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ボーダーダウン - (2013/02/16 (土) 03:29:29) の編集履歴(バックアップ)


ボーダーダウン

【ぼーだーだうん】

ジャンル シューティング
対応機種 アーケード
開発・発売元 グレフ
稼働開始日 2003年
分類 スルメゲー判定
ポイント ハードルが高すぎた

概要

火星に正体不明の敵が出現。「F・A」と名付けられた敵は、火星連合に多大な被害を与えた。これに対して、火星連合の戦闘機“アンタレス”(通称レッドワスプ)が立ち向かうという設定の横スクロールシューティングゲーム。全6面。ストーリー展開上、前半3面はシミュレーターでの演習、後半3面は実戦となる。

8方向レバー+3ボタン(ショット、ブレイクレーザー、スピードアップ)で操作する。

ショットボタン押しっぱなしで前方にメインショットを、ショットボタン連打で威力は低いが敵を追尾するフルレンジショットを発射。

画面下には、ブレイクレーザーの残使用表示とパワーアップゲージを兼ねているレーザーレベルゲージがあり、このレベルによって自機のショットパワーが5段階に変化する。

  • ゲージが多ければ多いほど自機のショットは強力になり、ブレイクレーザーも長時間撃てる。ゲージは時間経過、敵の破壊、アイテム取得で回復する。
  • ブレイクレーザーは威力が高く、敵の弾を破壊でき、さらには発射直後から最大4秒間無敵になるが、ボタンを押して発射している間は ゲージが減り続ける。ゲージが減ると当然パワーダウンとなり、自機のショットの威力も下がり、敵を倒すのが苦しくなる。
  • よって、気軽に使えるものではなく、敵の出現パターンを覚えて計画的に使う必要がある。
  • 敵にはブレイクレーザーを撃ってくるものもいるが、こちらもブレイクレーザーで対抗する(押し返す)ことが出来る。その時のエネルギーのぶつかり合いの演出はまるで「ドラゴンボール」の元気玉のようでかなり派手である。
  • ブレイクレーザーとパワーアップのトレードオフは『メタルブラック』のショットパワー、ブレイクレーザーでブレイクレーザーを押し返すギミックは『Gダライアス』のαビーム合戦、敵弾・敵の破壊による得点倍率増加は『レイクライシス』のラウンドディバイダーと、意図したかどうかは不明だがタイトーの過去作品からのオマージュが数多く詰め込まれている。

本作は残機と難易度選択を組み合わせた独特のゲームシステムを持つ。

  • ステージをプレイする前に、難易度設定を兼ねたボーダーを選ぶことになる。上から順に、グリーン(初心者向け)、イエロー(中級者向け)、レッド(上級者向け)となり、初期の難易度が異なる。
  • ミスすると1段下のボーダーに移行、すなわち「ボーダーダウン」(グリーンならイエローに、イエローならレッドに)する。レッドの時にミスをするとゲームオーバーになる。
  • すなわち、最初にグリーンを選べば2ミスまでは、イエローを選ぶと1ミスまでは許されるが、レッドを選ぶと、1ミスするだけでゲームオーバーになる。

ステージ内にはノルマが設定されており、ステージクリア時に獲得した得点がノルマを上回っていると、1段階上か下のボーダーを選べる。ボーダーがイエローかレッドの場合は1段階上に上がる事が出来るので、実質上のエクステンドとなる。

ゲームの難易度はどのボーダーだろうが時間経過でどんどん上がっていく。グリーンで初めても、ノーミスでプレイし続けると難易度はとんでもなく上がるので、プレイヤーは適当な所でミスをし、ボーダーを下げる事が求められる。『バトルガレッガ』のオマージュのように見えるこの仕様だが、ゲームをクリアする上でノルマクリアを狙うのは必須である。

  • 高得点を得るには、ブレイクレーザーで大量の敵と敵弾を破壊し倍率を上げておいてから高得点の敵を破壊する、ボス戦ではタイマー表示±0付近でボスを破壊する、などの方法がある。

BGMは『レイストーム』のような雰囲気を受ける。担当は渡部恭久。月刊アルカディアの第4回アルカディア大賞において、他の年はBEMANIシリーズが常連であるベストVGM部門を受賞するなど、評価は高い。

