ドクター・アペイロン
■キャラクター名:ドクター・アペイロン
■異名:人医師
■ヨミ:ヒトイシ
■性別:男性
■武器:小指・薬指・中指の先に刃渡り6cmの鋭利な刃が装着され、人差し指と親指だけが露出した奇妙な指抜きレザーグローブ一双。
特殊能力『【痛し癒し愛し】』
触れた者の心身の『痛み』を『癒し』に変換する。
能力発動の条件は「ドクターアペイロンが直接対象に触れている」「触れた相手の心身に痛みがある」の2点。
この条件を満たしていれば、どんな相手にも、ドクターアペイロン自身にすら能力を使用できる。
回復量は元となる、感じるはずだった苦痛の量に比例する。
欠点は回復箇所の選択ができず、変換された『癒し』は真っ先にその元となった『痛み』の原因へと使われること。
例えば一過性の外傷によって発生した『痛み』を『癒し』に変換した場合、その一過性の外傷を治すために『癒し』の力はまず使われ、その後余剰分の『癒し』が他の部分へと振り分けられる。
結果、一過性の外傷がまず治り、『痛み』がなくなり、以後『癒し』を生み出すこともできなくなる。
恒常的な全身回復を維持するためには、刃物を肉体に刺し続ける等の『痛み』の原因を保持する工夫が必要。
また致命傷を与えた場合、その過剰な『痛み』によって致命傷のみならず対象全体を『癒す』ことができる。
設定
池袋のとある路地裏で『アペイロンクリニック』を開業している、ダークブラウンの短髪に縁が金色の眼鏡を掛けた柔和な容貌の青年。
古代の墓から出土した翡翠の勾玉のような、光のない褪せた濃緑色の瞳を持つ。
深緑を下地に黒い線が走るストライプ柄のスーツを着ており、ネクタイはしていない。外出する際は黒のロングコートを羽織る。
厳格な喋り方と、何もかも溶かしそうな熱のある科白とを混在させて口走り、人類が人間であること自体を病気と見なし、《治療》を試みる怪人物。
殺人回数数億回――不可逆に命を奪った人間の数は、0。
殺して殺して殺して。
死なせて死なせて死なせて。
死に飽きることで結果的に生きることを選ぶよう導く、暴露療法が得意なカウンセラー。
来院した患者を片っ端から過重に殺しているが、逮捕どころか問題にもなっていないのは殺された患者が死んだままではなく生きており、さらにアペイロンを思い出すどころか認識することさえ厭うため。
それでも義理や人情や法に対する尊重、復讐心が患者に残っていれば、通報されることもあるだろうが、アペイロンが行う治療――何度も何度も繰り返させられる臨死体験は死への飽きを齎すと同時、そういった人間性をも破壊する。
触らぬ神に祟りなしと、患者たちは黙したままアペイロンから逃げ出してしまうし、アペイロンも健康になった患者を追うこともない。
殺人鬼以下にして殺人鬼以上の殺人鬼。娑婆でのうのうと人を殺しているのに人を殺していると世間一般には知られていない例外者。
表の顔しかないが、その安穏な表の顔に、医者でもないくせに名付けられた人医者という異名こそが表の表を表すのに相応しい。
ペストの治療に当たった医療者をペスト医師と呼ぶならば、人の治療に当たる医療者は、人医師と呼ぶべきなのだから。
数億回も人体を刻み、体内をいじくり回して治療した前人未到の経験値から、カウンセラーでありながらあらゆる外科医を凌ぐ神域レベルの外科的手術の腕を持つ。
彼は人が人であること、迷信と病んだ心を嘆き語りながらも、病んだ者を人でなしの健康体に治すために、皆を救う決意を掲げ、今日も殺人を繰り返す。
最終更新:2024年05月18日 21:27