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*ACE COMBAT ASSAULT HORIZON 【えーすこんばっと あさると・ほらいぞん】 |ジャンル|超音速・大破壊シューティング(フライトシューティング)|CENTER:&amazon(B005ADFSLS)&br()&amazon(B005ADFXWW)| |対応機種|プレイステーション3、Xbox360|~| |発売・開発元|バンダイナムコゲームス|~| |発売日|2011年10月13日|~| |定価|8,380円 (税込)|~| |分類|''賛否両論(ガッカリ)ゲー&brバランスが不安定なゲーム&br特定ファンにとって黒歴史''&br※一覧では賛否両論ゲーに指定|~| |ポイント|『COD』の皮を被った『エスコン』&brシナリオ・演出に振り回される&brリアリティ重視の割に不自然な部分多数&br''快適さ&自由度減''&br色々詰め込み過ぎるとこうなる&br良くも悪くも内容変え過ぎ&br''相変わらず猛威を振るうダウンロードコンテンツ''|~| |>|>|CENTER:''[[エースコンバットシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/843.html]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -有名フライトSTGの据え置き機版最新作で、通称『''AH''』。シリーズ国内第11作。久々の据置機である事、不評だった『X2』とは違いPROJECT ACES((プロジェクト・エイセス。『エースコンバット』開発チーム。))が開発を担当している事などから期待されていた。「''Rebirth''」のテーマを掲げ旧作からシステムや設定を一新し、''映画的演出''を取り入れた作品になった(ある意味この“映画的演出”が最大の評価点であり、同時に最大の問題点でもある)。 --“キャンペーンモード”は現実世界である事を最大限に活かしたものであり、別に現実世界でなくとも良かった『X2』と比べても大きな違いがある((尚、同じ現実世界ではあるが『X2』とはストーリーや設定に繋がりは無い。))。これは、ストーリー構成に海外の軍事小説家である“ジム・デフェリス”氏を招いて製作されているため。シリーズ恒例のトンデモ兵器やトンネルくぐりが無いのもそう言った理由からである((唯一“トリニティ”と言う架空の新型爆弾が登場するが、それ以外の架空の超兵器は一切登場せずトリニティ自体もあくまで新型爆弾と言う形に留まっている。))。 --ダメージを受けると画面が赤くなる表現や機体の自動回復機能、ドアガンナーのようなFPSを思わせるミッションなど、どうやら『コール・オブ・デューティ(モダン・ウォーフェア)』シリーズのようなFPSを意識している節がある。 --新たな戦闘システム“CRA(クロスレンジアサルト)”を採用。敵機との緊迫した至近距離戦闘を楽しめる“DFM(ドッグファイトモード)”と眼下の地上目標を殲滅する爽快感を味わえる“ASM(エアストライクモード)”があり、近距離戦闘において発生するダイナミックな破壊描写の数々はプレイヤーに強烈なインパクトを与えた。 --おなじみの戦闘機(攻撃機・マルチロール機)だけでなく、戦闘ヘリコプター・爆撃機・ガンシップ・ドアガンナーと言った様々な航空兵器を操作できるようになった。レシプロ機は兎も角、旅客機は流石に無い。 --過去作では無線内容に<<>>が付いていたが、何故か本作では名前に付いている。 --コラボレーションとして、『マクロス』シリーズでお馴染みのメカニックデザイナー“河森正治”氏がデザインしたオリジナル支援戦闘機“ASF-X 震電II((支援戦闘機という区分からも分かるように、航空自衛隊の新型戦闘機という設定。))”がDLCで配信されている。 -因みに蔑称は『''ア''サルト・''ホ''ライゾン』の頭文字を取って『''アホ''』。これは、ファンが本当に望んていた物に気付けなかったスタッフに対する失望の意ともとれる。 **評価点 -CRAは『トップガン』『ステルス』といった戦闘機映画の航空アクションシーンのような、迫力のあるダイナミックなシーンを演出するのに一役買っている。 --本作から兵器や建造物などにダメージ表現がなされるようになった。旧作では敵機を撃墜すると戦闘機などが“そのままの形状で”炎を上げながら墜ちていくのに対し、本作では撃墜すると文字通り機体の主翼や尾翼がもげ、多数の破口を生じ破片やオイルを撒き散らしながら墜ちていくのである。まさに作品コンセプトである「''もがれる翼の断末魔!''」を体現した演出であると言える。目の前で崩れ落ちる建築物、バラバラにもがれる戦闘機、真っ二つに折れて沈みゆく艦船など、「破壊のカタルシス」や爽快感を存分に味わう事が出来る。 -旧作と比較して低空での戦闘が主である為か、地上建造物などのグラフィックはかなり美麗。 --特に“オンラインモード”専用マップ“東京”の作り込みの素晴らしさは驚嘆の一言に尽きる。新宿、汐留、お台場といったお馴染みの地域は勿論、話題の新スポットである東京スカイツリーや東京ゲートブリッジ、『X2』には無かった東京ビッグサイトを始めとした有名建造物もちゃんと再現されている。 -デモシーンで視点を移動できるようになり、さながら自分自身がゲーム内に居る気分が味わえるようになった。 -参戦機体が15機しかいなかった『6』に比べ31機(ドアガンナー、ガンシップ含む)と、実に2倍近く増加している。更にDLCで8機が追加できるようになっている(DLCの問題点は後述)。 -音楽に関しては相変わらず評価が高い。『X2』とは異なり『エスコン』らしさもある。 --代表的な曲としては、雪降りしきるモスクワでの壮絶な地上戦を上手く表現した「Keep Alive」、メインテーマである「Gotta Stay Fly」をインストゥルメンタル調にした「Fighter」等。 -シリーズ初、自機・ミサイルの煙のカラーリングを自由に変更可能になった。また、スキルシステムを採用し、複数のスキルを組み合わせる事により航空兵器の性能を変化させられる(“キャンペーン”を除く)。 -オンラインは比較的好評。単なる撃ち合いだった旧作と違い、CRAを用いた攻防という新たな駆け引きが生まれた。 --「まるで透明なチューブの中を飛行しているようだ」と形容されるDFM(後述)や、「何回やっても同じルートで一方通行しかできない」と言われるASM(後述)も、実はオンラインだと攻撃するチャンスと撃墜されるリスクが表裏一体となった合理的なシステムになっている。 --現実の大都市を舞台に敵のHQを破壊しあう「首都攻防戦」が今回のウリ。ゲームの結果が反映される「ゲーム連動Web」によってさながら「バーチャル世界大戦」を体感することができる。 ---対戦の舞台となる都市も、“ワシントンD.C.”“モスクワ”“パリ”“マイアミ”“ドバイ”と有名な都市が一通り揃っている。更に後述する「オンライン強化パック」を購入すれば前述の“東京”と“ホノルル”の2都市でも対戦可能。 **賛否両論点 -戦闘ヘリ・爆撃機自体は目立った不満は無く中々の出来。しかし「『エスコン』と聞いて買ったのに何故戦闘機以外を操作しなきゃならないのか」という意見が無い訳ではない。 --では不満点が一切無いのかというとそうではなく、「爆撃機が三人称視点以外に出来ない」「ヘリが建物にぶつかっても無傷なのは不自然」といった不満はある。 -新たな機能として特定のシーンで△(Y)ボタンを押す事で動作を行う機能、所謂“ワンボタンアクション”が実装された。リアルタイムな状況描写が利点であるが、「『エスコン』に必要な機能か?」との声も。 --たまに押さないとミッションに失敗する場合もあるが、△(Y)ボタン固定の為簡単にクリアできてしまい緊張感が薄い。 -リアリティ追求の為か敵や一般人の無線は(回線の割り込み以外は)一切聞こえない。が、そのせいで「敵や一般人がどう思っているのかが分からずつまらない」と感じるファンも居る。 --実際、一部の主要人物しか台詞が入らない為、一般の敵機に人間味が一切感じられない。 -ウィリアム・ビショップはシリーズで初めて明確な人物設定がされた主人公となった。