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*キャプテン翼IV プロのライバルたち
【きゃぷてんつばさふぉー ぷろのらいばるたち】
|ジャンル|サッカーシミュレーションRPG|&image(http://t3.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcRWgztQHX0Aw5urYy2aQaSLnnHQlCq_xPDEykHiYC_SfFk34IZS)|
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|発売・開発元|テクモ|~|
|発売日|1993年4月3日|~|
|定価|9,700円(税抜)|~|
|分類|''クソゲー判定''&br''(バグのせいで)ゲームバランスが不安定''&br''(前作の)ファンにとって黒歴史のゲーム''&br本項ではクソゲーとして扱う|~|
|ポイント|演出・BGMが悉く劣化&brとにかく悪いゲームテンポ&br絶対に相手の強さに追いつけない''浮き球バグ&br強い選手にばかり頼ってると痛い目に遭うレベル変動制''&br若林ついにSGGK化''(ただしエリア外に限る)''&brストーリー「は」好評&brエディット選手の初登場|~|
|>|>|CENTER:''[[キャプテン翼ゲームリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1236.html]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
キャプテン翼シリーズの第4作。ついにプロ化した翼達の活躍を描くテクモのオリジナルストーリー。~
前作・前々作と完成度の高い作品が続いたために、その期待も相当のものだったと思われるが…。
**特徴
-ストーリーはシリーズ初のマルチシナリオ形式。各章最後の試合の勝敗により、最終的に4つのシナリオに分岐する。
--分岐に関わる試合はどれも非常に難易度が高く、勝つのは容易ではない。ただし、一度でも経験した分岐試合は、次の周回では勝敗に関係なく分岐先を選べる救済措置もあるため安心。
-オリジナルの主人公キャラクターが登場。展開次第では仲間になる。
-敵選手のレベルが味方の平均及び最大レベルによって変動するようになった。このような仕様はテクモ版キャプテン翼シリーズでも本作のみ。
-殆どの試合が負けても先に進めるようになった(再戦を申し込むことも可能)。ただし終盤は従来通り勝たないと先に進めない試合が多くなる。
-システムは前作からすでに完成されているので、目立った変更点は特になし。
--パス画面が3D風の表示になった。だからどうしたと言ってはいけない。
--こぼれ球に味方と相手の選手が同時に追いつくと、ペナルティエリア外でもせりあいが発生する。しかし…(後述)。
--天候の追加。試合中に雨が降ることがあり、選手の能力が下がる。
--ミーティングで相手のステータスを参照できるようになった。
-ミーティングで作戦が追加された。
--情報を元にした敵チームの対処法を教えてくれ、操作モードを選択できる。
--一人の選手だけを操作できるキャプテンモード、選手交代だけを操作する監督モード(オールスターのみ)が選択できる。
**問題点
-BGMの劣化。
--前作ではテンポが良く激しいリズムが特徴的な曲が多かったが、今作では雄大というか、スローな曲調が多い。まるで環境音楽である。
--音質も劣化しており「ぷあ~んぷあ~ん」という情けない音が常時頭に響く。
---これは効果音も同じで、前作が「シュバッ!」「ズオオオッ!」という鋭い音が特徴なのに比べ、今作では「どひゅ~ん」「ずもももも…」という低く重い音が多くなっている。
--曲自体が聞き苦しいというわけではないが、キャプテン翼というスポーツゲーに合ってるかと問われれば、微妙。
---前作からのBGMもいくつかアレンジされているが、本当に同じ曲なのかと思うくらい残念な出来になっている。
-試合演出、ビジュアルシーンの劣化。
--全体的に試合の流れがもっさりとしていてテンポが悪い。オマケに試合時間もプロに合わせて40~45分ハーフに増加、1試合当たりのプレイ時間が増加した。
--40分ハーフで普通に決着が付いた場合、1試合あたりリアルで30分前後かかる。延長戦やPK戦に入ったり、イベントや天候などの要素付加がされた場合更に長くなる。
--前作までは素早い挙動や激しいフラッシュなどで派手さを強調させていたが、今作では動きがトロく演出も控えめ。
---というより、演出効果がほとんどない。せいぜい足先が光ったり、シュートを打つ時に足を回転させたり、選手がブレて見える程度。
---特にゲルディスのダークイリュージョンが顕著な例。前作までは美しさすら感じる程の派手な演出だったのに、本作では…
--これはボールの動きや必殺シュートも同じで、非常にゆっくりで、山なりで、遅い。このスピードなら''誰でも見てから取れる''だろう。
---雨が降っていると画面処理が重くなってただでさえ悪い試合のテンポが更に悪くなり、加えて背景効果が暗くなって見えづらくなってしまう。ただでさえショボイのにこの仕様は…。
---しかも雨が降っていても、''何故か空は晴れている。''得点シーンなどの一枚絵に至っては雨天なのに雨が降っていない。
--カットイン演出も殆どのキャラが一つだけ。前作は表情が変わったり、台詞や必殺ディフェンスでは専用のカットインが多く用意されていたが、今作ではその多くがイベントでしか見られず、数もかなり減っている。
-試合数が無駄に多い。
--第1部は3試合と少ないが、第2部以降はシナリオによって差があるものの10試合前後をこなさなければならない。ただ多いだけならボリュームがあって結構だが、''試合中にイベントが何もない''、''相手全員が顔なしのモブキャラ''といった消化試合が多く、作業感が強い。
---そんな試合でも、レベルが高いと相手が後述の浮き球バグによってあり得ない強さになっているので腹立たしい。
---2週目以降はダイジェスト機能で飛ばすことができる。それだったら初めから入れないか、1試合ごとの内容を濃く煮詰めた方が良かったのでは?
---そのダイジェストにも難点があり、1部と2部のクリア済みの通常試合しか飛ばせない。'''更に必殺技を覚える試合を飛ばすと修得できなくなる'''ため、無闇に飛ばしているとかえって不利になってしまう。一応敵選手の必殺技修得も飛ばせるのだが、一度はイベントを見ておかないとオールスターモードに登録されない。
-周回プレイを始めるときの第1試合で敵のレベルがとてつもなく高くなっている。
--前回クリア後の敵レベルがリセットされていないのが原因と思われる。確実に負けるが、再戦を申し込まなければレベルは元に戻る。
--取り扱い説明書には''さも仕様であるかのように書かれている''。バグだろこれ。
--なお普通に初期レベルで始まる場合もある。原因は不明(ROMのバージョン違い?)
-反則やオフサイドやトリカゴといった問題点はいつものことである。
--オフサイドは続編のVでようやく採用された。
-必殺シュートの消費ガッツが全体的に増加。
--今作では浮き球バグや必殺ドリブル突破で低コストで得点しやすくなっているため、必殺シュートは相対的に扱いにくくなった。
--ただしドリブルからの必殺シュートは1対1、FK、CKで成功率をある程度高めることは可能。得点源を必殺シュートに頼る選手もいる為、完全に存在意義がなくなったわけではない。
-なお必殺シュート以外の必殺技の消費ガッツはほぼ前作のIIIを踏襲している。
-追加必殺技に一部微妙なものが存在する。
--イベントでやたら引っ張る割に燃費と決定率が見合わない新田のファルコンクロウやマウリシオのジョルトシュート、心臓病でガッツ管理に気を遣わないといけないのに490も消費する三杉のムーンスライダーなどが代表例。
--ピエールとナポレオンはIII同様シュペルエッフェルという必殺ワンツーを所持しているが、ルートによってはエッフェルワインダーと言う新ワンツーを修得する。しかし性能差はほぼ感じられない。
