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*'''Fate/unlimited codes''' 【ふぇいと あんりみてっどこーど】 |ジャンル|対戦型格闘ゲーム|~| |対応機種|アーケード|~| |販売元|カプコン|~| |開発元|カプコン&brキャビア&brエイティング|~| |稼働開始日|2008年6月11日|~| |分類|''バランスが不安定なゲーム''|~| |ポイント|''「世紀末聖杯戦争」''&br全体的な難易度はAC北斗や戦国陸上以上&brキャラゲーとしては申し分ない原作愛|~| |注意|&color(red){本記事は『Fate』本編の若干のネタバレを含みます}|~| |>|>|CENTER:''[[Fateシリーズ関連作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1169.html]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要  今やPCゲーム界でその名を知らないものはいないほどの、TYPE-MOONの「伝奇活劇ビジュアルノベル」こと『[[Fate/stay night>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/146.html]]』。~ 一時期コミケなどを筆頭とする同人界をFate一色で埋め尽くすほどの勢いを見せていた本作には、ファンディスクやスピンオフをはじめとする多数の外伝が存在する。本作もそのひとつであり、簡潔に言えば「『Fate』のキャラを用いた格闘ゲーム」である。なお、この記事では以降本タイトルを『UC』と略す。~ -TYPE-MOON原作の格闘ゲームとしては大先輩の『MELTY BLOOD(通称「メルブラ」)』があるが、同人格ゲーのバージョンアップであるそちらとは違い新規開発。担当は『Fate』のスピンオフ『フェイト/タイガーころしあむ』で実績のあるキャビア、そして大御所カプコン。又、後に同社の『タツノコ VS. CAPCOM』を手がけたエイティングも参加した。 ---- **システムと特徴 -本作のグラフィックはほぼ3Dで描画されているが、内容は2D格ゲーに近い。カテゴリー的にはコンボゲー。 -弱、中、強、そして「リフレクトガード」の4ボタン制。 --弱>中>強の順でタイミングよく入力することで攻撃を繋げられる、チェーンコンボ的なシステムは当然搭載。 --このゲームの特徴のひとつである「リフレクトガード」は「ブロッキング」「直前ガード」の類。相手の飛び道具以外の攻撃に対して使うことで相手を硬直させ、反撃することが可能。またこちらの出した攻撃の硬直をキャンセルしてリフレクトガードを行うことも可能。こちらは「リフレクトキャンセル」と呼ばれる。 -「魔力ゲージ」と「魔力解放」 --格闘ゲームにはありがちなパワーゲージの類で、様々な動作に使用する。100%で一区切り、最大300%まで蓄積できる。 --本作の特徴的な動作として「魔力解放」がある。先輩である『MELTY BLOOD』の「強制解放」に酷似したシステムであり、ゲージ100%以上の時に使用可能。発動中は常時体力が回復するほか、発動時の攻撃判定で相手を吹っ飛ばす、通常技に削り能力が備わるなどの恩恵が得られる。また、一部のキャラクターは魔力解放をすることでキャラ固有の特殊能力が発動する。 --魔力解放はコンボ中や被ダメージ中にも発動可能。前者は硬直をキャンセルして出すことができるためさらにコンボを繋げることが可能な代わりに一部の恩恵が得られない。後者は吹き飛ばし効果による緊急脱出技として機能するが、魔力ゲージを200%も消費するためおいそれとは使えない。 -「聖杯ゲージ」 --両プレイヤーでゲージを共有しているという格ゲーを見渡しても珍しいシステム。お互いのダメージに応じてゲージが溜まって行き、満タンになると聖杯ゲージをMAXにした側のプレイヤーに「聖杯の使用権」が与えられる。そして聖杯の使用権がある時に魔力ゲージ300%の状態で魔力解放をすると「聖杯解放」に変化、通常時よりも強力な魔力解放となる。 ---聖杯解放時にのみ使用できる最強の必殺技、「聖杯必殺技」は一部キャンセル補正を受けないなどの特殊な性質を持ち、ほとんど一撃必殺技に近い。 ~  他にもガードキャンセルや周り込みなど、最近の格闘ゲームらしいオーソドックスで癖の無いシステムを採用している。 **キャラクター  キャラクターは原作からほとんどが網羅できており、全13人が存在する。 ***デフォルトキャラ #region(キャラクターを選ぶがいい。) -''セイバー'' --「剣の騎士」のサーヴァントにして、本作のメインヒロインの一人。飛び道具こそ持っていないが、それを持って余りある攻め手の優秀さと使い勝手の良い技が揃っている。 -''衛宮士郎'' --『Fate』本編の主人公。セイバーのマスターでもある。技のリーチには乏しい代わりに全般的に癖が無く、コンボも覚えやすいため初心者でも扱いやすい。強キャラ相手には苦戦しがちだが、攻め手の引き出しが多いこと、一人だけ魔力開放時の体力回復量が多いなど優遇されている点もあり、一方的な勝負にはなりにくい。 -''ランサー'' --「槍の騎士」のサーヴァント。リーチの長さと攻撃の出の速さを両立しているハイスペックなキャラ。通常・必殺技共に充実しており、妙な癖も無く扱いやすい。 --原作では「第五時聖杯戦争最速のサーヴァント」とされるが、ある理由によりその全力をふるう機会はたった1戦だけであった。本作ではその鬱憤を晴らすかのような大暴れを見せる。 -''ライダー'' --「騎兵」のサーヴァント。一部技の挙動に癖があり扱いづらいが、癖を理解すれば機動力と起き攻めを駆使したセットプレイで相手を翻弄できる。ただし火力はやや低めで、中級者以上向けのキャラといえる。 --実は条件こそ限定されるが[[バスケ>北斗の拳 審判の双蒼星 拳豪列伝]]ができたりする。もっとも、ライダーのバスケは相手が重力を無視して飛び上がったりはしないが。また、画面端を利用した彼女特有のコンボもどこか『北斗』を連想させる。 -''バーサーカー'' --「狂戦士」のサーヴァント。図体が他のキャラに比べて大きく、外見通りのパワーキャラ。だが力技一辺倒ではなく、飛び道具・対空・コマ投げ・突進・スーパーアーマーと小技も充実している。火力は本ゲーム1、2を争う壊れっぷりで、組み込む技の特性で魔力開放による脱出すら許さない。 --しかし重量級の宿命か、機動性が足を引っ張る。特に飛び道具持ちには致命的に弱く、中でもギルガメッシュには圧倒的に不利となっている。彼は原作でもギルガメッシュに大敗を喫すのだが、それはこのゲームでも見事に再現されてしまった。 -''ギルガメッシュ'' --サーヴァントに近い存在である「人類最古の英雄王」。小回りが効き守りに秀でた「エアモード」と、優秀な飛び道具とリーチの長い通常技を擁した「バビロンモード」という二種の戦闘スタイルを切り替えて戦う。 --機動力が低い上にゲージ管理など多くのスキルをプレイヤーに要求する作中トップクラスのテクニカルキャラ。その分潜在能力は非常に高い。 -''アサシン'' --無名の剣士。長刀を使ったリーチが特徴だがいまいちランサーに勝る点が少なく、光る部分を活かして戦って行かないと厳しいキャラ。 --超必殺技の「燕返し」は原作の特性が再現されており、至近距離だと「回避も防御も不能」となる。 -''キャスター'' --「魔術師」のサーヴァント。近接戦は不得手で、設置技や飛び道具を駆使して戦うキャラ。ただし起き攻めは全キャラ中屈指の強さを誇り、「起き攻めキャラ」とも称される。 -''遠坂凛'' --メインヒロインの一人で、アーチャーのマスター。機動力に秀で、回数こそ有限だが飛び道具も持つ。当たり判定の小ささやレスポンスの軽快さもあって扱いやすい。 --機動力を重視したキャラながら、その火力はゲーム上位クラス。一度画面端まで追い詰めればあとは彼女の独壇場である。 -''アーチャー'' --「弓兵」のサーヴァント。ギルガメッシュ同様モードチェンジを用いて戦うキャラで、弓と剣を使い分けて戦うのが特徴。どちらのモードも一癖あり、中級者向け。 --キャラ人気の高さに加え、固有結界「無限の剣製」に関係する独自のシステムを利用したコンボの見栄えの良さなど、本作でも屈指の「実用性ある魅せキャラ」とされる。 #endregion ***タイムリリースによる隠しキャラ #region(キャラクターを選ぶがいい。) -''言峰綺礼'' --凛の格闘技の師で、聖杯戦争の監督者。「ワイルドな凛」といった感じのキャラクターで、崩しの手段などに秀で、かつそれなりの高火力を持つ。 --飛び道具が弾数制限付きで性能も飛び抜けて高くないのは痛いが、高火力のコンボや崩しの様々な手札が魅力。 -''間桐桜'' --聖杯に汚染された桜。リーチが長く中距離での制圧力に秀で、「熟練者の起き攻めは人間には見切れない」と言わしめるほど起き攻めが強力。ただし、低火力・低機動力・紙装甲の三重苦も背負っているためキャラランクは下位。 -''ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト'' --凛のライバル。「投げでループする」という格ゲー界でも珍しいことをやるキャラクター。性能的には万能型だが、動きに癖があり扱いづらく、ダイヤグラム的には弱キャラとされる。 --しかし火力は凄まじく、相手によっては一度ペースを掴めればたとえ強キャラであろうとそのまま殺しきれるチャンスがあるなど、実戦値は高い。 #endregion ***家庭用版追加キャラ #region(キャラクターを選ぶがいい。) -''バゼット・フラガ・マクレミッツ'' --聖杯戦争のために魔術協会から派遣された男装の麗人。素手で戦うためリーチにこそ劣るが、自身を強化する技と他のキャラと一線を画すラッシュ能力、そして機動力を武器とする。 --「後より出て先に断つもの(アンサラー)」と呼ばれる設置技を持ち、これを組み込んだコンボは高い火力をたたき出す。崩しからのラッシュはまさに怒涛の勢い。 -''セイバー・オルタ'' --聖杯に汚染されたセイバー。機動力こそ失われたが飛び道具を獲得し、さらにオリジナルに勝るとも劣らない強力なコンボを有する。体力の多さも相まって、一度このキャラに奪われたリードを取り返すのは難しい。 -''リーゼリット'' --イリヤ(バーサーカーのマスター)に仕えるメイド。鈍重ではあるがかなりのリーチとスーパーアーマー付きの技を有し、「マイルドなバーサーカー」とでもいうべき性格付けがなされている。 -''ゼロ・ランサー'' --「槍の騎士」のサーヴァント。ただしややこしいがランサーとは別人。というのも外伝小説『Fate/Zero』からのゲスト参戦であるため。そのせいかストーリーモードは存在しない。 --二つの槍を二刀流で構え、槍ならではのリーチの長さとラッシュ能力を兼ね備える。 #endregion しかし、このゲームが後にいろんな意味で人々の注目を引こうとは、誰が予想できたであろうか…。 **問題点…?(システム編) ***凄まじいコンボゲー -ゲーマー達は「このゲームはキャンセル手段が多いからコンボゲーになるだろう」という予想を稼働当初からしていた。しかし研究が進むにつれ、''「コンボゲーの中でも群を抜く、凄まじいコンボゲー」''という本質が姿を現し始め、結果プレイヤーたちの予想をはるかに超えたコンボゲーになってしまった。 --まず、このゲームには''ほとんどのキャラクターにループ、またはそれに近いコンボが備わっている''。「被ダメージに応じて相手の攻撃による浮き方に補正がかかる」という仕様があるため一応限界はあるのだが、それでも''大半のキャラが10秒以上、コンボの長いキャラでは20~30秒以上のループコンボを所有する。''そのインパクトある絵面からか、格闘ゲームをよく知らない層からも''「『UC』はループコンボが凄い」''と有名になってしまった。中には「相手の魔力ゲージを減らす技を組み込んで、魔力開放による脱出すら許さないコンボ」が存在するなど、コンボは極悪の一言。 --問題はこのようなループが「牽制技や崩しから成立してしまう」という点。つまりちょっとした小技を喰らっただけで20秒近く体力が減るのを眺める時間が始まるし、行う側も長いコンボレシピを覚える必要がある。 --コンボレシピの長さおよび完走難易度は非常に高く、手馴れたプレイヤーでさえミスは日常茶飯事。難易度は世紀末ゲーとしては大先輩の[[世紀末スポーツアクション>北斗の拳 審判の双蒼星 拳豪列伝]]や[[戦国陸上>戦国BASARA X]]の更にその上を行く。 #region(実際に見てみたい方はこちらへ、要ニコニコアカウント) |言峰サッカーvsストライクループ&br()&nicovideo(sm4328488){300,180}|他のキャラクターもだいたいこんな感じである&br()&nicovideo(sm5329288){300,180}| |投げループ、ゲージ状況によっては死ぬまで続けられる&br()&nicovideo(sm10944454){300,180}|全て実戦での出来事である&br()&nicovideo(sm5094388){300,180}| #endregion #region(なぜこんなことになってしまったのかというと…) -''「ジャンプキャンセルキャンセル必殺技(以下JCC)」'' --これは「ジャンプキャンセル(以下JC)可能な技をJC>さらにそのジャンプの予備動作を必殺技でキャンセルする」という少々特殊なテクニック。これ自体は他の格ゲーにもちらほらと存在するのだが、このゲームでは一部の必殺技もJCできてしまう。そのためノーゲージでも「必殺技キャンセル必殺技」という芸当が可能になり、コンボの自由度が飛躍的に上がった。しかもこれには一切の制限がなく、何回でもjccすることができる。 -''リフレクトキャンセル'' --システムの項でも説明したが、『UC』の魔力ゲージ上限は「300%」。そしてリフレクトキャンセルのゲージ消費はわずか「60%」と非常に低く、コンボ中に容易に魔力ゲージを貯められる。リフレクトキャンセルには「1コンボ中に一回しか発動できない」という制約はあるが、これもコンボの自由度を上げたのは言うまでもない。 -''「ジャンプ中に落下速度の制御が可能」'' --この仕様により、多くのキャラで「何かしらのコンボをして相手を空中に打ち上げる>空中で浮かせるような攻撃を当て、落下速度を早めて着地>地上で相手を拾う>空中で相手を浮かせて着地>拾い~」のループが成立してしまうことに。 -''「相手を拾いやすい」'' --このゲームは他の格闘ゲームにも増してダウン中や喰らい状態の相手を拾いやすい。例を挙げれば「一部キャラの超必殺技の出し切りから拾ってコンボ継続」「空中にいる敵を対空技でたたき落とし、バウンド中の敵を追撃してコンボへ」「壁際限定のダウン拾いコンボ」など、些細なミスが命取りになる世紀末仕様。格ゲーの常識にとらわれないコンボ構築を可能とした。 -''「『UC』の補正切り」'' --通常「補正切り」とは「本来なら繋がるコンボをわざと中断→相手が動揺、または油断したところでコンボ始動技を入れ直す→そこからコンボを繋ぎなおす」とすることで、初手のコンボをきっちり入れ切った時よりも大ダメージを狙う、という心理の隙をついたテクニックである。 --しかしこのゲームにおける「補正切り」とは、「超必殺技のダメージ補正を切る」ことを意味している。コンボに超必殺技を組み込んだ場合、通常なら強力なダメージ低下補正がかかるのだが、「必殺技の命中・発動の直前数フレームの間に何らかの攻撃が加わると、そのダメージ補正が無くなる」というバグが存在するため、これを利用すれば超必殺技を高威力のままコンボに組み込める。使用できるキャラは限られるが、これのおかげでキャラの平均火力はもれなく上昇、本作のコンボゲーっぷりにさらに拍車がかかることになった。 #endregion  この「すさまじいまでのコンボゲー」状態から、本作は''「世紀末聖杯戦争」''というあだ名がついてしまった。[[某ゲーム>北斗の拳 審判の双蒼星 拳豪列伝]]の惨状からつけられたあだ名であることは言うまでもない。 ***試合展開が地味 -熟練者の試合はジリジリ地上で距離を伺いつつ牽制合戦→技が刺さったらループコンボという、見た目には地味、面白味の欠けた試合になりがちである。が、これは仕方が無い。「なにかがかすればそこから長いコンボで大ダメージ」「リフレクトキャンセルの存在があるため、相手の硬直、技の空振りに技を差し込みづらい」「空中ガードがないためうかつなジャンプは自殺行為」などの要因があるため、そうせざるを得ないのである。 -ゲーム専門誌『アルカディア』においても「本作は一度のミスも許されないゲーム」と評されている。 ***キャラランクのバランスの悪さ 他にも、ゲームバランスの練り込みの甘さも多々指摘される。