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*ポップンミュージック (Wii)
【ぽっぷんみゅーじっく】
|ジャンル|音楽シミュレーション|&amazon(B002BDTLJK)|
|対応機種|Wii|~|
|発売・開発元|コナミデジタルエンタテインメント|~|
|発売日|2009年8月6日|~|
|定価|5,800円|~|
|分類|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|ポイント|キャラデザ大幅変更&br()操作性の悪さ&br()簡単すぎる難易度&br()CS15出せ&br()ボリューム不足&br()''収録曲数が40曲''&br()楽曲有料追加(それもなんと''10曲までしか追加できない'')&br()従来のファンからは完全''黒歴史認定''|~|
|>|>|CENTER:''[[ポップンミュージックシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1444.html]]''|
//管理人より「クソにも黒歴史にもあたる場合はクソ判定一本で」との裁定はありましたがソフト評価には確か関与していなかったと思うので、分類の「ガッカリゲーでは済まない~」と「(管理人裁定により)」を外しました。
**概要
1998年、アーケードから始まった定番の音楽ゲーム『ポップンミュージック』シリーズ。その歴史は10年を越え、アーケード以外にも様々な家庭用機種に登場、多くのファンを生み出す事に成功した。そのほとんどはソニー据え置き機であるプレイステーションシリーズでのリリースであり、意外と任天堂ハードで登場する機会は少なかったが、遂に任天堂の据え置き機ソフト初としてWii版が発売される事になった。
しかし、Wiiのリモコン操作でAC/PS版と同様の操作をする事は不可能であり、基本的なゲームルールはそのままに5ボタンがメインであるWii向けのチューニングがされた。シリーズ異色のアレンジ作としての登場であり、従来の9ボタン仕様のポップンシリーズ(以下本家)に馴れたプレイヤーにとっては、あまりの変貌ぶりに困惑を隠せないのは否めないところか。Wiiで出た同ブランドの別シリーズ『DanceDanceRevolution』(DDR)ではWii用コントローラーが作られたのに((ゲームキューブで発売されたDance Dance Revolution with MARIO専用コントローラのデザイン変更品だが、裏を返せばGC時代のDDRにも専用コントローラが作られたということになる。))、何故ポップンは作られなかったのか、疑問がぬぐえないのが正直なところだろう。
もちろん、操作性や外観が変わった事自体は批判要素ではない。問題なのは、音楽ゲームとしてのクオリティとボリュームが、あまりにもお粗末だったところにある。
**ゲームとして、そしてポップンとしての問題点
-キャラクターのデザインが豹変している。
--棒状の胴体に腕のない手と、楕円形の大きな頭部がくっついているデザインで、まるでコケシのような造詣。((パワプロのようなものを想像して頂ければわかりやすいか。))イラストのタッチも本家と大きく異なっており、なじみ難い。
//((余談だが、ACのポップンで排出されているポップンミュージックカードのレアカードで弐寺のイラストやハロポプのイラストがあるにもかかわらずこのゲームのデザインだけ存在しない。公式側も黒歴史にしてしまったのだろうか…))
//ポップン19における第2弾レアカードのカードナンバーPC19R004/016「Hello! NIGHT PARTY!~Cute◇side~」はハロポプのタッチで描かれてる。
-まず本家プレイヤーにとって目につくのは、収録曲の少なさであろうか。デフォルトで全40曲しかなく、隠し曲も存在しない。
--ポップン未経験者からしてみれば「40曲ってそんなに少ないのか?それなりに多そうだが?」という疑問が沸くかもしれないが、過去のPS2版シリーズは平均101曲という圧倒的な曲数を誇り、CD-ROM媒体だった『ポップンミュージック ベストヒッツ!』でさえ55曲を収録している。
---他の音楽ゲームと比較すると、beatmaniaIIDXが平均85曲、PS2以降のDDRが平均80曲、同じWiiの太鼓の達人でも70曲。現環境では40曲は少ないのである。
