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MOTHER3 - (2012/06/01 (金) 09:45:01) の最新版との変更点

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*MOTHER3 【まざーすりー】 |ジャンル|RPG|&amazon(B000093OLW)※ぼったくり業者に注意!| |対応機種|ゲームボーイアドバンス|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|任天堂、東京糸井重里事務所、ブラウニーブラウン、ハル研究所|~| |発売日|2006年4月20日|~| |価格|4,800円(税込)|~| |分類|''賛否両論ゲー''|~| |ポイント|前二作とはまったく異なる世界観&br()重いストーリー&br()人によって良作か黒歴史の汚点かの評価が真っ二つに分かれる|~| |>|>|CENTER:''[[MOTHERシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/587.html]]''| #contents(fromhere) ---- **概要 糸井重里氏が手がけ、コアなファンが多いことで知られるMOTHERシリーズの最新作であり最終作。キャッチコピーは「''奇妙で、おもしろい。そして、せつない''」。~ シリーズはこれで完結とされており、糸井重里氏自身も「ほぼ日刊イトイ新聞」にて次作はないと述べていた。((「NINTENDO DREAM」2006/8月号で糸井氏は「誰かから『4』をつくりたいんだけどって言われたら、俺、「いいよ」って言っちゃうかも(笑)。」「『MOTHER4』があったら(プレイヤーとして)やりたいねえ。 」などのコメントを残しており、任天堂の他チームによる開発・発売の可能性は残っている。ただ「糸井氏全面監修」の可能性は前述の通り極めて薄いと思われる。)) ---- **発売までの経緯とユーザーからの評価 当初はSFC用ソフトとして製作が始まった。その後N64にプラットフォームを移して開発が進められていたが、様々な要因が絡み開発は見送り、発売中止に。~ その後ようやくGBA用ソフトとして開発が再開し、発売となった。そのために''日本一難産だったゲーム''とも呼ばれている。~ タイトルも『MOTHER3キマイラの森』→『MOTHER3怪奇生物の森』→『MOTHER3豚王の最期』→『MOTHER3』と何度も変わっている。~ 本作をクリアした人なら、それぞれのタイトルの意味が理解できるだろう。 12年ぶりのシリーズの新作、ファミ通レビューにおけるシリーズ最高点(プラチナ殿堂)、柴崎コウをCM起用しての力の入ったプロモーションと、~ ユーザーの期待は否が応でも煽られることになった。一度開発中止が公表された際は多くのファンが本作のリリースをあきらめかけたため、~ 本作の発売は大きな喜びを持って迎えられた。そのような経緯から、本作はファンの期待が相当に大きいものであったため、~ ''かなりシビアに評価をされる傾向にある''ことを留意してほしい。 ---- **特徴・新要素 -ストーリーについて --前作までの近現代アメリカ風の世界観ではなく、世界に一つしかない「ノーウェア島」というファンタジーのような世界での冒険。((主人公の両親の呼び名が「おとうさん」「おかあさん」、地名「タツマイリ」「オオウロコ」など、名詞に日本的な要素が取り入れられている)) --シリーズ独特の「糸井風」なセリフまわしやキャラクターは健在だが、本作では特に重いストーリーが展開される。 --前2作と比べ、登場人物一人一人の描写に凝った作りになっているのが伺える。 -戦闘システムの新要素「サウンドバトル」 --通常攻撃の際、戦闘BGMのリズムに合わせてボタンを押していくことで、通常攻撃の攻撃回数を増やしてダメージ量を上げられるというもの。 ---最大16HITSで約2.5倍のダメージを与えられる。連続で入力を成功させるほど、1HITあたりの威力は下がっていく。 --戦闘曲は相手モンスターにより変わり、曲ごとの難易度にも落差がある。 --これにより、漫然とボタンを連打するだけの戦闘ではなくなり、飽きにくくなっている。うまく決められれば中々爽快感がある。 --ゲームに必須というほどのものではなく、サウンドバトルを成功させなくてもクリアは十分可能。 --『2』から継承された「ドラムロール式パラメータ」との兼ね合いについて ---致命的なダメージを受けた場合などは、サウンドバトルを長々と狙うよりも迅速な回復を優先したり、あるいはボタン連打で手早くターンを回して通常攻撃を連発し、捨て身で攻撃し続けたほうが良い場合もある。 -『2』から継承された「ドラムロール式パラメータ」の改良 --ドラムロール式パラメータの詳細については[[前作の項>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/75.html#id_c0a25cbb]]を参照。 --ドラムロールの仕様は前作と少々異なり、''受けたダメージが回復量を上回っている場合、その差だけ減少する''。つまりたとえ回復してもある程度減少が続く場合がある。より正確に言うとダメージ計算は先にされており、現HPからダメージ分を引いた値に回復量が加算された形になる。例えばHP150で300のダメージを受けた直後にHP120回復した場合は120まで回復するが、HP300でダメージ290を受けた直後にHP120回復すると、回復した時点でのドラムが200だった場合、(300-290)+120=130となり、130まで減少し続けてからストップする。 -「サウンドプレイヤー機能」の導入 --ゲーム中の殆どのBGMを自由に視聴できる機能。複数の曲をリストとして登録して、まとめて聴いたりすることもできる。 --サウンドプレイヤーの総曲数はなんと「250曲」。 ---曲数が膨大な理由は、「サウンドバトルのためにリズムが変更された曲」をそれぞれ別々の曲として数えているから、というのが大きい。 --本作は旧作同様BGMの評価が高く、名曲(「ブッコワシ賛歌」「いわれなきリベンジ」など)も多いのでファンとしては嬉しいところ。 --プレイヤーとしての操作性もかなり良好。 -「たたかいのきおく」と呼ばれるモンスター図鑑が追加された。 --敵に後ろから接触することなどで見られる「敵の後ろ姿」は、それを確認しない限りたたかいのきおくには登録されないので、全ての敵の後ろ姿を登録するというコンプリート要素がある。 &br() ---- **評価点 ***ストーリー面 -非常に重い部分もあるが、そういった鬱の部分は本作の持つ顔のひとつに過ぎない。 -死してなお息子2人を支え続けようとする母の愛、ダスターとウェスの不器用な親子関係、DCMCメンバーの絆、シログネ山でのエピソードなど人の優しさや、人と人との繋がりが描かれる場面が多く、そういった部分に共感するプレイヤーは多い。 -敵役であるブタマスク軍団なのだが、序盤は完全な悪役として描かれているものの、中盤以降は人間味あふれる姿で描かれている場面も多く、敵も自分と同じ人間であるとプレイヤーに感じさせる。 &br() ***前作からの進化 -キャラクターの動きおよびグラフィックのパターンが多彩になり、滑らかにアニメーションするようになった。 -敵キャラのグラフィックのバリエーションが増えた。 --フィールド上の敵シンボルは、殆どの敵に個別のグラフィックが用意されている。 --殆どの敵は、戦闘画面でのグラフィックに「後ろ姿」が追加された。敵シンボルに背後から接触すると、後ろ姿の敵と戦闘開始になる。 -いつでも走って高速移動できるようになった。 -ストーリー進行に関わる重要アイテムは、通常アイテムとは別枠で管理されるようになった。 -預かり所で預かってくれる数が大幅に増加した。 -ダンジョンマップが見られるようになった。 -戦闘中にPSIやアイテムの簡単な説明が表示されるようになった、必要がないときは閉じることもできる。 &br() ***サウンド -音楽の質はGBA最高峰とも言われる。 -上述のバトルとの絡み(手放しに褒められる物でもないが)やサウンドプレイヤー、収録曲数なども含めて完成度は高め。 ---- **問題点・賛否両論点 ***ストーリー面 本作で一番賛否両論となっている部分である。 -終盤でのストーリーの性急さが目に付く。 --特にそれが顕著なのは、ゲーム最終盤で島の住民に関する非常に重要な設定が明かされる場面なのだが、その設定が今まで大した伏線も張られていない部分から出てきており、内容も非常に難解。 --開発当初はもっと主人公が多く、全12章構成の予定だったものが最終的に全8章構成になったためか。 --ちなみに一部のユーザーからは、GBAの容量不足の問題でこうなったと思われているが、実際には64での開発中にすでに8章に組み直されていた。 ---というのも糸井氏の構想があまりに壮大だったため、ゲームでの完全実現は無理だと判断したとのこと。 ---糸井氏も「シナリオを本にして出したらどうだ」などと言われたと述べている。 -ストーリーや人物描写に粗が見られる。 --ゲーム開始時点では「つよくてやさしいたよれるおとうさん」とされる主人公の父親のフリントは、肉体面はともかく精神面はそれほど強くはなく、劇中では息子にとって頼りになる存在というような描写も特にない。 ---妻のヒナワが死んだのを知ったときに取り乱し、なだめようとした村人に八つ当たりする。その後、フリントが平静を取り戻して落ち着くが、同時にリュカの兄クラウスが行方不明になり、3年も捜しに出かけ続けるばかりで、村人の多くに蔑まれ、残ったリュカの面倒を蔑ろにしているように見える。 ---ちなみにクラウスの行方は早い段階でプレイヤーの大半が気付くか予想できるため、フリントがクラウスを見つけたと発言したときには、プレイヤー側からすると「今更何言ってるんだ?」状態になる。フリント自身はその状況や証拠を知らないから仕方ないのだが…。 --「ゆうかんでりこうないぬ」とされる愛犬で仲間キャラのボニーは、戦闘にて味方に回復アイテムを使用するとき、低確率だが我慢できずにアイテムを自分で食べてしまうことがある。 ---ボニーは素早さが突出して高く、しかしそれ以外の能力は全体的に低いという設定から、パーティ内での役割はもっぱらアイテム係になりやすい。にも関わらずこの悪癖は煩わしい。 ---発生率はたいしたことはなく、一種のお遊び要素として好意的に捉えることもできる。 --第3章主人公のおサルのサルサは悪役組織に人質(サル質?)を取られて嫌々協力・虐待される流れなのだが、人質を助けられる目処が全く立っていない段階で悪役組織に牙を剥いてしまう。 ---序盤の中ボスにもタイマンでは勝てないほど弱いのに、である。3章ラスボスに至っては2人(うち1人がPSI使い)+サルサ1匹がかりでも苦戦を免れない強さで、単純なステータスだけで見ればその差はあまりにも歴然。 -前二作では音楽や歌というものがゲームの中で大きな役割を担ったのだが、今作にはそれがない。 --シリーズ恒例の凝ったライブシーンは本作にも存在する。 -ストーリーの重さが批判されることがある。 --第1章で平和に暮らしていた主人公の一家が、前述したヒナワの死をきっかけにバラバラになってしまう。 ---冒頭で家族団らんのほのぼのとした光景を見せられたあとであるため、非常にきついものがある。 --主人公の故郷であるタツマイリ村はゲーム開始時は通貨がなく物々交換で成り立つ平和な村であるのだが、外部からやってきた人間により通貨が導入され、同時に持ち込まれた「しあわせのハコ」で住民たちは洗脳されてゆき、第4章でその姿は大きく変貌する。 ---そしてそれに抗う人間はカミナリで家を焼かれ粛清されるというおまけつき。リュカもされている。 --敵キャラの設定及びその最期にも重いものが多く、メカドラゴ、ネンドじん、キマイラ、ヨクバ、仮面の男、ポーキーにはそれが顕著にあらわれており、思わず同情したくなるものも。 ---複数の動物を合成した「キマイラ」が本作のザコ敵であるが、まるで子どもがオモチャをバラバラにしてつなぎ合わせたようなデザインをしており(これはストーリーにも関わる要素である)、人によっては「生理的に受け付けない」''「動物虐待」''と感じられるものである。 --前述したように、プレイヤーキャラであるおサルのサルサに対しては''あからさまな動物虐待が行われる。'' --ラスボス戦はほぼイベント戦であり、内容は''「敵の攻撃をただひたすら耐える」''。