「三弱」や「二強」の存在がそれを物語る。 -「三弱(キャスター、アサシン、桜)」の場合 -''キャスター'' --近距離戦を不得手とし、飛び道具と設置技で戦うキャラ。なのだが肝心要の飛び道具の性能が頼りなく、いわゆる「シューティング」状態に持ち込むことが困難で火力も低め。大ダメージを与えるには起き攻めを連続で成功させねばならず、そのためにはどうしても苦手な近距離戦の間合いを取らねばならないという矛盾を抱えている。必然的にキャスターの戦術は「移動技で逃げながら飛び道具やリーチの長い攻撃で相手の事故を待つ」という格闘ゲームらしからぬいやらしいものになりがち。しかしそうでもしなければ勝ち目がないのだ。 --起き攻めは万能ではなく、抜ける手段も存在する。そして一度抜けられてしまうと、もう一度チャンスを掴むまで生き延びられるかどうかは怪しいところ。ただし起き攻めの内容は「ガード不能な起き攻め連携」も存在するなど非常にえげつなく、場合によってはそのままハメ殺せる場合さえある。このことから「キャスターの格付けは難しい」と語るプレイヤーも存在し、闘劇'09の本戦にもキャスター使いが出場するなど侮れないポテンシャルの高さは有している。 --原作でもキャスターはサーヴァント同士の直接戦闘を不得手とし、知恵と謀略を張り巡らせて相手を追い詰めるタイプのキャラクターだったが、何もそこまで原作再現する必要はなかったのではないだろうか。 -''アサシン'' --長い刀によるリーチの長さと、安定して追撃が決まる投げが優秀ではあるが、攻めの選択肢が少ないためラッシュ力があるとも言えず、必殺技は優秀だが連続技には使いにくい、空中コンボは火力が低い上に「このコンボでレバー(パッド)が壊れた」という声が上がるほど難易度が高い、技の出の遅さから距離を詰められると厳しい戦いを強いられる、とランサーの下位互換的な性能しかない。そのため弱キャラの位置にある。 --アサシンも原作ではあまり強力なサーヴァントとは言えなかったが、「純粋な剣の腕では作中最強」という公式設定もあるのである…。どうしてこうなった。 --その様は、同じ世紀末を生きる[[某農民>戦国BASARA X]]を彷彿とさせる。「原作では人気がある」「刀の使い手」という点も共通している。ちなみにアサシンも生前農民だったという設定になっている。 -''桜'' --キャラクターの項で述べた三重苦が厳しい。特に火力の低さは恐らくゲーム中最底辺クラスであり、体力の低さも相まってすぐにターンを奪い返される。「苦労してフルコンボを決めたが、一瞬のミスで即座に体力差を逆転された」という場面が珍しくない。 --機動力が低い(一応ワープ技はあるが)ので、飛び道具を持つキャラに対しては近づくことさえ一苦労である。逃げに入ったアーチャーや、要塞と化したギルガメッシュなどには絶望するしかない。他に、衛宮士郎、ライダー、バーサーカー辺りにも苦戦を強いられる。 --強みである起き攻めはキャスター同様のバリエーションの豊富さとえげつなさを誇る。特に飛び道具を絡めた起き攻めは解放抜けすら許さない。そのためペースを握り続けられれば起き攻めでハメ殺せるが、どんなに抜け難くても起き攻めは所詮起き攻め、確実性には欠ける。 -二強(ランサー、ギルガメッシュ)+α」の場合 -''ランサー'' --個々の技が優秀で、機動力やゲージ回収、崩しなど、隙がほとんどない盤石の強さを持っている。そのため強キャラ筆頭とされており、弱点があるとすれば、平均クラスの火力と、必殺技がゲージ200%消費であることから来るゲージマネージメントの難度(ただし研究により稼働初期よりは大幅に低下している)くらいのもの。 --応言っておくと世紀末ゲーの大先輩『AC北斗』の壊れキャラの筆頭トキや、戦国陸上こと『戦国BASARA X』の毛利のような、飛び抜けて壊れた技や特殊な当たり判定などは持っていない。ならなぜこのキャラは最強の座に君臨しているのか? 答えは「あらゆる点でハイスペック」だからである。列記すると… ---最大クラスのリーチの長さとセイバーなどに比肩する出の速さを誇る通常技。この長大なリーチの牽制技がかすりでもすれば即コンボに移行。 ---空中から繰り出される突進技を用いた、人間にはほぼ見切れない高速の中段技。もちろんこれもヒットすれば即コンボに移行。 ---投げから安定して追撃が可能。特殊なダメージ補正などもかかっていないため、投げからのリターンはほぼ通常コンボと同等。 ---ゲージこそ消費するが、「発生・判定に優れ無敵も長め、仮にガードされてもランサー側有利」「単発火力も高くその上RCや解放キャンセルで追撃可能」「命中すれば相手の魔力ゲージも減らせる」と壊れ性能の「レッド・ブランチ・エイワズ」。 -''ギルガメッシュ'' --上級者向けのキャラではあるが、強力な飛び道具に設置技、モードチェンジを利用した高火力のコンボに補正切りとダメージを奪う点において隙がない。また「壁際でなくともある程度安定してループ可能な」ループコンボも有し、二強のひとりに数えられる。 --その上、他キャラとは一線を画す強みとして「ループコンボを超えた本当の永久コンボ」を搭載している。一応魔力開放で脱出はできるが、「相手に魔力開放による魔力ゲージ消費を強いる」点が強力なので、開放抜けをしてもギルガメッシュ側の思う壺。ここは[[戦国時代>戦国BASARA X]]か!?さらに締めに魔力ゲージを削る技を出してゲージ面でも優位を維持したり、補正切りに持ち込んで殺しきったりと、まさにやりたい放題。 --さらに脅威とされるのは、設置型飛び道具「天の鎖」。ボタンホールドでギルガメッシュの周囲に待機させられる飛び道具なのだが、ボタンを離すとほぼノーモーションで飛んでいくため隙がほぼない。その性質から飛び込んでくるキャラへの牽制やコンボパーツなど、ほぼ万能の活躍を見せ、しかも火力が高い。永久を抜きにしてもワンチャンスからおぞましいダメージをたたき出していく。 -また、機動力を中心に中距離での制圧力も高い凛、高火力かつ攻め手に関しても強力なセイバーが「二強次点」として認識されている。一時期は二強に凛が加わった「三強」だったこともあった。 --なお、ダイヤ最下位の三弱と上位二強、そして二強次点以外はプレイヤーの間でも今なお意見が割れるので、ここでは解説は割愛する。 ***登場キャラクター選別について -どのキャラも人気が高いせいでもあるのだが、「なぜこのキャラを登場させなかった!」という声はどうしても上がってしまう。これはお祭りゲーの抱える宿命のようなもので、誰もが納得出来るキャラ選定は非常に難しい。 --中でも「真アサシン」の未登場には疑問の声が上がることも。彼が未登場だったのは「特性および能力(気配遮断、呪殺)は格闘ゲームには明らかに不向き」というせいもあろう。しかし、「別の格ゲーでは登場しているので出しようはあったはず」「ポッと出のルヴィアゼリッタを出すくらいなら真アサシンを出して」というファンも多かった。 ---ファンは原作での彼の能力をネタに「真アサシンは気配遮断して登場の機会を伺っている最後の解禁キャラ」「気配遮断のしすぎでスタッフに気づいてもらえなかった」などと笑いの種にしたものの、原作の真摯なファンからすれば笑い事では済まされない。ただし、ネタにしたファンたちも心の底では彼の登場を願っていたことだろう。 --その他、原作では戦闘シーンもあった葛木宗一郎(キャスターのマスター)も操作キャラクターとしては登場していない。宗一郎ファンは泣いていい。 ---しかし、宗一郎は魔力を持っていないただの一般人である上、同じ「格闘技メインで戦うキャラ」というポジションには凛・言峰・ルヴィア・バゼットなどライバルが多すぎる。もちろん原作での宗一郎のファイトスタイルは彼らとはまったく異なるものだが、やはり差別化が難しく出しようがなかったというのが実情だろう。 //---そもそも、PS2版追加キャラのリーゼリットも原作では体力は''人並み以下''だったので間違っても戦闘キャラではない。まごう事無き格ゲー補正である。 //↑セラと混同していないか?リズは怪力スキルを使ったライダーと腕相撲して互角に戦えるぐらいには腕力があるぞ **評価点  平等な勝負に耐えうる対戦ツールとしては、本作は決して「良いゲーム」とは言い難い。  しかし、このゲームはただのコンボゲーではなく、ファンから評価される部分もある。 ***原作愛 -とにもかくにも、原作再現が多い。キャラの掛け合いを始めとし、必殺技も原作の設定を反映したものが多い。