--さらに、その内訳は有名曲(版権曲)が30曲、ポップンオリジナル曲は''10曲''。
---版権曲はほとんどが新規収録であるが、オリジナル曲は全て過去のポップンからの曲の再収録であり、''本作オリジナルの新曲は無い''。
--その新規収録された版権曲も、ラインナップの大半が太鼓の達人と被ってしまっている。
---同社に同じく版権曲が多い音ゲーにアーケードの『jubeat』があるが、こちらは収録する版権曲の傾向をずらしており(少しは被っているが)太鼓の達人シリーズとの差別化を図っている。
-また、本家のようにボタンで音楽を演奏するタイプではなく、太鼓の達人のような&bold(){完成されたBGMに合わせて専用の音色(タップ音)を奏でるタイプに路線変更}された。従来のファンからしたら結構な衝撃であった。
-そして1曲あたりの譜面(ステージ内容)が、2つ(スタンダード、チャレンジ)しか存在せず、恐ろしく中身が薄くなっている。本家は原則として1曲あたり6譜面(5ボタン、NORMAL、HYPER、EX、BATTLE譜面(2人用)NORMAL、HYPER)が用意されており、同じ曲でも様々なステージが楽しめた。
--チャレンジ譜面はスタンダード譜面を100点クリアすると出現する隠し譜面…なのだが、「100点クリア=ゲージ満タンでクリア」なので簡単に出現する。
-これでまだやりがいのある難易度なら救いがあるのだが、全体的に初見で余裕でクリアできるという低すぎる難易度で''ほぼすべての楽曲の尺を3分の2以上すっぽかしてもクリアできる''という、やりがいも何も無い超ゆとり仕様になっている。難易度「むずかしい」の曲ですら、子供にとってもあくびが出そうな低レベルぶりで、お手軽を通り越して「虚しい」だけである。
-さらに操作性が劣悪で、まともに操作させてくれない。リモコン/ヌンチャクを大きく振っても反応しない(=BAD判定)、振っても誤反応が起こる(例:右に振ったのに、上や左に振ったことになる)リモコンの感度の悪さが大きなストレスとなり、プレイヤーを苛立たせること必至。
--もうリモコン操作は期待できないからとクラシックコントローラで操作したい気分になってくるが、なんとクラコン未対応である。そのためリモコンとヌンチャクで反応するかどうかも分からない振り操作を強要される事になる。
--ちなみに無理にリモコン操作限定にこだわったポップンWiiに対し、太鼓の達人Wiiは従来のような専用コントローラをきちんと用意した上でヒットしている。果たしてこだわる必要はあったのだろうか…。
**計略上の問題点
-Wi-Fi機能により、曲/譜面を追加できるサービスが存在するが、信じられない事に有料である(2曲セットで100ポイント)。元の曲数が少なく、ゲームとしての基本もなっていない状態で金をせびり、さらにWii本体の容量をも圧迫させるという、メーカーの企業態度を疑う姿勢には首をかしげずにはいられない。
--しかも本体には最大10曲(5セット)までしか保存できない(購入済み楽曲の再ダウンロード自体は無料で可能)。
--DLC曲は全てポップンオリジナル曲だが、こちらも過去のポップンシリーズからの再録のみである。しかも一部の曲は''曲名を誤植''されてたりする(ポップミュージック論→ポップ''ン''ミュージック論 など)。
--ちなみに''CMは低年代層向けテレビ番組『おはスタ』内で展開していた。子役を配置するなど明らかに幼稚園~小学生低学年をアピールしていたのだが、有料コンテンツとはこれいかに。''
--PSP版『太鼓の達人ポータブル/同2』にもダウンロードでの曲配信ができるが、こっちは初めから無料サービスである。また、パソコン用『ポップンミュージックBe-Mouse』の配信は、初めは有料だったが後に無料サービスとなっている。(今は配信サービス終了)
--参考までに、PS2ポプの現最新作である『ポップンミュージック14 FEVER』、『太鼓の達人Wii』、そして本作の曲と譜面数を比較してみると…。
---[PS2 ポプ14] 112曲(5KEY 112/NORMAL 112/HYPER 112/EX 88 計424譜面 + 2人用のBATTLE譜面(1曲2譜面))((ENJOYモードの3ボタン、7ボタンの譜面も合わせるとさらに増える。))
---[Wii 太鼓] 70曲(かんたん、ふつう、むずかしい、おに/各70 計280譜面 + 極僅かだが2人プレイ専用譜面)