問題点

ミスをすると1段階下のボーダーへとボーダーダウンされ、復帰ポイントからゲームが再開される。グリーンならイエローに、イエローならレッドに移行するので、ゲームの難易度が上がったかのように思えるが、この時はゲーム内で設定された難易度が大きく低下するため、「ミスをするたびに難易度が上昇する」というわけではない。

  • 例外的にボス戦と最終面(STAGE6)ではその場復活となり、実質的に残機制となる。
  • ただ、グリーン→イエロー、イエロー→レッドという移行演出は「かえってピンチになって難易度が上がった」と誤解するプレイヤーも少なくはなかった。
  • また、ミスをするとランクこそ下がるが、文字通り「別のステージ」に移るため、展開がガラっと変わってしまう。これが一機も無駄に出来ない緻密なパターン構築を強要することとなった。ゲームに慣れ、そうしたミスを勘案した進行が出来るようになるまでも相当な時間(と投資)がかかる。
    • ”文字通り「別のステージ」に移る”顕著な例が3面。イエロー・レッドでは超高速スクロールになるため、普通の横シューな感覚のグリーンとは雰囲気が全然違う。
    • 当然ながら、連続プレイ(連コ)によるやりこみが歓迎されないアーケード環境でそこまでの投資に耐えられるプレイヤーはそう多くない。
    • ちなみに、家庭用版の取説にはランクシステムなどの説明が余すところ無く記載されている。

ゲームの難易度は高い。ボーダーは下のものほど難易度と敵機の得点が高く設定されており、初心者なら比較的安全なグリーン、上級者なら敵機の得点が高く、弾も多く出るので「ブレイクレーザー」で稼げるレッドを選べ、という事なのだろうが、グリーンで始めた状態ですら、1面の中ボスが多WAY弾をバンバン撃ってくる難易度であり、しょっぱなからブレイクレーザーを使うパターンを構築される事を要求される。

  • また、最初にボーダー赤(残機1・最高難度)選択→即ゲームオーバーの流れで挫折するプレイヤーや、ボーダー緑でスタート後ミス即捨てゲーするプレイヤーが後を絶たなかった。

元タイトースタッフが関わってるためか過去のタイトー製シューティングゲームのオマージュみたいなものが所々で見られ、ブレイクレーザーの演出、最終面の破滅的な雰囲気は『メタルブラック』などに通じるものがある。演出的に見るべきものはあるが、強烈に複雑でとっつきにくいシステムや、インストカードの説明不足により客付きはさほど良くなかったようである。また、(例えギャラリーに回ったとしても)演出をじっくりと堪能できないシステムが本作の長所をスポイルしてしまっている点も惜しまれる(ザッピング無しで演出を堪能するためにはおそらく無敵チートが必須であろう)。

稼働現役当時、全般的に取っつきにくいSTGの中でも群を抜いた取っつきの悪さのため、本作を最後にSTGコーナーが消滅してしまう店舗も多く、また本作以降横シュー史に大きな空白を生んでしまう結果となった。評価こそ「スルメゲー」だが、稼働店舗にとってはスルメどころか「サルミアッキ味のガム」である。

移植版

アーケード版の稼働から約半年後、ドリームキャストに移植された。 アーケード版をそのまま移植したアーケードモードに加え、新たなパターンや演出・BGMを追加したアレンジモード、両モードを練習できるプラクティスモードが収録されている。アレンジモードは中型敵を破壊するとアイテムが出現する、全体的に敵の攻撃が激しくなるなど、ブレイクレーザーでの稼ぎが更に熱くなっている。

  • プラクティスモードではステージ開始前にランクの調整が細かく行えるが、アーケード・アレンジモードではランクが数値化されて表示されているわけではないため、想定するランクが割り出しにくくスコアアタックの練習には少々使いづらい。また、最終ステージ(6A~6D)は「ステージ自体がエンディング」という演出意図のため、プラクティスモードで選ぶことができない。ラスボスはどれもとんでもない高難易度なのでそここそ練習が必要なのだが…。
  • アーケード版のステージ1の開幕で、飛び立つ鳥と自機が交差する印象的な演出があるが、移植版のアーケードモードでは鳥が削除されている。これは鳥の演出のないアレンジモードの製作にあたり、アーケードモードから鳥を削除→アレンジモード製作を開始という手順を踏み、そのままアーケードモードの鳥を元に戻すのを忘れたためだという。