一部を列挙すると… --原作の技の性質通り、近距離だと回避不能となるアサシンの「燕返し」 --「相手を何度も追尾する剣」という性質を如実に再現したアーチャーの宝具「赤原猟犬(フルンディング)」 --「宝具『全て遠き理想郷(アヴァロン)』((「エクスカリバーの鞘」の本作での名称。所持者に強力な治癒能力をもたらす。))を埋め込まれている」という設定から、魔力解放時の回復量が多い士郎 --劇中の一シーンを再現したギルガメッシュの対セイバー限定の投げと投げ抜け --言峰に対してのみ演出が変化する士郎の聖杯必殺技 --エクスカリバーを一方的に相殺し打ち勝つギルガメッシュの「天地乖離す開闢の星(エヌマエリシュ)」 --バーサーカーのスーパーアーマーを一撃で7度破壊する士郎の「勝利すべき黄金の剣(カリバーン)」 -このように原作再現を怠っていない。この点は非常に評価できる。 --ちなみに、TYPE-MOONがデザインを担当したのは、ゲーム外のポスター、パッケージ等のメインビジュアルとキャラクター選択画面の全身イラスト、会話用フェイスイラストのみ。その他EDイラストなどはカプコン側の製作だが、どう見てもTYPE-MOONの武内崇のデザインにしか見えない。ファンからはその模倣ぶりをネタにされ、''「スタッフは投影魔術を使ったのではないか!?」''((原作における「物を模造する魔術」のこと。要はこのセリフは最高級の褒め言葉である。))とまで言われた。 ***主人公勢以外のifルートの完成度の高さ -この手の格闘ゲームの常として、ストーリーや脚本などはあまり重視されない傾向にあるのだが、この作品では、ファンも納得の本編のifを見事に描いている。中でもランサーとキャスターのルートは、演出および声優の熱演とも相まって原作ファンも納得の出来である。また、王道展開の正規ルート以外にネタキャラルートも充実している。 ***その''世紀末らしさ'' -その開き直ったまでの世紀末さに、『AC北斗』のように逆に惚れ込んでしまった人間は少数派ながら存在する。実際各地の大会でもランサーやギルガメッシュが席巻しているわけではなく、全盛期には多くのキャラ、そして使い手が各地の大会でトップに立っていた。 -実戦に耐えうるものでない魅せコンを研究する勢力も存在する。そのコンボは非常に美しく、神業の域にある。 ***BGM -崎元仁を筆頭とする音楽制作会社・ベイシスケイプが手掛ける各種BGMの評価も上々。 **総評  このゲームは格ゲー初心者からは圧倒的なハードルの高さ(下手すれば『北斗』や『BASARA X』すら超える難易度)から敬遠され、格ゲー経験者からもバランス崩壊っぷりに愛想を尽かされ見限られてしまった。そのためインカムも振るわず、ゲーセンからは早々にを消えてしまったというのが実情である。光る部分も多々あったが、当時は他にも出来のいい格闘ゲームが存在していたため、それらを超えた人気を獲得するには至らなかった。~  某掲示板では「ゲームとしては他の格闘ゲームに叶わず、キャラゲーとしてもハードルが高すぎた」という、厳しい評価が下されている。当然ながら間違っても軽々しく人に勧めていいゲームではない。~ ~  「過ぎたるは及ばざるが如し」という諺がある。UCもコンボゲーの道を行き過ぎたが故に、プレイヤーから見限られてしまったのだろうか。~  非常に惜しいゲームである。~ ~  余談だが、ニコニコ動画などでタグ検索すると、今でもいわゆる「ガチ勢」たちの対戦動画を見ることができる。現在も定期的に戦いが続いており、『北斗』ほどではないものの一定数のファンは獲得したようだ。 ---- **移植 *Fate/unlimited codes 【ふぇいと あんりみてっどこーど】 ※データはAC版との違いのみ表記 |対応機種|プレイステーション2&br()プレイステーション・ポータブル|&amazon(B001GS8OAI)|&amazon(B0026IAPIG)| |発売日|【PS2】2008年12月18日&br()【PSP】2009年6月18日|~|~| |価格|【PS2】通常版:7,340円 / 限定版:10,490円&br()【PSP】通常版:5,240円&br()限定版:6,240円(eカプコン専売) / 9,240円(Amazon専売) / 8,980円(ソフマップ専売)|~|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~|~| |備考|PSP版は『~PORTABLE』表記&br()Best Price! :【PS2】2009年12月3日発売 / 【PSP】2010年2月18日発売/共に2,990円|~|~|  長く遊べるミッションモードやミニゲームの追加、新規キャラとそれに伴うBGMやステージ、各キャラのエクストラカラーなど多数の追加要素があるため、実に気合の入った移植と言える。もちろん原作再現はAC版同様抜かりない。 -発表と同時に新デザインされたセイバーのEXカラー『セイバー・リリィ』はほぼ別キャラのような格好になっており、限定版にはfigmaが同梱された。 -移植にあたり採用された、タイナカサチの歌う主題歌「code」は好評。  PSP版はPS2版から更なるアレンジやバランス調整などが加わった「Ver1.5」といった趣。~  コンボコマンドの簡略化が行われるなど格ゲー初心者にも嬉しい調整がされた(依然としてハードルが高い位置にある感は否めないが、AC&PS2版よりは遥かに簡単)。ただ、慣れ親しんだコマンドではなくなったこと(コンフィグで戻すこともできない)を批判する従来からのプレイヤーも多い。 **移植版の問題点 ***ゲームバランス  しかし、スタッフは家庭用に際して調整を行わなかったばかりか、追加キャラによって世紀末聖杯戦争の勢いを加速させてしまった。調整に関しては「移植」なので仕方ないかもしれないが、「バランス調整を放棄した」と思われても仕方ない追加キャラ勢の強さには批判の声も上がる。 #region(人類は、何も学ばない。) -''ゼロ・ランサー'' --「このゲームのリーサルウエポン」とまで言われる強さを誇る。リーチ・火力・本体の性能・各種通常技・必殺技と隙がなく、二強にも匹敵する強さを誇る。 --コンボ中のキャンセル補正を受けず、相手のゲージを大幅に削る超必殺技「破魔の紅薔薇」や、ゲーム最高の性能を誇る突進技など、とにかく各種技がハイスペック。 --突進技の強力さから「画面の半分以上がゼロ・ランサーの攻撃範囲である」と言っても過言ではない。命中すれば勿論コンボに移行し相手の体力・魔力ゲージをガリガリ削っていく。 -''セイバー・オルタ'' --ルヴィアゼリッタ・ギルガメッシュに比肩する壊れた火力と、本家セイバーに勝るとも劣らないラッシュ能力を持っている。突進技や飛び道具を利用した見切り困難な起き攻め二択や、確定ダウンを奪え(=起き攻めに持ち込める)、かつコンボに利用出来る投げ技、魔力解放による脱出をさせない&高威力のコンボなど、機動力の無さ以外は圧倒的な性能の高さ。 -逆に、リーゼリットとバゼットは弱キャラとされる。前者は固めと崩しに難儀する技性能で、機動力に劣り各種技の出が遅い。後者は素手なのでリーチが短く、ラッシュ能力は全キャラ中屈指のものなのだが、そこに行くまでが非常に困難。 #endregion -また、今回もやはり追加キャラの選定基準に疑問の声が上がった。格闘戦を主体とし、外伝の顔でもあったバゼットやセイバー・オルタはともかく、「なぜリーゼリットとゼロ・ランサーなのか」という疑問を持ったファンは多かった。 --「当時盛り上がっていた『Fate/Zero』からもっとキャラを出して欲しい」という声もあったし、それこそ「真アサシンまだ?」というファンの悲鳴もあった。やはりキャラ選定は難しいものである。 ***システム面 -「ミッションモード」という指定された内容をクリアしていくモードがあり、その中に「コンボを成功させろ!」といった内容のものがあるのだが、指定されたコンボレシピにJCCのコマンドがあったことから、開発側がJCCの存在を把握していたことが明らかになった。 --ミッションモードの難易度はおぞましく高く、やりこみプレイヤー以外には到底不可能なコンボを決めることが要求されたりもする。一応、ミッション制覇による重要な解禁要素はほとんどないので、そこだけは救いといえるだろう。もしこのミッションモードに重要な隠し要素の解禁条件が絡んでいたら、それこそブーイングの雨嵐だったに違いない。
*'''Fate/unlimited codes''' 【ふぇいと あんりみてっどこーど】 |ジャンル|対戦型格闘ゲーム|~| |対応機種|アーケード|~| |販売元|カプコン|~| |開発元|カプコン&brキャビア&brエイティング|~| |稼働開始日|2008年6月11日|~| |分類|''バランスが不安定なゲーム''|~| |ポイント|''「世紀末聖杯戦争」''&br全体的な難易度はAC北斗や戦国陸上以上&brキャラゲーとしては申し分ない原作愛|~| |注意|&color(red){本記事は『Fate』本編の若干のネタバレを含みます}|~| |>|>|CENTER:''[[Fateシリーズ関連作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1169.html]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要  今やPCゲーム界でその名を知らないものはいないほどの、TYPE-MOONの「伝奇活劇ビジュアルノベル」こと『[[Fate/stay night>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/146.html]]』。~ 一時期コミケなどを筆頭とする同人界をFate一色で埋め尽くすほどの勢いを見せていた本作には、ファンディスクやスピンオフをはじめとする多数の外伝が存在する。本作もそのひとつであり、簡潔に言えば「『Fate』のキャラを用いた格闘ゲーム」である。なお、この記事では以降本タイトルを『UC』と略す。~ -TYPE-MOON原作の格闘ゲームとしては大先輩の『MELTY BLOOD(通称「メルブラ」)』があるが、同人格ゲーのバージョンアップであるそちらとは違い新規開発。担当は『Fate』のスピンオフ『フェイト/タイガーころしあむ』で実績のあるキャビア、そして大御所カプコン。又、後に同社の『タツノコ VS. CAPCOM』を手がけたエイティングも参加した。 ---- **システムと特徴 -本作のグラフィックはほぼ3Dで描画されているが、内容は2D格ゲーに近い。カテゴリー的にはコンボゲー。 -弱、中、強、そして「リフレクトガード」の4ボタン制。 --弱>中>強の順でタイミングよく入力することで攻撃を繋げられる、チェーンコンボ的なシステムは当然搭載。 --このゲームの特徴のひとつである「リフレクトガード」は「ブロッキング」「直前ガード」の類。相手の飛び道具以外の攻撃に対して使うことで相手を硬直させ、反撃することが可能。またこちらの出した攻撃の硬直をキャンセルしてリフレクトガードを行うことも可能。こちらは「リフレクトキャンセル」と呼ばれる。 -「魔力ゲージ」と「魔力解放」 --格闘ゲームにはありがちなパワーゲージの類で、様々な動作に使用する。100%で一区切り、最大300%まで蓄積できる。 --本作の特徴的な動作として「魔力解放」がある。先輩である『MELTY BLOOD』の「強制解放」に酷似したシステムであり、ゲージ100%以上の時に使用可能。発動中は常時体力が回復するほか、発動時の攻撃判定で相手を吹っ飛ばす、通常技に削り能力が備わるなどの恩恵が得られる。また、一部のキャラクターは魔力解放をすることでキャラ固有の特殊能力が発動する。 --魔力解放はコンボ中や被ダメージ中にも発動可能。前者は硬直をキャンセルして出すことができるためさらにコンボを繋げることが可能な代わりに一部の恩恵が得られない。後者は吹き飛ばし効果による緊急脱出技として機能するが、魔力ゲージを200%も消費するためおいそれとは使えない。 -「聖杯ゲージ」 --両プレイヤーでゲージを共有しているという格ゲーを見渡しても珍しいシステム。お互いのダメージに応じてゲージが溜まって行き、満タンになると聖杯ゲージをMAXにした側のプレイヤーに「聖杯の使用権」が与えられる。そして聖杯の使用権がある時に魔力ゲージ300%の状態で魔力解放をすると「聖杯解放」に変化、通常時よりも強力な魔力解放となる。 ---聖杯解放時にのみ使用できる最強の必殺技、「聖杯必殺技」は一部キャンセル補正を受けないなどの特殊な性質を持ち、ほとんど一撃必殺技に近い。 ~  他にもガードキャンセルや周り込みなど、最近の格闘ゲームらしいオーソドックスで癖の無いシステムを採用している。 **キャラクター  キャラクターは原作からほとんどが網羅できており、全13人が存在する。 ***デフォルトキャラ #region(キャラクターを選ぶがいい。) -''セイバー'' --「剣の騎士」のサーヴァントにして、本作のメインヒロインの一人。飛び道具こそ持っていないが、それを持って余りある攻め手の優秀さと使い勝手の良い技が揃っている。 -''衛宮士郎'' --『Fate』本編の主人公。セイバーのマスターでもある。技のリーチに乏しい代わりに全般的に癖が無く、コンボも覚えやすいため初心者でも扱いやすい。強キャラ相手には苦戦しがちだが、攻め手の引き出しが多いこと、一人だけ魔力開放時の体力回復量が多いなど優遇されている点もあり、一方的な勝負にはなりにくい。 -''ランサー'' --「槍の騎士」のサーヴァント。リーチの長さと攻撃の出の速さを両立しているハイスペックなキャラ。通常・必殺技共に充実しており、妙な癖も無く扱いやすい。 --原作では「第五時聖杯戦争最速のサーヴァント」とされるが、ある理由によりその全力をふるう機会はたった1戦だけであった。本作ではその鬱憤を晴らすかのような大暴れを見せる。 -''ライダー'' --「騎兵」のサーヴァント。一部技の挙動に癖があり扱いづらいが、癖を理解すれば機動力と起き攻めを駆使したセットプレイで相手を翻弄できる。ただし火力はやや低めで、中級者以上向けのキャラといえる。 --実は条件こそ限定されるが[[バスケ>北斗の拳 審判の双蒼星 拳豪列伝]]ができたりする。もっとも、ライダーのバスケは相手が重力を無視して飛び上がったりはしないが。また、画面端を利用した彼女特有のコンボもどこか『北斗』を連想させる。 -''バーサーカー'' --「狂戦士」のサーヴァント。図体が他のキャラに比べて大きく、外見通りのパワーキャラ。だが力技一辺倒ではなく、飛び道具・対空・コマ投げ・突進・スーパーアーマーと小技も充実している。火力は本ゲーム1、2を争う壊れっぷりで、組み込む技の特性で魔力開放による脱出すら許さない。 --しかし重量級の宿命か、機動性が足を引っ張る。特に飛び道具持ちには致命的に弱く、中でもギルガメッシュには圧倒的に不利となっている。彼は原作でもギルガメッシュに大敗を喫すのだが、それはこのゲームでも見事に再現されてしまった。 -''ギルガメッシュ'' --サーヴァントに近い存在である「人類最古の英雄王」。小回りが効き守りに秀でた「エアモード」と、優秀な飛び道具とリーチの長い通常技を擁した「バビロンモード」という二種の戦闘スタイルを切り替えて戦う。 --機動力が低い上にゲージ管理など多くのスキルをプレイヤーに要求する作中トップクラスのテクニカルキャラ。その分潜在能力は非常に高い。 -''アサシン'' --「暗殺者」のサーヴァント。((ただし厳密には違う。詳細は本編の設定を参照。ここでは解説は省く。))長刀を使ったリーチが特徴だがランサーに勝る点が少なく、光る部分を活かして戦って行かないと厳しいキャラ。 --超必殺技の「燕返し」は原作の特性が再現されており、至近距離だと「回避も防御も不能」となる。 -''キャスター'' --「魔術師」のサーヴァント。近接戦は不得手で、設置技や飛び道具を駆使して戦うキャラ。ただし起き攻めは全キャラ中屈指の強さを誇り、「起き攻めキャラ」とも称される。 -''遠坂凛'' --メインヒロインの一人で、アーチャーのマスター。機動力に秀で、回数こそ有限だが飛び道具も持つ。当たり判定の小ささやレスポンスの軽快さもあって扱いやすい。 --機動力を重視したキャラながら、その火力はゲーム上位クラス。一度画面端まで追い詰めればあとは彼女の独壇場である。 -''アーチャー'' --「弓兵」のサーヴァント。ギルガメッシュ同様モードチェンジを用いて戦うキャラで、弓と剣を使い分けて戦うのが特徴。どちらのモードも一癖あり、中級者向け。 --キャラ人気の高さに加え、固有結界「無限の剣製」に関係する独自のシステムを利用したコンボの見栄えの良さなど、本作でも屈指の「実用性ある魅せキャラ」とされる。 #endregion ***タイムリリースによる隠しキャラ #region(キャラクターを選ぶがいい。) -''言峰綺礼'' --凛の格闘技の師で、聖杯戦争の監督者。「ワイルドな凛」といった感じのキャラクターで、崩しの手段などに秀で、かつそれなりの高火力を持つ。 --飛び道具が弾数制限付きで性能も飛び抜けて高くないのは痛いが、高火力のコンボや崩しの様々な手札が魅力。 -''間桐桜'' --聖杯に汚染された桜。リーチが長く中距離での制圧力に秀で、「熟練者の起き攻めは人間には見切れない」と言わしめるほど起き攻めが強力。ただし、低火力・低機動力・紙装甲の三重苦も背負っているためキャラランクは下位。 -''ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト'' --凛のライバル。「投げでループする」という格ゲー界でも珍しいことをやるキャラクター。性能的には万能型だが、動きに癖があり扱いづらく、ダイヤグラム的には弱キャラとされる。 --しかし火力は凄まじく、相手によっては一度ペースを掴めればたとえ強キャラであろうとそのまま殺しきれるチャンスがあるなど、実戦値は高い。 #endregion ***家庭用版追加キャラ #region(キャラクターを選ぶがいい。) -''バゼット・フラガ・マクレミッツ'' --聖杯戦争のために魔術協会から派遣された男装の麗人。素手で戦うためリーチにこそ劣るが、自身を強化する技と他のキャラと一線を画すラッシュ能力、そして機動力を武器とする。 --「後より出て先に断つもの(アンサラー)」と呼ばれる設置技を持ち、これを組み込んだコンボは高ダメージを叩き出す。崩しからのラッシュはまさに怒涛の勢い。 -''セイバー・オルタ'' --聖杯に汚染されたセイバー。機動力こそ失われたが飛び道具を獲得し、さらにオリジナルに勝るとも劣らない強力なコンボを有する。体力の多さも相まって、一度このキャラに奪われたリードを取り返すのは難しい。 -''リーゼリット'' --イリヤ(バーサーカーのマスター)に仕えるメイド。鈍重ではあるがかなりのリーチとスーパーアーマー付きの技を有し、「マイルドなバーサーカー」とでもいうべき性格付けがなされている。 -''ゼロ・ランサー'' --「槍の騎士」のサーヴァント。ただしややこしいがランサーとは別人。というのも外伝小説『Fate/Zero』からのゲスト参戦であるため。そのせいかストーリーモードは存在しない。 --二つの槍を二刀流で構え、槍ならではのリーチの長さとラッシュ能力を兼ね備える。 #endregion しかし、このゲームが後にいろんな意味で人々の注目を引こうとは、誰が予想できたであろうか…。 **問題点…?(システム編) ***凄まじいコンボゲー -ゲーマー達は「このゲームはキャンセル手段が多いからコンボゲーになるだろう」という予想を稼働当初からしていた。しかし研究が進むにつれ、''「コンボゲーの中でも群を抜く、凄まじいコンボゲー」''という本質が姿を現し始め、結果プレイヤーたちの予想をはるかに超えたコンボゲーになってしまった。 --まず、このゲームには''ほとんどのキャラクターにループ、またはそれに近いコンボが備わっている''。「被ダメージに応じて相手の攻撃による浮き方に補正がかかる」という仕様があるため一応限界はあるのだが、それでも''大半のキャラが10秒以上、コンボの長いキャラでは20~30秒以上のループコンボを所有する。''そのインパクトある絵面からか、格闘ゲームをよく知らない層からも''「『UC』はループコンボが凄い」''と有名になってしまった。中には「相手の魔力ゲージを減らす技を組み込んで、魔力開放による脱出すら許さないコンボ」が存在するなど、コンボは極悪の一言。 --問題はこのようなループが「牽制技や崩しから成立してしまう」という点。つまりちょっとした小技を喰らっただけで20秒近く体力が減るのを眺める時間が始まるし、行う側も長いコンボレシピを覚える必要がある。 --コンボレシピの長さおよび完走難易度は非常に高く、手馴れたプレイヤーでさえミスは日常茶飯事。難易度は世紀末ゲーとしては大先輩の[[世紀末スポーツアクション>北斗の拳 審判の双蒼星 拳豪列伝]]や[[戦国陸上>戦国BASARA X]]の更にその上を行く。 #region(実際に見てみたい方はこちらへ、要ニコニコアカウント) |言峰サッカーvsストライクループ&br()&nicovideo(sm4328488){300,180}|他のキャラクターもだいたいこんな感じである&br()&nicovideo(sm5329288){300,180}| |投げループ、ゲージ状況によっては死ぬまで続けられる&br()&nicovideo(sm10944454){300,180}|全て実戦での出来事である&br()&nicovideo(sm5094388){300,180}| #endregion #region(なぜこんなことになってしまったのかというと…) -''「ジャンプキャンセルキャンセル必殺技(以下JCC)」'' --これは「ジャンプキャンセル(以下JC)可能な技をJC>さらにそのジャンプの予備動作を必殺技でキャンセルする」という少々特殊なテクニック。これ自体は他の格ゲーにもちらほらと存在するのだが、このゲームでは一部の必殺技もJCできてしまう。そのためノーゲージでも「必殺技キャンセル必殺技」という芸当が可能になり、コンボの自由度が飛躍的に上がった。しかもこれには一切の制限がなく、何回でもjccすることができる。 -''リフレクトキャンセル'' --システムの項でも説明したが、魔力ゲージの上限は300%。そしてリフレクトキャンセルのゲージ消費はわずか60%と非常に低く、コンボ中に容易に魔力ゲージを貯められる。リフレクトキャンセルには「1コンボ中に一回しか発動できない」という制約はあるが、これもコンボの自由度を上げたのは言うまでもない。 -''「ジャンプ中に落下速度の制御が可能」'' --この仕様により、多くのキャラで「何かしらのコンボをして相手を空中に打ち上げる>空中で浮かせるような攻撃を当て、落下速度を早めて着地>地上で相手を拾う>空中で相手を浮かせて着地>拾い~」のループが成立してしまうことに。 -''「相手を拾いやすい」'' --このゲームは他の格闘ゲームにも増してダウン中や喰らい状態の相手を拾いやすい。例を挙げれば「一部キャラの超必殺技の出し切りから拾ってコンボ継続」「空中にいる敵を対空技でたたき落とし、バウンド中の敵を追撃してコンボへ」「壁際限定のダウン拾いコンボ」など、些細なミスが命取りになる世紀末仕様。格ゲーの常識にとらわれないコンボ構築を可能とした。 -''「『UC』の補正切り」'' --通常「補正切り」とは「本来なら繋がるコンボをわざと中断→相手が動揺、または油断したところでコンボ始動技を入れ直す→そこからコンボを繋ぎなおす」とすることで、初手のコンボをきっちり入れ切った時よりも大ダメージを狙う、という心理の隙をついたテクニックの事を指す。 --しかしこのゲームにおける「補正切り」とは、「超必殺技のダメージ補正を切る」ことを意味している。コンボに超必殺技を組み込んだ場合、通常なら強力なダメージ低下補正がかかるのだが、「必殺技の命中・発動の直前数フレームの間に何らかの攻撃が加わると、そのダメージ補正が無くなる」というバグが存在するため、これを利用すれば超必殺技を高威力のままコンボに組み込める。使用できるキャラは限られるが、これのおかげでキャラの平均火力はもれなく上昇、本作のコンボゲーっぷりにさらに拍車がかかることになった。 #endregion  この「すさまじいまでのコンボゲー」状態から、本作は''「世紀末聖杯戦争」''というあだ名がついてしまった。[[某ゲーム>北斗の拳 審判の双蒼星 拳豪列伝]]の惨状からつけられたあだ名であることは言うまでもない。 ***試合展開が地味 -熟練者の試合はジリジリ地上で距離を伺いつつ牽制合戦→技が刺さったらループコンボという、見た目には地味、面白味の欠けた試合になりがちである。が、これは仕方が無い。「何か技がかすればそこから長いコンボで大ダメージ」「リフレクトキャンセルの存在があるため、相手の硬直、技の空振りに技を差し込みづらい」「空中ガードが無いためうかつなジャンプは自殺行為」などの要因があるため、そうせざるを得ないのである。 -ゲーム専門誌『アルカディア』においても「本作は一度のミスも許されないゲーム」と評されている。 ***キャラランクのバランスの悪さ 他にも、ゲームバランスの練り込みの甘さも多々指摘される。「三弱」や「二強」の存在がそれを物語る。 -「三弱(キャスター、アサシン、桜)」の場合 -''キャスター'' --近距離戦を不得手とし、飛び道具と設置技で戦うキャラ。なのだが肝心要の飛び道具の性能が頼りなく、いわゆる「シューティング」状態に持ち込むことが困難で火力も低め。大ダメージを与えるには起き攻めを連続で成功させねばならず、そのためにはどうしても苦手な近距離戦の間合いを取らねばならないという矛盾を抱えている。必然的にキャスターの戦術は「移動技で逃げながら飛び道具やリーチの長い攻撃で相手の事故を待つ」という格闘ゲームらしからぬいやらしいものになりがち。しかしそうでもしなければ勝ち目がないのだ。 --起き攻めは万能ではなく、抜ける手段も存在する。そして一度抜けられてしまうと、もう一度チャンスを掴むまで生き延びられるかどうかは怪しいところ。ただし起き攻めの内容は「ガード不能な起き攻め連携」も存在するなど非常にえげつなく、場合によってはそのままハメ殺せる場合さえある。このことから「キャスターの格付けは難しい」と語るプレイヤーも存在し、闘劇'09の本戦にもキャスター使いが出場するなど侮れないポテンシャルの高さは有している。 --原作でもキャスターはサーヴァント同士の直接戦闘を不得手とし、知恵と謀略を張り巡らせて相手を追い詰めるタイプのキャラクターだったが、何もそこまで原作再現する必要はなかったのではないだろうか。 -''アサシン'' --長い刀によるリーチの長さと、安定して追撃が決まる投げが優秀ではあるが、攻めの選択肢が少ないためラッシュ力があるとも言えず、必殺技は優秀だが連続技には使いにくい、空中コンボは火力が低い上に「このコンボでレバー(パッド)が壊れた」という声が上がるほど難易度が高い、技の出の遅さから距離を詰められると厳しい戦いを強いられる、とランサーの下位互換的な性能しかない。そのため弱キャラの位置にある。 --アサシンも原作ではあまり強力なサーヴァントとは言えなかったが、「純粋な剣の腕では作中最強」という公式設定もあるのである…。どうしてこうなった。 --その様は、同じ世紀末を生きる[[某農民>戦国BASARA X]]を彷彿とさせる。「原作では人気がある」「刀の使い手」という点も共通している。ちなみにアサシンも生前農民だったという設定になっている。 -''桜'' --キャラクターの項で述べた三重苦が厳しい。特に火力の低さは恐らくゲーム中最底辺クラスであり、体力の低さも相まってすぐにターンを奪い返される。「苦労してフルコンボを決めたが、一瞬のミスで即座に体力差を逆転された」という場面が珍しくない。 --機動力が低い(一応ワープ技はあるが)ので、飛び道具を持つキャラに対しては近づくことさえ一苦労である。逃げに入ったアーチャーや、要塞と化したギルガメッシュなどには絶望するしかない。他に、衛宮士郎、ライダー、バーサーカー辺りにも苦戦を強いられる。 --強みである起き攻めはキャスター同様のバリエーションの豊富さとえげつなさを誇る。特に飛び道具を絡めた起き攻めは解放抜けすら許さない。そのためペースを握り続けられれば起き攻めでハメ殺せるが、どんなに抜け難くても起き攻めは所詮起き攻め、確実性には欠ける。 -二強(ランサー、ギルガメッシュ)+α」の場合 -''ランサー'' --個々の技が優秀で、機動力やゲージ回収、崩しなど、隙がほとんどない盤石の強さを持っている。そのため強キャラ筆頭とされており、弱点があるとすれば、平均クラスの火力と、必殺技がゲージ200%消費であることから来るゲージマネージメントの難度(ただし研究により稼働初期よりは大幅に低下している)くらいのもの。 --応言っておくと世紀末ゲーの大先輩『AC北斗』の壊れキャラの筆頭トキや、戦国陸上こと『戦国BASARA X』の毛利のような、飛び抜けて壊れた技や特殊な当たり判定などは持っていない。ならなぜこのキャラは最強の座に君臨しているのか? 答えは「あらゆる点でハイスペック」だからである。列記すると… ---最大クラスのリーチの長さとセイバーなどに比肩する出の速さを誇る通常技。この長大なリーチの牽制技がかすりでもすれば即コンボに移行。 ---空中から繰り出される突進技を用いた、人間にはほぼ見切れない高速の中段技。もちろんこれもヒットすれば即コンボに移行。 ---投げから安定して追撃が可能。特殊なダメージ補正などもかかっていないため、投げからのリターンはほぼ通常コンボと同等。 ---ゲージこそ消費するが、「発生・判定に優れ無敵も長め、仮にガードされてもランサー側有利」「単発火力も高くその上RCや解放キャンセルで追撃可能」「命中すれば相手の魔力ゲージも減らせる」と壊れ性能の「レッド・ブランチ・エイワズ」。 -''ギルガメッシュ'' --上級者向けのキャラではあるが、強力な飛び道具に設置技、モードチェンジを利用した高火力のコンボに補正切りとダメージを奪う点において隙がない。また「壁際でなくともある程度安定してループ可能な」ループコンボも有し、二強のひとりに数えられる。 --その上、他キャラとは一線を画す強みとして「ループコンボを超えた本当の永久コンボ」を搭載している。一応魔力開放で脱出はできるが、「相手に魔力開放による魔力ゲージ消費を強いる」点が強力なので、開放抜けをしてもギルガメッシュ側の思う壺。ここは[[戦国時代>戦国BASARA X]]か!?さらに締めに魔力ゲージを削る技を出してゲージ面でも優位を維持したり、補正切りに持ち込んで殺しきったりと、まさにやりたい放題。 --さらに脅威とされるのは、設置型飛び道具「天の鎖」。ボタンホールドでギルガメッシュの周囲に待機させられる飛び道具なのだが、ボタンを離すとほぼノーモーションで飛んでいくため隙がほぼない。その性質から飛び込んでくるキャラへの牽制やコンボパーツなど、ほぼ万能の活躍を見せ、しかも火力が高い。永久を抜きにしてもワンチャンスからおぞましいダメージをたたき出していく。 -また、機動力を中心に中距離での制圧力も高い凛、高火力かつ攻め手に関しても強力なセイバーが「二強次点」として認識されている。一時期は二強に凛が加わった「三強」だったこともあった。 --なお、ダイヤ最下位の三弱と上位二強、そして二強次点以外はプレイヤーの間でも今なお意見が割れるので、ここでは解説は割愛する。 ***登場キャラクター選別について -どのキャラも人気が高いせいでもあるのだが、「なぜこのキャラを登場させなかった!」という声はどうしても上がってしまう。これはお祭りゲーの抱える宿命のようなもので、誰もが納得出来るキャラ選定は非常に難しい。 --中でも「真アサシン」の未登場には疑問の声が上がることも。彼が未登場だったのは「特性および能力(気配遮断、呪殺)は格闘ゲームには明らかに不向き」というせいもあろう。しかし、「別の格ゲーでは登場しているので出しようはあったはず」「ポッと出のルヴィアゼリッタを出すくらいなら真アサシンを出して」というファンも多かった。 ---ファンは原作での彼の能力をネタに「真アサシンは気配遮断して登場の機会を伺っている最後の解禁キャラ」「気配遮断のしすぎでスタッフに気づいてもらえなかった」などと笑いの種にしたものの、原作の真摯なファンからすれば笑い事では済まされない。ただし、ネタにしたファンたちも心の底では彼の登場を願っていたことだろう。 --その他、原作では戦闘シーンもあった葛木宗一郎(キャスターのマスター)も操作キャラクターとしては登場していない。宗一郎ファンは泣いていい。 ---しかし、宗一郎は魔力を持っていないただの一般人である上、同じ「格闘技メインで戦うキャラ」というポジションには凛・言峰・ルヴィア・バゼットなどライバルが多すぎる。もちろん原作での宗一郎のファイトスタイルは彼らとはまったく異なるものだが、やはり差別化が難しく出しようがなかったというのが実情だろう。 //---そもそも、PS2版追加キャラのリーゼリットも原作では体力は''人並み以下''だったので間違っても戦闘キャラではない。まごう事無き格ゲー補正である。 //↑セラと混同していないか?リズは怪力スキルを使ったライダーと腕相撲して互角に戦えるぐらいには腕力があるぞ **評価点  平等な勝負に耐えうる対戦ツールとしては、本作は決して「良いゲーム」とは言い難い。  しかし、このゲームはただのコンボゲーではなく、ファンから評価される部分もある。 ***原作愛 -とにもかくにも、原作再現が多い。キャラの掛け合いを始めとし、必殺技も原作の設定を反映したものが多い。一部を列挙すると… --原作の技の性質通り、近距離だと回避不能となるアサシンの「燕返し」 --「相手を何度も追尾する剣」という性質を如実に再現したアーチャーの宝具「赤原猟犬(フルンディング)」 --「宝具『全て遠き理想郷(アヴァロン)』((「エクスカリバーの鞘」の本作での名称。所持者に強力な治癒能力をもたらす。))を埋め込まれている」という設定から、魔力解放時の回復量が多い士郎 --劇中の一シーンを再現したギルガメッシュの対セイバー限定の投げと投げ抜け --言峰に対してのみ演出が変化する士郎の聖杯必殺技 --エクスカリバーを一方的に相殺し打ち勝つギルガメッシュの「天地乖離す開闢の星(エヌマエリシュ)」 --バーサーカーのスーパーアーマーを一撃で7度破壊する士郎の「勝利すべき黄金の剣(カリバーン)」 -このように原作再現を怠っていない。この点は非常に評価できる。 --ちなみに、TYPE-MOONがデザインを担当したのは、ゲーム外のポスター、パッケージ等のメインビジュアルとキャラクター選択画面の全身イラスト、会話用フェイスイラストのみ。その他EDイラストなどはカプコン側の製作だが、どう見てもTYPE-MOONの武内崇のデザインにしか見えない。ファンからはその模倣ぶりをネタにされ、''「スタッフは投影魔術を使ったのではないか!?」''((原作における「物を模造する魔術」のこと。要はこのセリフは最高級の褒め言葉である。))とまで言われた。 ***主人公勢以外のifルートの完成度の高さ -この手の格闘ゲームの常として、ストーリーや脚本などはあまり重視されない傾向にあるのだが、この作品ではファンも納得の本編のifを見事に描いている。中でもランサーとキャスターのルートは、演出および声優の熱演とも相まって原作ファンも納得の出来である。また、王道展開の正規ルート以外にネタキャラルートも充実している。 ***その''世紀末らしさ'' -その開き直ったまでの世紀末さに、『AC北斗』のように逆に惚れ込んでしまった人間は少数派ながら存在する。実際各地の大会でもランサーやギルガメッシュが席巻しているわけではなく、全盛期には多くのキャラ、そして使い手が各地の大会でトップに立っていた。 -実戦に耐えうるものでない魅せコンを研究する勢力も存在する。そのコンボは非常に美しく、神業の域にある。 ***BGM -崎元仁を筆頭とする音楽制作会社・ベイシスケイプが手掛ける各種BGMの評価も上々。 **総評  このゲームは格ゲー初心者からは圧倒的なハードルの高さ(下手すれば『北斗』や『BASARA X』すら超える難易度)から敬遠され、格ゲー経験者からもバランス崩壊っぷりに愛想を尽かされ見限られてしまった。そのためインカムも振るわず、ゲーセンからは早々にを消えてしまったというのが実情である。光る部分も多々あったが、当時は他にも出来のいい格闘ゲームが存在していたため、それらを超えた人気を獲得するには至らなかった。~  某掲示板では「ゲームとしては他の格闘ゲームに叶わず、キャラゲーとしてもハードルが高すぎた」という、厳しい評価が下されている。当然ながら間違っても軽々しく人に勧めていいゲームではない。~ ~  「過ぎたるは及ばざるが如し」という諺がある。UCもコンボゲーの道を行き過ぎたが故に、プレイヤーから見限られてしまったのだろうか。~  非常に惜しいゲームである。~ ~  余談だが、ニコニコ動画などでタグ検索すると、今でもいわゆる「ガチ勢」たちの対戦動画を見ることができる。現在も定期的に戦いが続いており、『北斗』ほどではないものの一定数のファンは獲得したようだ。 ---- **移植 *Fate/unlimited codes 【ふぇいと あんりみてっどこーど】 ※データはAC版との違いのみ表記 |対応機種|プレイステーション2&br()プレイステーション・ポータブル|&amazon(B001GS8OAI)|&amazon(B0026IAPIG)| |発売日|【PS2】2008年12月18日&br()【PSP】2009年6月18日|~|~| |価格|【PS2】通常版:7,340円 / 限定版:10,490円&br()【PSP】通常版:5,240円&br()限定版:6,240円(eカプコン専売) / 9,240円(Amazon専売) / 8,980円(ソフマップ専売)|~|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~|~| |備考|PSP版は『~PORTABLE』表記&br()Best Price! :【PS2】2009年12月3日発売 / 【PSP】2010年2月18日発売/共に2,990円|~|~|  長く遊べるミッションモードやミニゲームの追加、新規キャラとそれに伴うBGMやステージ、各キャラのエクストラカラーなど多数の追加要素があるため、実に気合の入った移植と言える。もちろん原作再現はAC版同様抜かりない。 -発表と同時に新デザインされたセイバーのEXカラー『セイバー・リリィ』はほぼ別キャラのような格好になっており、限定版にはfigmaが同梱された。 -移植にあたり採用された、タイナカサチの歌う主題歌「code」は好評。  PSP版はPS2版から更なるアレンジやバランス調整などが加わった「Ver1.5」といった趣。~  コンボコマンドの簡略化が行われるなど格ゲー初心者にも嬉しい調整がされた(依然としてハードルが高い位置にある感は否めないが、AC&PS2版よりは遥かに簡単)。ただ、慣れ親しんだコマンドではなくなったこと(コンフィグで戻すこともできない)を批判する従来からのプレイヤーも多い。 **移植版の問題点 ***ゲームバランス  しかし、スタッフは家庭用に際して調整を行わなかったばかりか、追加キャラによって世紀末聖杯戦争の勢いを加速させてしまった。調整に関しては「移植」なので仕方ないかもしれないが、「バランス調整を放棄した」と思われても仕方ない追加キャラ勢の強さには批判の声も上がる。 #region(人類は、何も学ばない。) -''ゼロ・ランサー'' --「このゲームのリーサルウエポン」とまで言われる強さを誇る。リーチ・火力・本体の性能・各種通常技・必殺技と隙がなく、二強にも匹敵する強さを誇る。 --コンボ中のキャンセル補正を受けず、相手のゲージを大幅に削る超必殺技「破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)」や、ゲーム最高の性能を誇る突進技など、とにかく各種技がハイスペック。 --突進技の強力さから「画面の半分以上がゼロ・ランサーの攻撃範囲である」と言っても過言ではない。しかも命中すればコンボに移行可能で、相手の体力・魔力ゲージをガリガリ削っていく。 -''セイバー・オルタ'' --ルヴィアゼリッタ・ギルガメッシュに比肩する壊れた火力と、本家セイバーに勝るとも劣らないラッシュ能力を持っている。突進技や飛び道具を利用した見切り困難な起き攻め二択や、確定ダウンを奪え(=起き攻めに持ち込める)、かつコンボに利用出来る投げ技、魔力解放による脱出をさせない&高威力のコンボなど、機動力の無さ以外は圧倒的な性能の高さ。 -逆に、リーゼリットとバゼットは弱キャラとされる。前者は固めと崩しに難儀する技性能で、機動力に劣り各種技の出が遅い。後者は素手なのでリーチが短く、ラッシュ能力は全キャラ中屈指のものなのだが、そこに行くまでが非常に困難。 #endregion -また、今回もやはり追加キャラの選定基準に疑問の声が上がった。格闘戦を主体とし、外伝の顔でもあったバゼットやセイバー・オルタはともかく、「なぜリーゼリットとゼロ・ランサーなのか」という疑問を持ったファンは多かった。 --「当時盛り上がっていた『Fate/Zero』からもっとキャラを出して欲しい」という声もあったし、それこそ「真アサシンまだ?」というファンの悲鳴もあった。やはりキャラ選定は難しいものである。 ***システム面 -「ミッションモード」という指定された内容をクリアしていくモードがあり、その中に「コンボを成功させろ!」といった内容のものがあるのだが、指定されたコンボレシピにJCCのコマンドがあったことから、開発側がJCCの存在を把握していたことが明らかになった。 --ミッションモードの難易度はおぞましく高く、やりこみプレイヤー以外には到底不可能なコンボを決めることが要求されたりもする。一応、ミッション制覇による重要な解禁要素はほとんどないので、そこだけは救いといえるだろう。もしこのミッションモードに重要な隠し要素の解禁条件が絡んでいたら、それこそブーイングの雨嵐だったに違いない。

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