-一部挙動がおかしい。
--敵選手をマーク指定しても離れた所に行ってしまう。マークを外してディフェンスモードをプレスにする方が遙かにボールを奪いやすい。
--画面が切り替わった時にフィールド上の選手達が大移動してしまうことがある。キックオフ後すぐパスした際などに起こると戦略が狂う。
しかし、上に掲げた程度の問題点など''まだ序の口''である。~
一番の問題はゲームの根本を揺るがすことになる致命傷''「浮き球バグ」''の存在だろう。
**浮き球バグとは?
-詳しくは調べていただきたいが、要はレベルアップの際、浮き球に関する「高さ低さ」のステータスが味方選手、GKと比較して敵選手(GK以外)は1多く上がってしまうという現象である((「たかいたま」「ひくいたま」が1上がると、空中戦でのシュートやブロック等に+1される。))。
--たかが1の差と思いがちだが、レベルが上がるごとに当然この差はどんどん開いていく。終盤になるとこちらの浮き球値が60くらいなのに対して相手は100超えというふざけたステータスになってしまう。
-ここまで差が広がると、もはやまともなゲームとして成立しない。浮き球状態で相手に接触してしまったら、何をしようがカットされ、せりあいでは確実に負け、シュートを撃たれようものならどうあがいても取ることは不可能である。
--特に問題なのが、敵の主力選手がワンツーを多用する場合。本作のワンツーは強めに調整されておりレベル補正の影響もあって止めにくく、為す術もなく浮き球シュートに繋げられて失点する危険性が高い。
--''ネオサイクロンを平然とカットするモブDF''や、''ただのヘディングシュートが三角飛びを通り抜ける''光景はこのゲームでは茶飯事である。
--これらの浮き球バグは途中加入の味方選手にも適用され、参戦の早い味方選手と比べて圧倒的に空中戦に強くなる。ただし加入後は成長しなくなるため、そのうち敵に能力が追いつかれる。
---前述の通り敵のGKも浮き玉に対しては弱いので得点源として機能する。''「敵にカバーされなければ」''の話だが。
-オールスターではGK以外の全選手の浮き球能力がアップし、レベルもセーブファイルのうち最も高いものを参照する。高レベルになるとどのGKもダイレクトシュートに反応できなくなり、対戦は非常に大味なものとなる。
これらはあくまでも「浮き球」に関する不具合なので、地上戦は(レベルさえ調整していれば)ほぼ従来通りの感覚でプレイ可能。敵からボールを奪う際は、地上でプレスをかけ多人数で囲むと多少の能力差があっても取れる可能性が上がる。
**レベル変動制について
本作で採用されたレベル変動制は、その仕組みを知っているかどうかで作品評価が激変してしまうほどゲームへの影響が大きい。何も知らずに進めると大変なことになってしまうが、逆にシステムを知っていれば殆どの敵チームとほぼ互角の戦いができるようになる(ただし浮き球バグは空中での競り合いを避けるしか対策がない)。
-本作では1レベルアップにつき、どの選手も全てのステータスが一律で3(敵やオールスターの浮き球のみ4)上がり、1レベルの差が戦力にかなり響く。試合で活躍した選手ほどレベルが上がりやすいのは従来通り。
-本作では敵のレベルが味方のレベルに依存して算出される((平均レベルと最大レベルのどちらかに依存し、選手によって決まっている。エース級の選手が最大レベル依存である場合がほとんど。))ので、特定の選手ばかり使っているとレベルが突出してそちらを基準に敵のレベルが決まってしまい、他の味方選手が追いつけなくなってしまう。本作では、できるだけ多くの選手を使ってレベルが偏らないように調整しながら進めなければならない。
--ただ完全にフラットにする必要はなく、高レベル判定の敵やGKに対抗する為主力とGKのレベルは平均より1~3位高いのが望ましい(特に2部負けルート分岐のミラン戦は翼やストラットがGKより強くないとまず勝てない)。フィールダーは11人なので平均+2で行くなら4人、平均+3なら3人と言った所(今回は試合中でもレベルが上がるので、多少の余裕を持たせると良い)。レベル4以上差が開くと調整が難しくなり、他の選手が最大レベル参照の敵に辛くなってくる。
-ベンチで試合終了した選手は獲得経験値が下がり、最初から控えの選手は平均レベル計算の対象外。レベルが上がりすぎた選手はベンチで休ませ、控え選手を積極的に使うようにすると敵のレベル上昇を抑えやすくなる。
--ただしベンチを活用できるのは基本的に中盤以降で、ルートによっては長期間スタメンしか使えない。また翼や日向などの主要選手は、イベントの都合でベンチ入りさせられない試合がある。
--GKはレベルを主力に追いつかせる為シュートをある程度受ける必要があるが、受けすぎると今度はレベルが突出してしまい他の選手に迷惑をかけてしまう。ベンチが使えるまではDFを必死で活用しないと調整が難しい。
-救済措置なのか、敵のGKは若林やミューラーといった有名GKでさえも軒並み平均レベル判定で登場する。しかし同作のGKは全体的に基礎能力が高めの為(森崎、レナート、アモロなどの弱GKは低い)、一般選手ではレベルが低いとゴールを奪うのもままならない。
-攻略としては「どのみち浮き球バグを防ぐ手段がないなら普通にレベルを上げて進む」か、「できるだけ浮き球バグの影響を受けにくくする為にレベルを抑えながら進む」かの2通り。それぞれ長所と短所がある。
--浮き球バグ上等でレベルを上げる場合、ガッツ増加で必殺技を多用しやすい。途中加入の味方選手の浮き球補正が高くなってチーム全体の攻撃力が上がる(攻撃力が高い選手が多いほどレベル調整は容易になる)。ただし全ての試合をガチで戦わなければならない。再戦はデメリットが多いのでしない方が無難。
--レベルを抑える場合は、わざと負けてコンティニューせずに試合を飛ばしまくり(二週目からはダイジェストを使って試合を飛ばせるので浮き玉バグを緩和しやすい)、いかに使わない選手のレベルを上げないか(実はLVを均等にするより一部のキャラを使わない様にしてLVに差をつけたほうが戦いやすい)が攻略の鍵となる。ただしガッツ上昇や浮き球補正の恩恵が小さくなり、使える選手の幅も狭まってしまう。
-余談だがイベントでブラジルを完封し「カルロスもコインブラも大した事無かった」などと豪語したデンマーク代表のシューマッハというGKが、実際に試合をしてみると普通のシュートでさえもまともに止められないなどと言う状況になってしまう事も。
レベル変動制によって「どの選手をどれだけ活躍させるか」と言う戦略性を楽しませようとしたと思われるのだが、システムの説明不足に加え肝心の試合の部分が悉く最悪な仕様となっており、''遊ぶことが苦痛の域''に達している。
**評価点
-テクモのオリジナルストーリーはやはり秀逸。
--本作唯一の救いというか、ストーリーはまともである。''試合を無視して話を追うだけ''でも結構楽しめる。
---作品の副題通りプロでの新たなライバルの登場や、プロでのサッカーに対する心構え等今までよりもキャラクターの心情や葛藤が出ている。
--今作オリジナルのラスボスの一人であるオランダ代表のファンベルグは、さすがにコインブラほどではないものの中々インパクトもあって強い。
---必殺技はオーバーヘッド((通常のオーバーヘッドキックとは違う必殺技として扱われており、威力や消費ガッツがやや高い。))のみだが、基本能力が非常に高い。松山や早田のイーグルタックルやカミソリタックルを''普通のドリブルで''避けまくり、若島津の牙龍三角飛びを''普通のシュートで''無力化する様は圧巻だと言えるだろう。
---さらに彼がシュートを撃つと、''放たれたボールが七色に光る。''
---しかも彼は、何と''若林からペナルティエリア外から5点も奪った''という、とんでもないプレーヤーである。
---次回作では残念ながら怪我により長期離脱してしまう。その後怪我が治り最終シナリオの大会に参加したが、ミランは新田とアルシオン抜きのカンピオーネに10-0で敗北する結果となってしまった((もっとも、オールスターで使用できるだけコインブラよりマシなのだが・・・))。
--他のオリジナルキャラクターも特徴が多く''シナリオ開始時に味方選手として登場し、トラウマを乗り越えて新必殺技を習得し、元いたチームのチームメイトと和解してミランに復帰、その後ルート次第でラスボスとして戦う事となるストラット''や一見、ただのモブ選手だが''シナリオ時のみ全ての行動が敵選手を吹き飛ばす補正がかかっており、ブラジルチームを苦しめるオルミーガ''等、前作までとは違ったインパクトを持つキャラが多い。
--翼がブラジル代表に選出されカルロスやコインブラ、メオンと共闘するラテンアメリカカップ編はアツイ。
--分岐試合で負け続けると辿り着くサンパウロ編は、''翼が最後まで全日本に合流しない''という異色のシナリオであり、かつオリジナルのキャラクターが多数登場することもあって独特の雰囲気を味わえる。
--特定のルートでは''ディアスがサイクロンを修得する''。更にネオサイクロンやオリジナル技のバク宙サイクロンまで覚える。ディアスの天才ぶりを改めて印象づけさせ、サイクロンというシュートをより深く掘り下げる上でも重要な役割を果たした。惜しまれるのはアルゼンチンがラスボスチームに入っていないことか。
-ゲルティスのイベント追加
--前作まではキーパーマシンの異名を持ち強烈なイメージを残しながらも、セリフらしいセリフが全く無かったブラジル代表GKゲルティスに、本作ではイベントがいくつか追加された。
---例えばストラットとの対戦経験があったり、ストラットの恋人であるミアータをストラットの元に案内したり、試合中に翼に対してネオサイクロンを撃てと挑発したり、そのネオサイクロンを見事に止めるといったイベントが発生したりとか。
---また次回作では既存キャラの大幅なリストラが行われたのだが、ブラジル代表では彼とバモラ(Ⅳ初登場 サンパウロの正ゴールキーパー)、カルロスだけはリストラされずに残されている。ブラジル主力陣がカルロスに反発して試合をボイコットする中、彼とバモラだけは無視して出場してくれる等、無口で(カルロスやコインブラと比べ)目立たないが気配りの効く人物として扱われている。
-オリジナルの主人公
--常に攻略の一環を担いオリジナル必殺技も覚え、本来の全日本のレギュラーを食うような強さを持ちながらも、シナリオに本格的に絡むことはほぼなく空気を読んでいる。
---このあたりはさすがのテクモと言ったところか。%%どこかの青い信号も見習ってほしいものである。%%
-オールスターモードの充実。
--代表チームからクラブチームに至るまでゲームに登場するあらゆる選手を網羅しており、組み合わせは千差万別。さながら''デバッグルーム''である。
---前作のⅢは人数が偏っており、Ⅴではオリジナルキャラが大勢リストラされてしまったため、本作でしか使用できない選手も多い。
---勿論、我らがSGGK(スーパーがんばりゴールキーパー)森崎も使用可能。%%よって念願のキーパーを森崎にして必殺シュートでフルボッコという楽しみ方が可能になった。%%