~ こういったキャラ構成も映画的演出に一役買っているのだが、一部の旧作ファンは「主人公=プレイヤー本人」という意識((今までの『エスコン』主人公は、プレイヤーに感情移入させる為コールサイン・性別などを除くプロフィールが設定されていなかった。))があり、主人公が赤の他人になってしまった事で感情移入が出来ず、拒否反応を示す者も少なからずいた。 --尚、シナリオ構成からもわかるようにプレイヤーはビショップ以外にも複数人を操作する事になる。 -コラボレーションとして登場した架空機“震電II”は賛否両論。河森作品をよく知るファンからは「河森テイストが出ていて良い」という声もあるが、そうでないファンからは「余りにも不格好過ぎ」という声も。 --しかも震電IIはゲームのみならず、設定資料集、小説、プラモ化など数々のメディア展開がされているという力の入れよう。よって後者のファンからは「だったら歴代架空機のプラモ等も出してくれ」という意見が多い。 -『6』では有料だった歴代エース機体カラーが(オンライン対戦によるアンロックが必要とは言え)最初から収録されている。カラーもメビウス中隊、ラーズグリーズ、ガルム隊、ガルーダ隊、アンタレス隊と揃い踏み…なのだが、あれ?''グリフィス隊は?'' -実質CRAはソロプレイではなくマルチプレイを重視したシステムになってしまった為、『X2』といい本作といい、最近のマルチプレイ偏重主義に「このままいくと次回作は『エースコンバットオンライン』になるな」と今の現状を揶揄するプレイヤーもいる。実際本作の場合“キャンペーン”にはその他の問題点も多い為オンラインにのみ没頭するプレイヤーも多い。 **問題点 ***そこかしこで感じる強制感 -プレイした者が真っ先に挙げる最大の問題点は「''快適さと自由度が低い''」という点にある。“キャンペーン”では「ここに行け」「ここで攻撃しろ」「ここでこの演出を見ろ」といった事を最初から最後までやらされる。快適も自由もない。 --一応過去作でも「ここへ行け」等のプレイを強制される部分があったが大抵はミッションアップデート後など1ステージ内で僅かにあるぐらいであった。 ---また倒さなければいけないTGTの数に対して一度に出てくるTGTがかなり少ないので、1~3機のTGT出現、撃破→別の場所で1~3機のTGT出現、撃破→別の(ry…っという具合に敵を小出しにしてくる(間に下記の強制的に見せられる演出が入る)、それがクリアまで何度も続く。更にTGTも基本的に密集し普通の敵も同じ場所にいる為尚更''自由度が低い''。 --もっさり感や変態機動など''多くの問題点を抱えた『X2』でも「プレイの快適さ」「自由に空を飛ぶ楽しさ」はあった''。後述のボタン配置などの問題もあり、プレイヤーによっては「''『X2』よりもクソ''」という人も。 -登場機体はカテゴリ毎に調整が加えられ、戦闘機は対空戦闘、攻撃機は対地戦闘しかできなくなり、マルチロール機専用ミッション、攻撃機専用ミッションなどのようにミッションの目的によって使える機体が制限されるようになった。確かにリアリティはあるのだが、「A-10で対空戦に挑む」「全ミッション同一機体縛り」といったネタプレイができなくなってしまった。 --『X2』では機動がもっさりしているなどと不遇の扱いだった攻撃機は、なんと“キャンペーン”では''たったの1ミッションしか使えない''。何とも不憫。 ---しかも何故か艦隊戦である。確かに艦隊戦も攻撃機の仕事の一つであるが、要塞戦や精密爆撃ミッションなどで使えないのは如何なものか。 -戦闘機(攻撃機・マルチロール機)は一応CRAを使用しない従来の戦闘もできるが、“キャンペーン”“フリーミッションモード”だとTGT_LEADとマークされている敵戦闘機は''DFMを使わなければ倒せない''((倒せる奴も居るが、大抵超機動や無限フレアで回避される。))。当然倒さなければ話が進まずプレイヤーは''DFMを強いられる''。おまけに一部のDFMとASMは飛行ルートが制限されており、全く同じ場所で破壊描写が発生する((展開の都合上イベントが一通り終わるまで追跡を続けなければ落とせない。ガンやミサイルを何発撃ち込もうが“絶対に”落ちない。イベント引き延ばしの都合上何度も回復し、黒煙を吹いていた筈の機体が追いかけっこの最中でいきなり無傷になる。