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*悪魔城ドラキュラ 漆黒たる前奏曲
【あくまじょうどらきゅら だーくないとぷれりゅーど】
|ジャンル|アクション|&amazon(B000069TXY)|
|対応機種|ゲームボーイ|~|
|発売元|コナミ|~|
|開発元|コナミコンピュータエンタテイメント名古屋|~|
|発売日|1997年11月27日|~|
|定価|3,980円|~|
|分類|''クソゲー判定''&br()''特定ファンにとって黒歴史のゲーム''&br()一覧では前者に指定|~|
|ポイント|シリーズ史上最短の鞭&br()ひたすらごり押しでクリア可能&br()手抜きドット絵の主人公&br()コナミが「黒歴史化」をはじめるきっかけに|~|
|>|>|CENTER:''[[悪魔城ドラキュラシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/511.html]]''|
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#contents(fromhere)
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*概要
-GBにおける前作の[[ドラキュラ伝説II>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/706.html]]から年月を経て発売された作品。ポケットモンスターの大ヒットを受けて一度は廃れていたGBが再び脚光を浴びたため、コナミが数年ぶりにGBでのゲームリリースを再開したのである。ドラキュラシリーズにおけるいわゆる「エピソード1」で、加えてシリーズ初の女性主人公であった。雑誌に掲載されたしょぼいドット絵やルビ無しでは到底読めない妙なタイトル名、開発元が当時無名のKCE名古屋など、発売前から若干のクソゲー臭も漂っていた。そして発売された作品は事前予想を上回る低いゲーム完成度だったのであった。
*問題点
**ゲーム性
-ドラキュラシリーズ史上最短の鞭。
--主人公のメイン武器の鞭が、まるで棍棒かと思うほど短い。その短さたるや、鞭レベルMAX状態でも前作の初期状態(皮の鞭)どころかアルカード(月下)のサーベルよりも短いという有様。鞭レベルMAXで前作同様、鞭の先から低攻撃力の炎が飛ぶのが唯一の救い。
--しかも本作には十字架や聖水などのサブウェポンがなく、代わりに「ソウルウェポン」と呼ばれる魔法攻撃があるもののこちらは面クリア時にしか手に入らない上に1面が時間停止効果・2面が回復効果なので、結局少なくとも3面クリアまでは棍棒鞭一本で攻撃するしかない。
---また、風のソウルウェポンが時間停止だったりアイスが体力回復など、属性と効果がまったく噛み合っていない。作った人は何を考えていたのだろうか。
---なお今作では十字架や聖水などのアイテムはある事はあるものの、こちらは「真エンディングのためのコレクションアイテム」というまさに単なるアイテムという位置づけとなっており、武器として使うことは出来ない収集目的のみのアイテムとなっている。
-動きは相変わらず遅い
--前作から大分年月が経っているにもかかわらず、主人公の移動速度は相変わらず遅い。前作・前々作が液晶背景のちらつき防止などの技術的側面が大きかったのに対し、本作は後述のバーニングモードで大幅な高速化が可能であるが、敢えて通常の移動速度は前作までを引き継いでいる。
--加えて今作はジャンプ中の挙動制御が可能となったが、このジャンプ中の挙動がシビアかつリニア過ぎで、しかも本作では十字キーを押す力を少しでも弱めると途端に主人公が垂直落下モードに突入する特性がある。それゆえ、「ロープにつかまろうとジャンプ→十字キーを押す力を誤る→そのままロープと足場の間に垂直落下して死亡」という[[スペランカー]]さながらの光景も見られた。
-ヌルすぎるゲーム性
--今作では体力14に対してボス以外の敵から受けるダメージのほぼ全てが1で、アクションゲームでありながら十数発も攻撃を耐えることができる。
--よって後述のバーニングモードも相まって殆どの箇所がゴリ押しで切り抜けられるため、詰まることが少ない代わりに達成感がない。しかもソウルウェポンの中には「ハートを20消費してHPを全回復」という凄まじいものがあり、加えて敵の配置やルーチンが従来より易しめなために、後に本作は「''ヌル魔城''」と揶揄されることになった。
-ゲームバランス崩壊のバーニングモード
--本作はA+Bボタン同時押しで、約10秒間完全な無敵状態をキープできる特殊能力「バーニングモード」が発動する。一度発動すると面クリアか1ミスまで再使用ができないとはいえ、発動と同時に超高速化+完全無敵とボス戦などで発動すると絶大な効果を発揮するので、特にボス戦は例外なく「バーニングモード発動→ひたすら殴る」で攻略が可能。元々の難易度がヌルなのも相まって、本当に攻略法もへったくれもない状態となっている。ほとんどのボスはバーニングモード発動したソニアにタコ殴りにされ瞬殺されることであろう。
--なおバーニングモードはA+Bの同時押しで発動するため、操作ミスで発動してしまうこともある。
**グラフィック
-ドラキュラ伝説IIから5年以上が経過しているにも関わらず、前作を超えるどころかGB初期クラスのグラフィック。
