1990年代中盤に起きた、若手女性声優にアイドル的な人気が集まった現象を指す。当Wikiはテレビゲームを論ずる場所なので、声優業界におけるその是非や功罪については割愛する。
声優に注目が集まること自体は定期的に起きているが、1990年代中盤のブームはゲーム業界とも関係が深い。ハードの性能向上にともない、テレビゲームから声が出ることが一般的になると、声優の存在が当時のゲーマー(今もそうだがほとんどが男性)からもクローズアップされるようになった。
その先駆けとなったのは、生音を扱えるCD-ROMとPCM音源が標準搭載となった、後期のPCエンジン。一部のPCE専門誌は、女性声優の写真やインタビューなどが当然のように掲載され、声優専門誌の原型とも言えるような誌面となっていた。
PS/SS時代に突入すると、声優の存在そのものが売りとなるゲームが登場。実写取りこみされた女性声優と、ボーリングやビリヤードで遊ぶゲームが発売されるなど、当時のゲーム業界はアニメ業界並に声優が注目されていた。
別の業種との関係が急に深くなれば、当然ながらトラブルが発生するわけで、ゲームメーカーと声優側との間で、ギャラの支払いを中心にいろいろと問題が起きたらしい。また、アイドル声優と会うのが目的で配役を決める、公私混同職権乱用なゲーム開発者もいる(有名なのは能登麻美子好きと言われている小林裕幸)。
1990年代末から2000年代初頭に起こった、クソゲーレビューのブームのこと。KOTYや当Wikiは、このブームの延長線上にある。
90年代の初頭から中盤に起きた、
1990年代末から2000年代初頭に起こった、ゲーム業界そのものに注目が集まった事態のこと。クソゲーブームとも期間が重なる。
この時期、テレビゲームのメーカーやクリエイターが、ゲーム雑誌だけでなく一般のメディアからも注目され、ゲーム関係者の露出が急増した。
注目度アップの反動からか、業界のゴシップや残酷物語が、クソゲー本やインターネットなどを通じて噴出していく。その勢いはゲーム業界内に留まらず、日本共産党の機関紙『赤旗』が、セガのパソナルーム(追い出し部屋(*1))の存在をスッパ抜くという事態にまで至った。
これによりテレビゲーム業界は、夢のあるベンチャーという虚飾が剥がれ、他の業界(それも底辺レベル)と大して変わらぬのではないかと、世間から認識されるようになる。
(そもそもメディアで華々しく取り上げられていたのは一般企業で言う「成功した部課長クラス」もしくは「成功したベンチャー企業の社長」の話だけである。当然その何倍もの失敗例があるだろうし、平社員がどんな待遇を受けているかも判らない)
2000年代初頭、不況の波が本格的にゲーム業界へと波及してきたところに、ITバブルの崩壊が重なったため、ゲーム業界やIT業界の注目度が激減。それにともない、ゲーム業界ブームも終息していった。
日本大学教授森昭雄(もり・あきお)が提唱した「ゲームが脳を退化させる!」というトンデモ理論に基づく造語。
実態としては根拠0の出鱈目極まりない大嘘であり、ゲーム業界及び脳神経学の研究者の双方から「疑似科学」として現在は完全に否定されている。
この論理がなぜ一時期大きく取り上げられたかと言えば、結局の所は教育や躾の責任所在を自身に負う気の無い人々に恰好のスケープゴートとされたのであり、従来そのような「若者をダメにする」負の存在と見なされていたマスメディアが丁度良い転嫁相手と見た事によるともされる(*2)。
このほか、ゲームがマスメディア(特にテレビ局)と時間&TVというハードウェアのパイを奪い合う関係にある為、脅威と化してきているゲームを貶める材料が欲しかった、と言う説もある。
要するに、都合の悪い事全てをゲームのせいにされたのである。
著作権に関連する裁判沙汰事件の1つ。こちらを参照。
著作権に関連する裁判沙汰事件の1つ。こちらを参照。
『テイルズ オブ ヴェスペリア』の移植問題と『テイルズ オブ バーサス』の出来が大きなきっかけで、『ヴェスペリア』以前から乱発・迷走をしていること、シリーズの激しい格差、特定のキャラクターのイメージを激しく損なうふざけた内容だった予約特典DVDに不満を持っていたテイルズ オブシリーズのファンが中心となり、現在までのシリーズの商法やスタッフの態度を改めさせるために2ちゃんねるに署名スレを立て、署名活動が始まった。