主人公はラスボスの正体を知っており、それ故に攻撃することができないため。 ---しかしそれも仕方ない、悲しいラスボス戦であるのは事実である。 -トラウマイベントも少なくなく、とくにタネヒネリ島でのイベントはプレイヤーに多くのトラウマを植えつけた。 #region(タネヒネリ島のイベント詳細) -至って普通の島ではあるのだが、ゲーム内でタネヒネリ島に到着する直前のボス戦でリュカたちのHP・PPともに最低値まで低下しており、アイテムも流されているのでまともに戦闘ができず、近くにはボス敵の「ゾンビダケ」が道をふさいでおりそのままでは先に進めない((最初のターンで必ず全体攻撃を繰り出す行動パターンのため、どうあがいても突破できない。))。その状態を脱するには、近くにある毒々しい色をした「お元気になるキノコ」を食べなければいけないのだが… -案の定というべきか、そのキノコを食べると一行は幻覚作用で周囲がまともに見えず、敵が全て「ぶきみなわらい」になる((一定ダメージを与えると元のモンスターの姿が判明するのだが、名前は「ぶきみなわらい」のまま続行する。))。更にフィールド上の敵シンボルが人間になってしまう。 --しかもその敵シンボルはフリントやクラウスといった一行の知り合いに見えるものが多く、発せられる台詞も狂気に満ち溢れている。 -至るところに何故かポストがあり、それを調べると表示されるテキストも狂気に溢れるものばかり。 -島の後半に温泉があるのだが、実はその温泉も幻覚で本当はゴミ池((それでもプラシーボ効果が働いているのか体力は全回復する。ただし、ボニーだけは嫌がって入らないので彼だけは回復しない。ちなみに幻覚から覚めた後に本物の温泉もきちんと用意されている)) -BGMも音程があれで、色調もサイケデリックである。 -この幻覚は人の心の弱い部分や心の傷といった部分が反映されており、キャラの心を容赦なくえぐってくる。 --そのため、キャラに感情移入している人だと泣いてしまうこともあるとか。またストーリーをきっちり理解していると敵シンボルの発言の意味も理解できるため、中には悲しく感じられるものも。 -ファンの間では『2』のムーンサイドと比べてどちらがアレかという議論も度々行われるが、その方向性は逆である。 --ムーンサイドが理解できない不気味さ、タネヒネリ島は人の心の内面に触れその闇を暴くものである。 #endregion -そしてエンディングは今までのゲームにはなかった非常に異質なもの。 --CMなどでは泣けると流布されているものの、プレイヤーの視点や感受性に大きく左右されるため、泣ける人間は泣けるが、泣けない人間はポカーンとするだけである。 --EDについて詳しい描写は避けるが、キャラクター達が「助かった」「救われた」と言っている場面そのものを&bold(){プレイヤーは見る事ができない}。どうとでも受け取ることができるため、本当にハッピーエンドになったとも、あるいはキャラクター達が&bold(){そう思っているだけ}とも取れる。 -説明不足な部分が多く、良く言えば「プレイヤーに想像の余地を残している」、悪く言えば「投げっぱなし」。 --FFシリーズにおけるアルティマニアのような詳しい設定が書かれた書籍などの媒体は出ていないため、糸井氏の発言やプレイヤーの脳内で補完するしかない。 ---また糸井氏自身でさえ、答えを用意していない設定もあるという。 -没にした内容 --内部データには、ある重要キャラクターの大変ショッキングな没グラフィックが残っている(動画サイトに上がっているので興味がある方は見てみよう)。またHAPPY ENDという没ロゴ等も存在する模様。 ---これらや一部没テキストからも、幾多のシナリオ変更の名残が覗える。あるいは当初(元の作品である64時代も含めて)はもっと陰鬱な内容になる予定だったという名残か。 --没にした理由は、CERO指定に配慮したのか、糸井氏自身の心境に変化があったのかなど、定かではない。 ---途中の幻覚シーンは製品版でも充分気持ち悪いのだが、CERO指定に配慮する前はもっと酷かったという。 ---また64の段階では、『2』までの世界と思しき過去の世界の崩壊の様子がしっかり描かれていた。 ---64・GBAともに『2』の主人公ネスを操作できる場面が用意されていたが、製品版では友情出演程度に留まっている。 &br() ***ストーリー面以外 -前二作と比べてボリュームは薄め。平均クリア時間は20時間ほど。 --その大きな原因はマップと冒険のスケールにある。前二作ではそれこそ世界中を旅する勢いで冒険していたのだが、本作の舞台はノーウェア島という小さな島であり、そこだけでストーリーが進んでいくため、どうしてもボリュームに欠けてしまう。 --本作の世界ではこのノーウェア島しか残っていないとされているため、厳密に言えば世界を旅しているとも言えなくもないのだが、やはり過去作と比べるとスケールを小さく感じてしまう。 --それに加え、第3章までは各章の主人公を代わる代わるプレイしそれぞれの視点を追いながら話が進むため、プレイしてからしばらくの間、あまり変わり映えしないマップの中でプレイすることになる。また、味方のPSI使いはクマトラが2・3章のそれぞれ終盤にゲスト参戦気味に出てくるだけなので、PSIを主力に使えるのは4章以降である。 -最終章でノーウェア島とは別の場所にあるニューポークシティという場所に行くのだが、そこに着くと、ノーウェア島には''戻れない''。 --前作でもラストダンジョンに入り、その中でセーブしてしまったらクリアまで元の世界には戻れないという仕様があったものの、そのラストダンジョンはあまり長いものではなく、しっかり準備をしていけばラストダンジョン進入後はセーブしなくても十分にクリア可能であるのと、そうでなくともバグ技を使えば元の世界に戻ることができるため、それほど気になるものではなかった。 --しかし本作はそういった仕様ではなく、ストーリーが最終局面に進んでからゲームクリアまではそれなりに長い。 -サウンドバトル --入力タイミングが割とシビアで、曲と人によってはほとんど成功できない。そのため、誰でも楽しめる要素ではない。 --BGMを聞かなければできないため、公共の場でプレイする場合にイヤホンが必要になってくる。どこでもプレイできる携帯機の特長と微妙に噛み合っていない。 --攻撃力の高い強敵との戦闘ではサウンドバトルを狙いにくく、戦闘が長引きがち。 ---基本的にHPに余裕があるときでないと、サウンドバトルは狙えない。 ---強敵との戦闘では、サウンドバトルのためのリズムが非常に取りにくいBGMが流れるため、サウンドバトルを成功させにくい。 -何故かサウンドプレイヤーに収録されていない曲もある。ニューポークシティの映画館の曲がその一例。 -「たたかいのきおく」をコンプリートするのが困難 --敵シンボルに後ろから接触するのは難しく、戦える期間が限られている敵も多い。 --ストーリー上、行く必要がない場所でしか戦えない敵も存在する。 --大半が敵組織に改造された敵であるため、集める過程で精神的に辛くなりやすい。 ---説明文も軽い文体で書かれているものの、よくよく考えると随分かわいそうなことが書かれていることも多い(特に改造生物系)。 -全体的にアイテムの種類が少ない。 --前作と前々作にあった、能力を上げてくれるアイテム・味付け小物((食べ物アイテムに勝手にふりかける調味料アイテムで、相性が良いと本来のHPやPPの回復量を倍にしてくれる。))は全面リストラ。 --前作はPP回復アイテムが買えたが、3では宝箱やスロットや敵のドロップ等でしかPP回復アイテムを入手できない。 ---回復力もケーキの50が最大で、入手できたときのリュカやクマトラの最大PPと比べるとショボく感じてしまう((前作は80、味付け小物のシステムを利用すれば160まで回復できた。))。 --前作はHP全体回復アイテムやHP・PP同時回復アイテム「さとりのべんとう」もあったが今作ではなく、1から存在した気絶してない状態での味方のHPを全回復するアイテムも本作ではなくなり300~400位回復するアイテムはあるものの、気絶回復のアイテム(しかも同時にHPを全回復)より高い。 --1や2に存在した、パンくずやテレポートといった長距離の移動を快適にする要素が存在しないので、遠出したい時に手間がかかる。 ---例えば、ダンジョンやイベントをクリアして話す内容が変わっているかどうか村に戻って聞きに行こう、または○○だけで売ってるアイテムを買いに○○に行こうということが容易ではない。 ---一応ダンジョンをクリアすると、村に簡単に戻れる移動手段を用意してくれるところはある。 --過去2作品と違い、一度に相手する敵の数が3体までと少なくなっているので、全体攻撃するアイテムや特技を使うのがもったいなく感じてしまう。 ---3体以上襲ってくるシチュエーションもあるが、4体目以降は待機していて、敵が倒されると補充に入るシステムなので実際に同時に戦えるのは3体ずつ。 -過去作から退化した部分 --フィールドマップ描写が平面的になった。 ---2までは斜投影図((トップビューとクオータービューの中間の手法。真正面から見たオブジェクトを基準に斜め方向に奥行きを形成することで立体感を演出する。『2』では完全なクォータービューで描かれているマップも一部ある。))で描かれていたため立体感のあるマップになっていたが、今作ではポケモンのようなトップビュー視点になった。ここは別段、批判されるべき点ではないのだが、MOTHERらしいグラフィックの特長とも言える点でであったため、残念がる人も多かった。 --2にあったアイテム管理を補助するシステム(道具屋の看板、エスカルゴ便)が存在しないので、その点ではアイテム管理の柔軟性は2よりも劣化している(特に預かり所自体がない1~3章と8章の後半は、アイテム管理に注意する必要がある) --セーブデータを2つしか作ることができない。 --2にあったヒント屋や写真撮影やホテル宿泊後の新聞読み上げサービス等のカット。 --3でも主人公の好きな食べ物を設定できるが、その内容によってはおかしなことになる場合も((例えば、「ハンバーグ」と設定した場合、ある看板を調べると「ハンバーグのなえ」などというメッセージが出たりする。))。 ---1や2でもこの設定が利用されている箇所があるが、メッセージはごく普通のものである((ホテル内にあるレストランのオススメメニューの看板など。))。しかし、3においては妙な表現がちらほら見られるため、人によってはかなり気になる点であろう。体力を全快させる温泉の存在もあってか、主人公がその好きな食べ物を食べて、体力を取り戻すというお約束のパターンもない。 -バグ・不具合 --セーブデータを「うつす」と、PSIの覚え方がおかしくなるバグがある。 --セーブはカエルが担当する。しかし、とある場所において、そのカエルと周囲のオブジェクトに挟まれて、身動きが一切取れなくなる危険性をはらんでいる地点がある。 --些細なことであるが、第4章以降においてカエルの台詞が、「ごようですね?・はい ・いいえ」→「セーブですか?DPかんけいですか?・セーブする ・DPかんけい」と2度に分けて選択肢を表示しているため、これらを利用するときにちょっと面倒くさい。メッセージウィンドウが2行表示なのでそれが理由かもしれないが。 &br() ---- **総評 良くも悪くも''プレイヤーの感性に全てを委ねているゲーム''と言えるだろう。~ システムやバランス自体は悪くない。しかし、シナリオ面において''万人受けするゲームであるかと問われればノーである''。~ 本作に込められたメッセージを素直に受け取れる人には良作と感じるだろうが、そうでない人には今一つの凡作にしか感じられないだろう。 ---- **俗評 -ネット上でも本作の評価は賛否両論で、様々な意見が見受けられる。 --暗い雰囲気と重いシナリオから鬱ゲーと評されることも。 --「『MOTHER』という名を冠してしなければ…」「『MOTHER』として見なければ…」という意見もちらほら見られる。 --本作を黒歴史としているファンもおり、「はやくMOTHER3出ねえかなあ」とネタにする声も聞かれる。 --公式の「4はない」発言と、容量の都合で削られた章やストーリーがあることなどから、本作の完全版を求める声も多い。 -『MOTHER』らしさとは何か --『MOTHER』というタイトルとファンの大きすぎる期待を背負い、大作を宿命づけられた本作のゲーム内容は、旧来のファンが求める『MOTHER』とはズレたものだった。 --1はポップな外見ながら陰鬱な要素も多く含んだシナリオであったため、本作の内容は、ある意味では正当な先祖がえりとも言える。 --2の全体的にカラッと明るい印象や、広い世界といった作風が、余計に本作の足を引っ張っている側面も((誤解なきよう言っておくが、2にも陰鬱な要素がないわけではない。ただそういった部分の表現が今作や1のように直接的なものではなく、間接的なものとなっているため明るいという印象が強いのである。))。 ---こちらの方が新しく、かつ普及率も高いタイトルのため仕方ないとも言えるが。 ---本作ではストーリーの重要な登場人物や演出にかなり『MOTHER2』との関連があるため、そのことも比較される一因と考えられる。 --本作のキャッチコピーである「''奇妙で、おもしろい。そして、せつない''」は、良くも悪くも本作をよく表している。 --本作がはらむメッセージにも明確な答えがあるわけではないので、プレイヤーの受け取り方に全て委ねられている。この点はシリーズ全体にも言える。 &br() ---- **余談 -公式HPなどを確認する限りでは、本作は親子愛がテーマのほのぼのとした物語としか感じられないが、実際は上記のように鬱な展開が多い。意表をつく意味もあったのかもしれないが、それにしても色々な意味で予想を裏切られたユーザーのショックは計り知れないものであったろう。 -ちなみにTVCMで柴崎コウ氏が序盤の展開のネタバレをしてしまっている。 //あってるよな? ---- **その後の展開 -本作の主人公のリュカが『[[大乱闘スマッシュブラザーズX>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/382.html]]』でプレイヤーキャラとして参戦した。 -2009年12月9日から配信したニンテンドーDSiウェア『かっぱ道』で、本作に登場した「さんそ補給マシン」と「ブタマスクのお面」などがゲスト登場している。 //-メイン舞台となるタツマイリ村はゲーム開始時は通貨がなく物々交換で成り立つ古きよき平和な村であるのだが… //--ゲームを進めていく上でその姿が豹変する。村の外から来た人間が通貨を導入したおかげで大きく近代化し、それを受け入れず、以前の生活を営んでいるものの家には雷が落とされるという敵組織による独裁政治。 //--しかし大半の村人は洗脳され、それを当然のこととして受け入れている。そして敵組織のもとで働き、お金をいっぱい得、もっといい幸せを求める村人たち。 //---ちなみにこのおサルさんは最終的なプレーヤーキャラにはならない……何のために出てきたのだか。 //-そんな敵キャラのなかでもっとも重い設定を持つのは敵の首領(厳密に言えばラスボスではない)のポーキー。前作から引続き登場するキャラであり住民を洗脳し、島に生きる動物たちをキマイラに改造する悪人なのだが、その設定は… //--幾多の空間と時間を渡り歩き行く先々で追いやられ続け、時間移動の末にノーウェア島に流れ着く。時間移動を繰り返した結果普通に歳をとることができず、自力で動かせないほどに老衰した不死の肉体に自制心の欠落した子供の心が収まりバランスを欠いた状態に成り果てているという、非常に重たいもの。 //--その最期(?)も非常に重い。これは自分の目で確かめて欲しい。 //---また、没データによると「ポーキーが乗っていたカプセルが壊れ、ポーキーが痙攣しながら死亡する」と思しきドット絵も入っている。youtubeに動画があるので、気になった人は見てみるといい。 //結局、全部自業自得だがな>ポーキー //↑同感 //---さらに前作にあった、「主人公の隣人に過ぎなかったポーキーが何故悪に染まってしまったのか」という疑問に対する解答が今作で示されることはなかった。 //しかし、いろいろ考えさせられるシーンはある。ネスのものと思われるヨーヨーを(その部屋は散らかっているにもかかわらず)わざわざケースに飾って保存していたり、ニューポークシティの食堂で働いているロボットが彼の母親そっくりであったり。 ----
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