---ただし、ある3人の選手の登録が重なってしまっているため3人のうち1人しか使えなくなっている。
--レベル1の状態で遊べば浮き球バグの影響を受けないので純粋に試合を楽しむことができる。
--各選手ごとのステータスを細かく参照できるので、設定マニアにはたまらない作りとなっている。
--簡素だがオリジナルキャラを作成して試合に参加させることができるようになった。名前を決めた後、好きな能力を8ポイント分あげることができる。
---ポイントの振り分けによって必殺技も習得可能。なお、シナリオで使用されていた必殺シュートは「トルネード」と言う名前になる、他にも守備用やドリブル用の必殺技もある。
---ただしエディットモードでしか使用できず、名前やポイントの振り分け等を記録しておくことが出来ないので必殺技を習得させる為に一々調節しながらポイントを割り振ることに。
--1Pと2Pの協力プレイもできるようになった。
-音質が残念とはいえ、前シリーズからのBGMの多くをアレンジして収録したことは評価できる。
-浮き球バグばかりがクローズアップされる為見逃されがちだが、地上戦の駆け引きはなかなか熱い。
--前作では敵選手との接触時の必殺技がかなり強かったが、今作ではその殆どが絶対的に信頼が置けるほどのものではなくなり、II時代に近くなっている。
-レベルや基本能力差は確かに重要なのだが、能力的にこちらのドリブルが大幅に有利でも集中的にタックルを受けると意外とこぼれ球にされる。こちらが守備に回る場合も同様。
**賛否両論点
-ストーリーについて
--今作にも深く絡んでくるサイクロンだが、シナリオによってはIIIのネオサイクロンを事実上否定する流れになり、前作の成長フラグをへし折っているように見えなくもない。
---あくまで「翼のサイクロン」でありシリーズ通して完全な「ジャイロのサイクロン」は登場していない。前作のネオサイクロンも翼の足の負担を抑える為に苦肉の策で編み出したような物なので今作で改良されるのは当然と言える。
--ストラットがケガをさせてしまいトラウマの原因を作ることになったバンビーノの必殺技は、相手を吹き飛ばす''ショットガンドリブル''。おい。
--一部の選抜が不公平で能力の高い無名選手が外され、前作からのキャラや原作キャラが選出されている。
---あるシナリオでサンパウロが戦う「日本選抜」のGKが森崎である。彼は今作ではワーストレベルのキーパーでなぜ選出されるかはまったくの不明である。((一応、今作ではイベントでかなり優遇されている。))~
能力で選ぶなら南葛ウイングスの「くわた」を選出すべきだし、原作のキャラでなければダメなら中西を選べばすむはずである。
---ラテンアメリカカップのシナリオでは選抜試合が行われるのだが、選出されている正GKがそのシナリオに出てくるタファエル((必殺セーブは持たないが総合能力がゲルディスより上で、メオンはもちろんこのシナリオでは負傷しているバモラよりも強い。))では無く、Ⅱからの登場キャラ、メオンとレナートである。試合に参加している事から選抜を辞退する事はまず無いので選抜に不正があったとしか…。
--上記の通りプロになった事で選手のインフレが進み原作、前作のオリジナルキャラの持ち味がなくなっている事も。
---特にイスラスとリブタ((共にオランダユースの選手、イスラスはシュナイダーに匹敵する才能を持っている。))はスタメン落ち、フランスのピエール、ナポレオンは今作登場のピピンによって影が薄くなり、前作で圧倒的な強さだった西ドイツ陣は弱体化し別の意味でインパクトのあるポブルセンやフライハイトが出張っている等。
---今までの作品でイマイチな扱いだったアルゼンチン(ディアスの大幅強化とバディン、カジャーレコンビ加入)やラスボス(の1チーム)に昇格したイタリア(ストラット、バンビーノ、ゾフ、ロッシが加入)、サルバトーレの加入により攻撃力が増したウルグアイ等扱いがよくなったチームもいるので一概に否定はできないが…
--この頃からテクモが妙に新田をプッシュしだすようになり、彼に色々香ばしい言動((うち(南部大フースバル)はオレとそうださんともりさきさんぐらいですよ、まともなのは))((つばささん。 オレはあんたがもくひょうだったってこと わすれかけてたよ。 オレはきっと あんたをこえるせんしゅになってみせるよ。))や行動が目立つようになってくる。
---条件が厳しいが、特定ルートでは新田が新必殺技として''強引なドリブル''を覚える。一見ネタに見えるがかなり強い。しかし別ルート限定で覚える新必殺シュートのファルコンクロウは前述の通り微妙な性能。
---次回作ではより%%誰が見てもドーピングとしか思えない%%パワーアップをして、ラスボスのチームの一員として立ちふさがる事に…。
-ポブルセンの異常な行動。
--憎しみをむき出しにし勝利の為には手段を選ばず、使う必殺技が選手を全員吹っ飛ばすフレームドリブルや''マーダー(殺人)ショット''、更には''試合中に翼を抹殺しようとする((しね ツバサ!! くたばれ ツバサ!!等の台詞と共に直接シュートを叩き込んだり、ドリブルで吹き飛ばしてくる。))''など、明らかにスポーツマンシップから逸脱している。原作WY編に登場するレヴィンでもここまでひどくない((レヴィンの放つシュートはあくまで「破壊力があるだけ」のシュートである。少なくとも殺意は持っても本当に殺そうとはしていない。))。
---翼との出会いによって改心(?)するのだが、ルートによっては明確な反省の描写がないこともある。
---ただし、若林の台詞((すまんな、つばさ。あいつはむかし、なんべいのプロチームにはいろうとしてきょひされてな それいらい なんべいのチームにはあんなたいどをとるんだ ねは いいやつなんだが))やイベント等を見る限りこれらの行動はロベルトにも責任の一端がある、詳しくは後述。
-ロベルトの不審な行動の数々
--Ⅱでも翼びいきに見える((ただしイベント演出上の関係もあるので一概に断定できない))ブラジルチームでの采配が疑問視されていたが今回は更に酷くなっている。
---''色々問題視されている原作でもロベルトはこんな人物として書かれてはいない((一応、翼の成長に涙ぐみ原作版サイクロンともいえるシュートを伝授したが、サンターナにも伝授しサリナスに対策を施している。 また、番外編でもブラジルの監督としてまともな采配をしている。))。''
--ポブルセンの入団拒否と妨害工作の疑惑
---ロベルトが翼に語る断った理由((【前略】オレはことわったよ。 かれはサッカーをまったくたのしんでいなかったからね))は''翼の加入当時荒れていたストラットにも十分当てはまる内容''であるし、彼ほどの選手((ためしに かれのプレイをみた。なるほど、じつりょくはじゅうぶんだ。かれをいれれば、サンパウロはかくだんにつよくなっただろう。))を断る理由としては説得力が無さ過ぎる。少なくとも当時はプレイ内容に問題が無かったようで実力はロベルトにも認められており、''ロベルトはともかくサンパウロ首脳陣(ロベルト除く)が入団を拒否したり、他の南米チームが彼をスカウトしないとは思えない。''~
ポブルセンの恨みの凄まじさから察すると''裏工作でもしてサンパウロや他の南米チームへの入団を妨害した可能性が高い。''~
このロベルトの行動(あくまで推測の粋に過ぎないが)により、ポブルセンは南米から事実上追放されプロとしての名声やプライドを相当傷つけられて荒んでしまい、南米を憎みながらも未練をもつ様になり、ロベルトの贔屓によりブラジルで活躍する翼に殺意を持つ事となったのだろう((オレと けいやくしなかったサンパウロ! そこのエースをつぶしてこうかいさせてやる!!))。結局この行動で翼が命の危険に晒されたのだから始末に終えない。ロベルトめ、余計な真似を。
--ストラットのチーム退団工作疑惑
---シナリオの途中(ミラン戦でバンビーノ、ラテンアメリカカップ中に恋人のミアータから)戻って来る様に言われて''あっさりミランに戻ってしまう''。この行動には不振な点が目立つ。ロベルトは引き止めもせず、むしろ退団させるような行動ばかり取っているのである。まあ、''プロ選手としての責任を果たさずミランから逃げたり、戻ったりするストラットもストラットだが…''
---ラテンアメリカカップ編(選抜試合時)にミアータと遭遇する。普通に考えてチームの拠点に一般人を入れる事はまず無いと思うのだが、''応対しストラットと対面させたのはロベルトである。''
---サンパウロからミランへの復帰は''ロベルトの協力''((ロベルトに ほねおってもらって ミランに ふっきすることになったよ))もあっての事である。一応ストラットは前述の問題でミランから逃げるようにサンパウロに入団してたので立ち直った彼の意思を酌んで復帰させたのだろうが''普通に考えてチームでもトップクラスのストライカーを簡単に手放す事は監督としては失格行為''だろう。~
実際、この先のルート次第では相当苦戦することに。もう少し考えてくれよロベルト。
--微妙な戦力補充
---クラブカップルートでは戦力が補充されるのだが41歳のネルソン君、素質はあるが生意気なマウリシオ、サンパウロ(プロチーム)の正GKバモラ、そして新田である。
---ここまでやると''翼だけを活躍させる為に仕組んだ''と言われても文句は言えない。
--全日本監督に就任
---サンパウロ時やラテンアメリカカップ等ブラジルで監督を務めていたのに翼が全日本に合流するルートでは''なぜか全日本監督に就任している''((ただし翼にプロとしての心構えを語るイベントがあるので全日本監督時もいるだけの存在ではない。))。Vでも全日本監督に就いている事からテクモ版では正史扱いとされている様だ。サンパウロやブラジルチームにとってはたまった物ではないだろう、また監督を解任された見上さんが哀れでならない。
-ブラジルの扱いの酷さ
--上記で触れられているが今回のブラジルはデンマークに0-6で敗北するルートがある。デンマークの実力ではどうやってもブラジルには勝てない((実際、選手層の差が大きくデンマークが勝つにはよほど運が良くないと不可能))。
---Ⅴでのあまりの弱体化から察すると監督交代後に選手の総入れ替えが起こった模様。新選手たちを見る限り''今作までのブラジルレギュラーを相当過小評価している''人物だと思われる。
---カルロスはⅤでもかなり扱いが酷く、''コインブラの負傷により極度のスランプに陥り''、立ち直った矢先に''いつの間にかキャプテンになっていたオリベイラ(Ⅴ初登場)の仕組んだボイコットでろくな選手のいない状態でコパ・アメリカ決勝を戦い''、完全に復活したのに''日本との試合ではシニョーリ(Ⅴ初登場)と入れ替わる形で後半しか出場できない''等悲惨。
-突っ込みどころが多い一部シナリオの最終戦(ドイツ戦、日本クラブ選抜戦)
--どう見てもIIIのラスト(曲も前作の劣化リメイク)やIIのジャパンカップ最終戦のリメイクです。本当にあr
--クラブチームの大会なのに「日本クラブ選抜」((一部の国はメンバーがほぼ代表とほぼ同じクラブチームもあるが日本ほど露骨ではない))…反則じゃね?