だが2ちゃんねるのハード・業界板(通称ゲハ。七厨板に数えられるほど評判の悪い板)で署名活動が露呈されると(正確にはゲハ経由で有名ブログに取り上げられたのがきっかけ)、ゲハの住民は署名活動を始めたのはXboxユーザーの仕業と判断。署名活動の詳細の文面にあった「謝罪」という言葉に過剰に反応し当該スレを荒らし回った。
結果、署名のコメントに暴言が載るようになるなどまともに署名活動ができなくなり逆に著名の発起人が謝罪に追い込まれ打ち切りとなった。この事件はシリーズファンの間でも話題になり、某有名テイルズユーザーがblogで署名について「くだらない」とコメントしている。
募集された署名は1000人には満たなかったが、バンナムの元には届けられた。署名活動の甲斐もあってか、『テイルズ オブ グレイセス』の予約特典DVDのドラマはマジメ(TGSダイジェストやゲーム内サブイベはあいかわらずであったが)な内容となっていた。
以前のはっちゃけた予約特典DVDを楽しんでいたユーザーの中には『グレイセス』特典DVDの内容に不満を持っている者もいる。
その反面で公式の悪ノリ・悪ふざけのせいで(キャラ崩壊・踏み台などにより)一部のタイトルのファンが精神的被害を受けた事もまた事実なので、その点は汲むべきであろう。
+ | 参考動画 |
しかし、肝心の商法についてはグレイセスでまたやらかした。しかも、現時点で明かされている内容の段階で「PS3版ヴェスペリアよりもエグい」とする意見も見られる。
ヴェスペリアの際の署名活動程度ではバンナムの目を覚まさせることは出来なかったと言う事であり、2010年10月10日の「マチ★アソビ」でのユーストリーム配信ではバンナム広報が 「先に遊べるならいいじゃないですか」 と完全版商法を肯定するかのような発言までも飛び出し、ファンをただの金づるとしてしか見ていないというのがもはや否定出来る要素がないレベルで強固に確立してしまったと言えよう。
予約特典についても、なりきりダンジョンX予約特典でまた以前の悪い意味ではっちゃけた内容となってしまっている。
2011年4月、SCEが運営・管理するプレイステーションネットワーク(以下PSN)が、何者かのサイバーテロにより個人情報が盗難され、それがきっかけでPSNに通信障害が起きた事件。
この事件の被害は国内にとどまらず世界全体に広がり、被害件数は1億件を超えるとされ、個人情報流出事件過去最悪を記録している。
事の発端は、『ハッカー集団「アノニマス」とSCEの間で過去にあったいざこざへのアノニマスからの報復』『ソニーが違法ツール「PS Jailbreak」を使用不可にした事による報復』『全く別の犯罪組織による犯行』と様々な説があるが、詳細は不明である。ただ管理が杜撰なのは確かである。
大規模な通信障害により個人情報が流出した可能性が出たため、SCE側がPSNのサービスを停止した。
5月28日より各地にてサービスが再開。国内は7月6日と最も遅かったが復旧した。だが、パスワードを変更しなければPSNにログインできず、PCからPSNへアクセスすることは不可能になっており、その手続きはPS3を使うかアカウントを一度抹消するかしかない状況になっていた。
この事についてSCE側からユーザーにまたしても公式の文章は出ておらず、ユーザー、DL販売やDLCを配信しているメーカー達の怒りと不信感を買う事に。5月27日に復旧に先立って、お詫びとしてPS3またはPSPで5タイトルのうち2作を無償ダウンロード(そのほかにもPlayStation Homeや週刊トロ・ステーションユーザーは別途保障)すると公表した。
個人情報流出に対するお詫びのソフト無償配信、と取られがちではあるが、実際はハッキングによる長期間のPSNサービス停止に対するお詫びであり、個人情報が流出したことに対するお詫びは2012年6月現在、未だになされていない。
因みに以下が無償で提供されたタイトルである。尚、海外ユーザーに対する無償サービスとはソフトの内容に違いがあり、そこに不満の声を上げる日本ユーザーもいた。
また、この無償提供サービスはたった一ヶ月間の期間限定であった。
