須藤 久比人
■キャラクター名:須藤 久比人(スドウ クピド)
■異名:【博しき狂愛】
■ヨミ:ラディカル・キューピッド
■性別:男性
■武器:嘘と恋心
特殊能力『禁断症情』
禁断症情と書いて、ストックホルムと読む。
少なくとも能力者はそうしている。
それは恋。
そして愛。
人を恋に陥らせる。
恋とは求めるもの、愛とは満たすもの。
恋心の芽生えた者は潜在的な病のように、「恋の対象」を無自覚に追い求めるようになる。
何故それを求めるのか自分自身でもよくわからないままに欲し、「恋の対象」を自覚すればより強くそれに縋る。
「恋の対象」にたどり着くためならいかなる艱難辛苦をも乗り越え、時として常人の能力を超えた奇跡のような行動すらとらせる。
あたかもそれは愛の天使に矢を射られた若者のようである。
そして、「恋の対象」にたどり着いたものは対象への愛ゆえ心理的に離れられなくなる。
つまり、「対象」への強烈な依存心を植え付ける能力。
能力に罹った者は「対象」への依存から、例えば「対象」が嘘を吐いても信じてあげたくなる。嘘を信じるのではなく、信じてあげたくなる。
好意的な解釈を行ってしまう。
「対象」が危機に陥っているなら、その障害を跳ねのけたくなる。
一方で、「対象」を独占したくなる。
他にも、通常時の当人とは思えない突飛な行動を呼び起こさせる。
恋心を増強させる能力ではなく、恋心を植え付ける能力である。
そのため、人の心を持たない外道にも良く効く。というより恋愛経験のない人間ほど初めて恋を知った如く心の高鳴りに苛まれる。
能力の発動条件に細かな制約はない。
念じるだけで発動する。
距離も関係なく、視認や接触、攻撃なども必要ない。
言ってしまえば能力を掛ける相手の詳細を知る必要すらなく、さらに同時に複数人に能力を掛けることも可能。
例えば街中ですれ違った通行人、写真だけで見た人物、噂だけで聞いた存在すら魅了出来る。
とはいえその無節操さが同時に弱点ともいえる。
能力者本人の虚言癖により、能力発動条件の予備動作と誤認させる行動や言動をよくするため、とても厄介。
だが、能力者は恋の天使であることに嘘をつかない。
この信条に基づき、能力者自身がその恋路の行く末を見たいと思う対象にのみ能力を発動するという縛りを科している。
また、念じるという仕様上「恋の対象」について知っていないと発動しない。
逆に言えば知ってさえいれば、能力者自身を含む人間、物質、果ては非生物や概念まで「恋の対象」に指定できる。
なお、一度芽生えた恋心は不可逆。
他者の人格を破綻させる能力かと問われれば、その通りである。
設定
本名不詳。年齢不詳。
天使を自称する正体不明の青年。
戦闘は強くも弱くもない。
外見年齢は17歳くらいだが、態度や言動を10代前半頃に見せたがる。
須藤久比人というのは偽名。
その他本人が語る経歴は何から何まで嘘だらけ。
「遠い外国から来た」「記憶を喪失している」
「住処を転々としている」「研究所の実験体」
「実家暮らしで毎日学校に通っている」「天涯孤独」
「天国から来ました」
等々、不必要なまでに出まかせを吐く。
人によって嘘を使い分ける。
アニメ絵のハイライトみたいな天使の輪をイメージした金メッシュのピンク髪。
身長165㎝。
短髪のくり毛。ただし髪色も髪型もその時々でよく変わる。
瞳は深い青色。
外面はいかにも遊んでそうな東京の若者。それも度々変わる。白系の服を好んで着る。
警察関係者が【ストックホルム】と呼ぶ一連の事件の真犯人。
だが彼がその【ストックホルム】だと知るものは誰もいない。
本人は【博する狂愛(ラディカル・キューピッド)】と名乗る。
一方で警察からの呼び名も気に入っており、自身の能力を【禁断症情(ストックホルム)】と名付けた。
人当たりは良く、誰に対しても分け隔てなく優しく接する。
かと思えば毒々しい口調で弱者を責め立てる。
テンションが上がれば俺様口調で喧しく名乗りを上げる。
言動に一貫性がなく、本質的には他者への理解が浅薄。
趣味は居直り強盗、場当たり的な殺人とロマンス詐欺。
だが、恋のキューピットに憧れている。
衝動的に無思慮に行動する一方で、即興であらゆる嘘を吐き、他人を錯誤なさしめつくす天才。
人と人を恋に陥らせることこそ自身の本懐だと感じ、他人の恋路を見届けることに異様な執念を燃やす。
彼の興味全てはこの「他者の恋の行く末」に向いていると言っていい。
あらゆる嘘を吐くが、恋の天使でありたいという一点だけ貫き通す。
但し彼のそれは人格破綻した異常者の手前勝手な定規に過ぎない。