--「雨はやんだがドイツは負けん」じゃフライハイト((雨天で逆にパワーアップする珍しいキャラクター。専用必殺技も追加される。))をカペロマン(このシナリオのみベンチ入り)と交代させろよ…。
-若林の極端な強化。
--若林が''ペナルティエリア外のシュートを能力無視で高確率で防御できる能力''を習得。どんな強力なシュートだろうが、問答無用でキャッチングできてしまう((更に今作では総合能力も大幅に上昇している。))。これには若林らしいという意見もあれば強すぎるという意見もあり賛否両論である。
---シュナイダーのファイヤーショットのように取れないシュートもある。また強さに差がありすぎると、ごく稀にだが失敗する。
---ドイツの切り札であるはずのフライハイトは必殺シュートにエリア外補正がないため、若林であっさりとカットできてしまう。色々残念である。
---浮き球バグの影響でエリア外なら無敵の若林が、ザコのボレーで失点するという失笑ものの場面が見られる。その辺りバランスは取れているのか?
-オールスターでのバランス
--前述のLV1の状態では前作登場したラムカーネの弱点が無くなる。前作、今作共に''能力最強だがスタミナが無く、フルタイムでの試合は困難で後半弱体化する''という設定なのだが…。
---今作の弱体化は''レベルが1になる''と言う物。全員LV1の状態では弱体化せず、前作のミューラー並のバランスブレイカーとなる(若林は踏み込まれると脆い)。
--他にもクラブ、ナショナルチームでの能力バランスが悪く(シナリオ準拠なので当然だが)特にクラブチームでは''ミランを取れば確実に勝てる''ほど差が激しい。
-ミラン(クラブチーム)の異常な強さ
--今作の特徴の一つとして上げられるのはこのチームの異常な強さである。下手なナショナルチームはおろか、シナリオ時の状況のおかげで最終戦よりも難易度が高い事も。
--オランダの主力三人(ファンベルグ、ニスケンス、フーリア)、フランスのストライカーピピン、イタリアのDFゾフ(必殺技はないがDF能力だけなら本作最強)とロッシ、FWのストラット(ストラットのミラン帰還時のみ)、MFバンビーノとエースが勢ぞろいのチームである。勿論、モブの能力も高い。特にキーパーは全シナリオを見てもトップクラスの能力の持ち主で下手な原作キャラよりも強い。更に今作の中ではできの良い専用のBGMまで用意されている。
--このチームがよりにもよって分岐試合(バスコ・ダ・ガマ負けルート)で登場するからたまらない。分岐試合の場合はストラットがこちらのチームにいるがそれでも厳しく、勝利時の分岐点を通る場合ゲーム中最大の難関と呼べる試合になる。
---分岐試合以外では負けても先に進める(ラテンアメリカカップ敗北ルート)か、負けると強制再戦だがこちらに新戦力が加わっていくらか戦いやすくなっている(ワールドクラブカップルート)。
-敵に回ると極悪な強さの日向
--日向(と若島津)は全てのルートで一度敵として戦うことになるのだが、強さが尋常ではない。分岐試合のメキシコでは弱体化バージョンだが、レベル補正が高いのでそれを感じさせない。
--一度ボールを持ったが最後、無限ガッツを良いことに強引なドリブルで次々と味方を吹っ飛ばし、容赦なくライトニングタイガーをぶち込んで来る。日向のワンマンショーの体感的な難易度はミラン戦とも遜色がなく、運が悪いと冗談抜きで負ける。なおルートによっては沢田も一緒にいて、その場合更に東邦コンビでの切り込みも加わる。
--味方に加入してくれればもちろん頼りになる。後半加入なので試合を飛ばさなければ浮き球シュートもかなり強くなり、最初の分岐で勝っていれば最強クラスの地上必殺シュート、ドラゴンタイガーも修得する。
-オリジナル主人公の扱い
--開始時に名前を入力するのに二回目の分岐試合(メキシコ戦、ミラン戦)で勝利しないと使用できない。また、ポイントの振り分け次第では完全に空気化してしまう(オリジナルシュートがある分マシだが)、シナリオ上加入できない理由等は特に見られないのでなぜ分岐試合の勝利時しか使用できないのだろうか。
---分岐試合勝利時のボーナスキャラ扱いなら加入決定時に名前を入力すればすむはずなので本来は全シナリオで登場させる予定だったのだろう。
-「KAZU」((オールスターのエディットでしか使用できない。 元ネタは三浦知良か?))の扱い
--オールスター戦終了後に毎回ピックアップされており、抜かれた時のカットインがSDだったりシナリオクリアごとに必殺技が追加されていく等オールスターでの目玉キャラのような扱いをされているが正直微妙な存在である。
--分岐ルートでオリジナルキャラの変わりに助っ人のような形で登場する、オリジナル主人公のライバルや先輩として登場させる、全シナリオクリア時の最期の敵として出すとかもっと出し方の工夫があるように思えるのだが・・・
-石崎の性能の見直し。
--必殺ディフェンス、顔面ブロックが必中ではなくなっている。今回は研修という形で序盤から居てくれるため必然的に頼ることになるのだが、大量のガッツを消費して不発はいただけない。ただでさえ今作は''とんでもないシュートが飛んでくるのに''。
--ただしIIIで殆ど使い道がなかったヤマザルバスターは強化され、格上のGKにも決めやすくなっている。ルート限定だがヤマザルタックルという待望の必殺タックルも修得可能になった。顔面ブロックだけの一発屋だったこれまでよりも総合的な使い勝手は良くなっている。レベル差の影響が大きい本作では、石崎のレベルを平均より上げれば地上の要として立ち回ることも可能。
--浮き球バグの被害を最も受けているのは石崎。ただしこれまでも空中での競り合いは苦手だったので、相対的に評価は落ちていないという見方もできる。
--4の石崎はイベント面でも優遇されている。
-強引なドリブルに代表される吹っ飛ばし系のドリブルがやたら強い。能力が上だったり必殺タックルを使ってくる相手でも良く吹っ飛ばすし、消費ガッツはIII同様の基準なので単体が相手なら殆ど消耗がない。
--続編のVでは、強引なドリブルは見る影もないほど弱体化している。
**総評
このゲーム単体なら典型的な(クソ)キャラゲーで済んでいたかもしれないが、シリーズ全体が素晴らしい出来だっただけにタイトルにまで泥を塗る結果となってしまった感は否めない。~
前作ファンの大半はあまりの劣化具合にクソゲーの烙印を押し、我慢して遊んでいたプレイヤーも浮き球バグの理不尽さに気付いて途中で投げ出すことだろう。~
しかしストーリー自体はそこまでクソというわけではない。浮き球バグもひどい仕様ではあるが、ドリブルで切り込んだりエリア外に敵をおびき寄せてフリーにしたりと、戦う手段は一応ある。~
''浮き球バグを失くして演出をIIIのままにしてくれたら良作だった''とする意見も多く、その点では開発期間とデバッグに泣かされた悲劇の作品と言える。~
もし今から遊ぶなら前作までの知識は忘却し、攻略サイトでバグの仕様を理解しつつ、あくまでもストーリーを追うかたちで楽しむのが良いだろう。そこまで''ガッツが足りれば''であるが。
**余談
-最初の試合にてレナートがゴールを奪われた際のストラットの発言「ポストのほうがまだマシだぜ!」は翼IVの迷ゼリフとして有名。
--最序盤に出てくるセリフなので、これだけを聞いて''以降投げ出してしまった層が多い''と思われる。
--ちなみにこのイベントの後、レナートの能力が僅かだが上昇する。%%もっと力を入れるところがあるだろ。%%
-今作の説明書には必殺技の真似をしないように注意書きが記入されている。
--ちなみに例はスカイラブ。当然ですね。
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*キャプテン翼IV プロのライバルたち
【きゃぷてんつばさふぉー ぷろのらいばるたち】