90年代後半に起きた、ファミコンなどのレトロゲームの需要が大きくなった時期。当時のファミコン少年たちも20代後半となり、少年時代を懐かしむ風潮が生まれたのだろう。
ブームの火付け役は雑誌『ユーズド・ゲームズ』であると思われる。全盛時には、同誌に取り上げられたゲームが中古で値上がりする現象がよく見られ、そのせいで昔からのレゲーファンには疎まれたりも。
このレゲーブーム以降、よくいえば入手機会の提供、悪く言えば二毛作狙いの復刻版やリメイクが爆発的に増えていくことになり、現在その血脈はバーチャルコンソールやゲームアーカイブスなどのDL販売に受け継がれている。
1986年にマカダミアソフト(*3)のアダルトゲーム『177』が国会に取り上げられ発売禁止に追い込まれた事件。
このゲームの名前の由来は「刑法第177条(強姦に関する法律)」。女性を強姦してイカせる事が出来れば和姦が成立、結婚してハッピーエンドという内容。今で言う陵辱系ゲームの元祖(*4)。
主人公による強姦をメインとした内容(*5)、刑法を出汁にした題名から公明党の草川昭三氏に目を付けられ、初めて国会で取り上げられたアダルトゲームとして歴史に名を残す事に成った。
実際のところは不明だが、デービーソフトを始め、アスキー、エニックス、光栄、ファルコム等の兼業メーカーがエロゲーから撤退した一因とも考えられる(*6)。
その後もジャストやアリスソフトなどの専業メーカーはそのまま作り続けていたが、後に「沙織事件」が起き、大きく自主規制を促される事になる。
そして現代では世相の変化からか陵辱ゲームも増えたが、今度は海外が発端の「レイプレイ事件」が起こる事と成った。
1991年に起きたアダルトゲーム業界に大きな影響を与えた万引き事件。
京都府在住の(当時)中学生が万引きで補導された。それだけなら大した事ではなかったのだが、その時盗んだものがアダルトゲーム『沙織 -美少女たちの館-』であった。(*7)
元々1989年に東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件というヲタク系の犯人による連続殺人事件が起きた際、犯人が所持していたアダルトゲームを過剰に報道していた時だったため(*8)、世論が「こんなゲームがあるから事件が起きるんだ」とスケープゴートに活用しだした。(*9)
また、この時点でゲームのレーティングは作られておらず、メーカー各社の自主規制に任されていた。そのため、18歳未満がアダルトゲームを購入し、アダルトゲーム誌にも公然と投稿していたので、これまた警察に睨まれる原因となっていた。さらに、性器が未修正だったり、モザイクを簡単に外せる裏技を仕込んでいたゲームもあり(*10)、これは明確に
「わいせつ物」として違法とされた
。
なお、『沙織』には、
婦警がパトカーでオナニーする場面があった
ことも、警察の怒りを買う一因となったという。
これにより1991年11月25日、沙織の開発元であるフェアリーテール(*11)、親会社のジャストが家宅捜索を受け、ジャストとキララの社長、キララの配送室長が猥褻図画販売目的所持で逮捕された。
その結果『沙織』の他、フェアリーテールの『ドラゴンシティX指定』、ジャストの『天使たちの午後3 番外編』『天使たちの午後4 ~ゆう子~』が摘発を受けた。
アダルトゲーム開発各社は大混乱に陥り、それからしばらくの間、過剰といえる修正(不自然に下着を穿いているなど)を施してなんとか発売したり、急遽全年齢対象の作品を制作したり、あるいは下請けの仕事で糊口を凌いだ。
もちろん、作品自体がお蔵入りになったり、アダルトゲームから手を引いた関係者も多かった。
日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会(JPSA、現コンピュータソフトウェア協会)は、かねてからアダルトゲーム用の18禁シール(パソ協シール)を用意していたが、翌年にパソ協およびパソコンソフト流通各社(*12)の強い意向で、アダルトゲームの審査を中心に行う「コンピュータソフトウェア倫理機構(ソフ倫)」を設立させた。流通各社としてもアダルトゲームの売上は無視できず、警察に摘発されずに、安心してアダルトゲームを売れる体制を必要としたのである。