なまじリアリティ重視なだけに違和感が強い。尤も、時間経過での自動回復は自機もなのでお互い様ではあるが。))為“自由に飛べる爽快感”は薄く周回プレイの意義が著しく低下する原因となった。映画的演出を取り入れた為に起きた弊害である。''CRAを強要しなければ良かった''のに。 --ラストミッションは強制感がかなり顕著、特にラスボスはDFMを使わなければミッションに失敗するどころか、DFM中の飛行ルート&破壊描写がやっぱり固定されており何回やっても同じプレイしかできない。宛ら''ジェットコースター''である。 --DFMを発動した状況によっては、時折敵機が“特定のルートに乗るために”地面や建物の中をすり抜けたり、海面スレスレで急速反転したり等のムチャな機動をする。当然敵機を追従している形となっている自機がどうなるかについてはお察し願いたい。 --場合によっては展開の都合上、DFMを使っても撃墜できないTGT_LEADまで出てくる。プレイヤーは指を咥えて見送ることしかできない。 --また、DFM中明らかに「4AAMか6AAMを使え」と言わんばかりに多数の敵戦闘機が目の前に''自分からやられに''出て来る。不自然。''どうしてもAAM搭載しなきゃだめですか?'' --TGTだけの奴はDFMを使わずとも倒せるが、一部の敵爆撃機はやっぱり一通りイベントが終わらなければ倒せない。こう言う時こそデモシーンでも使ってなんとか処理すればいいのに。 --ASMを発動中に、味方(敵)の破壊演出が挿入されるのだが、''これがスキップできない''。演出を見ている内にも自機は前進しているので「''演出が終わった時には破壊目標の上を通過していた''」なんて事も。何故スキップできるようにしなかった…。 ***ストーリー、ゲームシステムの問題 -ストーリーそのものはよくある“洋ゲーモドキ”の範疇を出ていない。ざっくりと言えば「ロシア人が起こしたクーデターをアメリカ人が鎮圧する」というFPSにありがちなもの。 --故に同じ現代戦を描き発売日が近しい『BF3』『COD:MW3』と比較される結果となってしまった。「『CODMW』シリーズをまるまる戦闘機に置き換えて真似しただけ」という意見もある(本来はジャンルが違うので一概に比較できるものではないが比較してしまう程酷い出来であると言える)。 ---特に発売時期が軍事ゲー2大作品とブッキングしてしまった為「所謂“軍事ファン”が大量にそちらに流れてしまった」と言う声もある。 -これ自体は『6』から言われていた事であるが、とにかく''1ミッションの時間が長い''。1ミッション20分超えもザラである。只『6』の場合1つのマップに複数のミッションが同時進行していた為、先に制空権を確保するか味方部隊を援護するか、といった戦略的要素があった。が、本作は終始「ここで攻撃しろ、次はここで攻撃しろ、次は(ry」の繰り返しなので何度やっても同じプレイしかできずひたすらにダレる。 -機体ダメージは、FPSよろしく画面の赤具合で示されるようになった(ダメージを受ける毎に赤くなっていく)。そしてこれまたFPSのように時間経過で回復する。自己修復する飛行機だと…? --要は「エースコンバットX2」のパーツ「タリスマン」が永久発動しているようなもの。 --一応最高難易度の“エース”では回復しなくなるが…。 ---これだけなら初心者にも上級者にも対応してると言えなくも無いが、「自動回復ありき」でゲームを作ったためか、難易度エースの場合は一部に問題が発生する。 -ミッション中、新システムを使う場面になると説明の為にゲームが一時的にストップする。なので一々プレイがぶつ切りになりテンポが悪い。''だったら“チュートリアル”として独立してくれ。過去作には在った''んだから。 --通常の操作確認もミッション中に(機体トラブルだの何だのと理由を付けて)イベントとして挿入される。初見ならまぁいいのだが、経験者や2回目以降のプレイとなると煩わしい。 ---その間は当然の如く敵がいなくなる。 -僚機の機体・特殊兵装が選べず、作戦中指示すらも出せない。特に戦闘機ではなんの為に“ガッツ”と言う相棒が居るのか。 --しかもガッツは2番機でありながらミッション中は''特に何もしてくれない''。