|ジャンル|サッカーシミュレーションRPG|&image(http://t3.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcRWgztQHX0Aw5urYy2aQaSLnnHQlCq_xPDEykHiYC_SfFk34IZS)|
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|発売・開発元|テクモ|~|
|発売日|1993年4月3日|~|
|定価|9,700円(税抜)|~|
|分類|''クソゲー判定''&br''(バグのせいで)ゲームバランスが不安定''&br''(前作の)ファンにとって黒歴史のゲーム''&br本項ではクソゲーとして扱う|~|
|ポイント|演出・BGMが悉く劣化&brとにかく悪いゲームテンポ&br絶対に相手の強さに追いつけない''浮き球バグ&br強い選手にばかり頼ってると痛い目に遭うレベル変動制''&br若林ついにSGGK化''(ただしエリア外に限る)''&brストーリー「は」好評&brエディット選手の初登場|~|
|>|>|CENTER:''[[キャプテン翼ゲームリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1236.html]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
キャプテン翼シリーズの第4作。ついにプロ化した翼達の活躍を描くテクモのオリジナルストーリー。~
前作・前々作と完成度の高い作品が続いたために、その期待も相当のものだったと思われるが…。
**特徴
-ストーリーはシリーズ初のマルチシナリオ形式。各章最後の試合の勝敗により、最終的に4つのシナリオに分岐する。
--分岐に関わる試合はどれも非常に難易度が高く、勝つのは容易ではない。ただし、一度でも経験した分岐試合は、次の周回では勝敗に関係なく分岐先を選べる救済措置もあるため安心。
-オリジナルの主人公キャラクターが登場。展開次第では仲間になる。
-敵選手のレベルが味方の平均及び最大レベルによって変動するようになった。このような仕様はテクモ版キャプテン翼シリーズでも本作のみ。
-殆どの試合が負けても先に進めるようになった(再戦を申し込むことも可能)。ただし終盤は従来通り勝たないと先に進めない試合が多くなる。
-システムは前作からすでに完成されているので、目立った変更点は特になし。
--パス画面が3D風の表示になった。だからどうしたと言ってはいけない。
--こぼれ球に味方と相手の選手が同時に追いつくと、ペナルティエリア外でもせりあいが発生する。しかし…(後述)。
--天候の追加。試合中に雨が降ることがあり、選手の能力が下がる。
--ミーティングで相手のステータスを参照できるようになった。
-ミーティングで作戦が追加された。
--情報を元にした敵チームの対処法を教えてくれ、操作モードを選択できる。
--一人の選手だけを操作できるキャプテンモード、選手交代だけを操作する監督モード(オールスターのみ)が選択できる。
**問題点
-BGMの劣化。
--前作ではテンポが良く激しいリズムが特徴的な曲が多かったが、今作では雄大というか、スローな曲調が多い。まるで環境音楽である。
--音質も劣化しており「ぷあ~んぷあ~ん」という情けない音が常時頭に響く。
---これは効果音も同じで、前作が「シュバッ!」「ズオオオッ!」という鋭い音が特徴なのに比べ、今作では「どひゅ~ん」「ずもももも…」という低く重い音が多くなっている。
--曲自体が聞き苦しいというわけではないが、キャプテン翼というスポーツゲーに合ってるかと問われれば、微妙。
---前作からのBGMもいくつかアレンジされているが、本当に同じ曲なのかと思うくらい残念な出来になっている。
-試合演出、ビジュアルシーンの劣化。
--全体的に試合の流れがもっさりとしていてテンポが悪い。オマケに試合時間もプロに合わせて40~45分ハーフに増加、1試合当たりのプレイ時間が増加した。
--40分ハーフで普通に決着が付いた場合、1試合あたりリアルで30分前後かかる。延長戦やPK戦に入ったり、イベントや天候などの要素付加がされた場合更に長くなる。
--前作までは素早い挙動や激しいフラッシュなどで派手さを強調させていたが、今作では動きがトロく演出も控えめ。
---というより、演出効果がほとんどない。せいぜい足先が光ったり、シュートを打つ時に足を回転させたり、選手がブレて見える程度。
---特にゲルディスのダークイリュージョンが顕著な例。前作までは美しさすら感じる程の派手な演出だったのに、本作では…
--これはボールの動きや必殺シュートも同じで、非常にゆっくりで、山なりで、遅い。このスピードなら''誰でも見てから取れる''だろう。
---雨が降っていると画面処理が重くなってただでさえ悪い試合のテンポが更に悪くなり、加えて背景効果が暗くなって見えづらくなってしまう。ただでさえショボイのにこの仕様は…。
---しかも雨が降っていても、''何故か空は晴れている。''得点シーンなどの一枚絵に至っては雨天なのに雨が降っていない。
--カットイン演出も殆どのキャラが一つだけ。前作は表情が変わったり、台詞や必殺ディフェンスでは専用のカットインが多く用意されていたが、今作ではその多くがイベントでしか見られず、数もかなり減っている。
-試合数が無駄に多い。
--第1部は3試合と少ないが、第2部以降はシナリオによって差があるものの10試合前後をこなさなければならない。敵に魅力があればボリュームがあって結構だが、''試合中にイベントが何もない''、''相手全員が顔なしのモブキャラ''といった消化試合が多く、作業感が強い。
---そんな試合でも、レベルが高いと相手が後述の浮き球バグによってあり得ない強さになっているので腹立たしい。
---2週目以降はダイジェスト機能で飛ばすことができる。それだったら初めから入れないか、1試合ごとの内容を濃く煮詰めた方が良かったのでは?
---そのダイジェストにも難点があり、1部と2部のクリア済みの通常試合しか飛ばせない。'''更に必殺技を覚える試合を飛ばすと修得できなくなる'''ため、無闇に飛ばしているとかえって不利になってしまう。一応敵選手の必殺技修得も飛ばせるのだが、一度はイベントを見ておかないとオールスターモードに登録されない。
-周回プレイを始めるときの第1試合で敵のレベルがとてつもなく高くなっている。
--前回クリア後の敵レベルがリセットされていないのが原因と思われる。確実に負けるが、再戦を申し込まなければレベルは元に戻る。
--取り扱い説明書には''さも仕様であるかのように書かれている''。バグだろこれ。
--なお普通に初期レベルで始まる場合もある。原因は不明(ROMのバージョン違い?)
-反則やオフサイドやトリカゴといった問題点はいつものことである。
--オフサイドは続編のVでようやく採用された。
-必殺シュートの消費ガッツが全体的に増加。
--今作では浮き球バグや必殺ドリブル突破で低コストで得点しやすくなっているため、必殺シュートは相対的に扱いにくくなった。
--ただしドリブルからの必殺シュートは1対1、FK、CKで成功率をある程度高めることは可能。得点源を必殺シュートに頼る選手もいる為、完全に存在意義がなくなったわけではない。
-なお必殺シュート以外の必殺技の消費ガッツはほぼ前作のIIIを踏襲している。
-追加必殺技に一部微妙なものが存在する。
--イベントでやたら引っ張る割に燃費と決定率が見合わない新田のファルコンクロウやマウリシオのジョルトシュート、心臓病でガッツ管理に気を遣わないといけないのに490も消費する三杉のムーンスライダーなどが代表例。
--ピエールとナポレオンはIII同様シュペルエッフェルという必殺ワンツーを所持しているが、ルートによってはエッフェルワインダーと言う新ワンツーを修得する。しかし性能差はほぼ感じられない。
