
「お礼なんていいわよ・・どうしてもしたいっていうんならいいんだけど」
「具体的に何をすればいいのか教えてくれると上条さんは非常に助かるんですが?」
「そ・・それじゃあ・・・私と一端覧祭で一緒に回りなさい」
言葉が次第に小さくなっていくが半ばパニック状態に陥っている美琴には気付く余裕は無かった
「なんだ。そんなことでいいのか?それじゃあお言葉に甘えて是非お願いします」
(え?これはもしかしてOK?どうやって誘おうか悩んでたけどラッキー!!いるかわかんないけど神様ありがとう!!)
「そうと決まったら早く買出しにいくわよ!!」
テンションが最高潮に達した美琴は上条を引きずりながらスーパーへ向かって駆けだした

終始浮かれっぱなしの美琴に辟易しながらも食材の調達を終えた二人は上条の部屋にたどり着いた
「なんとか無事に着いたぜ・・・」
「アンタの不幸って本当に筋金入りなのね・・・・」
スーパーから帰る途中に野球ボールが飛んできたり柄の悪い不良に絡まれたりしたが今回は全て美琴が撃退した
「へーへー上条さんは万年不幸ですよーっと」
そんな言葉とは裏腹に上条は笑顔だった
(ここがアイツの部屋かぁ・・意外と片付けてるのね)
「あっ・・お邪魔しまーす」
初めて上条の家に入った美琴は内心ドキドキしながらも部屋に上がった
「それじゃ,私は夕飯作ってるからあんたはのんびりテレビでも見てなさい」
「そういやお前なんて出来たんだな,お嬢様なのに」
「美琴センセーを見縊ってもらっちゃ困るわねーていうか常盤台でも料理ぐらい習うわよ」
(そういや大覇星祭の時も家事スキル高そうな話してたっけなぁ)
エプロン姿の美琴を見た上条は思わず石化していた
(いかんいかん,相手は中学生。それに前に五和だって同じことしてくれてたじゃねぇか!!)
なんとか目の前の光景を振り切ると上条はバラエティ番組を見て気を紛らわすことにした
「そろそろ出来上がるから机の上片付けといてー」
「おぅ」
気が付けば辺りにいい匂いが漂っていた
「今日はあんまり時間無かったから簡単なものしか作れなかったけど我慢してね?」
「御坂。本当に食っていいのか?こんなうまそうな料理初めてなんですが」
「いいに決まってるでしょ,アンタの為に作ったんだから」
「ありがとぉ御坂ぁそれじゃ頂きます!!」
(こんなに感謝されるなんて思わなかったなぁ,明日は何作ろっかなぁ)
猛烈な勢いで食べ始めた上条を美琴は幸せそうな笑顔で見つめていた
「ご馳走様でした。御坂が来てくれて本当に助かったぜ」
「別に大したことはしてないわよ」
照れ隠しに髪を弄りながら美琴は答える
「そんじゃ俺は後片付けしてくる。それくらいはさせてくれよな」
「いいわよ,私が洗っとくから」
二人が同時に立ち上がり上条が皿を重ね始めている最中ティッシュ箱を踏み盛大に躓いた
「おわっと!?」「えっ!?」
傍にいた美琴を押し倒す形で
「わっわりぃ御坂!!」
二人の唇と唇の間は数センチにまで近づいていた
慌てて離れようとする上条の腕を美琴が引き止めた
「駄目っ!!」
「もう少し・・このままでいさせて・・・」
(何で引き止められているんでしょうか!?っていうかその上目遣いは反則だあぁぁーっ!!
上条さんの理性はギリギリなんですがーーーっ!!)
「キス・・して・・・」
大覇星祭でも似たような状態になったことはあった,しかしその時の上条は自分以外の何かに気を捕らわれていた
(今は私を見てくれてる・・・・)
(本当にしちまっていいのか?いや,御坂だって覚悟を決めて言ってくれたんだよな)
「本当に・・いいのかよ?御坂」
美琴はコクリと小さく頷いた
ゆっくりと二人の距離は縮まり,そして0になった
「イギリスから産地直送のお土産届けにきたぜーぃカミや・・・ん?」
「やっと一段落して帰ってこれたかもって・・とう・・・・ま?」
数秒後この世の終わりを彷彿とさせる絶叫が周囲に響き渡ったのは言うまでもない


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