--コナミのGBソフトと言えば、モノクロ液晶によるカラー不足を半端ないドット描き込みで補完するのが伝統であったが、本作のドット絵はセンスゼロの貧相さで、GB後期のコナミ作品としては逆の意味で「半端ない」。いったんGB開発から撤退していただけに、急遽突貫工事で作りました感ありありであった。
-前作がグラデーションによる濃淡を巧みに利用して、限られた描画性能の中で最大限に雰囲気を演出していたのに対し、今作はオブジェクトと背景の境界線をはっきりと濃い線で区別しているため、細かい部分で緻密な書き込みができなくなった点が大きい。画面が単色なので見易いように配慮したともとれるが、その結果がこれでは意味がない。
--特に骸骨系のモンスターは潰れたようなグラフィックになっており、非常に滑稽。
--また、主人公は三つ編みの少女の設定であるが、ゲーム画面上のドット絵ではラーメンマンみたいな辮髪の拳法家のようにしか見えない。グラフィックデザイナーの力量の無さがうかがえる。
--あまりにも見栄えの悪いグラフィックを悲観した有志の手により、[[''非公式のグラフィック改善パッチ''>http://members2.jcom.home.ne.jp/revelation12/chika_souko/sayoben.html]]まで作られたほど。
---上記はミラーサイトであり、製作者のサイトでないことに注意。
**ステージ
-極めて長い、そしてダレる面構成。
--上記のとおりステージはヌル魔城仕様で簡単にごり押しクリアが可能。そのくせ一面ごとが異様なまでに長く、従来のシリーズと道中の所要時間を比較すると実に2倍以上。
--ボリュームが多いのは良いことだが、ステージ数を増やすのではなく、ステージの長さに反映したため、代わり映えのしない構成の面を延々と練り歩くことに。戦闘の簡単さと相まって単調この上ない。
--しかも道中にアイテム入りの蝋燭が大量にあるがその中身の推定9割が小ハートで、叩く時はドキドキ感どころか作業感しかしない。ウェポン系の存在しない初代ドラキュラ伝説でももう少しバラエティに富んでいたのに…。
---一方で本作では「叩くと罠が発動する蝋燭」というものがあるものの、こちらはアイテム入り蝋燭と色が異なっているため簡単に識別可能。1箇所だけ隠し面への入り口が開くギミック蝋燭があるものの、こちらは叩いたところで隠し面への入り口の場所が判りづらい。
**ストーリー
-主人公が(歴史上初めて)ドラキュラを倒すという王道ストーリーであるが、今作ではそこに恋人的ポジションとしてアルカードを登場させるというハリウッド映画ばりの恋愛設定無理やり挿入感が漂う。
-主人公ソニアはベルモンド家の始祖(ただしソニアの祖父はいて鞭はその祖父から譲り受けた)であると同時に、コレクションアイテムを集めた方の真エンドでは闇の血脈を継ぐ赤子を産んだ、ということになる。アルカードとの子であるとは明言されていないものの、元恋人という設定だけにその可能性は高いと思われる。また赤子の名前も作中では不明なままであるが、ラルフ=ベルモンドではないかとの説がある。これは今作の開発途中で今作の舞台がいったんは悪魔城伝説の前の1450年とされていたからであるが、これはすぐ後に撤回され、結局今作の舞台年代は取り扱い説明書でもゲーム中でも書かれなかったので不明である。
--アルカードとの間にラルフが生まれた説だと歴代のベルモンドは「全てドラキュラの末裔」であり、ラルフは父・アルカードと共に祖父・ドラキュラを倒したことになるなど、シリーズの世界観がひっくり返るような妙な設定となってしまう。
--今作のストーリーについて後にコナミ側は「そもそも無かったことにする」という措置を採った。後に作られたストーリー歴史年表に今作は掲載されなかったのである。以後コナミは各作品で、「都合が悪くなると無かったことにする」を連発するようになった。そういう意味で「コナミの黒歴史化」の端緒となったゲームともいえる。
---最初から外伝・パラレルであることを前提に作られている作品は他にもあるが、本作は元々は外伝ではなく正伝だったが、後付けで黒歴史に押しやられた作品である。こういった行為には批判の声も多い。
*賛否ある点
**BGM
-音楽もクソという評価から、音楽は普通以上、という意見まで様々。
--ドラキュラシリーズの名曲こそ「Bloody Tears」「Vampire Killer」のアレンジが収録されているものの、GB音源でのアレンジには多少の無理があったためか、他作品のアレンジと比べて評判は決して高くは無い。曲以前にそもそも音質が前作と比べていまいちよろしくない。
--GBにおける前二作が音源の違いから据え置きシリーズの雰囲気を継承せず、GB独特の方向性を打ち出したのに対して、今作はGBの音源で従来のシリーズに近い雰囲気の曲作りに徹したことで単純な比較が難しくなったことが一因と思われる。
--なお、本作の音楽は2010年、シリーズの音楽をほとんど網羅した『悪魔城ドラキュラ Best Music Collections BOX』にてようやく初CD化された。
*総評
-一つ一つの要素自体は飛びぬけてクソというほどではないが、総合的なゲーム完成度の部分で相当の低水準となっており、特筆すべき評価点も存在しないクソゲーである。
-案の定本作は売れず、今日では中古ではおおむね1000円台で売られている。
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