-一部挙動がおかしい。
--敵選手をマーク指定しても離れた所に行ってしまう。マークを外してディフェンスモードをプレスにする方が遙かにボールを奪いやすい。
--画面が切り替わった時にフィールド上の選手達が大移動してしまうことがある。キックオフ後すぐパスした際などに起こると戦略が狂う。
しかし、上に掲げた程度の問題点など''まだ序の口''である。~
一番の問題はゲームの根本を揺るがすことになる致命傷''「浮き球バグ」''の存在だろう。
**浮き球バグとは?
-詳しくは調べていただきたいが、要はレベルアップの際、浮き球に関する「高さ低さ」のステータスが味方選手、GKと比較して敵選手(GK以外)は1多く上がってしまうという現象である((「たかいたま」「ひくいたま」が1上がると、空中戦でのシュートやブロック等に+1される。))。
--たかが1の差と思いがちだが、レベルが上がるごとに当然この差はどんどん開いていく。終盤になるとこちらの浮き球値が60くらいなのに対して相手は100超えというふざけたステータスになってしまう。
-ここまで差が広がると、もはやまともなゲームとして成立しない。浮き球状態で相手に接触してしまったら、何をしようがカットされ、せりあいでは確実に負け、シュートを撃たれようものならどうあがいても取ることは不可能である。
--特に問題なのが、敵の主力選手がワンツーを多用する場合。本作のワンツーは強めに調整されておりレベル補正の影響もあって止めにくく、為す術もなく浮き球シュートに繋げられて失点する危険性が高い。
--''ネオサイクロンを平然とカットするモブDF''や、''ただのヘディングシュートが三角飛びを通り抜ける''光景はこのゲームでは茶飯事である。
--これらの浮き球バグは途中加入の味方選手にも適用され、参戦の早い味方選手と比べて圧倒的に空中戦に強くなる。ただし加入後は成長しなくなるため、そのうち敵に能力が追いつかれる。
---前述の通り敵のGKも浮き玉に対しては弱いので得点源として機能する。''「敵にカバーされなければ」''の話だが。
-オールスターではGK以外の全選手の浮き球能力がアップし、レベルもセーブファイルのうち最も高いものを参照する。高レベルになるとどのGKもダイレクトシュートに反応できなくなり、対戦は非常に大味なものとなる。
これらはあくまでも「浮き球」に関する不具合なので、地上戦は(レベルさえ調整していれば)ほぼ従来通りの感覚でプレイ可能。敵からボールを奪う際は、地上でプレスをかけ多人数で囲むと多少の能力差があっても取れる可能性が上がる。
**レベル変動制について
本作で採用されたレベル変動制は、その仕組みを知っているかどうかで作品評価が激変してしまうほどゲームへの影響が大きい。何も知らずに進めると大変なことになってしまうが、逆にシステムを知っていれば殆どの敵チームとほぼ互角の戦いができるようになる(ただし浮き球バグは空中での競り合いを避けるしか対策がない)。
-本作では1レベルアップにつき、どの選手も全てのステータスが一律で3(敵やオールスターの浮き球のみ4)上がり、1レベルの差が戦力にかなり響く。試合で活躍した選手ほどレベルが上がりやすいのは従来通り。
-本作では敵のレベルが味方のレベルに依存して算出される((平均レベルと最大レベルのどちらかに依存し、選手によって決まっている。エース級の選手が最大レベル依存である場合がほとんど。))ので、特定の選手ばかり使っているとレベルが突出してそちらを基準に敵のレベルが決まってしまい、他の味方選手が追いつけなくなってしまう。本作では、できるだけ多くの選手を使ってレベルが偏らないように調整しながら進めなければならない。
--ただ完全にフラットにする必要はなく、高レベル判定の敵やGKに対抗する為主力とGKのレベルは平均より1~3位高いのが望ましい(特に2部負けルート分岐のミラン戦は翼やストラットがGKより強くないとまず勝てない)。フィールダーは11人なので平均+2で行くなら4人、平均+3なら3人と言った所(今回は試合中でもレベルが上がるので、多少の余裕を持たせると良い)。レベル4以上差が開くと調整が難しくなり、他の選手が最大レベル参照の敵に辛くなってくる。
-ベンチで試合終了した選手は獲得経験値が下がり、最初から控えの選手は平均レベル計算の対象外。レベルが上がりすぎた選手はベンチで休ませ、控え選手を積極的に使うようにすると敵のレベル上昇を抑えやすくなる。
--ただしベンチを活用できるのは基本的に中盤以降で、ルートによっては長期間スタメンしか使えない。また翼や日向などの主要選手は、イベントの都合でベンチ入りさせられない試合がある。
--GKはレベルを主力に追いつかせる為シュートをある程度受ける必要があるが、受けすぎると今度はレベルが突出してしまい他の選手に迷惑をかけてしまう。ベンチが使えるまではDFを必死で活用しないと調整が難しい。
-救済措置なのか、敵のGKは若林やミューラーといった有名GKでさえも軒並み平均レベル判定で登場する。しかし同作のGKは全体的に基礎能力が高めの為(森崎、レナート、アモロなどの弱GKは低い)、一般選手ではレベルが低いとゴールを奪うのもままならない。
-攻略としては「どのみち浮き球バグを防ぐ手段がないなら普通にレベルを上げて進む」か、「できるだけ浮き球バグの影響を受けにくくする為にレベルを抑えながら進む」かの2通り。それぞれ長所と短所がある。
--浮き球バグ上等でレベルを上げる場合、ガッツ増加で必殺技を多用しやすい。途中加入の味方選手の浮き球補正が高くなってチーム全体の攻撃力が上がる(攻撃力が高い選手が多いほどレベル調整は容易になる)。ただし全ての試合をガチで戦わなければならない。再戦はデメリットが多いのでしない方が無難。
--レベルを抑える場合は、わざと負けてコンティニューせずに試合を飛ばしまくり(二週目からはダイジェストを使って試合を飛ばせるので浮き玉バグを緩和しやすい)、いかに使わない選手のレベルを上げないか(実はLVを均等にするより一部のキャラを使わない様にしてLVに差をつけたほうが戦いやすい)が攻略の鍵となる。ただしガッツ上昇や浮き球補正の恩恵が小さくなり、使える選手の幅も狭まってしまう。
-余談だがイベントでブラジルを完封し「カルロスもコインブラも大した事無かった」などと豪語したデンマーク代表のシューマッハというGKが、実際に試合をしてみると普通のシュートでさえもまともに止められないなどと言う状況になってしまう事も。
レベル変動制によって「どの選手をどれだけ活躍させるか」と言う戦略性を楽しませようとしたと思われるのだが、システムの説明不足に加え肝心の試合の部分が悉く最悪な仕様となっており、''遊ぶことが苦痛の域''に達している。
**評価点
-テクモのオリジナルストーリーはやはり秀逸。
--本作唯一の救いというか、ストーリーはまともである。''試合を無視して話を追うだけ''でも結構楽しめる。
---作品の副題通りプロでの新たなライバルの登場や、プロでのサッカーに対する心構え等今までよりもキャラクターの心情や葛藤が出ている。
--今作オリジナルのラスボスの一人であるオランダ代表のファンベルグは、さすがにコインブラほどではないものの中々インパクトもあって強い。
---必殺技はオーバーヘッド((通常のオーバーヘッドキックとは違う必殺技として扱われており、威力や消費ガッツがやや高い。))のみだが、基本能力が非常に高い。松山や早田のイーグルタックルやカミソリタックルを''普通のドリブルで''避けまくり、若島津の牙龍三角飛びを''普通のシュートで''無力化する様は圧巻だと言えるだろう。
---さらに彼がシュートを撃つと、''放たれたボールが七色に光る。''
---しかも彼は、何と''若林からペナルティエリア外から5点も奪った''という、とんでもないプレーヤーである。
---次回作では残念ながら怪我により長期離脱してしまう。その後怪我が治り最終シナリオの大会に参加したが、ミランは新田とアルシオン抜きのカンピオーネに10-0で敗北する結果となってしまった((もっとも、オールスターで使用できるだけコインブラよりマシなのだが・・・))。
--他のオリジナルキャラクターも特徴が多く''シナリオ開始時に味方選手として登場し、トラウマを乗り越えて新必殺技を習得し、元いたチームのチームメイトと和解してミランに復帰、その後ルート次第でラスボスとして戦う事となるストラット''や一見、ただのモブ選手だが''シナリオ時のみ全ての行動が敵選手を吹き飛ばす補正がかかっており、ブラジルチームを苦しめるオルミーガ''等、前作までとは違ったインパクトを持つキャラが多い。
--翼がブラジル代表に選出されカルロスやコインブラ、メオンと共闘するラテンアメリカカップ編はアツイ。
--分岐試合で負け続けると辿り着くサンパウロ編は、''翼が最後まで全日本に合流しない''という異色のシナリオであり、かつオリジナルのキャラクターが多数登場することもあって独特の雰囲気を味わえる。
--特定のルートでは''ディアスがサイクロンを修得する''。更にネオサイクロンやオリジナル技のバク宙サイクロンまで覚える。ディアスの天才ぶりを改めて印象づけさせ、サイクロンというシュートをより深く掘り下げる上でも重要な役割を果たした。惜しまれるのはアルゼンチンがラスボスチームに入っていないことか。
-ゲルティスのイベント追加
--前作まではキーパーマシンの異名を持ち強烈なイメージを残しながらも、セリフらしいセリフが全く無かったブラジル代表GKゲルティスに、本作ではイベントがいくつか追加された。
---例えばストラットとの対戦経験があったり、ストラットの恋人であるミアータをストラットの元に案内したり、試合中に翼に対してネオサイクロンを撃てと挑発したり、そのネオサイクロンを見事に止めるといったイベントが発生したりとか。
---また次回作では既存キャラの大幅なリストラが行われたのだが、ブラジル代表では彼とバモラ(Ⅳ初登場 サンパウロの正ゴールキーパー)、カルロスだけはリストラされずに残されている。ブラジル主力陣がカルロスに反発して試合をボイコットする中、彼とバモラだけは無視して出場してくれる等、無口で(カルロスやコインブラと比べ)目立たないが気配りの効く人物として扱われている。
-オリジナルの主人公
--常に攻略の一環を担いオリジナル必殺技も覚え、本来の全日本のレギュラーを食うような強さを持ちながらも、シナリオに本格的に絡むことはほぼなく空気を読んでいる。
---このあたりはさすがのテクモと言ったところか。%%どこかの青い信号も見習ってほしいものである。%%
-オールスターモードの充実。
--代表チームからクラブチームに至るまでゲームに登場するあらゆる選手を網羅しており、組み合わせは千差万別。さながら''デバッグルーム''である。
---前作のⅢは人数が偏っており、Ⅴではオリジナルキャラが大勢リストラされてしまったため、本作でしか使用できない選手も多い。
---勿論、我らがSGGK(スーパーがんばりゴールキーパー)森崎も使用可能。%%よって念願のキーパーを森崎にして必殺シュートでフルボッコという楽しみ方が可能になった。%%
