とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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小ネタ 欲しいもんとかある?



「ねえ?」
「ん? なんだ?」
いつもの上条と美琴の遣り取り。もはや定番と化しているこの遣り取りは今日のこんな時でも行われる。
二人は買い物、もといデートに来ていた。
今、美琴は上条の腕に抱きついている。初め上条は嫌がったのだが、美琴が『私とじゃ嫌なの…?』とか言ってきたため、否応無しに承諾。まだ上条の顔は赤い。
美琴はそれをいじるように攻めてくるが、美琴の方も美琴の方なのであまり強い攻撃ではなかった。
「あ、まーだ顔赤くしてる」
「お前が人のこと言えるかよ」
「う、うるさい!」
「へへーんだ」
美琴が上条をからかおうとして、逆に上条が美琴をからかって、二人のデートは進む。
美琴は覗き込むように、上条の前へ出る。上条は腕が少し引っ張られる。
「そういえば」
「そういえば?」
「当麻って欲しいもんとかある?」
「…干し物?」
「欲 し い 物 !!」
「ああ、プレゼントね」
上条は美琴の提案に頭を抱えながら悩む。
上条は特に欲しい物などなかった。だってこの時間があればそれだけで満たされていたから。
抱え込んでいる頭がどんどん下がっていく。
「うーん」
「なんか思いついた?」
「うーん」
「ねえってば!」
ッハと上条が目を開けるとそこには美琴の顔が近くにあった。
上条はふと何かを思いつき、顔をニヤニヤさせる。
美琴は顔が近いのと、上条のニヤニヤ顔をみて、真っ赤で不審な顔をするという奇妙な顔になっていた。
美琴はジーっと上条を睨む。
「なに企んでんのよ」
「んーなんでしょう?」
「高すぎるものとかはダメなんだからね!」
「いやいや、美琴の金銭感覚に追いつくまで上条さんは裕福ではありません」
「じゃあなんなのよ…」
「もっと簡単な、こと」
美琴も上条と似たように考え込む。しかし、きっとあの美琴では思いつくことはない。
痺れを切らした上条は答えを言うことにする。
「はい! 正解発表ー」
「あ、ちょっと待ちなさいよ!」
「待ちません、待ちませすん、待ちまそん、三段活用!!」
「…なんか違くない?」
「そんなことはどうでもいい!」
「で、答えは?」
「…………」
「?」
上条は大きく深呼吸を始める。言うのが恥ずかしいのもあるのだが、ちゃんと真剣な顔をして伝えなければ意味がない。
上条は心の声を口に出す。
「美琴さんのキスが欲しいです」
「…………え?」
「えーっと……もしかして滑った?」
「……………」
「あれ? もしもーし、美琴さーん?」
「!?」
美琴はガバッと静止状態から覚醒状態に移り変わると、上条の腕を強くホールドする。信じられない強さで。
「痛い! 美琴さん、痛い!!」
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっとなななななんてこと言うのよ!?」
「いや、嘘じゃないし、本当の気持ちでございますよ?」
「……えーっと、そんなに私と…………き、キスが…………………したいの?」
「まあ、ゲコ太とか変なもの貰うよりは…って嘘嘘!!」
美琴がとても怖い目で睨んできたので、慌てて訂正。上条はあまり美琴には冗談交じりの照れ隠しはしない方が賢明だと感じた。
「……はい、キスしたいです」
「そ、そう……」
美琴は急にしおらしく、小さくなる。
そして上条はここでは人が多いので、家に帰った後でもと思ってたら、
「ん!?」
美琴はいきなり顔を上条に近づけ、唇と唇でキスをした。
上条は予想外の展開と、美琴としたキスによって顔を真っ赤に染める。
「ななな!? ここですんのかよ!?」
「え? ……い、嫌だった?」
「いや、嫌じゃないけど……ああもう! 上条当麻は御坂美琴のキスが好きです、はい!!」
上条は半分自暴自棄になって答える。美琴の反応は卑怯だった。
「そ、そう? えへ、えへへ♪」
美琴は上条よりも顔を真っ赤にして、上条の答えに喜ぶ。
上条はそんな美琴を見ながら、可愛いと思ちゃってドキドキする胸を必死に押さえるのだった。

二人のデートはまだまだ続く。


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