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*NAM-1975
【なむ いちきゅうななご】
|ジャンル|アクションシューティングゲーム|~|
|対応機種|アーケード|~|
|販売・開発元|SNK|~|
|稼働開始日|1990年|~|
|分類|''ゲームバランスが不安定ゲー判定''|~|
|ポイント|戦場は地獄だぜフゥハハハーハァー|~|
*概要
ベトナム戦争末期の1975年、誘拐され投獄されたアメリカ陸軍の科学者リチャード・ムックリー博士及び、博士の娘のナンシーを救出する使命が、「コードネーム」シルバー中尉、「同」ブラウン中尉に与えられ、2人が任務を果たすべくベトナムに乗りこむ…という設定のアクションシューティングゲーム。システムは「カベール」及び、[[ブラッドブラザーズ]]と似ている。
1P側がシルバー中尉、2P側がブラウン中尉となっているが性能に差は無い。
8方向レバー+3ボタンで操作。全6面。
-Aボタン…メイン武器のマシンガンで攻撃。
--押しっぱなしの状態では自機の位置を固定したまま連射状態となり、レバーでカーソルだけを動かすことが可能。
-Bボタン…回数制限はあるがマシンガンよりも威力の高い手榴弾で攻撃。
--ミスするかステージクリアで所持数が初期値の10発に戻る。
-Cボタン…押しっぱなしで左右に移動するとダッシュとなり、左斜め下か右斜め下にレバーを入れながらボタンを押すと、一定時間無敵になる宙返りができる。
--宙返りの終わり際には僅かながら隙が発生するので乱用は禁物。
特定の敵キャラを倒すとアイテムが出現する。
-得点…得点が加算される。200~10000点まで、様々な種類がある。
-手榴弾…手榴弾のストックが1増える。
-バルカン砲…一定弾数、通常のマシンガンより遥かに連射性能の高いバルカン砲で攻撃できる。
-火炎放射器…一定弾数、触れた物を焼きつくす火炎放射器で攻撃できるが、高い位置を飛ぶ敵には攻撃できないという難点もある。
-ミサイル…着弾した位置で大爆発を起こし、周囲の敵を一掃する。
-スパーク弾…1個取ると3回使える。着弾した位置で何度も小爆発を起こし、広範囲の敵に連続してダメージを与える。
-ツインカーソル…照準が2個に増える。このアイテムのみ、ミスしてもステージクリアまでは効果が持続する。
-1UP…残り人数が1増える。
ステージ中、敵兵に捕われている女性諜報員、クリス=ヘルパーがいるが、敵兵を倒して救出すると、ミスするかステージクリアするまで援護射撃をしてくれる。
**評価点
-当時としては大容量の48メガビットを使った基板性能を生かしたドット絵の描きこみが非常に秀逸。1990年と、今から20年以上前の作品ではあるが、全くそれを感じさせない美しさである。また、演出も非常に芸が細かい。
--床や建物に銃弾を撃ち込むときちんと穴が開く。
--主人公のやられパターンだけでも5パターンあり(銃弾を受けてもがき苦しみながら倒れる、手榴弾の爆風で吹き飛ばされる、毒ガスで紫色に変色してもがき苦しみながら倒れる、火炎放射を喰らって黒焦げになる、レーザー砲を喰らって骨だけになる)、いずれも滑らかなアニメパターンでスムーズに動く。
--敵兵士を火炎放射器で倒すと黒焦げになり、手榴弾で倒すと爆散する。
-BGMもベトナム戦争の雰囲気をよく表現している。
--1面道中のBGMは、夜明け前の川沿いを進むシーンでの、主人公達の全く先が見えない任務に対する不安な心境、3面ボス戦のBGMは巨大武装飛行船に対して単身で挑む壮絶な状況をより実感させてくれる。
ステージ間にはデモが入るが、敵地への侵入、突然の敵の襲撃などの演出はまるで戦争映画を見ているかのよう。
-キャラクターのグラフィックは劇画調で描かれ、特に1面ボスのハゲコンビの、狂気に蝕まれているとしか思えない表情は初見だとギョッとする程。
**問題点
ゲームの難易度が非常に高い。
-敵弾は最初から速く、自機の当たり判定も大きい。
--特に足元が危険で、つま先にカスった程度でもミスとなる。
-敵兵や敵兵器は次々と出現するので、撃ち漏らしはすぐにミスにつながる。また、耐久力のある敵もかなり多数出現するので、どのタイミングで手榴弾を使うか臨機応変に対処する技量が求められる。
#region(熾烈な敵の攻撃をくぐり抜け、何とか終盤まで辿りついたとしても…(ネタバレ注意))
-5面クリア時、救出したナンシーから、''ムックリー博士が世界を破滅に導く巨大レーザーキャノン砲を造ろうとしているマッドサイエンティスト''であるという情報が得られる。~
6面のラストでは車椅子に乗りながらやけに機敏な動きで攻撃してくるムックリー博士を倒す事になる。~
その際、画面の両脇に捕われている現地の女性2人の縄がほどけ、めでたく救出かと思いきや…~
何とその女性が、お前の役割はここまでだ、というような事を言って襲い掛かってくる。ビジュアルシーンに切り替わった際のその表情の恐ろしさはある意味必見である。~
その女性らを倒すと、画面奥から完成途中のレーザーキャノン砲に搭乗したムックリー博士が出現し、最後の戦いが始まる。~
レーザーキャノン砲はひっきりなしに飛ばしてくる砲弾、プレイヤーを正確に狙う超高速の熱線で攻撃をし、耐久力も非常に高いので手強い。~
ちなみに、ここからは''コンティニュー不可、2P途中参加も不可となり、残機が無くなると、博士のレーザーキャノン砲によって地球が壊滅するというバッドエンドになってしまう。''~
勝てば無事任務完了となり、故郷へと帰還する事が出来る。
#endregion
~
**総評
ベトナム戦争の雰囲気をよく再現しており、画面の向こうから火薬の匂いが漂ってきそうな雰囲気すらあるゲーム。~
もう少しバランス面が調整されていれば硬派で熱いゲームとして人気を博し、ネオジオの初期のキラータイトルとなる可能性すらあっただけに、あまりの高難易度が残念である。