---ただし、ある3人の選手の登録が重なってしまっているため3人のうち1人しか使えなくなっている。
--レベル1の状態で遊べば浮き球バグの影響を受けないので純粋に試合を楽しむことができる。
--各選手ごとのステータスを細かく参照できるので、設定マニアにはたまらない作りとなっている。
--簡素だがオリジナルキャラを作成して試合に参加させることができるようになった。名前を決めた後、好きな能力を8ポイント分あげることができる。
---ポイントの振り分けによって必殺技も習得可能。なお、シナリオで使用されていた必殺シュートは「トルネード」と言う名前になる、他にも守備用やドリブル用の必殺技もある。
---ただしエディットモードでしか使用できず、名前やポイントの振り分け等を記録しておくことが出来ないので必殺技を習得させる為に一々調節しながらポイントを割り振ることに。
--1Pと2Pの協力プレイもできるようになった。
-音質が残念とはいえ、前シリーズからのBGMの多くをアレンジして収録したことは評価できる。
-浮き球バグばかりがクローズアップされる為見逃されがちだが、地上戦の駆け引きはなかなか熱い。
--前作では敵選手との接触時の必殺技がかなり強かったが、今作ではその殆どが絶対的に信頼が置けるほどのものではなくなり、II時代に近くなっている。
-レベルや基本能力差は確かに重要なのだが、能力的にこちらのドリブルが大幅に有利でも集中的にタックルを受けると意外とこぼれ球にされる。こちらが守備に回る場合も同様。
**賛否両論点
-ストーリーについて
--今作にも深く絡んでくるサイクロンだが、シナリオによってはIIIのネオサイクロンを事実上否定する流れになり、前作の成長フラグをへし折っているように見えなくもない。
---あくまで「翼のサイクロン」でありシリーズ通して完全な「ジャイロのサイクロン」は登場していない。前作のネオサイクロンも翼の足の負担を抑える為に苦肉の策で編み出したような物なので今作で改良されるのは当然と言える。
--ストラットがケガをさせてしまいトラウマの原因を作ることになったバンビーノの必殺技は、相手を吹き飛ばす''ショットガンドリブル''。おい。
--一部の選抜が不公平で能力の高い無名選手が外され、前作からのキャラや原作キャラが選出されている。
---あるシナリオでサンパウロが戦う「日本選抜」のGKが森崎である。彼は今作ではワーストレベルのキーパーでなぜ選出されるかはまったくの不明である。((一応、今作ではイベントでかなり優遇されている。))~
能力で選ぶなら南葛ウイングスの「くわた」を選出すべきだし、原作のキャラでなければダメなら中西を選べばすむはずである。
---ラテンアメリカカップのシナリオでは選抜試合が行われるのだが、選出されている正GKがそのシナリオに出てくるタファエル((必殺セーブは持たないが総合能力がゲルディスより上で、メオンはもちろんこのシナリオでは負傷しているバモラよりも強い。))では無く、Ⅱからの登場キャラ、メオンとレナートである。試合に参加している事から選抜を辞退する事はまず無いので選抜に不正があったとしか…。
--上記の通りプロになった事で選手のインフレが進み原作、前作のオリジナルキャラの持ち味がなくなっている事も。
---特にイスラスとリブタ((共にオランダユースの選手、イスラスはシュナイダーに匹敵する才能を持っている。))はスタメン落ち、フランスのピエール、ナポレオンは今作登場のピピンによって影が薄くなり、前作で圧倒的な強さだった西ドイツ陣は弱体化し別の意味でインパクトのあるポブルセンやフライハイトが出張っている等。
---今までの作品でイマイチな扱いだったアルゼンチン(ディアスの大幅強化とバディン、カジャーレコンビ加入)やラスボス(の1チーム)に昇格したイタリア(ストラット、バンビーノ、ゾフ、ロッシが加入)、サルバトーレの加入により攻撃力が増したウルグアイ等扱いがよくなったチームもいるので一概に否定はできないが…
--この頃からテクモが妙に新田をプッシュしだすようになり、彼に色々香ばしい言動((うち(南部大フースバル)はオレとそうださんともりさきさんぐらいですよ、まともなのは))((つばささん。 オレはあんたがもくひょうだったってこと わすれかけてたよ。 オレはきっと あんたをこえるせんしゅになってみせるよ。))や行動が目立つようになってくる。
---条件が厳しいが、特定ルートでは新田が新必殺技として''強引なドリブル''を覚える。一見ネタに見えるがかなり強い。しかし別ルート限定で覚える新必殺シュートのファルコンクロウは前述の通り微妙な性能。
---次回作ではより%%誰が見てもドーピングとしか思えない%%パワーアップをして、ラスボスのチームの一員として立ちふさがる事に…。
-ポブルセンの異常な行動。
--憎しみをむき出しにし勝利の為には手段を選ばず、使う必殺技が選手を全員吹っ飛ばすフレームドリブルや''マーダー(殺人)ショット''、更には''試合中に翼を抹殺しようとする((しね ツバサ!! くたばれ ツバサ!!等の台詞と共に直接シュートを叩き込んだり、ドリブルで吹き飛ばしてくる。))''など、明らかにスポーツマンシップから逸脱している。原作WY編に登場するレヴィンでもここまでひどくない((レヴィンの放つシュートはあくまで「破壊力があるだけ」のシュートである。少なくとも殺意は持っても本当に殺そうとはしていない。))。
---翼との出会いによって改心(?)するのだが、ルートによっては明確な反省の描写がないこともある。
---ただし、若林の台詞((すまんな、つばさ。あいつはむかし、なんべいのプロチームにはいろうとしてきょひされてな それいらい なんべいのチームにはあんなたいどをとるんだ ねは いいやつなんだが))やイベント等を見る限りこれらの行動はロベルトにも責任の一端がある、詳しくは後述。
-ロベルトの不審な行動の数々
--Ⅱでも翼びいきに見える((ただしイベント演出上の関係もあるので一概に断定できない))ブラジルチームでの采配が疑問視されていたが今回は更に酷くなっている。
---''色々問題視されている原作でもロベルトはこんな人物として書かれてはいない((一応、翼の成長に涙ぐみ原作版サイクロンともいえるシュートを伝授したが、サンターナにも伝授しサリナスに対策を施している。 また、番外編でもブラジルの監督としてまともな采配をしている。))。''
--ポブルセンの入団拒否と妨害工作の疑惑
---ロベルトが翼に語る断った理由((【前略】オレはことわったよ。 かれはサッカーをまったくたのしんでいなかったからね))は''翼の加入当時荒れていたストラットにも十分当てはまる内容''であるし、彼ほどの選手((ためしに かれのプレイをみた。なるほど、じつりょくはじゅうぶんだ。かれをいれれば、サンパウロはかくだんにつよくなっただろう。))を断る理由としては説得力が無さ過ぎる。少なくとも当時はプレイ内容に問題が無かったようで実力はロベルトにも認められており、''ロベルトはともかくサンパウロ首脳陣(ロベルト除く)が入団を拒否したり、他の南米チームが彼をスカウトしないとは思えない。''~
ポブルセンの恨みの凄まじさから察すると''裏工作でもしてサンパウロや他の南米チームへの入団を妨害した可能性が高い。''~
このロベルトの行動(あくまで推測の粋に過ぎないが)により、ポブルセンは南米から事実上追放されプロとしての名声やプライドを相当傷つけられて荒んでしまい、南米を憎みながらも未練をもつ様になり、ロベルトの贔屓によりブラジルで活躍する翼に殺意を持つ事となったのだろう((オレと けいやくしなかったサンパウロ! そこのエースをつぶしてこうかいさせてやる!!))。結局この行動で翼が命の危険に晒されたのだから始末に終えない。ロベルトめ、余計な真似を。
--ストラットのチーム退団工作疑惑
---シナリオの途中(ミラン戦でバンビーノ、ラテンアメリカカップ中に恋人のミアータから)戻って来る様に言われて''あっさりミランに戻ってしまう''。この行動には不振な点が目立つ。ロベルトは引き止めもせず、むしろ退団させるような行動ばかり取っているのである。まあ、''プロ選手としての責任を果たさずミランから逃げたり、戻ったりするストラットもストラットだが…''
---ラテンアメリカカップ編(選抜試合時)にミアータと遭遇する。普通に考えてチームの拠点に一般人を入れる事はまず無いと思うのだが、''応対しストラットと対面させたのはロベルトである。''
---サンパウロからミランへの復帰は''ロベルトの協力''((ロベルトに ほねおってもらって ミランに ふっきすることになったよ))もあっての事である。一応ストラットは前述の問題でミランから逃げるようにサンパウロに入団してたので立ち直った彼の意思を酌んで復帰させたのだろうが''普通に考えてチームでもトップクラスのストライカーを簡単に手放す事は監督としては失格行為''だろう。~
実際、この先のルート次第では相当苦戦することに。もう少し考えてくれよロベルト。
--微妙な戦力補充
---クラブカップルートでは戦力が補充されるのだが41歳のネルソン君、素質はあるが生意気なマウリシオ、サンパウロ(プロチーム)の正GKバモラ、そして新田である。
---ここまでやると''翼だけを活躍させる為に仕組んだ''と言われても文句は言えない。
--全日本監督に就任
---サンパウロ時やラテンアメリカカップ等ブラジルで監督を務めていたのに翼が全日本に合流するルートでは''なぜか全日本監督に就任している''((ただし翼にプロとしての心構えを語るイベントがあるので全日本監督時もいるだけの存在ではない。))。Vでも全日本監督に就いている事からテクモ版では正史扱いとされている様だ。サンパウロやブラジルチームにとってはたまった物ではないだろう、また監督を解任された見上さんが哀れでならない。
-ブラジルの扱いの酷さ
--上記で触れられているが今回のブラジルはデンマークに0-6で敗北するルートがある。デンマークの実力ではどうやってもブラジルには勝てない((実際、選手層の差が大きくデンマークが勝つにはよほど運が良くないと不可能))。
---Ⅴでのあまりの弱体化から察すると監督交代後に選手の総入れ替えが起こった模様。新選手たちを見る限り''今作までのブラジルレギュラーを相当過小評価している''人物だと思われる。
---カルロスはⅤでもかなり扱いが酷く、''コインブラの負傷により極度のスランプに陥り''、立ち直った矢先に''いつの間にかキャプテンになっていたオリベイラ(Ⅴ初登場)の仕組んだボイコットでろくな選手のいない状態でコパ・アメリカ決勝を戦い''、完全に復活したのに''日本との試合ではシニョーリ(Ⅴ初登場)と入れ替わる形で後半しか出場できない''等悲惨。
-突っ込みどころが多い一部シナリオの最終戦(ドイツ戦、日本クラブ選抜戦)
--どう見てもIIIのラスト(曲も前作の劣化リメイク)やIIのジャパンカップ最終戦のリメイクです。本当にあr
--クラブチームの大会なのに「日本クラブ選抜」((一部の国はメンバーがほぼ代表とほぼ同じクラブチームもあるが日本ほど露骨ではない))…反則じゃね?
--「雨はやんだがドイツは負けん」じゃフライハイト((雨天で逆にパワーアップする珍しいキャラクター。専用必殺技も追加される。))をカペロマン(このシナリオのみベンチ入り)と交代させろよ…。
-若林の極端な強化。
--若林が''ペナルティエリア外のシュートを能力無視で高確率で防御できる能力''を習得。どんな強力なシュートだろうが、問答無用でキャッチングできてしまう((更に今作では総合能力も大幅に上昇している。))。これには若林らしいという意見もあれば強すぎるという意見もあり賛否両論である。
---シュナイダーのファイヤーショットのように取れないシュートもある。また強さに差がありすぎると、ごく稀にだが失敗する。
---ドイツの切り札であるはずのフライハイトは必殺シュートにエリア外補正がないため、若林であっさりとカットできてしまう。色々残念である。
---浮き球バグの影響でエリア外なら無敵の若林が、ザコのボレーで失点するという失笑ものの場面が見られる。その辺りバランスは取れているのか?
-オールスターでのバランス
--前述のLV1の状態では前作登場したラムカーネの弱点が無くなる。前作、今作共に''能力最強だがスタミナが無く、フルタイムでの試合は困難で後半弱体化する''という設定なのだが…。
---今作の弱体化は''レベルが1になる''と言う物。全員LV1の状態では弱体化せず、前作のミューラー並のバランスブレイカーとなる(若林は踏み込まれると脆い)。
--他にもクラブ、ナショナルチームでの能力バランスが悪く(シナリオ準拠なので当然だが)特にクラブチームでは''ミランを取れば確実に勝てる''ほど差が激しい。
-ミラン(クラブチーム)の異常な強さ
--今作の特徴の一つとして上げられるのはこのチームの異常な強さである。下手なナショナルチームはおろか、シナリオ時の状況のおかげで最終戦よりも難易度が高い事も。
--オランダの主力三人(ファンベルグ、ニスケンス、フーリア)、フランスのストライカーピピン、イタリアのDFゾフ(必殺技はないがDF能力だけなら本作最強)とロッシ、FWのストラット(ストラットのミラン帰還時のみ)、MFバンビーノとエースが勢ぞろいのチームである。勿論、モブの能力も高い。特にキーパーは全シナリオを見てもトップクラスの能力の持ち主で下手な原作キャラよりも強い。更に今作の中ではできの良い専用のBGMまで用意されている。
--このチームがよりにもよって分岐試合(バスコ・ダ・ガマ負けルート)で登場するからたまらない。分岐試合の場合はストラットがこちらのチームにいるがそれでも厳しく、勝利時の分岐点を通る場合ゲーム中最大の難関と呼べる試合になる。
---分岐試合以外では負けても先に進める(ラテンアメリカカップ敗北ルート)か、負けると強制再戦だがこちらに新戦力が加わっていくらか戦いやすくなっている(ワールドクラブカップルート)。
-敵に回ると極悪な強さの日向
--日向(と若島津)は全てのルートで一度敵として戦うことになるのだが、強さが尋常ではない。分岐試合のメキシコでは弱体化バージョンだが、レベル補正が高いのでそれを感じさせない。
--一度ボールを持ったが最後、無限ガッツを良いことに強引なドリブルで次々と味方を吹っ飛ばし、容赦なくライトニングタイガーをぶち込んで来る。日向のワンマンショーの体感的な難易度はミラン戦とも遜色がなく、運が悪いと冗談抜きで負ける。なおルートによっては沢田も一緒にいて、その場合更に東邦コンビでの切り込みも加わる。
--味方に加入してくれればもちろん頼りになる。後半加入なので試合を飛ばさなければ浮き球シュートもかなり強くなり、最初の分岐で勝っていれば最強クラスの地上必殺シュート、ドラゴンタイガーも修得する。
-オリジナル主人公の扱い
--開始時に名前を入力するのに二回目の分岐試合(メキシコ戦、ミラン戦)で勝利しないと使用できない。また、ポイントの振り分け次第では完全に空気化してしまう(オリジナルシュートがある分マシだが)、シナリオ上加入できない理由等は特に見られないのでなぜ分岐試合の勝利時しか使用できないのだろうか。
---分岐試合勝利時のボーナスキャラ扱いなら加入決定時に名前を入力すればすむはずなので本来は全シナリオで登場させる予定だったのだろう。
-「KAZU」((オールスターのエディットでしか使用できない。 元ネタは三浦知良か?))の扱い
--オールスター戦終了後に毎回ピックアップされており、抜かれた時のカットインがSDだったりシナリオクリアごとに必殺技が追加されていく等オールスターでの目玉キャラのような扱いをされているが正直微妙な存在である。
--分岐ルートでオリジナルキャラの変わりに助っ人のような形で登場する、オリジナル主人公のライバルや先輩として登場させる、全シナリオクリア時の最期の敵として出すとかもっと出し方の工夫があるように思えるのだが・・・
-石崎の性能の見直し。
--必殺ディフェンス、顔面ブロックが必中ではなくなっている。今回は研修という形で序盤から居てくれるため必然的に頼ることになるのだが、大量のガッツを消費して不発はいただけない。ただでさえ今作は''とんでもないシュートが飛んでくるのに''。
--ただしIIIで殆ど使い道がなかったヤマザルバスターは強化され、格上のGKにも決めやすくなっている。ルート限定だがヤマザルタックルという待望の必殺タックルも修得可能になった。顔面ブロックだけの一発屋だったこれまでよりも総合的な使い勝手は良くなっている。レベル差の影響が大きい本作では、石崎のレベルを平均より上げれば地上の要として立ち回ることも可能。
--浮き球バグの被害を最も受けているのは石崎。ただしこれまでも空中での競り合いは苦手だったので、相対的に評価は落ちていないという見方もできる。
--4の石崎はイベント面でも優遇されている。
-強引なドリブルに代表される吹っ飛ばし系のドリブルがやたら強い。能力が上だったり必殺タックルを使ってくる相手でも良く吹っ飛ばすし、消費ガッツはIII同様の基準なので単体が相手なら殆ど消耗がない。
--続編のVでは、強引なドリブルは見る影もないほど弱体化している。
**総評
このゲーム単体なら典型的な(クソ)キャラゲーで済んでいたかもしれないが、シリーズ全体が素晴らしい出来だっただけにタイトルにまで泥を塗る結果となってしまった感は否めない。~
前作ファンの大半はあまりの劣化具合にクソゲーの烙印を押し、我慢して遊んでいたプレイヤーも浮き球バグの理不尽さに気付いて途中で投げ出すことだろう。~
しかしストーリー自体はそこまでクソというわけではない。浮き球バグもひどい仕様ではあるが、ドリブルで切り込んだりエリア外に敵をおびき寄せてフリーにしたりと、戦う手段は一応ある。~
''浮き球バグを失くして演出をIIIのままにしてくれたら良作だった''とする意見も多く、その点では開発期間とデバッグに泣かされた悲劇の作品と言える。~
もし今から遊ぶなら前作までの知識は忘却し、攻略サイトでバグの仕様を理解しつつ、あくまでもストーリーを追うかたちで楽しむのが良いだろう。そこまで''ガッツが足りれば''であるが。
**余談
-最初の試合にてレナートがゴールを奪われた際のストラットの発言「ポストのほうがまだマシだぜ!」は翼IVの迷ゼリフとして有名。
--最序盤に出てくるセリフなので、これだけを聞いて''以降投げ出してしまった層が多い''と思われる。
--ちなみにこのイベントの後、レナートの能力が僅かだが上昇する。%%もっと力を入れるところがあるだろ。%%
-今作の説明書には必殺技の真似をしないように注意書きが記入されている。
--ちなみに例はスカイラブ。当然ですね。
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