プレイヤーが敵にDFMを仕掛けられようがミサイルを撃たれようが完全スルーである。そのくせ勝手に敵砲火の中に突っ込んでいって手を煩わせたり挙句ストーリー後半で撃墜されてフェードアウト。''何なんだお前。'' ---その上ウォーウルフ3・4に至っては名前すら分からないどころかビショップに頻繁に別行動を指示される為、居るんだか居ないんだかすらわからない。というか、ここまで来ると最早この2人はCO-OPミッション用の数合わせでしかないのでは? --というか、本作では全般的に味方が役に立っている感じがしない。 -ボタン配置の変更が自由にできない。特に飛行機の種類毎に操作方法が異なる今作では致命的である。おまけに''マップ切替と兵装切替のボタンが今作では逆''になっている為慣れるのに時間が掛かったファンも多いだろう。『X2』でもそうだったが、こちらの場合は自由に変更できた為問題は無かった。 -ブリーフィング・デブリーフィングが無い。特に前者が無いと具体的に何をしていいかが分かり辛く、自然と「とりあえず現れる敵を片っ端から潰す」ノリになってしまう。なぜこうなったのかというと、ブリーフィングに類するものを''デモ内で説明している''為。これも映画的演出を取り入れたが故の弊害であるが、そのムービーが''無い''ミッションもある為あまり褒められた物ではない。いきなり「ロシア軍の基地を守れ」「首相を救出しろ」と言われても困る。 -戦闘ヘリ・ガンシップ・ドアガンナーに出てくるユニット“兵士”が小さ過ぎる。ガンシップの敵兵以外はカーソル付だが、戦闘ヘリ・ドアガンナーの兵士のカーソルも小さ過ぎる為大して意味が無い。特に戦闘ヘリでは多数の敵兵がばらばらになって現れたりする上にミサイルはロックしてくれない為機銃でちまちま倒して行くしかなくいらいらする。『X2』では戦闘機でさえミサイルで倒せたと言うのに…。 -HUD表示が簡略化。自機の耐久値やロックしている敵の情報などが表示されない。特に自機の耐久値に関してはプレイの快適さに支障が生じる。過去作では表示のオンオフ切替ができてたのに…。 --耐久力が減ると画面に「LIGHT DAMAGE」「HEAVY DAMAGE」「CRITICAL DAMAGE」と段階的に表示され、これがある程度の目安になる。画面の赤具合や自動回復もあるので目安程度で十分という考えもできるが、前述の通り“エース”の場合は回復しない為''やはり表示切替は必要''だろう。 -DLCなどの追加機体はフリーミッション・オンラインで使う事ができるが、“キャンペーン”では自由に使用できない。何故このような仕様にしたのかが謎。 --「フリーミッションでできるからいいじゃん」と思うかもしれないが、フリーミッションは''“キャンペーン”中のデモがカットされる''のである。“キャンペーン”の見所が全て台無しになってしまっている。 ---シリーズの他作品で例えると、緊迫感のある敵エースや超兵器の登場シーンなどがカットされていると考えると分かり易いかもしれない。当然プレイヤーは肩透かしを食らう事になる。 -おなじみの離着陸はあるのに''空中給油が無い''。終盤では「''(空中)給油機の位置をくれ''」という台詞まであるのに何故? --では今回給油機がどこに出てくるのかというと、ミッション2冒頭で墜落する。以上。ちゃんとグラフィックがあるだけに何とももったいない。 -特定のデモシーンで、スティックをニュートラルにするとミッション中と同様視点が正面中央に戻るのがある。その為場合によってはスティックを倒す力加減が必要で、前述の給油機墜落などがちょっと見辛い。 --この問題点自体は旧作からあるものだが、やはりデモシーンなのだから視点を固定したほうがプレイヤーにとっては見やすい。 -据え置き機版恒例のフリーフライトは無くなってしまった。美麗なグラフィックで描写された現実世界をじっくり堪能できなくなってしまった事には残念という他ない。 -メダル(勲章)、アサルトレコードといった収集要素はオミット。 --代わりにスキルが登場したが、オンライン対戦限定でしか効果を発揮しないスキルもある。また、オンラインをプレイしなければ入手できないスキルもある。 ***登場兵器・兵装などの問題 -本作の重要なキーであるトリニティの脅威感が薄い。旧作でのミサイル・爆弾系架空兵器といえば、空母艦隊を瞬く間に沈めた散弾ミサイルや航空部隊を容易く葬り去ったSWBMなどがあるが、それらに比べてトリニティの恐ろしさがあんまり伝わってこないのだ。もう少し猛威を振るう描写が在っても良かった所か? --確かにトリニティはヘリ部隊を壊滅させたり、モスクワを吹き飛ばしたりしているのだが、それ程の威力にも関わらず至近距離での爆発に遭遇したウォーウルフ隊やシューター隊は無傷だったりする。ゆえに兵器の威力、そしてそれに伴う脅威に違和感を覚える。 --実際、序盤のミッションで目前で爆発するのだが、作中で語られる程驚異的な威力には見えない。ついでにミッション中とムービー中とでは描写から見て明らかに威力に差がある。 --描写としては「残留放射能のない核兵器」といった所。現実世界とのマッチングを重視したのであろうが、上述の威力不足描写ばかりが目立ってしまっている。特に「撃墜しても大爆発を起こすがその場合に限り被害はない」というのはご都合感抜群である。 -ガンシップ・ドアガンナーはオンライン対戦で使えなかったり、ミッションが1回しかない((ドアガンナーは厳密には2回だが、最初の方はフリーミッションでプレイ出来ない事からミッション扱いではないようだ。))など、扱いが悪い。この2つの場合機体そのものを自由に操作できる訳ではない為「自由度が低い」と言われる要因の1つでもある。 --特にドアガンナーは既に『タイムクライシス4』で似たような事をやっている事もあり「ガンシューティングでやれ」とよく言われる。 --ガンシップはガンシップで「赤外線画面のせいで見辛い」「120mm迫撃砲は視界が広過ぎて分からない」「25mm機銃は逆に近過ぎて分からない」「故に頻繁に切り替えを余儀なくされるが初見では策敵が間に合わず失敗しやすい」「味方はマーキングされるのに敵はマーキングされないので余計敵がどこにいるか分かり辛い」「SAMがバンバン飛んでくるのにフレアの一つも無い」「後半になると画面揺れが激しくなりスクロールが早くなる」など評判が悪い。 ---ガンシップは頑丈な上に自動回復もあるのでミサイルの集中砲火を食らっても強引に突破できるのが救いだが、“エース”の場合は回復しない為「敵ミサイルの出現位置を完全に把握しやられる前にやる」という''覚えゲー''になる。覚えゲーが悪いという訳ではないが、少なくとも『エースコンバット』には求められていない要素だろう。 ---赤外線画面で分かるだろうが、そもそもガンシップは専ら夜間に任務を行う機体であって''制空権が確保されていない真っ昼間に堂々と飛行するような機体ではない''。軍事小説家まで招いていながらこんなミッションをさせるのは如何なものか? -前述のAAMなど一部の特殊兵装が使い辛くなっている。AAMで分かり易く説明すると、これまでの作品ではターゲット1つに対しマーカー1つでミサイルを連射する事により全て当てる事ができたが、今作ではミサイル1発につきマーカーが1つずつロックオン、全てターゲットに合わせて一斉発射するという方式に変わった。つまりマルチロックに時間が掛かる様になったのである。お陰で''マルチロック中に何度も蜂の巣にされる''。 --また、ミサイルはロックしていなくとも一斉発射する為中途半端にロックするとしなかった分まで発射、当然ロックしてないのでそれらはまっすぐ飛んで行く。気にしなければ良いが、無駄撃ち感が否めない。そもそも無駄撃ちした物が味方に当たる可能性もある。特殊兵装なのに特殊過ぎて使い難いというのは如何なものか。 ---「4発or6発の一斉発射で弾数1消費」という仕様になり、結果的に総弾数は増えたのだが…。 ***オンライン・DLC -オンラインにおける問題点として槍玉に上がるのは「チームデスマッチ」が無い事だろう。その為本来は戦闘機と攻撃機の連携が必須の首都攻防戦をチームデスマッチ代わりに参戦するプレイヤーが続出した。『6』にはあったのに何故無くした? -「バンナムゲー」の例に漏れずDLC(ダウンロードコンテンツ)は高額。追加機体は1機720円~960円もする。やはりというかこの価格設定に憤るプレイヤー多数。