---&bold(){[Wii ポプ] デフォルトで40曲(スタンダード、チャレンジ/計80譜面)+ 追加曲購入(有料)}
---単純計算で本作の譜面数はPS2版14の五分の一以下、太鼓Wiiの七分の二しか無く、いかにボリューム不足なのかお分かりであろうか。(追加配信すれば多少譜面が増えるが、それでもボリュームアップには程遠いレベル)。
**評価点
-本家と比べると有名曲が多く、万人向けをアピールしている。
--当時、本家は若干古めの版権曲を多く入れており、有名曲をあまり入れてくれなかった。だが、AC16以降は収録傾向が変わり、有名な版権曲を多く入れるようになった。
-難易度が本家より易しい分、本家より入り込みやすい。''飽きやすくもあるが。''
-対戦モードがそれなりに豊富で、一応はパーティゲームとしての機能を果たしている。
--といっても、これでパーティゲームする位なら、同じ価格でよりクオリティの高いソフトがWiiにはいくらでもあるのだが。
-ロード時間は皆無。本作はウエイトに待たされる気配が全くなく、テンポの面だけでいえば本家以上の快適さである。
-登場キャラクターはシリーズの有名キャラが中心((ミミ、ニャミ、リエちゃん、さなえちゃん、ポエット、スミレ、ユーリ、アッシュ、六、ミルク、マリィ、ハマノフ、コービー、MZD。))で、本家よりも滑らかに動く。
--ただし、Deuilトリオのうち何故かスマイルだけが未登場、マイナーキャラ・コービー((このキャラの元ネタは黒人バスケット選手のコービー=ブライアント。おそらく海外展開する際の黒人差別対策による起用だと思われる。ちなみにマリィは日本出身。))の起用など、選考基準に関しては疑問が残る。
**総評
以上の通り、従来のファンを奈落のどん底に突き落とすのには十分な内容であり、まさに「どうしてこうなった」状態でファンを敵に回す結果となってしまった。本作の悪さもあるが、PS2版のポップン関連があまりにもハイボリューム、ハイクオリティな内容な為、本作のあまりもの落差に家庭用を経験したプレイヤーの落胆が大きかったこと、またAC版15以降、PS2での家庭用移植が途絶えてしまったことから来る幾ばくかの期待感という要因が、本作をよりガッカリさせる結果に向かわせたのかもしれない。
**その他
結果、''販売数は初日約900本・累計約2700本と散々な結果に。''古くからのファンにも全国のちびっ子にも見切られた結果であった。PS2のポップンは万単位の売り上げだった事を考えると、いかに不評だったのかが伺える。~
ファンからは「こんなものを作るならアーケードの移植版を作れ」という怒りの声が多くあった。それを差し置いてなぜこんな無謀なものを発売しようと思ったのか理解に苦しむ所である。((あくまで噂の類ではあるが、上層部から「子供向けのポップンを作れ」と命令されて渋々作ったのが本作だと言われている。))
もしも音楽ゲームを買うなら同じくWiiで発売している『太鼓の達人』か『ダンスダンスレボリューション』を買ったほうがよい。AC版の雰囲気を楽しみたい人はPS2で7~14のいずれかを専用コントローラー((三千円の物と三万円の物の二種類。ユーザーの自作コントローラーまで存在する。))とともに買うことをおすすめする。金額は高くなるが、どれを選んでもボリュームはある程度あるのですぐ飽きることはないだろう。
ちなみに、本作の次に発売された家庭用BEMANI新作であるPS2版『beatmania IIDX 16 EMPRESS + PREMIUM BEST』は総収録180曲オーバーという、超弩級ボリュームである。PS関係のBEMANIシリーズはやりすぎな位作り込まれているのだが、他社ハードになると一気にパワーダウンするのは何故なのか?~
同じ事例として、Wiiに展開しているDDRもパワーダウンしているが、そちらはまだ許容できる範囲(楽曲の大半がWii版専用楽曲((そのうち数曲はAC版DDRとDanceEvolutionに移植された。))・曲数が50~60)である。が、ポップンは明らかに手抜きと言わざるを得ない。
**余談・その後のシリーズ展開
-ポップン18のサウンドトラックCDにこのゲームの曲が収録されている。ただし、前述の通り本作オリジナルのプレイ楽曲などは存在しないため、収録は''スタッフロールBGM1曲のみ''(アーティストは村井聖夜)。
--同CDには下記PSP版と番外編であるうたっちの楽曲も収録されており、そのついでで入れたように思えなくもない。