この事件は1970年代の永井豪や手塚治虫を非難していた漫画狩りに酷似しており、過剰な自主規制による表現の自由の侵害が問題となった。一方で、モザイク外しなど、黎明期ゆえに見過ごされてきた問題があったことも事実であった。
あるいは、モザイク外しを含めて当事者が表現の自由を徹底して争えば、違った展開になった可能性はある。しかし、ジャスト、キララともそうした法廷闘争は行わなかったようで、あっさり有罪判決が確定してしまった。
そもそも、この理論なら時代劇もハリウッド映画も殺人を助長している(*13)。とは、作家の山本弘氏(*14)の言。
なお、事件へのキララとジャストの対応は対照的で、キララは摘発された作品を販売停止後、完全に黒歴史とした。現在のF&C公式サイトの作品リストにも、両作品は入っていない(*15)。一方、ジャストは修正版を後日発売している。F&Cは現存しているが、ジャストは2001年倒産した。
近年は、年齢制限のない小説や漫画などでも、18歳未満でエロゲオタ、あるいは関係者という人物が公然と登場するようになった。それだけアダルトゲームが受け入れられる存在になったと言えるが、やはり現実の18歳未満の諸君は、真似しない方が無難だろう。
特に、
警察に摘発される事態には絶対になってはいけない。
そうなれば、結局自分自身とエロゲ業界、ひいてはゲーム業界全体の首を絞めてしまうからである。
*1 本来は「会社都合退職」のはずを「自主都合退職」させるために間接的な嫌がらせを行う為の監禁部屋。「パソナルーム」はセガでの隠語。
*2 だが後にゲーム脳説を批判する報道をテレビ局も行っている。
*3 デービーソフトのアダルトゲーム用ブランド名。当時の雑誌広告だとデービーソフトの(一般向けゲームの)広告ページにマカダミアソフトの(アダルトゲームの)広告も載っていたのでブランドを分けた意味あるのかは疑問だが。
*4 ただし強姦物としてはパソコンショップ高知の『ロリータ2』(1983年)が先(なお『1』は野球拳だった)。
*5 ジャストの『天使たちの午後』(1985年)も主人公が強姦をしているが(一応は)メインではない。
*6 一番の理由は任天堂からのファミコン参入に対する条件と言われているが。
*7 盗んだソフトは複数あり、沙織はその中の一つという説もある。
*8 実際には犯人の部屋にあったアダルト・ホラー系の雑誌・ビデオ・ゲームの割合はごく少数に過ぎず、大半が普通に問題のない物品であった。しかし、ある民放カメラマンがわざわざ成年向け書籍を意図的に見えやすい場所に移動させていた行為があったことが関係者の証言で明らかになっている。
*9 もっとも、前述の177事件もあり介入のタイミングを狙っていたという要因のほうが大きい。また、ゲーマーの中にも、こうしたアダルトゲームを自分たちの迷惑になる存在として切り捨てる意見は少なからず存在した。沙織事件の直前に公刊された伊藤哲郎『パソコンゲームの達人―究極のクソゲー・ハマリゲー博物誌』は、当時ヲタクやアダルトゲームを嫌悪したPCゲーマーの心理を知ることができる。ただし、同書はジャストはくそみそに貶す一方、キララは一定の評価をしている。
*10 性器の露出は警察に「わいせつ図画」とされるため、モザイクなど何らかの方法で隠すのが作法だが、裏技的にモザイクを外せる作品があった。また、解像度の低い初期の作品などは、モザイク自体がないものも多かった。
*11 会社名は有限会社キララ、のちに有限会社アイデス→エフアンドシー株式会社(F&C)。実はPC版のオホーツクに消ゆの開発などに関っている。また、直接的にはブランド名X指定名義の作品である。
*12 当時の流通最大手はソフトバンクであった。
*13 実際アメリカでは、映画『ダーティーハリー』の後に「S&W M29(所謂.44マグナム)」を使う犯罪者が増えたと言う話もある(事実かは不明)。劇中で威力が誇張されたのが原因と考えられる。ただし劇中で使用しているのは主人公の刑事。
*14 ただし彼はゲーム業界の人間でもある。また正確にはエロゲーではなく、RPGやFPSを残虐だという意見に対して言った物。
*15 当時の社内の混乱のためか、それ以外の作品でもリストから漏れているものがある。『卒業写真/美姫』は、一時的に発売した全年齢作品の一つだが、PC版は作品リストになく、PCエンジンへの移植版のみがリストに載っている。