“東京”も1800円(1200MSP)も出して購入するかどうかはプレイヤーの判断次第である。 --新規機体や新規カラー、新規スキルは続々と配信されているものの、『6』にもあった新規ミッションの類が未だに配信されていない。機体やカラーが悪いという訳ではないが、いくら揃えてもやる事が一緒である為その内飽きてしまう。 --懲りずに“痛戦闘機”をまた始めた。やっぱり高額。とは言え痛戦闘機自体は賛否両論であり、「安ければいい」という人も多い。が、如何せん高額である…。 --バランスブレイカーに成り得る強力なスキルをDLCのみで配信してしまった。オンラインが可能なゲームでは致命的である。スキルなので飛行機の様に「眺める」という楽しみも無い。 --また、「オンライン強化パック」という名目で新マップ・新機体をまとめたDLCを販売(先の“東京”もこの中に含まれる)。その結果、DLC購入者と非購入者の二極化によって過疎化が一気に進む事に…。前述の通りマルチプレイをごり押ししている割に、オンラインの過疎化を助長してどうするのだろうか。 ---しかも、同梱されている『6』の架空機“CFA-44ノスフェラト”が『6』同様ADMMとEMLが強力すぎてバランスブレイカーとなってしまった。“東京”や“ホノルル”で遊べるプレイヤーは同時にCFA-44を持っているという事であり、同マップではADMMとEMLの嵐が吹き荒れる事態に(一応オンライン対戦用に調整されてはいるが、それでもEMLは敵を一撃で撃墜しうる性能を持つ)。 ---ただしCFA-44に関してはマルチロール機の高ランク機体をホスト側で使用不可にすれば使わせないようにすることは可能。しかし、高ランク機体の中にはラファールやPAK-FA等も含まれるため、どうしてもこれらの機体を使いたければプレイヤーの良心に任せるしかない。 **総評 -結果的に万人に受け入れられたとはいかず賛否両論となり、新機軸として評価できる点は多くあるものの、「調理不足」感が否めない出来となってしまった。これではシリーズファンの大部分が「''Rebirthしない方が良かった''」という結論に至るのも仕方ないだろう。 --ストーリーや設定・ミッションなどは確かにリアリティを追求しているが、寧ろDFMのジェットコースターや機体の自動回復などリアリティから乖離している要素も多く、本当に旧来の要素を犠牲にしてまでリアリティを重視するつもりがあったのか疑問が残る。 ---「映画的」という観点から考えても、『5』などと比べると見劣りしてしまう。 -上記の問題点から旧作の作風やシステムに慣れ親しんだ古参ファンは容赦なくクソゲー扱いしている場合が多く、シリーズ作品としては歪な「''ファンにオススメしてはいけない''作品」となってしまっている。 --否定派の大半は“従来のシステムが大きく変えられてしまった”事に不満を持っている為「『エースコンバット』ではなく新規作品だったら評価できた」という意見も。 ---「エースコンバット」の名が付けられた事が問題となった作品に『3』の前例がある為、ある意味『3』の再来と言えるのかもしれない。 --だが「''『X2』『AH』のいいとこ取りをすればいい''」なんて声もあり、実際磨けば光る部分も多い為システムを更に発展させた次回作に期待が寄せられる。 ---…と思いたいのだが、公式サイトのスタッフコメントによると元々本作は2年前、バンナム上層部に「''エースコンバットはもう必要ないのでは?''」と宣告され、一念発起したACESが起死回生を狙い開発した物だったらしい。が、その結果がコレである為、ファンの間では「''このままじゃ上層部に見限られてしまうのでは…''」とシリーズの今後を不安視する人も少なくない。 ---『X2』『AH』共に現実世界を舞台に新機軸を大々的に打ち出した結果不評を受けてしまったが、次に発売され、従来路線のままであった『3D』は僅かな批判はあるものの概ね好評というのは、何とも皮肉な話である。勿論問題があるのは世界観ではなく作り手の方なので、「''現実世界に罪は無い''」と言えるだろう。 ----
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