-2010年2月、本作に次ぐ家庭用新作ポプである『ポップンミュージックポータブル』がPSPにて発売された。
--PS2版に比べやや曲数が少ない、PSPのコントローラーで最大9ボタン操作を必要とする為にハードルが高く本体に負担をかけやすい、ロード時間が従来作より長め、という問題点はあるが、丁寧に作られた内容でボリュームもあり、AC版15のほとんどの曲及び家庭用新曲・追加版権曲が収録され、概ね評価は良好な模様である。
--週刊ファミ通のクロスレビューでは総合31点のシルバー殿堂入りであるが、従来ファンからも「まぁ妥当な評価」として受け入れられているようだ。
-続編の『ポップンミュージックポータブル2』も発売。AC版16をベースとして、新曲が4曲収録され、17以降の曲も収録されている。
--前作と違い、DLCによる曲の追加ができるようになった。値段は10曲で700円。また、サウンドスタッフである村井聖夜氏の2011年発売のアルバムに収録された「A.I.ダークネス」がタイアップDLCとして先行配信された。
--その他に、一部の譜面の修正が行われ((これにより難易度も変更されている))、削除曲がアーティスト変更されて再録され、アーケードとの連動である楽曲解禁のパスワードが固定ではなくなった。((これは前作で問題になっていたことであり、パスワードを調べればゲームを買わなくても解禁することができた。))
---前作と違い版権曲が収録されていないほか、プレイ中に判定がおかしくなる、カクツキが発生するなどの不具合が多いという問題点はあるが、多くの不具合は後のアップデートで修正されており、作品そのものの作りに対しては概ね好意的な評価を寄せられている。
-なお、本作は2009年11月にアメリカでは初の『pop'n music』としても発売された(これ以前にXBLAでポップン風のゲーム『[[Beat'n Groovy]]』も出ていたが、pop'n musicというタイトルとしては初)。
--こちらは日本版と収録曲が大きく異なり、洋楽版権や、日本版では未配信のポップンオリジナル曲、さらにはオリジナル新曲1曲(先述のスタッフロールBGMをプレイアブル楽曲化したもの)も収録されている。
---ただしデフォの曲数は日本と同じ40曲だけの為、ゲームにおける問題点は日本版と同様。
--ちなみにアメリカでの販売本数は累計約19000本。散々な結果に終わった日本版よりはマシかもしれない。
--しかし向こうのBEMANIファンからは「なぜ従来のポップンを移植しなかったのか」という不満の声も。
---余談だが、アメリカ版ではポエットの天使の輪が何故か消えている。恐らくは宗教的配慮による修正だろう。
-さらに、2010年にはヨーロッパのWiiでもこれをベースに『pop'n rhythm』として発売。
--こちらはDLCそのものが廃止されている。
-後に欧米初のアーケードとして『POP'N MUSIC』が進出したが、絵柄、操作が最大8ボタン、譜面もヌルいものが多かったりとWii版に似ている点が多く、海外からも''「見えている地雷」''と危ぶまれていた。
--さらに2011年3月、この欧米で稼働していたバージョンをベースに収録曲などを変えて逆輸入した『[[ハロー!ポップンミュージック]]』が稼働。((2012年3月31日をもってe-AMUSEMENTサービス終了。))
--だが、ヌルい譜面、曲とキャラの少なさ、システム変更などで散々な評価を受けることになった。詳しくは記事を参照。
---サービスが終了しているにも関わらず、ロケテストや続編の情報がないことからおそらく黒歴史にしてしまったと思われる。((従来ファンからも「どのような層を狙ったのかわからない」などと評価されていた。))
-長らく黒歴史とされていた…と思われていたが、2013年4月24日に『クイズマジックアカデミー 賢者の扉』内のゲーム、「検定」に追加された「BEMANI検定」内の選択肢に本作があることが発覚。存在がなかったことにされている訳ではないらしい。
この状況からしてKONAMIはまったく反省していないようである。そんなもの作るならCS続編を(ry
''Wiki統合に伴い、ページが[[カタログ>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/2695.html]]に移転しました。''