「ドラゴンクエストキャラクターズ トルネコの大冒険3 不思議のダンジョン」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

ドラゴンクエストキャラクターズ トルネコの大冒険3 不思議のダンジョン - (2013/02/17 (日) 11:32:05) の1つ前との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*ドラゴンクエストキャラクターズ トルネコの大冒険3 不思議のダンジョン 【どらごんくえすときゃらくたーず とるねこのだいぼうけんすりー ふしぎのだんじょん】 |ジャンル|ローグライクゲーム|&amazon(B00006IUE6)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売元|エニックス|~| |開発元|チュンソフト、マトリックス|~| |発売日|2002年10月31日|~| |定価|6,800円(税抜)|~| |分類|''賛否両論ゲー判定''(ゲームバランス不安定ではない)|~| |ポイント|レベル継続システムと長いストーリー&br()インターフェース・テンポの劣化&br()理不尽死の存在&br()救済要素徹底排除で難易度高騰&br()自由度は低いがやり応え大有りなクリア後ダンジョン&br()異世界ポポロの廃人向け仕様&br()グラフィックは当時最高レベル&br()後のシレンシリーズにも影響を与える|~| |>|>|CENTER:''[[ドラゴンクエストシリーズ関連作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/269.html]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 本家ローグを『ドラクエ』風に見事にアレンジしローグライクRPGを世間に知らしめた『トルネコの大冒険』シリーズの3作目で、現在シリーズ最終作。~ リメイクを除いた『シレン』シリーズを含めれば、『[[シレン外伝>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/87.html]]』以来の8作目。~ 今作はトルネコとその息子ポポロが前半後半に分かれて冒険をするというドラマチックなストーリーや、レベル継続やモンスター仲間など斬新な新システムが売りにされていた。 ---- **新システム 前述の通り「仲間システム」「レベル継続」「モンスター仲間システム」「敵にもレベルの概念」といった斬新なシステムが多数搭載されているのだが、同時に短所も山積みになってしまった。 ***クリア前ダンジョンとレベル継続システム ''クリア前ダンジョンで倒れてもレベルが1にならない''というシステムであり、発売前から物議を醸していた。~ -このシステムを採用した理由としては、 --初心者救済のために採用した説(製作者はインタビューで詰まるダンジョンがあってもレベル上げをすることによって楽になるだろうという意図があったと述べている)。 --ストーリーの長さに合わせてマンネリにならないようにした説。 --ダンジョンの個性を出す説(同じくインタビューで製作者は今までの場合は墓場や火山のダンジョンでも一階はスライムやももんじゃしか出せなかったが、継続システムなら一階からゾンビ系や水系の敵が出せると述べている)。 --ポポロの仲間システムに合わせた説があるが、一般的には不評だった。~ 理由としては、レベルを上げるための必要経験値が極端に高いこと。レベル上げが大変なので、一度ストーリーに詰まったら打開が困難である。~ アイテムも乏しい(合成できるのはストーリー終盤、優秀な装備が手に入らないなど)ので、だれる要因になりやすい。~ 何より多くの不思議のダンジョンファンは「クリア後のダンジョンが本番」と捉えているため、長いストーリー用のダンジョンを進めるのは苦痛になりやすい。 -レベルが上がりにくい仕様は、クリア後のレベル1から始まるダンジョンにも影響する。~ クリア後のダンジョンはレベルが上がりにくいことを前提に調整されている。詳しくは後述する。 ***仲間システム 前半のトルネコ編で2人のうちから1人選び、それと共にダンジョンを進む。~ 片方(正規ルート)は部屋全体攻撃や味方の回復ができたり、『シレン』シリーズの仲間と異なり無闇に敵に近づいて足を引っ張るといったことがないので、とても優秀で使いやすい。~ だが''仲間が倒れると強制的にトルネコも倒れた扱いになる''という点がネックである。~ うかつにワープの罠を踏めないのはもちろん、げんじゅつし(ワープ+かなしばり)の特技を受けただけでもゲームオーバーになる可能性がある。~ 優秀になったとはいえ、プレイヤーが仲間を気遣わなければならないので初心者にとっては非常に辛い仕様である。~ おそらくポポロ編のモンスター仲間システムのチュートリアルを兼ねての仕様だと思われる。 -もう片方の仲間は攻撃力が段違いで高いものの無闇に敵に近づいて犬死するタイプな上に、アイテム欄の半分を埋め尽くされるというペナルティがあるので性能は論外だが、クリアご褒美付きのキャラ(実質非正規ルート)なのでご愛敬である。 --ゲーム中においても何度も忠告されるので間違えて選択する事は少ないと思われる、ちなみに半分埋め尽くされるアイテムをダンジョンの中に置くなり使うなりして手持ちから失うと、倍速になって襲いかかってきたりする。 ***モンスター仲間システム 後半のポポロ編では、倒したモンスターが一定の確率で仲間になる。過去のシリーズでは例を見ないシステムである。~ 最大10匹まで連れて行けるのだが、人数が多いほどそれに対する気遣いが大変になってしまう。しかも倒れたらその冒険では二度と復活しないため攻略が大変である。~ 仲間にできる能力の代償として、ポポロ自身の能力に大幅な制約がかかっている。重要な点を以下に挙げる。 -トルネコが普通に装備できる武器や盾、矢を装備できない。装備できるのは爪と指輪のみ。つまり防御は常に0の丸腰。ワンミスが死に直結する。 -巻物を読めない。敵に囲まれた際に対応できるアイテムは、トルネコと比べて極端に減ってしまう。~ ちなみにリレミトの巻物は''床に置いて使用''する必要があり、ピンチのときにすぐ使うことができない。拾いなおすこともできないのでロストしやすい。 これらを見てのとおり、仲間がいなくなったら非常に危険になってしまう。仲間あっての仕様のため当然とも言えるが。~ モンスター仲間システムの一番の問題は、''仲間モンスターのほとんどが爆風を受けたら即死''してしまうことである。~ ポポロが地雷や大型地雷を踏んだだけで周囲の仲間が死んでしまうので、後述のクリア後のダンジョンでは''常時素振り歩きを強要される''。~ 敵モンスターが自爆する「メガンテの石像」のある部屋では''仲間が敵を倒しただけで即死''してしまうので、防ぐのは困難である。~ さらに「へんげの石像」のある部屋では、''仲間モンスターが敵モンスターに変化(実質即死)''してしまう。~ 防ぐには特定のアイテムを組み合わせるか、開幕でそれらの石像が出ないことを祈ることくらいしかないので、運ゲーに等しい。~ 地雷や先述の石像はクリア前のダンジョンには出てこないので、それが唯一の救いである。~ なお、地雷や大型地雷に限らずワープの罠や召喚スイッチもポポロの打たれ弱さを考えると致命的な罠なので、爆風で即死するモンスターがいなくても素振り歩きする必要がある。 ***敵のレベル 本作で大きく目立つようになった概念。『トルネコ』シリーズでは1作目から採用されていた要素であるが、従来ではどの敵もレベル1時の強さで出現するのがデフォルトだった。~ -ちなみにそれまで敵のレベルが上がった状態を見るには、同士討ちで他のモンスターを倒させることが必要。レベルが上がると攻撃力と経験値が倍増し、危険は伴うが実入りも確かなものであった。 本作においては新しい試みとして、同じ敵でもレベルが上がった状態で現れ、あるダンジョンでは弱かった敵が意外な強敵として再び立ちはだかるといった要素が盛り込まれている。 -例:弱いモンスターである「メガザルロック」が、クリア後ダンジョンの終盤では高レベルで出現してくるなど。 ただ、そういう敵を倒しても従来作と違って経験値が倍々ゲームで増えてくれないために、強さに反して経験値が極端に少ない敵が増えたように思えてしまうという弊害もある(エリミネーターなど逆もしかり)。本作を遊ぶ場合はそういうバランスだと割り切るしかない。 -クリア後のダンジョンの1つである「不思議の宝物庫」の下層では、ただレベルの上がった同じモンスターが出続けるだけであり、変化に乏しいと批判されている。 ---- **ゲーム全体の仕様 ***3D化 今作でキャラの3D化が実行されたが、その弊害かモーションがもっさりしてしまった。~ 攻撃のモーション、武器盾装備時のモーション、道具を拾うときのモーション、壺に道具を1つ入れるたびに入るモーションなど''全てにおいてもっさり感たっぷり。''~ 攻撃のモーションの遅さのせいで「罠チェック」という剣を振って罠を見つけるテクニックが非常に面倒に。そして罠発見したのに出現が遅すぎて''うっかり踏んでしまう''ということが多発。 -しかしそのグラフィック自体は当時としては非常に高いレベル(''次世代機レベルとも'')。だからこその弊害であるが。 -3Dでなくても、武器盾指輪装備時のモーション、道具を拾うときのモーション、壺に道具を1つ入れるたびに入るモーションなどは明らかに蛇足である。 ***視界について 今作の特徴のひとつに、通路での視界が従来の3×3マスから5×5に変更されたことが挙げられる。~ ■■■■■■■     ■■■■■■■ ■■■■■■■     ■□□□□□■ ■■□□□■■     ■□□□□□■ ■■□主□■■  →  ■□□主□□■ ■■□□□■■     ■□□□□□■ ■■■■■■■     ■□□□□□■ ■■■■■■■     ■■■■■■■ この仕様変更により、通路ではダッシュをしないことで敵から先制攻撃を受けにくくなった。~ だが代償として敵の攻撃力が高めに設定されているので、基本的に先制されてはいけないゲームバランスになってしまった。~ 先述のモーションテンポの悪さもあり、慎重に進めるとかなりの時間を消費するようになった。 -このゲームバランスはクリア後ダンジョンで顕著に表れている。 -ダンジョンの階によっては、旧作同様視界が3×3マスになっている場合もある。その階では基本的に、敵の攻撃力が打ち止めになっている傾向にある。 ***店について 今作もダンジョン内でガーゴイルが店を開いていることがあるが、その仕様が従来と大きく異なった。~ 従来は部屋全ての領域が店であったが、今作は部屋の中のわずかな領域だけが店になった。~ 最小で3×3マスとその面積は非常に狭く、商品を買うか道具で消すかしないと自由にアイテムを売れない場合がある。~ 部屋の中に店があるという仕様上、当然敵の侵入を防いではくれない。買い物中に敵がわんさか来て囲まれたまま戦闘を強いられるのはまだマシな方で、~ 買い物中に部屋の外からきとうしやようじゅつしに杖を振られると、ワープされる可能性があるので問答無用で泥棒扱いされてしまう。~ 矢を打ちながらフロアを巡回する場合も、運がないとガーゴイルに命中して襲われてしまう。~ これらを批難する人は少なくないが、逆に今までの仕様がぬるすぎたという意見もある。 ***石像システム 『[[風来のシレン2>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/95.html]]』の土偶とほぼ同じシステムだが、先述の「メガンテの石像」や「へんげの石像」を見て分かるとおり、今作は嫌がらせ要素がかなり強くなっていることが特徴。さらに以下のような石像がある。 -「ビッグモアイの石像」部屋内のキャラ単体に15のダメージを与えて石像が位置を変える。壊すのがとても大変かつ面倒。 -「罠増殖の石像」部屋内に次々と罠が設置される。 -「スポットの石像」部屋の視界が暗くなる。他の石像と併合されると極めて危険。シレンのやみふくろうのような存在だが、敵にも効果がある。 -「転びの石像」部屋のキャラがランダムで転倒する。シレン2と異なり、''モンスターは基本的にアイテムをドロップしない''。 -「すいとりの石像」部屋にいるプレイヤーの装備をすいこんで丸腰にしてしまう。''プレイヤーにとって完全にデメリットしかない。'' このように、メリットよりもデメリットが大きい石像ばかりになってしまった。これらの大半はクリア前のダンジョンには出ないので、それが救いとも言える。~ 一応完全にプレイヤー有利な石像も存在するが、その中の2つの石像(倒れた敵がお金になる「ゴールドの石像」、拾ったアイテムが識別される「インパスの石像」)は、出現ダンジョンが一つだけな上に実用性がほぼ皆無であるので存在意義を疑う。 ***アイテムの呪いについて 呪われた武器・武器・指輪は印などの特殊効果が発動しなくなった。~ これにより「未識別の指輪を装備するリスクの減少」「だいまどう(『シレン』で言うところのゲイズ)対策に装備を呪うデメリットの増加」~ 「さきぼそりの剣(『シレン』で言うところの使い捨ての剣)や使い捨ての盾をわざと呪わせて活用する」など従来とは異なる攻略法が生まれた。 だが呪いに関して最も特筆すべき点は、拾った草・巻物・杖が呪われているか否かが分からないことである。~ 従来では拾った道具はたとえ正体が分からなくても呪いや祝福の有無が分かっていたが(例:タヌキの絵の巻物、赤い草)、~ 今作ではたとえ正体が判別済みでも呪いや祝福の有無が分からない(例:バクスイの巻物(フォントカラーが黄色なので、呪いか祝福か分からない))。~ これにより「ピンチで使ったバクスイの巻物が発動できずに倒される」などの悲劇を経験したプレイヤーが多い。~ 呪いや祝福では値段が変動しないので、店での判別ができないのもつらい。~ だがフォント黄色の道具はピンチでは使わない、事前にインパスをかけて判別する、杖であれば事前に振って確認するなどの対処はあるので、~ プレイヤーが気を遣えば悲劇を防げる場合が多い。~ この要素を「プレイヤーに不利でしかない」という理由だけで良しとしない者は多いが、~ 「完全不利だから採用するなと言われる筋合いはない」「プレイヤーの立ち回りを試されるので面白い」と捉える者も多く、賛否両論。~ この仕様は『[[シレン3>不思議のダンジョン 風来のシレン3 からくり屋敷の眠り姫]]』や『[[シレン4>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/447.html]]』でも採用されており、同作品のプレイヤーにとっても賛否両論。 ***印について 合成の能力に制限数がついたが(『[[シレン2>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/95.html]]』や『シレン外伝』などと同じ仕様)、印の順番は合成した順ではなく、印の種類によって固定されている。~ そのため、実用性に欠ける印が一番上に来ることもあり、強化値だけを移す合成がしにくくなった。~ 冒険中に特定の印を消す行為(序盤だけ「屍」の印を付けて、中盤に「屍」だけを外すなど)もできないので、メリットの薄い印は使いものにならない有様である。~ しかも(『シレン』シリーズには必ず存在する)印を消してくれる鍛冶屋が今作には存在しない点も批難される一因である。 印を付けた装備は名前を自由に設定することができる。地味ながら評価できる点である。シリーズ通してこの仕様はかなり珍しい。 ***モンスターハウスについて 従来ではモンスターハウスに入ると「地獄耳効果」(マップに敵が表示される、画面内に視界外の敵の姿が表示される)を得られたのだが、~ 今作ではその効果を得られなくなった。~ 敵に囲まれるリスクが増加することになるが、同時に緊張感も増え、プレイヤーの立ち回りがより重要になった。~ この仕様は『シレン3』や『シレン4』でも採用されており、同作品のプレイヤーにとっても賛否両論。~ ***インターフェースについて 『シレン2』や『シレン外伝』で採用された便利な仕様がことごとく採用されていない。あるいは劣化している。~ 快適さを求めるプレイヤーが多いだけに、批判の対象にされやすい。 -道具に付けられる名前の履歴に数の制限がある。アイテム数の多い異世界の迷宮では、名前の履歴が実質機能しない。 -未識別の杖に使用した回数が表示されない。 -壺の中身と足元のアイテムの交換ができない。 -iダッシュの廃止(2010年現在のシリーズ全てにも言える)。 -『[[トルネコ2>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/100.html]]』同様、アイテムを使うタイプの倉庫が存在しない。そのため、バイキルトの巻物を読んだり保存以外の壺の中身を取り出すには、リレミトの巻物を持ってダンジョンに入って道具を使うしかない。~ 当時の『シレン』シリーズでは全作で採用されている仕様であり、なぜ今作でも採用されなかったのか理解に苦しむ。~ 壺を中身ごと預けられるようになったのは進歩と言えるが、倉庫自体の容量は100個と、前作の250個から大幅に減少。管理が若干面倒になった。 一方で、シレンシリーズでも未採用だった便利な仕様も存在する。 -ダンジョンで倒れてもすぐに選択肢で再挑戦できるようになった(『トルネコ2』以来の仕様)。~ 「プレイヤーに何度でも挑戦させよう」という制作者の意気込みを感じない気もしない。 -マップに表示される通路と部屋が、色によって区別されるようになった。 -マップに、敵の足元のアイテムや罠が表示できるようになった。 ***即死要素の存在 今作最大の問題点と言われている「とじこめの壷」の存在。~ これは投げられた敵がその壷に閉じ込められるというものなのだが、''敵がそれを投げてきたら問答無用で即死(世界樹の葉すら効かない)という極悪仕様。''~ クリア前のダンジョンではリセットすれば済む話だが、クリア後のダンジョンでやられると貴重な装備を全て失ってしまう。これが原因でゲームを投げた人は非常に多い。~ -一応クリア後ダンジョンで入手できる指輪で予防できるが、それを入手するために潜るのが一苦労。 他にも、隣に地雷がある時に大型地雷を踏むと、問答無用で即死してしまう。~ 先述のワナ増殖の石像が存在するフロアでは、決して珍しい現象ではない。もっとも''何らかの割合ダメージの爆発物を1ターンに2連続で食らうと即死''という仕様は原因や仕様、または対策方法に若干の差こそあるもののチュンソフト製ローグライクでは初代シレンを除いてシリーズ恒例ではあるが。 ***本編の難易度の高さ もうお察しの通り、今作は本編自体の難易度が歴代でも1,2を争うほどに高い。~ 序盤からすでに上記の仲間システムの仕様とも相まって常に仲間の状態や安全を管理し、かつ自身の安全も確保しないといけないという手加減など知らないと言わんばかりのバランス。~ 敵の攻撃力も全体的に高めになっており立ち回りやアイテムの使用タイミングなども適当にやっていては確実に痛い目を見ることになる。~ このため、油断した隙に画面外からワープ攻撃で飛ばされ自分や味方がタコ殴りにされて終了、大型地雷を踏んでしまい瀕死状態のユニットに遠距離攻撃が飛んできて終了、と言ったケースが普通に起こり得る。~ 2人きりのトルネコ編でこれなので、仲間が増えるポポロ編では更に難しい立ち回りを要求され、敵の強化傾向もより激しいものになる。~ スタッフが述べていたレベル上げによる救済も相当の時間がかかる上、基本的な難易度が高すぎるため正常に機能しているとは言い難い。~ もっとも、今作のクリア後ダンジョンのことを考えれば''これでもまだチュートリアルと言える難易度である。'' ---- **異世界の迷宮(クリア後ダンジョン)について 今作を評価したり語る上で最も欠かせない要素、シリーズ恒例の「もっと不思議のダンジョン」である。~ 歴代「もっと不思議」の中で1,2を争う難易度の高さと言える。~ そして従来のもっと不思議とは特徴が異なる点が多い。~ ***救済措置の無さ、自由度の低さ 従来のもっと不思議には、ゲームが苦手なプレイヤーでもクリアしやすくなる要素(分裂の壺、モンスターの壺、吸収の壺など)が用意されている場合が多いのだが、今作にはそれらが一切ない。~ それどころか、「透視の指輪」や「盗賊の指輪」、「妖剣かまいたち」などシリーズ恒例の便利アイテムも一切存在せず、合成モンスターも出てこないため、常に厳しい立ち回りを必要とされる。~ 一応、二フラムの巻物(『シレン』で言うジェノサイド・ねだやしの巻物)や魔法の矢(命中しても床に落ちるので再利用できる)などの便利アイテムもあるのだが、滅多に入手できない。 -ニフラムの巻物は読めば白紙の巻物で代用可能だが、出現する可能性のある階が31F以降な上、出現率も非常に低いため廃人レベルではないと入手できない代物。その一方で使えるようになれば''特定の層にいる要注意モンスターはもちろん、アイテムに化けているミミックや人食い箱でさえ消せるため大幅に難易度が下がる。''その意味ではバランスは取れているのかもしれない。~ 敵の特技を防ぐ装備もほとんど出てこないため、道具の消費で対処することがかなり重要になった。 -透視に関しては、「敵の先制を防げる」「嫌な特技持ちの敵を事前に対処できる」「敵との戦闘機会を減らせる」「敵に囲まれにくくなる」「モンスターハウスの位置を把握できる」~ と他の指輪が霞むほどの強力な効果があるので、廃止されたのはやむなしという意見も多い。評価の高い『[[トルネコ2GBA>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/284.html]]』や『シレン外伝』の「もっと不思議」でも、透視は出てこなかった。 ***敵の配置とステータス 先述の視界の仕様変更もあり、序盤から高い攻撃力を持つモンスターが多く、ワンミスが死に直結しやすい。~ 従来シリーズでは有り得なかった''大部屋モンスターハウス確定フロアが4つもある''ので、それに対する準備も不可欠である。 そして敵のレベルシステムにより、通路の視界が3×3マスになった辺りから弱いモンスターが出現し始めるなど、『シレン』シリーズではまず見られない配置になっている。 -例:16Fに強いモンスター「ハエまどうLv.1」、36Fに弱いモンスター「はねせんにんLv.6」など。 -「レベル継続システムのせいでレベルが上がりにくい」という批判もあるが、先制されずに進めばレベルを底上げせずとも進めるバランスである。~ 視界が悪くなるあたりで敵の攻撃力が減少傾向になり、敵の攻撃力が上がる辺りでは経験値も大幅に上昇する。~ 逆に言えば、通路の視界変更のせいで攻略しにくくなったとも言えるが。ダッシュができないためにテンポの悪さに拍車をかけたのも痛い。 ***異世界ポポロについて トルネコだけでなくポポロでもそのクリア後のダンジョンに挑めるのだが、驚くべきことに''両方とも同じ構成でありながら全く違ったバランスに仕上がっている''。ある意味芸術的。~ 地雷と大型地雷と開幕(モンスターハウス、メガンテの石像、へんげの石像)の被害に遭わないように攻略するわけだが、~ 仲間になるモンスターは実用性が高い者と全く役に立たない者に分かれており、両極端。~ 階層によっては、仲間が全滅するとまったく立て直せないことも。 モンスターの配置されたフロアについても、~ ''おおめだま(部屋全体混乱)→カニ(状態異常無効)→パワー系→爆発系→ドラゴン系(爆発無効)''~ と完全に嫌がらせ。爆発系のフロアまでに仲間になるドラゴン系モンスターは戦力外である点も憎い。~ ~ このダンジョンでは6匹の限定モンスターがいるが、特筆すべきは90F以降に登場するダースドラゴンである。~ 仲間を全滅させるに充分な能力を持つ上に、素の状態で仲間にできる確率は1%未満。捕獲するのも逃げるのも一苦労である。~ 『シレン2』や『シレン外伝』のアークドラゴンとは異なり、仲間になってもフロア中の敵に炎を吐いてくれるので、苦労に似合った性能なのかもしれない。~ ~ ちなみに異世界ポポロをクリアするのに必要な平均時間はなんと40時間。異世界ポポロが廃人ゲーと呼ばれる所以である。~ 素振り歩きをしなければ大幅に短縮できるが、完全に運ゲーなのでお勧めできない。~ では異世界ポポロの片鱗をご賞味ください。 &nicovideo2(http://www.nicovideo.jp/watch/sm2429895) &nicovideo2(http://www.nicovideo.jp/watch/sm2430024) ***異世界の迷宮総評 以上のように''完全にコアユーザー向け''である。従来作に比べ大味さは大きく薄まった一方で、''己の知恵と経験が大きく試されるという意味''では、バランスで言えばこの路線の方が取れているという声もある。~ この「異世界の迷宮」の完成度は非常に高くたくさんの廃人を生み出したことで有名であり、''これ単体の攻略Wikiまであるほど。''~ しかし難易度の上げ方を間違っているなどという批判も。~ 前述の批判の源としては、従来の作品のクリア後ダンジョン群と比べて、純粋な難易度の増加に加え''有益アイテムやモンスター、仕掛けの出現が大きく規制されたことによる~ 「安定感・自由度・逆転要素の低下」も加わっているのが大きな要因''のひとつと思われる。これは本作以前のナンバリング作品において、強力なアイテムやテクニックを駆使してパワープレイも嗜んできた層にとっては、難易度の高いプレイができる一方、そういった遊び方がしづらい点が引っかかるところだろう。~ 一方で、安易な抜け道や救済措置の存在に否定的な者、縛りプレイを強要されたくない者、低階層でクリア確定といった状況になってほしくない者も多く、そういった者達が本作を支持しているのも事実である。~ 異世界の迷宮のバランスの方向性を支持するか否かで、この作品の評価が大きく変化すると言える。 -従来作では「浮かれていたらワンミスで呆気なく死亡」というのが多かったものの、本作では「ジリ貧に追い込まれて頑張った挙句死亡」というケースも多いらしい。~ この点については複数ナンバリングのもっと不思議のダンジョンを遊び比べて、倒されたときとそれまでの道のりを比較できる人間の登場が待たれる。 ---- **その他 -異世界の迷宮に登場しない一方で、持ち込みありダンジョンでは実用性に欠けるアイテムも多い。 --如意棒、妖剣かまいたち、キラーヘッド、受け流しの指輪、などなど。 -クリア後のダンジョンでは入る前に自動的にセーブする仕様であるため、リセットが効かない。(中断せずリセットすると失敗扱い) --停電など、故意のリセットでなくても冒険が終了してしまう。これは最近のシリーズにも言えることではあるが。 --今作は入手困難な装備品(石像よけの指輪、盗賊の指輪など)が多いため、持ち込みありのダンジョンで一度死んだらもう装備品の復活は困難。 -シナリオは売りにされていたもののどこかにあるような話であり普通。 --だが悪い点もいい点もなく非常にシンプルなシナリオであり、空気と化しているため、ほとんど話題に上がらない。 ---元々不思議のダンジョンシリーズはシナリオよりもゲーム部分を大きく楽しませることがポイントであり、正しい方向性といえる。またそうでなくても後半の展開は中々緊張感があるものとなっている。 -保存の壺がたくさんありすぎてめんどい ---- **総評 今作は非常に高い難易度であり、ライトユーザーに「理不尽なマゾゲー」と激しい批判を浴びてしまった。~ 『シレン』シリーズなどをやりこんでいる上級者ファンからも、難易度の方向性の違いにより「徹底的に調整されたバランスで大変な好評」あるいは「過度の締め付けで自由なプレイスタイルを奪った」と賛否両論。合う人にとっては「1000回遊べるRPG」といった感じであろうか。それでも、ストーリーの長さやインターフェースの劣化、テンポの悪さなど擁護の余地がない問題点が多いのも事実である。 さらに悪いことに、インタフェースの劣化は後のシレンシリーズにも引き継がれてしまい、特に『シレン3』ではその他多くの問題点が継承され、悪化してしまったことから、言いがかりに等しいが「『トルネコ3』のせいで『シレン』シリーズが崩壊してしまった」と主張するシレンファンが出てしまう始末であった。 『トルネコ』シリーズはこれをもって終了し、[[少年ヤンガス>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/623.html]]に移行した。開発はキャビア。 余談ではあるが、本作の特徴の多くは「ポケモン不思議のダンジョン」シリーズに多く継承されるも、難易度の低下・独自システム導入・ポケモン選択によるプレイヤー自身での難易度調整の余地の拡大などをもってマシな形となった。 // ~をやたら使うと読みづらい。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: