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*キャンペーン版 大戦略II（PCE）
【きゃんぺーんばん だいせんりゃくつー】
|ジャンル|ウォー･シミュレーション|~|
|対応機種|PCエンジン スーパ－CD-ROM2|~|
|発売元|マイクロキャビン|~|
|発売日|1992年5月29日|~|
|定価|7800円|~|
|分類|''クソゲー判定''|~|
|ポイント|戦闘結果が狂っている&br不具合だらけ、発動しない各仕様&br遅すぎる戦闘画面&br前移植作にも完全に劣る&br未完成品の地雷|~|
作成中
//執筆者は、大戦略シリーズはPCE版のこの2ゲームしかプレイ経験なし。PC版については攻略本で知識があるくらい。そのため「劣化移植」であるのかは判断できませんでした。
*概要
-システムソフト発売のウォー･シミュレーションゲームの移植。
-タイトルからは一見「大戦略II」の発展形のように見えるが、実際はSUPER大戦略の発展形と考えた方がいい。
-SUPER大戦略から何が発展したかというと、1.10シナリオからなるキャンペーンモードの新設。勝利条件を満たすと次のシナリオに進めたり、経験値を次のシナリオに持ち越したりできる。2.航空機の武装交換。空港での補給時に例えばAAMミサイル+機関砲と爆弾+機関砲の交換が可能。3.艦船ユニットの新設、4.間接攻撃の新設。2-7ヘックス離れたユニット相手に攻撃ができ、反撃を受けない。等がある（他にもあり、随時説明）。
-このゲームの移植を行ったマイクロキャビンは、SUPER大戦略のPCEへの移植も行っている（以下前移植作、1990年04月27日発売）。前移植作は、少なくともまともに遊べる出来であった（データをセーブすると、それまでにあったすべてのデータが警告もなしに消えるというトンデモ仕様があったが）。しかし今回の出来は…。
*問題点
-''複数攻撃判定武器の威力がおかしい。''いかれている。
--複数攻撃判定とは、「爆弾」「機関砲」「機銃」「ロケット砲」が地上兵機を攻撃した場合、複数の攻撃判定があるというもの。そのため表示されている攻撃率より高い破壊力を持つ、というもの。
--''表示されている攻撃率の数倍の威力を示す''のである。以下に例を挙げる。物には限度というものがある。
--航空機の機関砲や（基本的に対空用）、多くの地上兵機に搭載されている機銃で主力戦車を攻撃しても、表示上は10%未満の攻撃率である。
---ところが実際は、かなりの確率で複数の兵器が破壊され、著しい時には5台以上やられる。
--表示される攻撃率が10％を超えると、全滅の可能性すらある。5台以上やられる可能性は半数くらいある。例えば輸送ヘリのロケット弾や、対空機関砲が主力戦車を攻撃した時。特にたちが悪いのが、ソ連の対空ヘリである「ホッカム」。これの機関砲を地上兵機が受けると、5台以上破壊されるのが当たり前なくらい。表示上の攻撃率が10~20%であるにもかかわらず。
--これらより威力が高い爆弾で攻撃を受けると、簡単に全滅する。
---こういう結果が多発することより、''主力戦車や対地ミサイルを持つ車両が非常に使いづらくなっている。''カモのはずの補給車や対空車両、自走砲などを攻撃してあっという間に補給しなければならないダメージを受けるのはおかしいだろう。
--航空ユニットの対地攻撃はATMミサイル以外は爆弾、機関砲、機銃、ロケット砲と複数攻撃兵器ばかりなので、''直接攻撃の対空車両がほとんど使い物にならなくなっている。''間接攻撃の対空ミサイルがない生産タイプは、非常に苦戦することになる。
--主力戦車は地上戦では非常に強い（物によって異なりはするが）とか、戦闘機は対空戦は得意だが対地攻撃は苦手、等兵器によってそれぞれの役割があるのだが、おかしな戦闘結果が多発することにより、役割がめちゃくちゃになってしまっている。
--なお、複数攻撃兵器以外の兵器でもおかしな結果が出ることがある。爆弾で地上兵機を攻撃しても全く効果がないなど。これは何とか我慢できる範囲内ではあるが。
-''不具合だらけ''
--間接攻撃は、時々外れることがある（隣のヘックスに落ちる）。このとき攻撃した間接攻撃兵器の経験値が高確率で狂う。F（最低ランク）→A（最高ランク）になるのなら嬉しいが、レベルアップしていた場合は、レベルが下がることがある。
--経験値の高いユニットが低いユニットを攻撃した場合、時々先制攻撃ができる仕様が追加されている。これは、経験値が高いユニットがまず一方的に攻撃を行い、次に残った経験値が低いユニットが反撃を行うというもの。
---PCE版でも発動することになっている。ところが実際は戦闘画面の挙動がおかしくなるだけで、発動していないのと同じ戦闘結果になる。
--同盟破棄時の挙動がおかしい。
---同盟という概念も今回追加されたもの。同盟国同士では交戦することがなく、都市や補給車から補給を受けることができる。
---同盟国のユニットを攻撃すると同盟破棄になる。本来ならその時点で同盟国を攻撃した側のフェーズが強制終了になり、同盟国領土にいたユニットが破壊されることになっている。説明書にもそう書いてある。
---それなのに、同盟破棄以外何も起こらない。
-何度も固まる戦闘
--戦闘になると、画面は以下の通りに動いていく。
---戦闘画面に切り替わる→双方の兵器の一枚絵が表示される→アニメ画面が表示される→兵器が弾を発射する→やられた兵器が爆発する
--''この全ての過程で画面が固まる。''全てがロードのためであるのかは不明。
--特にひどいのが「双方の兵器の一枚絵が表示される」ところ。1枚当たり10秒以上かかることはザラ。全過程で30秒以上かかるのが当たり前。
---なお前移植作では、戦闘画面の途中で固まることはなかった。
---しかも、グラフィックは前移植作より良くなったとはいえない。
--戦闘画面を表示させないこともできるが、上記の通りおかしな戦闘結果が多発するので、表示させないことは勧められない。
-他の問題点等
--航空機が一切武装交換をしない。武装交換できる航空機の初期状態はAAMミサイル主体の武装になっている。対空攻撃が強いものならまだマシだが、対地攻撃が得意で対空攻撃が苦手な航空機さえも、爆弾を搭載することがない。これは移植元でもそうらしい。
--生産タイプのエディットができない。それだけならまだいいのだが…。
---前移植作では、数十の生産タイプがプリセットされていた。ところが本作品では、移植元のプリセットの12生産タイプからしか選択できない。
---本作品が発売された時点で、「ソ連」「ワルシャワ」「東ドイツ」は既にないのにもかかわらず、何の配慮もないとは…。
--AIが馬鹿。既に首都に敵が迫っているというのに、輸送機を生産しそれに兵器を搭載し、その場で撃ち落とされたりしている。
--マップ画面は割とグラフィックがきれいだが、表示される範囲が狭い。
--積極的に評価できる要素は何もない。まともなのはBGMとキャンペーン版のビジュアルぐらい。
*結論
-おかしな戦闘結果多発、不具合多数であり、''「未完成品」「ウォー･シミュレーションとして破綻している」''と言われても仕方ない出来。
-そして、''前移植作より明らかに出来が悪い。''スーパ－CD-ROM2にバージョンアップしているのに関わらずだ。
-''「クソゲー」「地雷」''と言うにふさわしい。
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