「美少女戦士セーラームーン ANOTHER STORY」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

美少女戦士セーラームーン ANOTHER STORY - (2011/08/05 (金) 15:10:04) の1つ前との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*美少女戦士セーラームーン ANOTHER STORY 【びしょうじょせんしせーらーむーんあなざーすとーりー】 |ジャンル|RPG|&amazon(B000068IBV)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |発売元|エンジェル|~| |開発元|不明|~| |発売日|1995年9月22日|~| |定価|11,800円|~| |分類|''バランスがかなり不安定なゲーム''|~| |ポイント|セーラームーンのゲームで唯一のRPG&br原作者が脚本とゲームオリジナルキャラクターデザインを担当&brセーラームーンシリーズ歴代キャラ大集合&brラスボスの最強必殺技の名前がゲームバランスを物語っている|~| **概要 -90年代に一大旋風を巻き起こした少女マンガ・テレビアニメ『美少女戦士セーラームーン』のRPG化作品。 -本作はゲームバランスが恐ろしく不安定で、ザコ戦もボス戦も一瞬でボコボコにするかされるかお互い1ケタダメージしか与えられなくてグダグダになるかのどれかであり、戦闘難易度が極端に低かったり極端に高かったりバトルテンポがものすごく早かったりものすごく遅くなったりする。 -オーソドックスなフィールド見下ろし型+ターン制バトルRPG。セーブデータは2つまで保存可能。物語は全五章から構成されている。全滅すると、最後にセーブしてから起こったことはなかったことにされるタイプ。 -原作者の武内直子が本作のストーリー及びオリジナルキャラデザインをした。 --物語の時期はデス・バスターズ編のあとの設定。運命を操る組織「ヘル・デスティニー」がセーラームーンたちが今までに戦ってきた敵を復活させるというストーリー。 -アニメ版と同じく有澤孝紀が本作の音楽を担当した。 --『[[美少女戦士セーラームーン(SFC)>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/1351.html]]』と『美少女戦士セーラームーンR(SFC)』のBGMが使われている場面がある。 -初回特典として、後述のLV16からスタートする裏技のコマンドを記述したスペシャルカードが付属された。 **戦闘システム -味方のステータスは、HP・EP(一般的なRPGで言うMPに相当)・LAP(後述のリンク技の威力に影響。リンク技を使うことで成長する)・攻撃力・防御力・素早さ・特殊回避(ステータス異常技への耐性)の7つ。 --それぞれの最高値は、HPは999、EPは12、後のステータスは255まで(戦闘中に能力強化すれば255を超える)となっている。 --EPに関しては不明だが(LV10になるころにはカンストする)、レベルアップによるステータス上昇値の幅はキャラごとに決まっている。レベルは99でカンスト。 -敵のステータスは基本的に味方と同じ仕様となっているが、LAPと特殊回避の概念がなく、HPとEPの上限は文字通り味方とケタ違いである。 -ステータス異常は、しびれくん(毒。ターン経過でパーセントダメージ。戦闘終了後も継続)・いねむり(敵か味方の攻撃でダメージを受けると治る)・カチンコチン(石化。全員石化で全滅するが、メンバー入れ替えで全員石化のパーティにしても戦闘に突入しなければ全滅しない。戦闘後も継続)・わがまま(混乱。敵か味方に通常攻撃する。ターン経過で治る)・うっとり(味方にのみ通常攻撃する。ターン経過では治らないので、全員うっとりになると事実上全滅確定となる)の5種類。 --ウラヌスはうっとり、ネプチューンはいねむりになりやすい特性を持つ。 --戦闘参加メンバーが1人しかいない(他のキャラが戦闘不能ではなく、本当に1人だけ)状況では、毒以外の状態異常にならない。 -気絶(HP0)しても、戦闘が終了するとHP1で復活する。 -アクセサリー(装備品)は3つまで装備できる。 -味方パーティは最大で5人まで戦闘に参加できる。敵は最大で4体同時に出現する。 -「フォーメーションシステム」があり、選んだ陣形のタイプと位置によって攻撃力と防御力が割合増減(ステータスがカンストしていても突破する。下限値は0を突破?)し、敵の攻撃対象にされる確率も変化する。 -戦闘コマンドは、通常攻撃・必殺技・リンク技・フォーメーション技・アイテム・防御・逃走の7つある。 --通常攻撃の攻撃対象選択時にRボタンを押すことで味方を対象にできる。 ---サターンのみ敵と味方で攻撃モーションが変化(敵=サイレンス・グレイヴで切る。味方=ミドルキック)する。 --必殺技は、EPを消費して通常攻撃より高威力もしくは敵全体を対象にした攻撃や回復・補助を行う。 ---必殺技には「熟練度」という隠しパラメータがあり、使いこむと効果が強力になる。 --リンク技は、自分と自分以外の味方(自分を含めて最大で3キャラ。誰かが毒か瀕死以外の状態異常だと使えない)のEPを消費して攻撃・回復・補助を行う技。 ---あくまで「自分の行動」なので、リンク技に協力した味方のターンを消費することはない。 ---自分だけでなく、協力した味方の攻撃力(LAPも?)が影響する。 ---リンク技はどのキャラの組み合わせでもできるというわけではなく、全部で37つの技がある。 --フォーメーション技は、陣形に応じた威力と消費EPの技を全員でする。ムーンと内部四戦士の組み合わせでのみ最強のフォーメーション技「セーラー・プラネット・アタック」が使え、この技は本作で最高の威力を持つと思われる。 ---リンク技と似ているが、発動後にまだ行動していないキャラもターン終了、並び順で一番上のキャラのみ(ムーン+内部の技は別)使用可能という点で異なる。 --ゲーム開始時から所持しているアイテム「ムーンカリス」や「ムーンカリス2」を使うとムーンとちびムーンがスーパー戦士に変身する。 ---スーパー変身するとフォーメーション技が使用不可能になるが、HPが全快して強力な必殺技とリンク技が使える。後述のメンバー組み合わせによるダメージ係数変化にも影響する。 --ゲーム中で「『防御』すると受けるダメージが半分になる」という情報が得られるが大ウソである。実際は防御力そのものを上げるため受けるダメージが大幅に軽減される。 --本作の「逃げる」はボス戦でないかぎり確実に成功する。 -ダメージのカンストは9999。 --プルートの必殺技「タイム・ストップ」のみ999でカンスト。 -レベルアップするとHPが完全回復する。 -攻撃力と防御力が変動する「運勢システム」があるが''実際には何の変化もない''と思われる。 **ゲームバランスの問題点 -ダメージ計算式がめちゃくちゃ。 --本作のダメージ計算式は「(攻撃したキャラの攻撃力-攻撃されたキャラの防御力)×攻撃に使用した技のダメージ倍率=最終ダメージ(ノーダメにされるほど攻撃と防御の差があっても、なんとか数ポイントは与えられる)」となっているが、このダメージ倍率が異常に高く、通常攻撃でさえおそろしい係数を持つ。 ---結果的に、攻撃力や防御力がほんの少し増減しただけでダメージ量がかなり変化することになる。 ---味方が味方を攻撃したときのダメージ計算式は上記のものとは異なるようなので、敵を攻撃してもノーダメにされてしまうのに味方を攻撃したら4ケタダメージを叩き出すことがある。 -フォーメーションによる攻撃・防御の増減が大きい。 --高いダメ倍率と相まって被与ダメがあまりにも上下する。 -キャラの攻撃力と防御力は、自分以外の味方キャラに影響する。 --おそらく生存キャラの平均値で最終的な値が決まっている。 ---攻撃と防御が150のキャラ1人+攻撃・防御10のキャラ4人のパーティより、攻撃・防御100のキャラ1人+攻撃・防御50が4人のパーティの方があきらかに与ダメが高くて被ダメが低い。 ---ラストボス最強の技「ファン・ド・シエクル」を食らうとわかりやすい。1人で戦っていたらノーダメだったのに防御力が1ケタの味方を4人復活させたら、いきなり4桁のダメージを受けたりする。 ---「ファン・ド・シエクル」は「世紀末」という意味。本作は格闘ゲームではないが、戦闘バランスを考えると''世紀末''と言えるだろう。 -パーティメンバーの組み合わせや戦う敵によって通常攻撃のダメージ倍率が変化する。 --たとえばムーン+内部四戦士のパーティの場合、クリスタルトーキョー(最後の町)のザコ戦ではムーンの倍率が低下しマーキュリーの倍率が上昇するが、ラスボス戦ではムーンの倍率(通常攻撃だけでなく全ての攻撃?)が高くて他の戦士の倍率は通常になる。 ---後述のLV99の裏技プレイ時にやると分かりやすい。 --ムーン+外部四戦士のパーティでラスボスに挑み、外部戦士全員がHP0になるまで全員ガードすると(条件はもっとゆるい?)ムーンの攻撃力が跳ね上がる(たとえば、それまでは1000ダメ程度しか与えられなかったのに、9000ダメ以上与えられるようになる)。バグにしては出来過ぎているので意図的に設定されたと思われる。 -HPと防御力が高いボスが多い。 --1ケタのダメージしか与えられないことがあるのに、ボスのHPは平気で3ケタ以上ある。 ---とくに序盤のマーキュリー単独で戦うボス戦でつまずくプレイヤーが多い。 -マーキュリーの「シャボン・スプレー」とプルートの「タイム・ストップ」がゲームバランスを崩壊している。 --シャボンの効果は「敵一体の攻撃力を下げる」で、タイムの効果は''「敵全員を2ターンの間なにも行動できなくさせる」''。 ---シャボンは一度に一体にしか使えずダメージを与えられず重ねがけできないが、消費EPがたったの2であらゆる敵に対して確実に成功する。タイムは消費EPが12でダメージ係数が敵味方の中で最も低いが、''あらゆる敵に対して確実に成功する。'' ---EP回復アイテムのコロン(全員EP全快)とトワレ(全員HPとEPが全快)がショップで値段が高いが無限に買えるのでタイムの連発がやりやすい。一種類のアイテムは最高で99個まで持てるので、コロンとトワレを使いきる前には勝利しているだろう。最終的にコロンとトワレが売られている店には行けなくなるが、コロンをドロップするザコと戦うことができる。 ---プルートは他のキャラと違って初期LVが16だが初期ステータスがかなり低いため他のキャラと同じLVでもステータスが全体的に低く、一度攻撃を食らっただけでHP0になることが珍しくない。しかし、防御力が高くて打たれ強い(HPより防御力の方が重要)マーキュリーのシャボンと組み合わせると解決できてしまう。 ---タイムの技説明文に「禁断の秘儀」と書いてあるが、本当に禁断の技である。 -戦闘が終了するとEPが完全回復する。 --「このダンジョンは長いから呪文や必殺技は温存しておこう」なんてRPGの常識とは無縁。 --EP回復アイテムが簡単に大量に入手できるので、ザコ戦どころかボス戦でも通常攻撃をすることはあまりないだろう。 -二章、四章、五章で''ボスはおろかザコにさえ絶対に勝利できなくなって、ゲーム進行が不可能な状況に陥る危険性がある。'' --極端に低レベルなキャラのみのパーティ+毒や石化を治療できていない+アイテムの売買で手持ちのアイテムと所持金を全て失う+入手期間限定の売却不可アクセサリー(これらは強力な効果を持つ)を入手していない。この状況でセーブすると…。 **ゲームバランスの評価点 -LV16でスタートする裏技がある。 --LV16と言っても、元々初期LVが16のプルートを含め、全キャラのステータスが通常ではありえない値となっている。 ---中には本来のLV16より能力値が低くなっている能力もあるが、全キャラ共通で攻撃力・防御力・素早さがとても高くなっている。 ---これならRPG初心者の少女でもゲームクリアできるだろう。 -LV99でスタートする裏技がある。 --HP・EP・LAP・攻撃力・防御力・素早さ・特殊回避が最高値になっている。必殺技の熟練度が最大になっているかは不明だが、シャボン・スプレーは熟練度がまったく上がっていないと思われる。 ---ここまですれば多分どんな人でもゲームクリアできると思われる。 ---本作には負けイベントが1度あり、LV99の裏技をもってしても勝つことはおそらく不可能である。 -アイテムを持ちこせる裏技がある。 --上記の高LVスタートの裏技と組み合わせれば、少女が通常通りのLV1スタートでプレイしてもゲームクリアできるだろう。 --ラスボス戦時に装備していたアクセサリーと一部のアイテムは消滅してしまう。 --「リターンのみず」という気絶回復アイテムを持っていると、スタート時にリターンの水の欄が1つ増える(ゲーム開始時から既に持っているため?)。同じアイテムは99個しか持てないが、リターンの水はこの現象によって100個以上持てる。 --ムーンカリスとムーンカリス2が1つの欄に個数を足さずに、欄自体を1つ増やしている。ムーンカリスとムーンカリス2は売却不可能。これは後述の''確実にフリーズするバグ''に大いに関係するため要注意。 -二章以外は、ザコと全く戦わずにボスから得た経験値だけでゲーム進行に差し支えないレベルになる。 --そのかわり装備・陣形・戦術をしっかりしておかないと一瞬で全滅してしまうだろう。 --二章は最初から最後まで内部四戦士がそれぞれ単独でイベントを進行させていく内容となっていて、敵の攻撃を1人で受け止めて1人で倒さなければならない。 ---内部戦士は一章のボス戦全てで経験値を得ればLV6になるが、いくら能力値アップ吟味をして装備やアイテムを充実させてもボスには歯が立たない。 -ザコと戦うメリットがしっかりと残されている。 --ザコと戦ってレベル上げしたほうが当然楽。必殺技やリンク技の熟練度を上げられるし、高確率でアイテムを落とすのでそれを売ったり使ったりして戦力を強化できる。ドロップ以外では入手個数が限られている有用なアイテムを落とすザコがいる。後述するパズルシステムも戦う意義になる。 -リンク技のバランスがよい。 --2人でのリンク技のダメージ倍率が低いが、自分以外のキャラの攻撃力も影響するので攻撃力が低いキャラには重要な攻撃手段。3人リンク技ももちろん活躍する。 -フォーメーション技の使い道がちゃんとある。 --フォーメーション技はダメージ倍率が高く、味方の素早さを調整すれば、他の味方の攻撃で敵のHPを削ってからフォーメーション技でトドメを刺すという使い方ができる。この戦法はザコ戦で有効。 -レベルアップのバランスがよい。 --獲得EXPとレベルアップ必要EXPにメリハリがある。強い敵と戦っていく必要性があり、レベルが低いキャラも高レベルキャラにすぐに追いつける。 -五章の暗黒城とクリスタル・トーキョー(時空の塔の最深部も?)の出現敵がパーティのレベルに応じて変わる。 --四章中盤の敵が現れるので、あまりにもレベルが低くないかぎり「ボスどころかザコにも勝てなくてゲーム進行不可能」ということはなくなる。 ---同じレベルでも五章本来の敵と四章の敵のどちらも出現することがある。平均レベルか先頭キャラのレベルか確率で決まるのかは不明。 -エンカウントバランスがよい。 --本作のエンカウントが高いと勘違いしているプレイヤーが多いが、実は「障害物に向かって移動(キー入力)してもエンカウント率が上がる。メニュー画面を開くなどの画面切り替えを行うとエンカウント率がリセットされる」という仕様である。 ---本作は地図がなく(四章で空飛ぶ箱舟に乗っているときのみマップが見れる)フィールドがそこそこ広くて道がやや複雑だが構造自体は難しくない。エンカウントシステムと組み合わさってバランスがよいのである。 **その他の評価点 -映画版のキャラも含めて新旧キャラが登場するにも関わらずストーリーが破綻していない。 --なお、本作はエンディングが2種類ある。 #region(ネタバレ) -ラストバトル直前のイベントで、ムーンがちびムーン以外の戦士の内4人とラストボスの破壊神アプスー(反セーラーチームであるオポシティオ・シンが敵組織の親玉アプスーと同化した姿)と戦いに行き、残ったちびムーンたちがネオ・クィーン・セレニティたちを守ることになる。 -ムーンたちがラスボスに勝利するとグッドエンド、ムーンたちが敗北したらちびムーンたちがラスボスと戦い(ラスボスのステータスは大幅に低下している)勝利するとバッドエンド。ちびムーンたちも全滅すると正真正銘ゲームオーバー。 -グッドエンディングは、アプスーを消滅させ、シンたちアプスーの手下と和解し、シンの弟アンシャルが恋心を抱いているちびうさにちびうさの落し物のペンダントを渡し、ちびうさからキスされる。ラストは、ごはんの時間が来てうさぎとちびうさが家に帰る。 -バッドエンディングは、アプスーを消滅させたが、アンシャルやシンたちはアプスーと関わり合わなかった運命に戻りちびうさたちのことは忘れてしまう。何年か経ってからでないと、アンシャルたちと関わることで再びアプスーが誕生する危険がある。ちびうさとアンシャルは町で偶然出会い、アンシャルはちびうさのことを忘れていたがペンダントを大事にしていた。ラストは、シンと一緒に楽しそうに歩いていくアンシャルを見届けたちびうさが「私もアンシャルが好きだったよ」と告白する。 #endregion -原作のみの必殺技が多数登場する。 -アニメ無印セミ最終回が最後の登場だった浦和良が奇跡の復活。 --扱い方も良く、ストーリーの前半と後半で亜美が「理想の夢」を見るが、夢の中で''亜美は浦和良と思わしき男性と結婚している。'' -ノンケとオカマのゾイサイトが登場。 --前世のゾイサイトはノーマルな男性。現世のゾイサイトはオネェ口調でセリフにハートマークを付けるオカマ。 --本作のストーリーはアニメがベースだが一部で原作の要素が混じっており、四天王の設定は原作と同じ。 -原作のみのザコキャラが登場。 --ゲームオリジナルザコも数種類いる。 -パーティを入れ替える意義がある。 --リンク技やフォーメーション技の存在もあるが、「このイベントでこの仲間はこのセリフを言う」ということが多く、特定の組み合わせでのみの会話もある。 -町の人たちとの会話でストーリー進行のヒント(次にどうすればよいのか)が聞ける。 --ラストバトルがある場所のみ町の人からヒント(具体的な地点)が聞けないため、ラストバトル直前のイベントの会話内容(ラスボスのいる場所を言う)を覚えなければいけない。 -ゲーム進行上絶対にお金を払わなければならない状況(バス運賃180円。本の値段300円)があるが、お金がなくてもストーリー進行できる救済措置がある。 --神社近くのバスの運転手にバス代が足りないと言われてから神社でお参りすると祈りが通じて300円もらえる。 ---お参りしてもらった金でアイテムを買うことを繰り返して溜めたアイテムを一気に売れば大儲け。 ---ちなみにお金がなくてバスに乗れなかった直後にバス停近くの人に話しかけるとバス代がもらえる。 -グラフィックが中々の出来である。 **その他の問題点 -魔界樹編のキャラが登場しない。 --ただし、ボス「だいそうじょう」と「ディメンジョン・ツリー」は魔界樹編に登場するヤーマンダッカと魔界樹と同じ姿である。 -デス・バスターズ幹部のウィッチーズ5とカオリナイトの扱いが酷い。 --ウィッチーズ5は少し喋ってバトルして死ぬ間際にもう一度喋るだけ。原作・アニメでは「○○バスター」という必殺技を使うが、本作ではユージアルがユージアルバスターを使うだけで他のメンバーは固有必殺技を持たない。 ---ゲームとしての戦闘能力も冷遇されており、ウィッチーズ5との対決前に戦う反セーラーチームのオポシティオ戦士たちと比べると、1人1人のステータスが低い上に特殊技も強力ではない。しかも連続バトルとなるわけでもないので途中で回復も買い物もレベル上げもセーブもし放題。 ---そのかわりゲーム序盤に戦うミストレス9より断然強く、ウィッチーズ5のあとに戦うボスはおそろしく弱いので、そういう意味では少しはよい扱いをされている。 --カオリナイトはミストレス9より強い戦闘力だが、土萠教授に呼ばれていきなりバトルとなるだけで戦闘画面にしかグラフィックが存在せずセリフが一言もない。 -背景に隠れた宝箱やツボやタルの中に隠されたアイテムが多い。 --町人から隠しアイテムの存在があると聞けるが、それ以外はまったくノーヒント。 --ただでさえ何の変哲もない場所に隠されていて見つけにくいのに、ツボやタルや背景に隠されている場所がやけに多くて、それらを調べていると時間がかかりまくる。すべてのアイテムを自力で探し出すのは困難。 ---隠しアイテムの中で店で買えるアイテムは1個だけで、それ以外は非売品かつ有用なアイテムばかり。 -「パズルシステム」があり、パズル(のピース)を集めて完成させると、ゲーム終盤である人物に話しかけると全てのステータスがかなり強化されるアクセサリーを10個もらえる。しかし、このパズル完成難易度が高い。 --パズルは戦闘勝利時にランダムで入手するか特定の人物と話すか設置物を調べて入手する。 ---敵に勝って手に入るパズルの数には限度があり、戦闘だけでは完成させることができない。よって戦闘以外でも入手しなければならないが、前述の通り隠されたアイテムを見つけるのは厳しい。 ---隠しパズルの入手期間は限定されている。終盤には隠れパズルが1つもないので、気を付けてストーリーを進行させないとパズルの完成は不可能となってしまう。 -入手期間限定のアイテムが多い。 --一度取り逃したら永久に入手できない強力なアクセサリーがあり、確実にバトル難易度が上がってしまう。 -バグがやや多い。 --無害なものから有害なものまで普通にプレイしていれば発生しないor気付きにくいものがほとんどだが、中には''必ずフリーズするバグがある。'' ---''所持アイテムの欄が一定以上のときに戦闘中にアイテム画面を出すと100%の確率でフリーズする。'' ---アイテム持ちこし裏技をすると売却できないアイテムの欄が増える。つまり''本作をやりこめばやりこむほど、絶対にフリーズするバグに確実に接近していく。'' -一部のテキストがおかしい。 --セーラー戦士のライバル・オポシティオ戦士たちとの最終決戦で、オポシティオたちはそれぞれ「ヘルズ・○○」という名称の必殺技を使うが、炎を操る戦士ネルガルのみ「''ヘルズフ・レイム''・バード」という変な名前の必殺技を使う。 --アイテムの効果説明文がフィールド中とバトル中で違う、ルナが「さっきの場所をもう一度探索しましょう。今なら敵もいないわ」と言うが普通にエンカウントする、ザコの総称(妖魔、ドロイド、ダイモーン)を間違える、はるかが敵組織の親玉の名前を聞いただけで女だと決め付ける(実際女だが、名前の元ネタとなった神は男性神なので名前だけで女性と判断することは難しい)などいくつかある。 -音質が悪い。 --『美少女戦士セーラームーンR(SFC)』からレベルダウンしてしまっている。 ---本作の一部で『美少女戦士セーラームーンR(SFC)』と同じ曲が流れる。本作は本作で味があるが、比べるとあきらかに音質が劣っている。 **総評 -本作は世間一般からゲームバランスを酷評された。 --バランスの悪さの最大の原因は「ダメージ倍率が恐ろしく高い」の一言に尽きる。 ---倍率さえまともであったのなら、本作の評価は決して低くなかったことは間違いないだろう。 --逆に言うとバトル以外はそこそこの出来である。 -『セーラームーン』としての評価は高く、ゲームバランスさえ改善できていれば良作と言われてもふしぎではない。バランスが悪いことが残念至極である。
*美少女戦士セーラームーン ANOTHER STORY 【びしょうじょせんしせーらーむーんあなざーすとーりー】 |ジャンル|RPG|&amazon(B000068IBV)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |発売元|エンジェル|~| |開発元|不明|~| |発売日|1995年9月22日|~| |定価|11,800円|~| |分類|''バランスがかなり不安定なゲーム''|~| |ポイント|セーラームーンのゲームで唯一のRPG&br原作者が脚本とゲームオリジナルキャラクターデザインを担当&brセーラームーンシリーズ歴代キャラ大集合&brラスボスの最強必殺技の名前がゲームバランスを物語っている|~| **概要 -90年代に一大旋風を巻き起こした少女マンガ・テレビアニメ『美少女戦士セーラームーン』のRPG化作品。 -本作はゲームバランスが恐ろしく不安定で、ザコ戦もボス戦も一瞬でボコボコにするかされるかお互い1ケタダメージしか与えられなくてグダグダになるかのどれかであり、戦闘難易度が極端に低かったり極端に高かったりバトルテンポがものすごく早かったりものすごく遅くなったりする。 -オーソドックスなフィールド見下ろし型+ターン制バトルRPG。セーブデータは2つまで保存可能。物語は全五章から構成されている。全滅すると、最後にセーブしてから起こったことはなかったことにされるタイプ。 -原作者の武内直子が本作のストーリー及びオリジナルキャラデザインをした。 --物語の時期はデス・バスターズ編のあとの設定。運命を操る組織「ヘル・デスティニー」がセーラームーンたちが今までに戦ってきた敵を復活させるというストーリー。 -アニメ版と同じく有澤孝紀が本作の音楽を担当した。 --『[[美少女戦士セーラームーン(SFC)>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/1351.html]]』と『美少女戦士セーラームーンR(SFC)』のBGMが使われている場面がある。 -初回特典として、後述のLV16からスタートする裏技のコマンドを記述したスペシャルカードが付属された。 **戦闘システム -味方のステータスは、HP・EP(一般的なRPGで言うMPに相当)・LAP(後述のリンク技の威力に影響。リンク技を使うことで成長する)・攻撃力・防御力・素早さ・特殊回避(ステータス異常技への耐性)の7つ。 --それぞれの最高値は、HPは999、EPは12、後のステータスは255まで(戦闘中に能力強化すれば255を超える)となっている。 --EPに関しては不明だが(LV10になるころにはカンストする)、レベルアップによるステータス上昇値の幅はキャラごとに決まっている。レベルは99でカンスト。 -敵のステータスは基本的に味方と同じ仕様となっているが、LAPと特殊回避の概念がなく、HPとEPの上限は文字通り味方とケタ違いである。 -ステータス異常は、しびれくん(毒。ターン経過でパーセントダメージ。戦闘終了後も継続)・いねむり(敵か味方の攻撃でダメージを受けると治る)・カチンコチン(石化。全員石化で全滅するが、メンバー入れ替えで全員石化のパーティにしても戦闘に突入しなければ全滅しない。戦闘後も継続)・わがまま(混乱。敵か味方に通常攻撃する。ターン経過で治る)・うっとり(味方にのみ通常攻撃する。ターン経過では治らないので、全員うっとりになると事実上全滅確定となる)の5種類。 --ウラヌスはうっとり、ネプチューンはいねむりになりやすい特性を持つ。 --戦闘参加メンバーが1人しかいない(他のキャラが戦闘不能ではなく、本当に1人だけ)状況では、毒以外の状態異常にならない。 -気絶(HP0)しても、戦闘が終了するとHP1で復活する。 -アクセサリー(装備品)は3つまで装備できる。 -味方パーティは最大で5人まで戦闘に参加できる。敵は最大で4体同時に出現する。 -「フォーメーションシステム」があり、選んだ陣形のタイプと位置によって攻撃力と防御力が割合増減(ステータスがカンストしていても突破する。下限値は0を突破?)し、敵の攻撃対象にされる確率も変化する。 -戦闘コマンドは、通常攻撃・必殺技・リンク技・フォーメーション技・アイテム・防御・逃走の7つある。 --通常攻撃の攻撃対象選択時にRボタンを押すことで味方を対象にできる。 ---サターンのみ敵と味方で攻撃モーションが変化(敵=サイレンス・グレイヴで切る。味方=ミドルキック)する。 --必殺技は、EPを消費して通常攻撃より高威力もしくは敵全体を対象にした攻撃や回復・補助を行う。 ---必殺技には「熟練度」という隠しパラメータがあり、使いこむと効果が強力になる。 --リンク技は、自分と自分以外の味方(自分を含めて最大で3キャラ。誰かが毒か瀕死以外の状態異常だと使えない)のEPを消費して攻撃・回復・補助を行う技。 ---あくまで「自分の行動」なので、リンク技に協力した味方のターンを消費することはない。 ---自分だけでなく、協力した味方の攻撃力(LAPも?)が影響する。 ---リンク技はどのキャラの組み合わせでもできるというわけではなく、全部で37つの技がある。 --フォーメーション技は、陣形に応じた威力と消費EPの技を全員でする。ムーンと内部四戦士の組み合わせでのみ最強のフォーメーション技「セーラー・プラネット・アタック」が使え、この技は本作で最高の威力を持つと思われる。 ---リンク技と似ているが、発動後にまだ行動していないキャラもターン終了、並び順で一番上のキャラのみ(ムーン+内部の技は別)使用可能という点で異なる。 --ゲーム開始時から所持しているアイテム「ムーンカリス」や「ムーンカリス2」を使うとムーンとちびムーンがスーパー戦士に変身する。 ---スーパー変身するとフォーメーション技が使用不可能になるが、HPが全快して強力な必殺技とリンク技が使える。後述のメンバー組み合わせによるダメージ係数変化にも影響する。 --ゲーム中で「『防御』すると受けるダメージが半分になる」という情報が得られるが大ウソである。実際は防御力そのものを上げるため受けるダメージが大幅に軽減される。 --本作の「逃げる」はボス戦でないかぎり確実に成功する。 -ダメージのカンストは9999。 --プルートの必殺技「タイム・ストップ」のみ999でカンスト。 -レベルアップするとHPが完全回復する。 -攻撃力と防御力が変動する「運勢システム」があるが''実際には何の変化もない''と思われる。 **ゲームバランスの問題点 -ダメージ計算式がめちゃくちゃ。 --本作のダメージ計算式は「(攻撃したキャラの攻撃力-攻撃されたキャラの防御力)×攻撃に使用した技のダメージ倍率=最終ダメージ(ノーダメにされるほど攻撃と防御の差があっても、なんとか数ポイントは与えられる)」となっているが、このダメージ倍率が異常に高く、通常攻撃でさえおそろしい係数を持つ。 ---結果的に、攻撃力や防御力がほんの少し増減しただけでダメージ量がかなり変化することになる。 ---味方が味方を攻撃したときのダメージ計算式は上記のものとは異なるようなので、敵を攻撃してもノーダメにされてしまうのに味方を攻撃したら4ケタダメージを叩き出すことがある。 -フォーメーションによる攻撃・防御の増減が大きい。 --高いダメ倍率と相まって被与ダメがあまりにも上下する。 -キャラの攻撃力と防御力は、自分以外の味方キャラに影響する。 --おそらく生存キャラの平均値で最終的な値が決まっている。 ---攻撃と防御が150のキャラ1人+攻撃・防御10のキャラ4人のパーティより、攻撃・防御100のキャラ1人+攻撃・防御50が4人のパーティの方があきらかに与ダメが高くて被ダメが低い。 ---ラストボス最強の技「ファン・ド・シエクル」を食らうとわかりやすい。1人で戦っていたらノーダメだったのに防御力が1ケタの味方を4人復活させたら、いきなり4桁のダメージを受けたりする。 ---「ファン・ド・シエクル」は「世紀末」という意味。本作は格闘ゲームではないが、戦闘バランスを考えると''世紀末''と言えるだろう。 -パーティメンバーの組み合わせや戦う敵によって通常攻撃のダメージ倍率が変化する。 --たとえばムーン+内部四戦士のパーティの場合、クリスタルトーキョー(最後の町)のザコ戦ではムーンの倍率が低下しマーキュリーの倍率が上昇するが、ラスボス戦ではムーンの倍率(通常攻撃だけでなく全ての攻撃?)が高くて他の戦士の倍率は通常になる。 ---後述のLV99の裏技プレイ時にやると分かりやすい。 --ムーン+外部四戦士のパーティでラスボスに挑み、外部戦士全員がHP0になるまで全員ガードすると(条件はもっとゆるい?)ムーンの攻撃力が跳ね上がる(たとえば、それまでは1000ダメ程度しか与えられなかったのに、9000ダメ以上与えられるようになる)。バグにしては出来過ぎているので意図的に設定されたと思われる。 -HPと防御力が高いボスが多い。 --1ケタのダメージしか与えられないことがあるのに、ボスのHPは平気で3ケタ以上ある。 ---とくに序盤のマーキュリー単独で戦うボス戦でつまずくプレイヤーが多い。 -マーキュリーの「シャボン・スプレー」とプルートの「タイム・ストップ」がゲームバランスを崩壊している。 --シャボンの効果は「敵一体の攻撃力を下げる」で、タイムの効果は''「敵全員を2ターンの間なにも行動できなくさせる」''。 ---シャボンは一度に一体にしか使えずダメージを与えられず重ねがけできないが、消費EPがたったの2であらゆる敵に対して確実に成功する。タイムは消費EPが12でダメージ係数が敵味方の中で最も低いが、''あらゆる敵に対して確実に成功する。'' ---EP回復アイテムのコロン(全員EP全快)とトワレ(全員HPとEPが全快)がショップで値段が高いが無限に買えるのでタイムの連発がやりやすい。一種類のアイテムは最高で99個まで持てるので、コロンとトワレを使いきる前には勝利しているだろう。最終的にコロンとトワレが売られている店には行けなくなるが、コロンをドロップするザコと戦うことができる。 ---プルートは他のキャラと違って初期LVが16だが初期ステータスがかなり低いため他のキャラと同じLVでもステータスが全体的に低く、一度攻撃を食らっただけでHP0になることが珍しくない。しかし、防御力が高くて打たれ強い(HPより防御力の方が重要)マーキュリーのシャボンと組み合わせると解決できてしまう。 ---タイムの技説明文に「禁断の秘儀」と書いてあるが、本当に禁断の技である。 -戦闘が終了するとEPが完全回復する。 --「このダンジョンは長いから呪文や必殺技は温存しておこう」なんてRPGの常識とは無縁。 --EP回復アイテムが簡単に大量に入手できるので、ザコ戦どころかボス戦でも通常攻撃をすることはあまりないだろう。 -二章、四章、五章で''ボスはおろかザコにさえ絶対に勝利できなくなって、ゲーム進行が不可能な状況に陥る危険性がある。'' --極端に低レベルなキャラのみのパーティ+毒や石化を治療できていない+アイテムの売買で手持ちのアイテムと所持金を全て失う+入手期間限定の売却不可アクセサリー(これらは強力な効果を持つ)を入手していない。この状況でセーブすると…。 **ゲームバランスの評価点 -LV16でスタートする裏技がある。 --LV16と言っても、元々初期LVが16のプルートを含め、全キャラのステータスが通常ではありえない値となっている。 ---中には本来のLV16より能力値が低くなっている能力もあるが、全キャラ共通で攻撃力・防御力・素早さがとても高くなっている。 ---これならRPG初心者の少女でもゲームクリアできるだろう。 -LV99でスタートする裏技がある。 --HP・EP・LAP・攻撃力・防御力・素早さ・特殊回避が最高値になっている。必殺技の熟練度が最大になっているかは不明だが、シャボン・スプレーは熟練度がまったく上がっていないと思われる。 ---ここまですれば多分どんな人でもゲームクリアできると思われる。 ---本作には負けイベントが1度あり、LV99の裏技をもってしても勝つことはおそらく不可能である。 -アイテムを持ちこせる裏技がある。 --上記の高LVスタートの裏技と組み合わせれば、少女が通常通りのLV1スタートでプレイしてもゲームクリアできるだろう。 --ラスボス戦時に装備していたアクセサリーと一部のアイテムは消滅してしまう。 --「リターンのみず」という気絶回復アイテムを持っていると、スタート時にリターンの水の欄が1つ増える(ゲーム開始時から既に持っているため?)。同じアイテムは99個しか持てないが、リターンの水はこの現象によって100個以上持てる。 --ムーンカリスとムーンカリス2が1つの欄に個数を足さずに、欄自体を1つ増やしている。ムーンカリスとムーンカリス2は売却不可能。これは後述の''確実にフリーズするバグ''に大いに関係するため要注意。 -二章以外は、ザコと全く戦わずにボスから得た経験値だけでゲーム進行に差し支えないレベルになる。 --そのかわり装備・陣形・戦術をしっかりしておかないと一瞬で全滅してしまうだろう。 --二章は最初から最後まで内部四戦士がそれぞれ単独でイベントを進行させていく内容となっていて、敵の攻撃を1人で受け止めて1人で倒さなければならない。 ---内部戦士は一章のボス戦全てで経験値を得ればLV6になるが、いくら能力値アップ吟味をして装備やアイテムを充実させてもボスには歯が立たない。 -ザコと戦うメリットがしっかりと残されている。 --ザコと戦ってレベル上げしたほうが当然楽。必殺技やリンク技の熟練度を上げられるし、高確率でアイテムを落とすのでそれを売ったり使ったりして戦力を強化できる。ドロップ以外では入手個数が限られている有用なアイテムを落とすザコがいる。後述するパズルシステムも戦う意義になる。 -リンク技のバランスがよい。 --2人でのリンク技のダメージ倍率が低いが、自分以外のキャラの攻撃力も影響するので攻撃力が低いキャラには重要な攻撃手段。3人リンク技ももちろん活躍する。 -フォーメーション技の使い道がちゃんとある。 --フォーメーション技はダメージ倍率が高く、味方の素早さを調整すれば、他の味方の攻撃で敵のHPを削ってからフォーメーション技でトドメを刺すという使い方ができる。この戦法はザコ戦で有効。 -レベルアップのバランスがよい。 --獲得EXPとレベルアップ必要EXPにメリハリがある。強い敵と戦っていく必要性があり、レベルが低いキャラも高レベルキャラにすぐに追いつける。 -五章の暗黒城とクリスタル・トーキョー(時空の塔の最深部も?)の出現敵がパーティのレベルに応じて変わる。 --四章中盤の敵が現れるので、あまりにもレベルが低くないかぎり「ボスどころかザコにも勝てなくてゲーム進行不可能」ということはなくなる。 ---同じレベルでも五章本来の敵と四章の敵のどちらも出現することがある。平均レベルか先頭キャラのレベルか確率で決まるのかは不明。 -エンカウントバランスがよい。 --本作のエンカウントが高いと勘違いしているプレイヤーが多いが、実は「障害物に向かって移動(キー入力)してもエンカウント率が上がる。メニュー画面を開くなどの画面切り替えを行うとエンカウント率がリセットされる」という仕様である。 ---本作は地図がなく(四章で空飛ぶ箱舟に乗っているときのみマップが見れる)フィールドがそこそこ広くて道がやや複雑だが構造自体は難しくない。エンカウントシステムと組み合わさってバランスがよいのである。 **その他の評価点 -映画版のキャラも含めて新旧キャラが登場するにも関わらずストーリーが破綻していない。 --なお、本作はエンディングが2種類ある。 #region(ネタバレ) -ラストバトル直前のイベントで、ムーンがちびムーン以外の戦士の内4人とラストボスの破壊神アプスー(反セーラーチームであるオポシティオ・シンが敵組織の親玉アプスーと同化した姿)と戦いに行き、残ったちびムーンたちがネオ・クィーン・セレニティたちを守ることになる。 -ムーンたちがラスボスに勝利するとグッドエンド、ムーンたちが敗北したらちびムーンたちがラスボスと戦い(ラスボスのステータスは大幅に低下している)勝利するとバッドエンド。ちびムーンたちも全滅すると正真正銘ゲームオーバー。 -グッドエンディングは、アプスーを消滅させ、シンたちアプスーの手下と和解し、シンの弟アンシャルが恋心を抱いているちびうさにちびうさの落し物のペンダントを渡し、ちびうさからキスされる。ラストは、ごはんの時間が来てうさぎとちびうさが家に帰る。 -バッドエンディングは、アプスーを消滅させたが、アンシャルやシンたちはアプスーと関わり合わなかった運命に戻りちびうさたちのことは忘れてしまう。何年か経ってからでないと、アンシャルたちと関わることで再びアプスーが誕生する危険がある。ちびうさとアンシャルは町で偶然出会い、アンシャルはちびうさのことを忘れていたがペンダントを大事にしていた。ラストは、シンと一緒に楽しそうに歩いていくアンシャルを見届けたちびうさが「私もアンシャルが好きだったよ」と告白する。 #endregion -原作のみの必殺技が多数登場する。 -アニメ無印セミ最終回が最後の登場だった浦和良が奇跡の復活。 --扱い方も良く、ストーリーの前半と後半で亜美が「理想の夢」を見るが、夢の中で''亜美は浦和良と思わしき男性と結婚している。'' -ノンケとオカマのゾイサイトが登場。 --前世のゾイサイトはノーマルな男性。現世のゾイサイトはオネェ口調でセリフにハートマークを付けるオカマ。 --本作のストーリーはアニメがベースだが一部で原作の要素が混じっており、四天王の設定は原作と同じ。 -原作のみのザコキャラが登場。 --ゲームオリジナルザコも数種類いる。 -パーティを入れ替える意義がある。 --リンク技やフォーメーション技の存在もあるが、「このイベントでこの仲間はこのセリフを言う」ということが多く、特定の組み合わせでのみの会話もある。 -町の人たちとの会話でストーリー進行のヒント(次にどうすればよいのか)が聞ける。 --ラストバトルがある場所のみ町の人からヒント(具体的な地点)が聞けないため、ラストバトル直前のイベントの会話内容(ラスボスのいる場所を言う)を覚えなければいけない。 -ゲーム進行上絶対にお金を払わなければならない状況(バス運賃180円。本の値段300円)があるが、お金がなくてもストーリー進行できる救済措置がある。 --神社近くのバスの運転手にバス代が足りないと言われてから神社でお参りすると祈りが通じて300円もらえる。 ---お参りしてもらった金でアイテムを買うことを繰り返して溜めたアイテムを一気に売れば大儲け。 ---ちなみにお金がなくてバスに乗れなかった直後にバス停近くの人に話しかけるとバス代がもらえる。 -グラフィックが中々の出来である。 **その他の問題点 -魔界樹編のキャラが登場しない。 --ただし、ボス「だいそうじょう」と「ディメンジョン・ツリー」は魔界樹編に登場するヤーマンダッカと魔界樹と同じ姿である。 -デス・バスターズ幹部のウィッチーズ5とカオリナイトの扱いが酷い。 --ウィッチーズ5は少し喋ってバトルして死ぬ間際にもう一度喋るだけ。原作・アニメでは「○○バスター」という必殺技を使うが、本作ではユージアルがユージアルバスターを使うだけで他のメンバーは固有必殺技を持たない。 ---ゲームとしての戦闘能力も冷遇されており、ウィッチーズ5との対決前に戦う反セーラーチームのオポシティオ戦士たちと比べると、1人1人のステータスが低い上に特殊技も強力ではない。しかも連続バトルとなるわけでもないので途中で回復も買い物もレベル上げもセーブもし放題。 ---そのかわりゲーム序盤に戦うミストレス9より断然強く、ウィッチーズ5のあとに戦うボスはおそろしく弱いので、そういう意味では少しはよい扱いをされている。 --カオリナイトはミストレス9より強い戦闘力だが、土萠教授に呼ばれていきなりバトルとなるだけで戦闘画面にしかグラフィックが存在せずセリフが一言もない。 -背景に隠れた宝箱やツボやタルの中に隠されたアイテムが多い。 --町人から隠しアイテムの存在があると聞けるが、それ以外はまったくノーヒント。 --ただでさえ何の変哲もない場所に隠されていて見つけにくいのに、ツボやタルや背景に隠されている場所がやけに多くて、それらを調べていると時間がかかりまくる。すべてのアイテムを自力で探し出すのは困難。 ---隠しアイテムの中で店で買えるアイテムは1個だけで、それ以外は非売品かつ有用なアイテムばかり。 -「パズルシステム」があり、パズル(のピース)を集めて完成させると、ゲーム終盤である人物に話しかけると全てのステータスがかなり強化されるアクセサリーを10個もらえる。しかし、このパズル完成難易度が高い。 --パズルは戦闘勝利時にランダムで入手するか特定の人物と話すか設置物を調べて入手する。 ---敵に勝って手に入るパズルの数には限度があり、戦闘だけでは完成させることができない。よって戦闘以外でも入手しなければならないが、前述の通り隠されたアイテムを見つけるのは厳しい。 ---隠しパズルの入手期間は限定されている。終盤には隠れパズルが1つもないので、気を付けてストーリーを進行させないとパズルの完成は不可能となってしまう。 -入手期間限定のアイテムが多い。 --一度取り逃したら永久に入手できない強力なアクセサリーがあり、確実にバトル難易度が上がってしまう。 -バグがやや多い。 --無害なものから有害なものまで普通にプレイしていれば発生しないor気付きにくいものがほとんどだが、中には''必ずフリーズするバグがある。'' ---''所持アイテムの欄が一定以上のときに戦闘中にアイテム画面を出すと100%の確率でフリーズする。'' ---アイテム持ちこし裏技をすると売却できないアイテムの欄が増える。つまり''本作をやりこめばやりこむほど、絶対にフリーズするバグに確実に接近していく。'' -一部のテキストがおかしい。 --セーラー戦士のライバル・オポシティオ戦士たちとの最終決戦で、オポシティオたちはそれぞれ「ヘルズ・○○」という名称の必殺技を使うが、炎を操る戦士ネルガルのみ「''ヘルズフ・レイム''・バード」という変な名前の必殺技を使う。 --アイテムの効果説明文がフィールド中とバトル中で違う、ルナが「さっきの場所をもう一度探索しましょう。今なら敵もいないわ」と言うが普通にエンカウントする、ザコの総称(妖魔、ドロイド、ダイモーン)を間違える、はるかが敵組織の親玉の名前を聞いただけで女だと決め付ける(実際女だが、名前の元ネタとなった神は男性神なので名前だけで女性と判断することは難しい)などいくつかある。 -音質が悪い。 --『美少女戦士セーラームーンR(SFC)』からレベルダウンしてしまっている。 ---本作の一部で『美少女戦士セーラームーンR(SFC)』と同じ曲が流れる。本作は本作で味があるが、比べるとあきらかに音質が劣っている。 **総評 本作は世間一般からゲームバランスを酷評された。~ バランスの悪さの最大の原因は「ダメージ倍率が恐ろしく高い」の一言に尽きる。倍率さえまともであったのなら、本作の評価は決して低くなかったことは間違いないだろう。~ 逆に言うとバトル以外はそこそこの出来である。~ 『セーラームーン』としての評価は高く、ゲームバランスさえ改善できていれば良作と言われてもふしぎではない。バランスが悪いことが残念至極である。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: